わたしの味ってなんだろう。【読書記録*神様の定食屋】
小説が読みたいなあ、と思い、おすすめに出てきたために読んでみた。
3項目要約
主人公哲史は、両親が交通事故で急逝したことで脱サラし、定食屋「てしをや」を妹の志穂と継ぐことになる。しかし、哲史は包丁を持ったことさえないほどの料理スキルであった。
とある日、酔った勢いで神社の神様に話しかけたところ、神様がその願いを叶えるべく、哲史の願いに沿った様々な魂とのフュージョンをさせる。
その魂たちは、哲史の身体を使って料理をし、残る大切な人たちに思い出の味をふるまう。フュージョンを通して、料理することの素晴らしさを知り、人の心をつないでいく物語。
読書感想
【ビフォー】神様の定食屋、というタイトルからはストーリーの予測などはしていなかった。とりあえず、さっと読めたらいいかなとだけ思っていた。
【気づき】
料理をする心には相手を思う気持ちが表れる。
味覚は五感の一つ。作る人がいなくなっても残るもの。
では、私の味はどんな味なんだろう。私の味ってなんだろう。母の味、父の味、おばあちゃんの味…。あのときにあれを作ってくれたよね、というのはよく覚えているものだ。思い出の料理はなんだろう。
うちは、家族それぞれに味が違う卵焼きかな。そして、おばあちゃんの煮物はやはり忘れられない味だ。
描写と表現について
コミカルでテンポよく、読みやすい。
食べ物を作る、食べるシーンの描写がその美味しさを引き立たせている。食べたいなぁと思わさせられた。特に、天ぷらをあげるシーンは印象的だった。
【TODO】
自分の味を探そう
家族に、思い出の味を作ってもらおう
まとめ
料理は、大切な人との思い出に結びついている。料理が、その味が、その盛り付けが、相手の記憶に刻まれることを覚えておこう。
書籍情報
中村颯希, 神様の定食屋, 双葉文庫, 2017
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