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【遊戯王マスターデュエル】世界2位になる方法

デュエリストカップお疲れ様でした.
自分の結果は世界2位でした

使用デッキはふわんだりぃず1本で走り切りました.

DCで使用したふわんだりぃずの解説記事を書くつもりでしたが,おそらくこの記事が公開される頃には新リミットが発表され,ふわんだりぃずは規制されてるはずなので,あまり詳しく解説することに意味を感じなかったため,代わりにDCに向けて自分が取り組んだことをまとめることにしました.参考になる部分があれば幸いです.

DC世界2位になる方法

①自己紹介

この記事を読んでいただいてる人はお前何者だよ?と思ってるはずなので自己紹介としてOCGやカードゲーマーとしての実績を羅列したいところですが,自分は特に実績はないです.CS○回優勝や○年選考会ベスト○みたいな実績があれば自慢したいところですが,特に自慢できるような実績はないです.
遊戯王自体は昔からやっていて,昔はカドショに通って店舗大会に出る程度にはやっていました.古代遊戯王昔話でよく語られることですが,昔は一部の情報持ってるプレイヤーが突出して強く,その他大勢のプレイヤーは勝ち星を献上することしかできない時代がありました.自分もその時代に遊戯王してましたが,勝ち星を献上する側だったので店舗大会すら勝てたことないです.
話が脱線してちょっとだけ昔話をしますが,昔出た店舗大会で対戦相手から「俺jspeedなんだけど?今度愛知に遠征行くんだよねえ」と言われました.当時いくら情報が広まっていないとは言えjspeed氏の名前は全国区に広まっており,自分も名前は聞いたことがあるプレイヤーが目の前にいるので握手してもらいました.後になって知りましたが,jspeed氏は愛知のプレイヤーなので愛知に遠征行くとは意味不明,あのとき握手してもらったおじさんが何者だったのか今でも分かりません.jspeedを騙るヤバイやつが現れるほど自分が通っていた店舗の治安悪かっただけですが,当時はCSに出てプレイヤー同士の繋がりを作らないとjspeed氏の偽物に騙されるくらいには情報が出回ってなかったです.昔話が長くなりましたが,OCGの実績はjspeed氏の偽物に騙される実績解除したくらいで実績はありません.

古代遊戯王の時代に遊戯王をしていましたが,ここ数年は遊戯王デュエルリンクスにハマりOCGからは離れてリンクスをやっていました.紙よりも手軽にできるDCGが楽しかったのでリンクス歴4年目になりました.リンクスにもマスターデュエルのDC相当のKCが存在し,リンクスはマスターデュエルより進みKCが世界大会予選の権利をかけて年5回開催されており,これまで競技的に遊戯王に取り組んでいなかった層でも競技シーンに参加しやすくなっています.遠征して経験を積み選考会を勝ち上がらないと世界大会の切符が貰えないOCGと比べると,家に引き籠っていても世界1位になれるチャンスがあるDCGの時代は古代遊戯王の時代からはだいぶ遠い世界まで来ました.
自分もリンクスきっかけで競技的に遊戯王をやり始めました.ただリンクスはOCGを題材にしてるだけでゲームシステムは全く別物なのでOCGの知識とリンクスのセオリーを摺り合わせるのが難しく始めてから3年間は全く勝てませんでした.KCやってもずっと銅アイコンでした.3年やったらどうやったら勝てるのか何となく分かるようになって勝てるようになり,今はリンクスの銀アイコンを5個持っています.遊戯王を始めるきっかけはOCGでしたが,カードゲームの競技的な取り組み方を学び競技プレイヤーとして成長させてくれたのは間違いなくリンクスです.

ここまで自分語りしてきましたが,自分は特に実績もない平凡なカードゲーマーです.CS優勝や選考会出場のような実績があるプレイヤーが特殊側であり,遊戯王やってる9割のプレイヤーは自分のようなプレイヤーだと思います.自分のような平凡なプレイヤーでもやり方さえ間違わなければ世界2位になれることを前提に置きたかったので,長くなりましたが自己紹介しました.

②自分を雑魚だとは思わない

カードゲームのセオリー的な話をいきなりしても全く理解できないと思うので最初に精神面の話をします.ただ,ここが一番大事です.
一部のカードゲーマーには学生時代のトラウマなのか,オタク気質なのか分かりませんが異常に自己肯定感が低いプレイヤーがいます.自己肯定感低いことがカードゲームの勝敗に直結するかと言うとそうでもないと思いますが,強気なプレイングができなくなったり,努力の方向性を間違えたりと悪い方向に進む場合もあるので,過剰に自分を雑魚だと思い込んで良い方向に作用することは少ないと思います.ツイッター上で自分は雑魚だと公言してるプレイヤーもたまにいますが,何がしたいのか自分には分かりません.

しかし,経験則ですが,カードゲームが強いプレイヤーは何かしら人間的に優れてる能力を持っている場合が多いです.リンクスが顕著だったのですが,リンクスのKC上位には医者,会社の社長,高学歴など何かしらの能力を持ったプレイヤーはいました.格ゲーの様な反射神経や動体視力などフィジカルの能力が要求される部分があるゲームと異なり,要求される能力の大半が思考力で占めるカードゲームは思考力が高いプレイヤーのほうが有利なのは事実としてあります.カードゲームに限った話ではありませんが,人は自分が持ってるカードで戦うしかない以上自分は劣ってると嘆いているだけでは状況が変わることはないです.自分は雑魚だと思ってもいい方向に進むことはないので,まずは自分が雑魚ではないが他のプレイヤーより劣ってる部分はあることを認めて劣ってる部分を克服していく方向性で考えるべきです

具体的に自分がやったことは,とにかくハッタリでもいいから強そうに振舞うことです.よくある話ですが,カードゲーマーの中には勝てない期間のほうが長いくせにたまたま偶然勝っただけで急にえらそうになるプレイヤーはいます.それを自分はかっこ悪いと思っているので,勝てなかった期間でもプレイングや持論をツイッターで1人ひたすら語っていました.リアルにいたら,カドショのフリースペースでぶつぶつ独り言言ってるやばいやつです.カドショのやばいやつになる必要はありませんが,自分の考えをアウトプットできる場を持つのは大事です.今はネットの発達でとてもいい時代になり,カドショのやばいやつにならなくても自分の考えをアウトプットできる便利なツールは増えています.今こうやって記事を書いているのも自分の考えをアウトプットする作業の一環です.
コミュニケーション能力に自信があるなら,カードゲーマーのコミュニティに入って行きプレイングやデッキ案を相談しながら自分の考えをアウトプットする方法もありますが,これはいきなり実践しようとするとなかなかハードルが高いので,何かしら別の方法で思考のアウトプットできる場を作りましょう.一番簡単でツイッターで1人語りしてる痛いやつにならずに思考のアウトプットをする方法はカードゲーム用のノートを持ち歩くことだと思います.自分が尊敬するプレイヤーに遊戯王用のネタノートを持ち歩いてデッキ案や展開を思いついたらノートにメモしてるプレイヤーはいました.実際そのプレイヤーはめちゃくちゃ強く,遊戯王の面白さと強くなる方法はそのプレイヤーから学びました.いきなりカードゲームうまくなるのは難しいですが,メモ帳に思いついたことを書くことくらいは簡単に始められます.メモ帳に書かずにツイッターに書くと自分のような痛いやつになるので気をつけましょう.

メモ帳を持ち歩くのもめんどくさいぞと言うプレイヤーにはオススメの方法があり,うまいプレイヤーの配信を見に行くことです.うまいプレイヤーのプレイを実際に見ることができる現代,プレイを見るだけでなくチャットでリアルタイムに質問ができるので,自分の足りない部分を自覚し,質問を通して思考をアウトプットする作業ができます.お気に入りの配信者を見つけて配信を見に行くだけなので,苦にもならないので,自分はいろいろな配信者を見に行ってます.カードゲーマーのコミュニティに入って行くよりも敷居が低いので配信は上手に利用しましょう.ただ1点注意しておかないといけないのは,ハッタリでもいいからえらそうにすることは大事ですが,ラインを越えてえらそうにしてると配信で指示厨するだけの化け物になるので,配信見てるだけでなく配信から得た知識は練習に活かしたり,デッキにしたり具体的な行動に移しましょう.指示厨してるだけでカードゲーマーとして強くなることはないです.

③練習量は正義

マスターデュエルきっかけで現代遊戯王に復帰したので,自分が現代遊戯王から離れてる間もずっと現代遊戯王と向き合い続けてきたプレイヤーは尊敬していますし,プレイングや知識面で彼らより劣るのは認めます.自分より優れたプレイヤーは世界中にたくさんいます.自分がマスターデュエル通して見てきたプレイヤーの中で最も強いと感じたプレイヤーは第1回DC3位の九山しかさんです.

札読みと展開読みの精度の高さで彼女(?)より高いプレイヤーを自分はまだ見たことないです.

前述の話とつながりますが,現代はネットの発達で配信を通して自分の今現在のプレイヤーとしてのレベルを始めてすぐに自覚させられます.自分のプレイヤーレベルが分かってしまうことは良い面もありますが,一生分努力したところで追いつけない部分があることを自覚させられる面もあります.優れたプレイヤーに追いつこうと努力することは大事だと思いますが,同じようなことをしていても一生追いつけずに終わる部分もあることは分かっておいた方がいいです.

優れたプレイヤーに劣ってる部分はあっても,カードゲームにおいて1つだけ誰でも補える部分があります.それは知識面です.勝負強さや大局観のようなセンスが要求される部分に比べてカードゲームは知識面を補うことは経験さえ積めば容易に補えます.カードゲームの知識は経験から来るものの割合が高いため,知識量の差=経験の差です.思考力の差で知識の定着速度にはプレイヤーによって個人差はありますが,大体100戦やれば誰でも知識面で分からない部分については答えに辿り着けます
マスターデュエルを始める上で,ずっと現代遊戯王と向き合ってきたプレイヤーに知識面だけは追いつくために練習量だけは負けないように意識しました.

上の画像は自分の対戦データです.自分は身内に調整相手がいないので,ひたすらランクマをやってます.対戦相手のレベルにバラつきがあるランクマをやってるだけでは強くはなれないだろと思ってるプレイヤーもいると思います.レベルの高いプレイヤーと調整することで得られるものもありますが,ランクマもやり方次第では調整になります.例えば,手札誘発の当て所で分からない場合,分かるまで全てのパターンを試せばいつかは分かります.1人のプレイヤーに分かるまで調整付き合ってくれよと頼んでもよっぽどの信頼関係がない限り100戦サンドバックになってくれるプレイヤーは少ないでしょう.いつでもサンドバックが待っているランクマは試行回数を稼ぐ場としては便利です.
試行回数を稼ぐ練習量も大事ですが,同時に練習の質を向上させることも意識しました.具体的にはリプレイと対戦相手のデッキレシピを見返すことです.自分のプレイングを見返すために負けた対戦のリプレイを見てるプレイヤーは多いと思いますが,勝ったリプレイも見るようにしたほうがいいです.負けたときに反省するのは誰でもやりますが,勝ち試合は運勝ちした場合でも実力で勝ったと勘違いしがちです.もっとこうすれば確実に勝てた,相手がここでプレミしたから勝てたなど勝ち試合から学べることはたくさんあるので勝ち負け関係なくリプレイは見返すようにしたほうがいいです.デッキレシピも同様です.勝った負けた関係なく気になった対戦のデッキレシピは見るようにしてます.デッキレシピを見ることでカードテキストを読む習慣がつくので知識量が自然に増えます.

ランクマをひたすらやる時間も大事ですが絶対にどんなデッキでも練習内容に1人回しは組み込むべきです.勘違いしてるプレイヤーがいると思いますが,ソリティアするデッキは一人回しが必要でソリティアしないデッキは展開パターン覚えなくてもいいので一人回しをしなくていいという考えは間違いです.例えば,手札誘発ケアを対人戦中に考えようとすると,持ち時間の関係上じっくり考えられる時間は多くても1分間程度,対戦中に自分のプレイングが正しかったのか考えてる余裕はありません.ランクマを闇雲にやっていてもプレイ時間の内考えてプレイした時間を効率よく稼ぐのは難しいです.時間を気にせず仮にここで妨害を貰ったらどうすればいいのか?をじっくり考えられるのは一人回しだけです.展開パターンを暗記して相手の妨害によって生じた展開の分岐を元の一本道に戻していくことが重要視されるソリティア系デッキのほうが対人経験から得られる部分は多いと思います.基本展開が簡単なデッキほど相手の妨害1個で何もできなくなることが多く,妨害ケアを事前に考えておくべきです.自分は一時期ふわんだりぃずの一人回しをソロモードでやりまくってました.

④自分の間違いに気づける場を作る

練習量を稼ぐことで知識面は補えますが,同時に視野が狭くなり間違っていることを知識として定着させてしまうことはよくあります.間違った知識を間違ったままにしておくとどこかで行き詰ります.必ず自分の間違いに気づける場を作り,正しい方向に修正する作業が必要です.自分の場合は,間違いに気づく場としてツイッターを使っています.例えば以前,「ろびーな召喚に無限泡影を当てずにいぐるんに無限当てるやつは意味が分からない大麻キメてそう」とツイッターに投げたら誰かが拾って正しいプレイングを大会の場で披露してくれました.このケースはどのような議論の過程があって,間違ってる部分がどこにあり模範解答が何なのか分かってるプレイヤーはほとんどいないと思いますが,これは自分の考えに間違いが含まれています(ちなみに模範解答はろびーなにもいぐるんにも無限は当てないです).例に出した話が難しかったので説明を戻しますが,間違いに気づけるように自分を客観視できる機会は持つべきです.身内の調整相手がいれば指摘してもらって間違いに気づけるかもしれませんが,調整環境はプレイヤーそれぞれなので誰もが優しい調整相手に恵まれてるわけではありません.一番簡単に間違いに気づける方法は自分よりうまいプレイヤーの配信を見に行くことです.前述した内容と重複しますが,自分より優れたプレイヤーから気づかされることは多々あります.

今回のDCに向けて自分が最も参考にしたのはDC3位になったKGチャンネルとみらーふぉーす塾です.この2人にプレイヤーは自分より遥かに優れたものを持っているので勉強させてもらいました.プレイングや知識面だけなく考え方の間違いも多く気づかされました.間違いなくこの2人のプレイヤーに出会ってなかったら自分は今回のDC勝っていません.間違ってもすぐに手のひらを返せる柔軟な手首を身につけるのが大事です.

⑤全てのデッキをうまくなろうとするのはNG

ここまであまりセオリー面の説明はしていないので,最後にマスターデュエルの戦略的な話をしておきます.

よく見かける主張ですが,「分からないデッキの妨害の当て所は,実際に組んで回すと分かる」と言われています.この意見は間違っているわけではありませんが正確でもありません.極論を言うと全てのデッキを回せるようになるのが強くなる必要条件なら全カード収集コンプリートすれば自動的に世界一強いプレイヤーになれるはずです.世界一強いプレイヤー=コレクターが実際は成立していません.
前提として分かっておくべきことは遊戯王のデッキに「簡単に勝てるデッキ」は存在しません.簡単に勝てるとはデッキを回す難易度が高いか低いかに限って言ってるわけではなく,勝負の土俵に上げる難易度の難しさも含めています.遊戯王に限った話ではありませんが,カードゲームのデッキの強弱はあくまでも相対差しかなく,環境やカードプール,メタゲームの流れによってデッキの強弱はいくらでも変わります.メタゲームのある瞬間を切り取ってデッキの強弱は議論できても,恒久的な強弱を議論するのは難しいです.メタゲームの流れを適切に読み,適確にデッキ選択ができるなら全てのデッキを使えるようになることに意味はありますが,それは不可能に近いです.仮に全てのデッキを組めたとしても極められるデッキはせいぜい2,3個です.

全てのデッキを使えるようになる必要がないならどのデッキを使えるようになればいいのか?となりますが,競技的にカードゲームに取り組むなら2個デッキが完璧に使いこなせれば勝てるはずです.適当に好きなデッキ2個選んで練習すればいいわけではなく,互いに相性補完した2個のデッキが使えることが理想です.具体例を挙げると,今回のDCにおいて事前準備の段階でふわんだりぃずとルーンがお互いの弱点を補っており,ふわんだいりぃずが苦手な対面にはルーンが有利,ルーンが苦手な対面にはふわんだいりぃずが有利なことが分かったため,ふわんだりぃずとルーンの2つを練習していました.ふわんだりぃずが強いことが認知されれば,ふわんだりぃずに有利なデッキが増え,ふわんだりぃず対抗勢力を潰すためにルーンが増えると予想していたため,ルーンがいい感じに環境のバランスを取ってくれるならふわんだりぃずを続投し,ルーンが環境に増えすぎたらルーンに乗りかえるつもりでした.結果的に,ルーンがDC直前実装だったため,シングル戦におけるルーンの構築が煮詰まり切らなかったことで,ルーンの分布が過剰に増加することはなく,適度に環境のバランスを取ってくれるポジションに収まったおかげでふわんだりぃず1本で走り切れました.

全てのデッキをうまく使えるようになる必要はありませんが,このデッキはどこが強みであり,このデッキはどこが弱いのかは大雑把に分かっておく必要はあり,対面理解ができなければそもそもデッキ選択はできません
1つ思考実験をしてみましょう.今からDCがあります.あなたはアダマシアと相剣デッキが使えます.どっちを使いますか?
この問題に関しては,今回のDC環境で実際に考えたプレイヤーはいると思います.自分が用意した答えは初日から2日目の前半戦はアダマシア,3日目から最終日の後半戦は相剣を使うです.アダマシアと相剣は似たような盤面を作ってくる展開系デッキですが,最終的な盤面の強度はアダマシア,盤面強度はアダマシアより劣りますが平均的に強い盤面が作れる点と暗転のおかげでモンスターだけに依存しない制圧盤面を作れる点では相剣のほうが優れています.
前半戦は環境が固まっておらず雑多な環境をしているため,盤面強度だけで有象無象のデッキは押し切れるアダマシアには有利な環境だったと思います.しかし,後半戦になり高いレート帯まで来るとマッチングするデッキが固定化されてきます.今回の場合はふわんだりぃずとルーンがお互いに相性補完していたため,対面によって盤面の強弱が変わってしまうアダマシアは安定して盤面を作りづらい弱みが目立ちました.これはシングル戦特有の問題であり,相手のデッキが分からない状態で展開しないといけないため相手を見て特化した盤面を作れないことに起因する弱みです.
一方で,相剣は展開力がアダマシアより劣るため最終盤面の選択肢が狭いですが,どの対面にもそれなりに刺さる盤面を作れるので妨害の当て所を注意すれば対面によって盤面の強弱が大きく変わりにくいです.展開力が低い分最大値は低いですが,平均点が高い強みが対面によって展開を選ぶことが要求される環境では,展開を選べないことが逆に強みになる場合もあります.後半戦のふわんだりぃずとルーンを同時に対策しないといけない環境では,両方にそこそこ強く出られる盤面を作れるため,後半は相剣とよくマッチングしました.
アダマシアと相剣のデッキ選択について自分の考えを書いてみましたが,どちらのデッキも自分は実際には組んでおらず,上の説明は思考実験による想像でしかありません.半分は正解してる気がしますが,2つのデッキを極めているプレイヤーからしたら間違っている部分もあるはずです.しかし,大事なことは,カードゲームにおいて思考力が勝敗の占める割合が高い以上,思考の訓練は意識して行うべきだということです.デッキを組んで実際に回して初めて分かる部分もたくさんありますが,考えたら分かる部分もあるはずという前提からスタートすべきです.

最後に1つだけ思考実験用の題材を提供しておきます.
よくマスターデュエルでは「〇〇デッキはシングル戦だから強い」と言われます.ルーン,アダマシア,ドライトロン,エルドリッチなどが該当するでしょう.しかし,なぜそれらデッキがシングル戦では強くマッチ戦では弱いのか?マッチ戦とシングル戦の違いはどこにあるのか?ちゃんと論理的に説明できているプレイヤーやコンテンツは意外と多くはありません.自由枠の多さ=サイドチェンジ枠の多さだから自由枠の多さがシングル戦だと強みにならないや,特定デッキを対策することが雑多環境のシングル戦だと難しいなどそれっぽい根拠は挙げられても,自由枠の多さは構築の幅だから環境によってカスタムすればシングル戦でも強くなるはずでは?特定デッキを対策してはいけないルールは存在しないのに対策しないのはなぜなのか?本当にカードプール内に汎用的な対策札は存在しないのか?など考えてみるとマッチ戦の延長で考えているだけで,シングル戦特有のセオリーをちゃんと考えて実践できているプレイヤーは多くはないと思います.

「シングル戦で強いデッキとはどのようなデッキなのか?」

この疑問に自分なりの答えが出せるようになったときプレイヤーとして1つ成長できるかもしれません.カードゲームをやっている以上思考停止はNGです.


あとがき

ここまで記事を読んでいただきありがとうございます.
今回のDCは,環境が味方し世界2位という結果を残せました.実績が特にないプレイヤーなのでプレイヤーとして劣る部分はたくさんありますが,ふわんだりぃずの上手さだけは世界で3番目にうまい自信があったので最後まで強気のプレイができました.実績が手に入ったことは少なからず自信につながっています.
2022年のマスターデュエルはリリース1年目だったこともあり,いろいろなことがあり楽しい1年でした.競技シーンがイマイチ盛り上がりに欠ける年でもありましたが,リンクス同様世界大会が開催されれば競技シーンも盛り上がりプレイヤーのレベルも今以上に上がってくるはずです.一発屋で終わらず,世界1位になるやり残しを来年は目標にしたいです.

最後まで読んでいただいた方の役に立つ情報が少しでも提供できていたのなら幸いです.

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