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施術してもらった話


あ、温かい。

いや、熱いのかもしれない。

目元がじんわりと熱くなり、身体全体に広がっていく。


私は今、薄暗い部屋で施術してもらっている。

どこにいて、何をしているのか。

まつ毛パーマ?
整体?
マッサージ?
眉毛サロン?

どれも違う。


レイキ、というものを受けた。
これは、その不思議な体験を振り返る記録である。


レイキって?

もともと全然知らなかったレイキ。
巡り合わせで、知り合った友人が教えてくれた。
霊氣。漢字で見ればわかりやすい。

レイキは、手を当てるだけのシンプルな癒しの方法ですが、心と体の滞りを解消し、幸運体質に導いてくれるとても効果的なヒーリング方法です。

日本レイキセラピスト協会より


そりゃたしかに、胡散臭いし、宗教じみている。占いみたいな、そんな不思議な感じがする。
ふわっとしていて掴みどころのないような。


私は今までに応用行動分析学という、測定可能な指標を可視化し、行動変容の過程を記録することを専門に勉強していた。
性格の影響なのか、学問の影響なのかは判らないが、どちらかといえば、曖昧ではっきりしないことはあまり好きではない。

とはいいつつ、このレイキというのは完全に私の性格とは異なり、オーラや波動、パワーという曖昧さの極みである。

…では、なぜ私が関心をもっているのか?

身近な人の存在と、妊娠出産を通して変わった視点

1つは、今までに数人ではあるが、オーラが見えたり、霊感があったりする友人がいたからだ。

彼女らはいたってそんな風には思えないのではあるが、何か人を見る視点が異なるような、独特の世界でモノを見ているのではないかと考えている。

「お家出るときに、2年前に死んだじいちゃんが玄関にいてね、靴紐結んでたよ。」

「あの人は紫っぽいオーラが見えるの。たぶんあの人は見える人かも。」

「あの神社、人が多くて賑わってた昔はすごいパワーを感じられたけど、今は古くなってパワーが弱くなってる…」

友人たちのそんな言葉を覚えている。
彼女らはこの世界が、人がどのような色に見えているのだろうか。

2つ目は、はっきりしている方が好きとは思っていたが、ときどき曖昧でいいじゃない、という気分になることもあるからだ。

特に、妊娠出産育児の経験から、
"この時は、こう行動する(すなわち決められた行動随伴性に従うこと)"
が難しいことが増えてきた。
加えて、それを達成しようとすると身体的・精神的にキツくなる。
そこから、「まぁ大体でいいか」が増えてきたのだ。

そんな生活を過ごす中で、なんかよくわからんこと、はっきりしないグラデーションの中で生きるのも悪くないなって思い始めたのだ。


だから、レイキを受けてみる

メキシコに来て、そんなパワーを持った人と出会った。彼女は太陽のように明るく、信頼できる方だ。

ちなみに彼女とは本音で話をすることが多く、「レイキは胡散臭い、曖昧で100%信じるのは…」とは思いつつも、どんな効果があるのかと関心を持っているという私の気持ちも知っている。
だからこそ、彼女から施術されてみたいと思ったのである。


そして、なんともフランクにレイキをお願いする形になった。

じゃあそろそろやりますか〜、
あそこに横になってね〜、
特に何も考えなくていいからね〜

横になって、彼女が私の身体に手を当てていく。

見た目はマッサージのようではあるが、強く揉んだり関節を曲げたりしない。ただ、手を当てるだけ。しかも触れるか触れないかくらい。

それなのに、温かく、熱い。

手から異常なパワーが出ている。
赤外線のような。サウナのような。

言うなれば、カイロやホットアイマスクなのではあるが、実際にはそれらとは違う出力。強すぎず弱すぎず。

手を当てるだけなのに。
擦ったり強く押さえているわけではない。というかもはや肌に触れるか触れないかスレスレのところでパワーを送っている。

ところで、なぜこんなに熱いのだ?

いろんな疑問や考えが浮かんでは、ぼーっと消えていく。

これも、一種の瞑想なのか。
何かを思ったりするのではあるが、うたた寝するように無になる。


目、首、鎖骨、丹田、腰回り、脚、足、肩、背中、の順でゆったり手を当ててもらう。

気持ち良い!という感覚は施術中も施術後も正直なかった。でもなにか不思議な気分である。

サウナの後の「ととのう」に似ている。瞑想後

その日は、夜なかなか寝付けなかった。普通はいつもよりぐっすりになるはずなのだが。
「氣がチャージされすぎちゃったかな?」と彼女は言う。それもあるかもしれない。

そして、寝付けない私は、目を瞑りながらこの記事の内容を頭で書きあげた。

なんか不思議な感覚を体験してみて


不思議な体験。
レイキ。

なんか宗教みたいで怖いから、とか胡散臭いからとか思っていたが、実際に知ってみると思ったより興味深いものだ。

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