自分史的なクリッピング史料

昨日は、歌手・八代亜紀の訃報があった。自分の世代的なシンボルが去っていった。KANとか谷村新司とか・・・。学生時代、谷村新司のセイヤング(文化放送)を視聴して笑わせてもらったりして・・・。こうした人たちって楽曲などのアウトプットがあって記憶にも残る。羨ましい限りでもある。今日は、新興人物図鑑という記事から。

新興人物図鑑 2017年12月15日 日経 眠る本 社会に生かす

読書が好きだ。勿論Amazonでもブックオフでもリアルなお気に入りの書店からでも自分が読みたいなぁと思う本を買う。でもリアルな書店は身近でも相当な数が姿を消して、情報収集や買い物がてらのリフレッシュに本屋の棚を散策できないのも寂しい。でも若い人にとっては、タイパ的にネットが主流になってしまったのだろうか。周囲の環境によるところも大きいかもしれない。

この記事では、古本ネット売買のバリューブックス(長野県上田市)社長の中村さんに関する記事が。冒頭では大学卒業後、自問自答の時を経てバリューブックスを創業し、社会貢献活動にも力を入れているというリード文がある。

上田市に3カ所ある倉庫には全国から送られてくる本が200万冊。中村さんは学生時代、NYに先輩を訪ね、そこでカメラマンや雑誌編集者、画家などに会う機会があり、彼らには読書が当たり前になっていた様子が書かれている。

その後、就活を断念し、毎日ジュンク堂(新宿)に通いネットでの売買に興味を持った。試しにブックオフで仕入れた(買ってみた)本をAmazonで仕入れ値を大幅に上回る結構な値段で販売できたことでやみつきに。仲間も加わって、仕入先とするブックオフの棚を徹底的に調査したらしい。そして売れ筋を検討して販売する。それでも何万冊(200万冊とあるけど)もの全てが売れ筋とは限らないだろうから、リバイバルする作品があるとは思いつつ一概に判断することも難しい。選書のワザなのか。

まず専門書の買い取りサイトをオープンし、Amazon向けに販売。1年目の売上高が8000万円。(記事掲載当時)10年目にはその売上は22億円までに到達したとある。また「チャリポン」という仕組みを構築し、買い取り相当額をNPOや自治体に寄付されるという社会貢献活動をビルトイン(今でも継続されているのだろうか)。寄付額は3億2000万円。陸前高田市の図書館の再建には約4000万円を寄付したとある。事業の意義が感じられる。

活動の幅は広がりブックカフェや移動図書館・ブックバスなどの運営に広がっているとされている。読書難民がいるのも確かな事実。誰もが自由に読書するチャンスを創出するという目標をオペレーターとして掲げているし、そうした機会の創出はとても重要。一方で書店の衰退などはこれからも続くのかもしれない。何せネット環境になれ過ぎた人も多いので。本にこだわる人の育成でもなく、求められたときの機会を喪失させたくないという気概が記事文末で述べられている。これもサービスのアウトプット化。

チャリティー的な精神も強く持たないと、衰退領域でチャレンジすることも難しいと思うし、本を手で触れる機会を創出することの意義は大きい。一方で年間7万冊超も出版されていく出版業界の事態への対処も必要かなぁとも思う。ロングテール(的な)出版物を否定する必要もないし、個々人の時間という財産は人生と共に有限。選書を書店主に依頼するケースもサービスとしてあるけど、読者サイドでも自らの解決策を模索することも重要になっている。本にまつわるビジネスは本当に難しいと思う。どういう切り方をするかは別にして、広く力を結集して、時代を超える名著を生み出す全体的な雰囲気を作り出せれば・・・。


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