自分史的なクリッピング史料

最近乱読中の本に「ニッポンの思想」(佐々木敦著)と「いま世界の哲学者が考えていること」(岡本裕一朗著)がある。勿論内容は哲学的な考察や紹介が多いのだけれど、時折、格差とか差異とかが何なのかを考えさせられる記述がある。何なのだろうか?格差ってどうして生まれてしまうのだろうか?そういえばやたらと早期教育に熱も上がっているなと思い・・・。

2024年2月20日 朝日 早期教育ギモン ➊
2024年2月21日 朝日 早期教育ギモン ➋

➊では、”過度な「投資」子の心身に不調も”という見出しで記事が掲載されている。要は高学歴で高収入な親ほど子どもの早期教育に走りがちという指摘。この指摘自体は多くの人の想定内の所感だろう。早期教育に熱心な方たちというのは40歳前後で子どもを持った人が多い印象だと、小児科医の成田さんは語られている。その理由は時間的余裕の制約もあって失敗できないという思いからだという。ましてや経済的な余裕も大きく、必然的にエンジェル係数は高くなる。また、親には不安定な社会の中で焦りもあると分析。子どもへの最良な教育は幸福をもたらすという思いが強いのだそうだ。子どもの才能を見つけてあげるのも親の仕事だと話す人も多いらしい。

自分的には、もちろん子どもには幸せな人生や生活を送って欲しいと思うけど、過度な干渉が必ずしも子どもにとって幸せとは思っていないし、未だ孫なる存在にも出くわしてはいないけど、やはり最後は自分の人生だから、それぞれが決めたことをやりとげる、そして後悔しない、更には人のせいにはしない、楽しい人生をという態度で物事に対処して欲しいと思う。

我が愚息たちをみると、本人にとっては大事なことで且つ判断に迷った時、たまに相談にくるけど、こちらがこうした方がいいと言うものではないので自分で決めれば良いと少々突き放しぎみに回答することが多い。やはり自分がやりたいと思ったことを応援してあげたい。だからこそやりたいと思ったことを決めるのは本人であって欲しい。

この記事では、生活習慣を整えることの重要さを説いている。まさにその通りだと思う。脳をよい状態にキープするという医学的なコメントも十分理解するけれど、もっとシンプルによく寝て、よく食べ、よく笑いという生活を基調にして欲しい。勿論ハラスメント被害などがあれば、共闘して対処する覚悟はあるものの、そんなもの逃げればいいじゃないかと少々お気楽な解決方法ではあるけど、自分ではどうしようもないことがあれば、逃げるという選択肢を持つことも大事だ。それを他人に委ねるよりも本人自身が決められたら後々得るものもあるはず。愚息たちには、馬鹿正直まではいかなくとも、正直(素直)に生きて欲しいなぁ。

結婚している長男も独身の次男も自らの生活リズムをつかみ、時間的な制約を意識して、有意義な時間を過ごして欲しい。勿論、身の丈にあった金銭感覚で、そして、仮に富豪になってもおごらずという態度を涵養してもらいたい。あいにく今見ている限りでは富豪は程遠い。リズムを大事にすることをポリシーとしながら、色々な課題に取り組んでいけばいいんじゃないか。

次に本日掲載の➋。東北大加齢医学研究所の瀧先生の解説。もともとの研究の中心は認知症予防で脳の健康維持に必要なことは何かを研究されている。脳の加齢は前から進むらしく、最後に発達する前頭葉は考えたり、コミュニケーションを取ったりと高次機能を担っているけど、そういったところから老化が始まってしまうとのこと。

そうした脳の成長順序を知りつつ、子どもの才能を伸ばす最も適切な時期はいつかが分かってくる。視覚・聴覚が発達する0歳児は、図鑑や絵本、音楽に触れさせ始めるのに適している。これは何となくだけどそうなんだろうなぁと思う。3~5歳ごろは、運動野が発達のピークを迎える時期のため、スポーツや音楽には最適らしい。う~ん、偏狭的な教育の匂いがしないでもない。英語、第二言語の学習については簡単に出ないらしい。早ければ早いほどいいというものでもなく、10歳以降の方が効果的であるという報告もあるしと、少々煮え切らない回答。

先生は早期教育のメリットは知的好奇心、興味関心が育ちやすいということは間違いないけど、それを信じる親は過度な期待と偏った情熱を注いでしまい、子どもの本来の姿である適度は睡眠時間や遊びの時間の確保などをないがしろにしがち。瀧先生は「伸びる子を育てるためには早い時期から好奇心を育てあげることが重要」という結論は間違いんくお持ちの様子。

好奇心は、結局可塑的であり深い知識へ到達していこうという意識が強くなるのではないかとの見識。でもこれは今のどの世代にでも通じるもので、閉ざされた30年を生きてきた人たちやその間に生まれた若者層にも大いに好奇心を育ててもらい、新しい資本主義に関与していって欲しいなぁ。とりあえず、2話だけの所感ではあるけれど、早期教育そのものに疑問・懸念を持っているので、このシリーズの前半を追いかけてみた。後半も記しておかなければ。

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