見出し画像

2020年11月KCレポートと今から始める人向けのウィッチクラフト解説

KCカップお疲れ様でした.結果はどうだったでしょうか?
自分の結果は

画像50

画像50

初めての銀アイコンが取れました.
PC版がリリースされたのをきっかけにリンクスは始めましたが,紙の知識があったのですぐに銀アイコンくらい取れるだろと思っていたのが,全く勝てずに3年過ぎ,自分は一生銀アイコン取れないと諦めていたとき銀アイコン取れてしまいました.

早速ですが,使用デッキです.

画像10

採用札は環境を見ながら入れ替えてましたが,バランスウィッチクラフト(以下WC)1本で走りました.

以下はKCレポートと使用したバランスWCの解説ですが,今回のKCカップの結果を受けてリミットレギュレーションが大幅に更新されると読んでおり,その場合は次環境のtier1になれるくらいWCには可能性を感じています.
おそらく今回のKCカップでWC使って銀アイコン取ったのは自分一人だけなので,来期WCが注目されたとき起源主張するためと来期から初めてWCを握るかもしれない人のために,今回のKCカップに限らないWC全般の踏み込んだ解説をしています.
かなりボリュームのある内容になっていますが,必要な項目を目次から拾いながら読んでください.

1. KCレポート

1.1 9月KCカップ結果とWCの構築の変遷(ボツ案)

画像2

これは前回の9月のKCカップで自分が使っていた芝刈りWCの構築です.
この構築どこかで見たことあるぞ?と思った方も多いと思いますが,あの有名なkinghaloさんが使っていたWCの構築と嵐3枚がギャラクシーサイクロン2枚と機械天使の儀式にしたら全く同じ構築になります.

実は,前回のKCカップのときは3日前までパック産WCカードは持っておらずWCを使えば勝てることに3日前に気づいて急遽パックを剥いて3日間だけ練習してKCカップに臨みました.
結果序盤は読み通り一気に勝率70%の5万DPで爆盛りできましたが,中盤から踏むようになった語り不知火にギミック的に全く勝てず,本来は有利なはずの海水晶などに立ち回りの理解度不足から勝てなくなり,機械天使の儀式やギャラサイなど各カードの採用基準を全く理解していなかったためカラクリと供物握ってないのをお祈りするパチンコ勝負をひたすらして4万DPと5万DPの間を3日間ずっと往復して終わりました.
そもそもWCみたいな難しいデッキを3日前から急に使って勝てるわけないだろと言われそうですが,kinghaloさんの解説動画(埋め込み先)を毎日再生して回し方が頭の中で完成していたのと,プレイングの基本を抑えた前提でWCミラーになったときライトロードギミックを先に引いたほうが勝つ引きゲーになることに気づいていたのでバック干渉型WCよりソラエク型WCを握りました.

その結果,偶然にもkinghaloさんとほぼ同じ構築のWCが完成していましたが,想像と実際では操作量に差がありタイムアウトを連発し,思考力が常に問われるため疲れてプレイ精度を維持できないなど,予測していない事態が多発し惨敗でした.

前回のKCカップを受けてWCは大幅な規制が入りました.最初は新リミット対応構築を考えていたWC愛好家たちも,徐々にWCのあまりにも厳しい規制とWCだけを環境から排除しておきながらWCが苦手な語り不知火とカラクリの2強環境の形成に気づき始め環境からはWCは姿を消しました.
自分もその中の1人でしたが,打ったら勝ちの芝刈りが消えて,安定性補助の光の援軍が減って悪夢のショーでハンドが増えなくなっただけで,WCのギミック自体は生き残っていたので初動さえ安定すればまだ戦えるかもしれないと思いいろいろ構築を考えていました.

まず,自分が考えたのは悪夢のショーに代わるスキルを探すことでした.すぐに思いついたのは以前から少数ですが使われていた闇の力WCです.

画像3

WCカードの採用枚数は芝のときとは変えずに打点補助かつ嵐が使いやすくなる闇の力にして,悪夢のショーでハンドが増えにくくなったのを補うために破壊剣士融合を追加してパトローナスの枚数を増やし,援軍の代わりにライロカードの割合を変えないためにライラを追加してみました.使ってみた感想は闇の力である必要性を感じなかったくらいでした.
規制後WCの構築で似たような構築を考えていた人はいたと思います.
実はこの段階で気づくべきだった最重要点がこの闇の力WCの構築には隠れていて,それはWCのソラエクをまだ強いと思っていることです.これは実は大きな勘違いで理由については後程説明します.

次に自分が考えたのは初動が安定しないので初動が安定させる手段をスキルに求めました.

画像4

マスターピースを墓地に落としていれば高確率でターンが返ってくるのとライフ調整がしやすいのでディスティニードローを初動扱いにして,ソラエクや援軍を揃えるプランです.ライラが抜けてピットレが増えているのは,スキルでソラエクは打てばいいのでライロの割合を増やす必要がなくなり,その代わりに初動になれるピットレを増やしました.試しにポイバで回してみましたが結果は散々でした.理由は,勝つ対戦はスキルを使わずに勝てて使わないといけない状況はどうしようもない事故ハンドでスキルが初動の安定に全く繋がっていなかったからです.
この時はエクシーズワールドが新たに解放され,EXが増えたことがWCに良い影響と悪い影響を与えました.
良い影響はEXの選択肢が増えたためライロギミックのパワーが一段階上がったことです.悪い影響はライロギミックがさらに強くなったせいでソラエクが最強カードに見えるようになってしまったことです.この段階では悪い影響は全く見えてませんでしたが...

次に考えたのは手札がモンスターだけだったとき全く動けない手札事故を減らそうと考えました.そこで前借りの前借りに注目しました.

画像5

このデッキはライディングデュエルイベント期間中5D'sのキャラしか使えない縛りがきっかけでイベントしながら調整していました.感想としては,悪くはなかったのですが,ドローできなくなる制約が初手が強いときが軽くなり,弱いときは重く感じたためディスドロ型WCと同じ結論に至りました.

前借WCをきっかけに,手札に魔法カードを増やすスキルで悪夢のショーの代わりにするのが劣化版ですが有効だと気づき方向性が変わります.

画像6

これは今月キング達成したシークレットドローWCです.
ここまで読んだ方は気づくと思いますがソラエクが抜けました.ただし抜けた理由がソラエクが弱いことに気づいたわけではなくスキルの関係でライフコストを払えるカードが必要となりコズサイを入れるために抜けました
もう1つ気づく点があると思いますが,ここまでのWCのデッキレシピにコズサイは入っていません.これには明確に理由がありこれについては後のWCのプレイングの項目でまとめております.
シークレットドローWCはランクマで使って結構勝てていたため強いかもと思っていましたが,強い理由がバック干渉札6枚と多く積んでいることが,未知なるカードが飛んでくる魔境ランクマにおいて,それらを無差別に処理してくれるのが強かっただけでスキルが強かったわけではなかったことです.スキルのライフコストが1000だったら話は違っていましたが...

シークレットドローWCを強いと勘違いした最終形態がこれです

画像7

ライフコストカードを増やすためにサイコロンまで採用し,サイコロが当たれば不利対面の語り不知火カラクリにさえ勝ててしまう絶対運命力もびっくりの上振れの到達点みたいなデッキです.
ネタに見えて実は結構強く,つんつんさん主催のポイバ上位者だけが参加できる大会に持ち込んでサイコロを当て続けて不知火を撃破し1回戦勝ちました.そのときの対戦相手の方が優しい方で大会後ツイッターにいいねを送りにきてくれましたが,僕だったらサイコロを連続で当て続けてるチーター報告してツイッターはブロックしてます.天罰が下って2回戦はサイコロが当たらずカラクリに負けて敗退しましたが...

1.2 KC直前準備とWCを選択するまで(PKC結果からの環境予測など)

11月1週目が過ぎたあたりからKCカップに向けて調整するためにツイッター上では毎日のようにどこかでポイバが開かれていました.自分はチームに所属していないのでこの機会に調整しようと時間見つけては参加していました.この段階でいくつかKCカップで使うデッキの候補は決めていてWC,月光,ロイド召喚獣,エクシーズサンダードラゴン,呪眼,BFを予定していました.
今回のKCカップに向けて事前調整を行っていた人たちの共通認識としてデッキパワーだけで見たら水晶,カラクリ,不知火の3強環境で,そこに対抗したその他のデッキが大量にある状況で何を使えばいいのかよく分からなかったと思います.
自分もその1人でいろんなデッキを練習してましたが,3強に関してはパーツが揃っておらず,前環境の生き残りたちばかりなので,今から揃えて練習しても練度で勝てないことが分かっていたので一度も触ってません.
3強は握れない状況で,3強以外のデッキから何を使えばいいのか全く分からない状況でデッキ選択の基準を教えてくれたデッキがあり,それはWCではなく月光です.
月光は前評判がかなり良く自分も練習していましたが,評判通りだと不知火には有利,水晶には微不利でもプレイ気をつければ勝てなくはない,カラクリにもハンド次第では勝てて,特にKCカップの形式上キャラ偽装できるデッキは強いと言われていたはずです.
月光について軽く解説しますが,月光はテーマ内の特定の2種類のカードの組み合わせとスキルと相手依存の3枚の融合魔法の3択しか初動がないデッキです.ここから言えることは,1枚初動があるカラクリや不知火より安定せず,スキル起動の補助をしてくれるクリボールなどの防御札が初動札として機能し,デッキ理解が浸透していない環境でしか勝てず,3強と異なり初動が通ったとしても勝ちが確定するわけでもないデッキです.調整を進めていくとその通りに結論が得られて,語り不知火がシンクロせずに武士とバックを駆使して動きつつ,月光側に融合させてからシンクロ召喚されるとほとんど勝てず,月光が不知火に有利という評価に疑問が生じました.
月光を調整して気づいたことは「評判はいいけどよくよく考えてみると何に勝てるのかよく分からないデッキ」が大量に溢れている環境になっている可能性でした.そこで,一からポイバで対戦したデッキを中心に各デッキのメリット・デメリットを考え直しました.
結論だけまとめると「3強のパワーが頭一つ抜けていて,その他のデッキはどれを握っても3強のうちどれかに苦手要素があり,あえて握る意味がない」です.同じような結論に至っていた人もいるかもしれませんが,参加したポイバの上位入賞者はほとんど3強ばかりでした.
こう書くと,なんでWC握った?と思われると思いますが発想的には逆で,「3強が環境シェア30%ずつで均等に存在し互いが牽制し合う環境になれば,3強以外握る意味はないが,この均衡が崩れた瞬間,環境外デッキでもチャンスがある」と考えました.そこで環境のシェア率が一番気になりkinghaloさん主催のPKCの結果に注目しました.

この結果から,3強のシェア率が30%ずつになっていないという重要な情報を得ることができました.
実際のKCカップも振り返ってみれば,
猿デッキのワンキル大会→ワンキル耐性のある水晶の浮上→デスぺラードとシステムダウンの大流行により3強のパワーバランスが崩れる
の流れになっており3強だけで環境が回っていくことはありませんでした.

やっとここからが,WCを握った理由ですが,3強のパワーバランスが崩れた環境で一番重要になることは3強以外同士の相性です.そこでWCを中心に3強と3強以外の相性を改めて考え直しました.結論だけまとめると「不知火には勝つのは不可能,カラクリは初手次第では5分,クリストロンは有利,その他には全デッキに対して有利.ただし,事故ると全てのデッキに負ける」となりました.(その他に含めたデッキにデスぺラードが入っていなかったのでKCカップ中は苦戦しましたが).その他のデッキに有利取れていることに加えて,KCカップで多くのプレイヤーが頭を抱える使用キャラクターによるデッキの偽装にWCは強いことにも調整を通して気づきました.デッキ偽装に強いについては,後のWCのプレイングの項目で説明してあります.
もう1つポイバに毎日のように参加して気づいたことがあり「WCに対しての正しいプレイング」が浸透いない点です.ポイバは自分が参加した中でも最長2時間と時間制限があり,その中で上位を目指すのでデッキを早回しするので,プレイングミスが多発しがちですが,3強と評判のいいワンキルデッキの対策に重きが置かれていたため,対面WCのプレイングまで煮詰めている人はほとんどいなかったはずです.加えて,WCは半年も経過せずに大幅な規制が入り,プレイ差が出やすいテーマでもあったため,一部のプレイヤーにしか正しく強さを理解されずに環境から姿を消しました.一方,3強については,水晶と不知火は1年間も環境に在位しており,カラクリに関しては3強の中ではプレイ差が出にくいテーマだったため,多くのプレイヤーに強さが認知されています.このWCに対するプレイヤー間の理解度の開きがWCをテーマ単体の強さ以上の強さを引き出してくれると考えました.
この結論に基づいて,事故率さえ解消できればWCを握ってもいいと考えました.

1.3 バランスWCとの出会い(ソラエク型WCが弱くなった理由など)

ここから,自分はWCの手札事故問題を解決するためにありとあらゆる手段に手を出します.つんつんさんやkinghaloさんの動画や過去の大会結果など参考にできるものは全て参考にし,WCモンスターの割合を調整したり,まだ試していないスキル(僕モン,魔法の使い手)にしてみたり,思いついた構築はすぐにポイバに持ち込みダメだったら次の構築へ変更するをずっとループしていました.結果として,プレイングやデッキ構築の勉強になったことや,先に述べた自分の環境認識が概ね間違っていないことが確信できたことは良かったですが,パチンコしているだけのカラクリ以上に手札事故を起こし,有利なはずの水晶にすら事故ってしまったら座っておとなしくソリティアを見守るしかできず,WCが全く環境に通用しないと限界を感じていました.

ここで,WCがなぜ手札事故を起こすのかを説明しておきます
同じ30枚構築の水晶と比較すると分かりやすいです.
水晶の場合,初動札はウンディーネ3枚,スクラップリサイクラー3枚,サルファフナー3枚の合計9枚のうち1枚と任意の水晶カード1枚があれば初動の強弱はありますが一応動くことができます.
一方,WCの場合はWC下級モンスターを最大枚数採用したとして,シュミッタ3枚,ピットレ3枚,ジェニー3枚の合計9枚と任意の魔法カード1枚あれば一応動けます.
一見すると両者初動率同じに見えますが,水晶の場合はあくまでもサルファフナーにアクセスするためのカードを増やしているだけなので3種類の初動カードがあるように見えて初動カードはサルファフナー1種類だけです.また,1回サルファフナーにアクセスしてあげれば毎回効果を使うことができるので使い捨ての初動ではなくリソースの役割も持っています.
WCの場合は,3種類の初動カードがあるように見えて動いた後の役割が異なり,シュミッタを9枚積んでいるのと同じというわけではありません.また,墓地効果は除外して使うため1度きりの使い捨てかつ毎ターン動くために魔法カードが要求されるため,初動に必要な魔法1枚もWC魔法カード以外は使い捨ての初動札になります.これだけで初動を通したうえでリソースを確保するハードルは単純計算水晶の2倍になります.そうは言ってもマスターピースも初動になるし,WC魔法カードは毎ターン使いまわせるから初動率もっと高いしリソース確保もできるだろと思われますが,初動のマスターピースやリソースのWC魔法カードにアクセスできる可能性のあるカードはシュミッタとピットレだけで「初動にアクセスするための初動」になっており矛盾が生じてしまっています.
この「初動にアクセスするための初動」問題とを解決していたのが規制前の芝刈りライトロードWCです.隣の芝刈りとライトロードで一気に墓地を肥やしてしまい初動にアクセスするための初動のプロセスを省いていました.また,ソラエク芝刈り援軍の単体のカードパワーが高いカードを大量に積んでいたため,少々初手が事故っていてもパワカを引く確率が高かったため高いトップ解決力がありました.初動率もある程度の水準をキープしつつ,上振れることも要求されるKCカップにおいて芝刈りライトロードWCが非常に強かったわけです.

以上が,WCが手札事故を起こす理由の説明ですが,実は芝刈りライトロードWCが強かったもう1つの理由があり,これが使っていた本人すら気づいておらず,ソラエクが強いという幻想に固執させ続け,WCは規制によって完全に終わったと印象付けていました.これに気づくのに自分は今回のKCカップ開始3日前までかかりました.

KCカップ開始まであと1週間の時期,自分は毎日ポイバに参加してはいましたが負けてばかりで,もうWCとは決別してドラグニティで後攻局所ワンキル100連続するしかないと考えていました.そんなとき偶然YouTubeのおすすめにある動画が出てきました.それが以下の動画です.

動画の内容については,動画の質も悪いですし,構築もプレイングもかなりお粗末で,よくあるランクマの下手くそWCのデッキの1つだというのが初見の感想です.ただ,あまりにも酷い動画だと感じたことが逆に魅かれるものがありました.
デュエルリンクスではどこかで毎日大会が開かれており,情報発信してくれるつんつんさんやkinghaloさんなどの強豪プレイヤーが頻繁にデッキ紹介をしてくれるため,情報の均一化が進みほしい情報や強豪プレイヤーが使っているデッキをいつでも見ることができます.それらの情報やデッキは完成度が非常に高いことに加えて実績も付随しているため,疑問に持ったりつんつんさんやkinghaloさんの紹介しているデッキはあまりにも酷いから自分が正してあげようなんて発想には至りにくいです.
ランクマでは,カジュアル層とガチ層が入り乱れてるので完成度の低いデッキも見られますが200個に1個くらいは完成度が低いのに何か魅かれるものを持ってるデッキを見つけた経験がある人もいるのではないでしょうか?この動画のデッキが自分にはその部類には見えました.EXのブリューナクどうやって出すつもり?ミネルバ抜いてルミナスはおかしいでしょ?スキルバランスにして回るの?ジェニー3枚はおかしいでしょ?(ジェニー3枚については一応筋が通っており後のWCのプレイングの項目でまとめてあります)とか酷評すれば言いたいことはたくさんあります.ただ1点この動画のレシピの素晴らしいところがあって,YouTubeの他の人の動画を見たりツイッターで見つけたレシピを見て頑張って作ったけど,デッキに対しての理解度が低いせいでスタートはよかったのに着地をミスしたデッキ感があるところです.この謎の魅力のあるデッキを完成させてあげようというモチベーションからこのデッキをベースにしてデッキを練り始めました.

実は,自分はバランスWCがというよりバランスというスキル自体否定派でした
理由は,初手バランスの良さを優先する代わりにデッキ全体のバランスを失うのが強いとは思っていなかったからです.加えて,スキルの仕様に不透明な点(採用枚数と初手判定の関係は?操作されるのは初手だけでデッキ内のカードの並びは本当にランダムなのか?)があり,未知要素が勝敗に介入するのが嫌だったからです.紙のほうからデュエルリンクスに参入した人には共感してもらえると思いますが,紙にはバランスみたいな初手操作なんてイカサマでもしない限りできません.そこでデッキ構築段階で確率をしっかり考えて事故らないように工夫して実際に対人戦は成立しています.その工夫のプロセスをせずに未知のスキルに頼るのはどうしても受け入れることができませんでした.
今回のケースに限っては,YouTubeで見つけた酷いデッキを小馬鹿にするくらいの気持ちで始めたので,やっぱりバランスは対人戦では使えないスキルだなといつも通り否定するつもりでした.そのせいもあって,抵抗もなくバランスWCの調整に入ることができました.

これがまず自分が最初に作ったバランスWCです.

画像8

スキルのおかげで一定確率でソラエクが打てるだろうからこんな感じでいいだろ程度で組んでみました.WCは特定のカードに初手に来たからと言って動けるデッキではありません.最初は,手札に罠カードが来るのが弱く感じたり,一定確率で上級モンスターしか手札に来ないのが気に入らなくてやっぱりバランスWCはないと否定していましたが,何回か試行回数を重ねているうちにあることに気づきました.

ソラエクが強くない?????

最初は,スキル任せのご都合ピン刺しカードだから弱いだけだろうと考えてましたが,試行回数を重ねれば重ねるほど打っても打たなくても強くないケースが増えていくばかりでした.おそらくWC愛好家の中でソラエク型を規制後も使っていた人たちは,なんとなく感じていた違和感だと思います.この違和感を言語化できないままずっと闇雲にWCを回していた事実に気づきました.このときKCカップ2日前でしたが,バランスWCを回したことによって,この違和感の正体に初めて気づきました.
それは,「スキル悪夢のショーの本当の効果」です.

画像9

このナーフ前の悪夢のショーは,深く考えずに読むとただ単に魔法カードが1枚回収できるだけで手札コスト1枚稼げて,運よく援軍や芝刈り回収できれば強いな程度にしか見えないと思います.自分もその程度の認識でいました.
実はこのスキルとんでもない隠された効果を持っており「本来なら弱いデッキ構築や弱い初手を強デッキ・強初動に変える」が正しい効果です.
具体例を示して説明します.例えば,初手がジェニー1枚+ソラエク3枚だったとします.ジェニーは先の説明では初動札に含めてましたがジェニーの墓地効果はWC魔法カードをコピーする効果なので初手に来ても他のカードとの組み合わせでしか使えません.この初手の場合,ソラエクも打てないので初手4枚とも今すぐには強い初動にはつながらないカードです.後続を取りにいくしかないのでジェニーからシュミッタを取ってきたとします.このときジェニー+回収不可の手札コスト1消費してシュミッタ1枚にアクセスしているのでアド損1です.次に,シュミッタの効果を使いますがシュミッタの場合はシュミッタ+手札コスト1消費しWCモンスターにアクセスしつつ墓地効果で後続にもアクセスできるので2消費2アドなのでアド損0です.
ここまでの説明でジェニー+ソラエク3の初手の場合,計アド損1してしまうことが分かります.ただし,悪夢のショーがある場合は話が違ってきます.上ではジェニーでソラエクをコストにしてアド損1としていますが,悪夢のショーがない場合,手札から切られたWC魔法カード以外の魔法カードは回収不可能今後の展開に一切関わることはないので失ったアド損は今現在から将来的にも1です.悪夢のショーがある場合は,失ったアドをスキルで帳消しにできる上に,将来的にも展開に関わってくれる可能性がありアド損は0になるのは前回のKCカップの時点で分かっていたことです.見落としていた最重要点は,ソラエク×3としましたがナイトショット×3でも,聖槍×3でも同じ状況が成立してしまい,極端な話ディアンケト×3でもいいわけです.WCに限らずデッキに採用するカードは,強い動きができるときにアドが得られるのを前提として弱い動きのときのディスアドバンテージを考慮したトータルの期待値で考える必要があります.悪夢のショーはスキルをセットするだけで「期待値は必ず0にはならない」という状況が起きてしまっていました.
スキルの効果テキストが異なるだけで悪夢のショーと絶対運命力は本質的には同じです.絶対運命力が100%コインが表になるから強いのであって確率にランダム性があったら,カップオブエースを誰も使わないでしょう.スキルのおかげで,本来のカードパワー以上のアドバンテージを引き出している分かりやすい例が絶対運命力です.悪夢のショーも同じ効果を持っていました.全てのカードが短期的もしくは長期的にアドに繋がっていました.紙のほうで簡単に例えると採用されている魔法カード全てが汎神の帝王になっているのに近い状態です.

画像12

そのため,悪夢のショーナーフ前後で「悪夢のショーのソラエク」と「その他のソラエク」は期待値が異なると言う状況が起きていました.この変化に気づいておらず,同じソラエクだから同じだけのアドが得られると思い込み採用し続けても悪夢のショーのソラエク以上のリターンは得られはいませんでした.
いやいや,ソラエク入ってないバック干渉型の芝WCもあっただろそっちのほうも強かっただろと言う反論があると思います.これについては後のWCのバック干渉札の採用基準のところでまとめておきます.
規制後のソラエクが弱くなっている気がするけど理屈がうまく言語化できない,何となく分かってはいたけどあまり深くは考えてこなかった違和感の正体を自分はYouTubeで見つけた1本の動画をきっかけに気づくことができました.このとき開始1日前でしたが,急遽デッキ構築を見直しKCカップに臨みました.
バランスWCにしたことでうれしい誤算もあり,事前準備の段階で流行すると読んでいたDDクロウに強くなったことです.この詳細な説明については,後のWCのプレイングでまとめておきます.

1.4 KCカップ1日目(ドラグニティ大流行からぽんコツくんさんの裏切り)

KCカップ当日になりました.前回のKCカップが終わってからずっと調整してた形になりましたが,実際に使うデッキが完成したのは1日前なので実質ぶっつけ本番になりました.自分は14時からは走れなかったので18時過ぎから走り始めました.そのとき使っていたデッキ構築がこちらです.

画像11

序盤はランダムマッチなので幅広いデッキを見られるように組んだつもりでいました.特徴としてはWCデモンストレーションを3枚採用している点です.バランスの仕様がデッキ内のカードの種類(モンスター・魔法・罠)ごとの割合によって初手判定が決まることは知っていました.しかし,ピン刺しのカードと3積みのカードがスキル込みでどちらのほうが初手率高くなるのかまでは把握していませんでした.何回か回した体感として,3積みのカードとピン刺しのカードの区別はなくそのカードの種類からランダムで初手のカードが抽出されていると仮説を立てました.実は,KCカップ中もピン刺しの援軍が初手にやたら来ていました.援軍初動はかなり強い初動なので,それが一定確率で発生していたので,バランスは上振れを確率に仕込めるスキルと評価しています.逆に,スキルを使わなかったら無視できるような手札が上級WCモンスターだけになる確率も無視できなくなると考えて,デモンストレーションを3枚にしました.

初日の結果はなんと4時間回し続けて0DPでした.

酷い結果ですが,理由は,昼間の疲れを取らずに走り始めたためプレイミスを連発していたことと,もう1つは上の構築が初日の環境に合っていなかったことが挙げられます.
初日の環境は,いろいろなデッキとマッチングしましたが特に大暴れしていたのがドラグニティです.KCカップ期間中苦しんだ人も多いと思いますが,後攻局所コズサイセナート入場アスカロンだけで勝ててしまう猿でも使えそうなくらい速度とパワーを併せ持ったデッキです.上のランダムマッチのために用意した構築の場合,ギャラクシーサイクロンがドラグニティに不要札だったり,事故軽減のためのデモンストレーション初動がワンキルに対応するには展開がワンテンポ遅れてしまい構築が環境に合っていませんでした.
もう1つ,初日のドラグニティ猿合戦全く勝てなかった理由があって,実はドラグニティは猿デッキに見えて実はプレイ差が出るデッキだったからです.例えば,カラクリがブレイドの1ドローで引いたカードと最初から持っていたカードがしっかり確認してからコズサイを打ったり,砂時計をしっかり読んで伏せ割りや攻め手を選んだり,状況によってはアスカロンを出さずに1ターン何もせずにターンを流してディステニードローで確実に勝ちを拾いに行くなど,細かいところですが細かいプレイ差が最終的な勝率につながります,短期的には運で高い勝率が出てしまうことはあっても,長期的にはうまい人のほうが勝率はよくなります.今回のKCカップは今まで暴れていたES召喚獣やWCが環境から消えており,ワンキルデッキが勝てる可能性が高くなっていたため,金アイコンを何個も持っている強豪プレイヤ―や確実に勝ちを拾いにいける堅実なデッキを選ぶ上位争い常連プレイヤーも勝率が不安定なため敬遠されがちのドラグニティの使用を候補に挙げていました.その結果,同じドラグニティでもプレイ差や構築差があるいろいろなドラグニティが溢れていました.これがWC視点かなり厳しく,コズサイそこで使う??とか,いやコズサイ打たないのかよ!?とか,プレイングミスが即敗北に直結するWCのプレイングが安定しなくなり,自分にはそこの対応力が足りませんでした.
ドラグニティなどのワンキルデッキと半分運ゲーみたいな対戦を繰り返し,日付が変わる頃2万DPになんとか乗せたところで,今回のKCカップ全く楽しくないと思い,このままあと2日間走らないで楽しい連休を過ごすか,今から神社100回行って後攻局所100連続ドラグニティで10万DPお祈りするか悩みました.そのとき,きっと苦しんでるのは自分だけではないと思いYouTubeを開き配信者さんたちが今どうしてるのか見に行きました.そのとき,KCカップ期間中最大のショックな出来事が2つあり,1つはもつくさんがバランス剛鬼でDPを爆盛りしていたこと,もう1つはぽんコツくんさんがドラグニティでDPを爆盛りしていたことです.
バランス剛鬼は事前準備の段階で自分は「何に勝てるのかよく分からないデッキ」に分類していました.ワンキル環境では一定確率で局所を踏む点,剛鬼の強みであるネクロバレーを積めることが対3強にあまり刺さっていなかったからです.カラクリにネクロバレーが刺さりにくく,不知火は語り不知火がシェア率を伸ばしたことで3チューナーの採用率が上がり弩弓部隊コズサイが引けていなくても不知火のギミックだけでネクロバレーの対策ができており,水晶はバック干渉札の採用に重きが置かれ,コピー水晶の台頭もあり墓地を経由しないシンクロ召喚によるネクロバレーの処理が可能になっていました.試行回数を重ねる毎にバランス剛鬼は勝てなくなると予測していました.そのバランス剛鬼でDPを盛っていたので,自分の事前準備は全くの無駄だったのかとショックでした.
結果から考察すると,もつくさんのバランス剛鬼で銀アイコンの獲得は,バランス剛鬼が強かったというよりもつくさんのKCカップの走り方が上手かったと考えています.序盤のワンキル合戦のときは勝率が不安定なワンキルデッキが多い中,安定性のあるデッキを握り,ワンキル環境に対抗するように現れた水晶に対しネクロバレーの対抗策はあるとは言え苦戦を強いるネクロバレーデッキを当て続け,水晶を蹂躙していったネクロバレーが無力なデスぺ大流行の前にはDPを上げ切って引き揚げていました.自分のデッキの強みを最大限活かせる土俵で戦い続ける完璧な走りです.おそらくですが,もつくさんの配信を見てバランス剛鬼を丸パクリして走った人たちは走った時間帯にラグが生じ勝ち切れていないと予想しています.
もう1つショックだった出来事のぽんコツくんさんのDP爆盛りは,もつくさん以上にショックでした.決して上手いプレイヤーではないぽんコツくんさんが,それでも悪戦苦闘しチャット欄の視聴者と言い合いしながらKCカップを走ってくれる姿は,KCカップの風物詩であり,多くのKCカップを走っている同志たちを勇気づけてくれていたことでしょう.そのぽんコツくんさんが金アイコン争いに届きそうな勢いでDPを爆盛りし,俺でも勝ててるこの環境クソだクソだと言いつつニコニコしながらドラグニティを回している姿は腹が立つと同時に,ドラグニティの上振れを引き続けて上位争いに参加している人もいるのだろうと想像ができてしまい,何で事前準備までした自分は最底辺にいるのかと死にたくなりました.
勝てるわけないと思っていたデッキと,勝てていてほしくなった人の裏切りがショック過ぎて,クソおもんないはこのアプリ,アンインストールしようか悩み7時間ふて寝しました.

1.5 KCカップ2日目(水晶とカラクリの増加)

7時間のふて寝から起きたら気分スッキリしていました.起きてすぐに潜りましたが,落ち着いてプレイすればドラグニティは運要素もあっても,そこまで苦戦する対面でもないので勝てるようになりました.7時間睡眠のおかげで,プレイミスも減り特に苦戦することなく3万DPに乗りました.
この時,直近のKCカップの傾向通りワンキル環境になれば現れる水晶が増えていました.ただ水晶は事前準備のために何度も参加したポイバで何度も対戦した経験があったので,負け筋さえ分かっていれば負けることはないと思っていなので水晶とマッチングする度にボーナスステージでした.
ここから水晶ばかりとマッチングするようになりマッチングボタンを押せば押すだけDPが増えていき4万DPにすぐに乗りました.下がそのときのスクショです.

画像13

昨日までの勝率からは信じられないくらいの勝率まで戻り,水晶狩りを楽しんでました.しかし,ここから異変が起こりました.金アイコンやKCGTプレマをつけた水晶使いばかりとマッチングするようになって,勝ったり負けたり,勝っても苦戦して勝つ対戦が増えてきました.そのとき対戦したコピー水晶との対戦模様が下の画像です.

画像14

kinghaloさんの動画を見て知っている人もいるかもしれませんが,水晶側がWCに勝つ勝ち筋はかなり細いです.特に,コピー水晶の場合は海水晶以上に勝ち筋が細くなります.それを理解した上で殴り勝てないと察した水晶がみんなデッキアウト狙いの耐久作戦を取ってきました.ただ耐久するだけでなく集中力を切らしてちょっとでも隙を見せるとワンキルにプランをすぐに切り替えてきました.1人や2人ならよかったのですが,耐久作戦を実行してくる水晶使いがあまりにも多かったせいで水晶の勝率も徐々に下がってきてDPが伸びなくなりました.前回のKCカップのとき水晶に全く勝てなかった経験から今回は事前準備をしっかりしてきたつもりですが,ここまでレベルの高い水晶使いと連戦した経験はなかったので,苦しかったです.ポイバで調整してきたとは言え,ポイバはいろいろなレベルのプレイヤーが参加しており,うまいプレイヤーでも時間がかかる長期戦プランはタイムロスなので短期戦プランを優先してくれます.周りに調整相手になってくれる人がいないことのディスアドバンテージが分かったので今後の反省になりました.

ここで,1日目から使っていた構築に限界を感じ構築を見直すことにしました.このときの構築が以下になります.

画像15

ドラグニティの減少に伴い増えてきたカラクリと水晶とばかり対戦していたのでデモンストレーションを減らしシステムダウンを入れました.いや3枚入れろよ!と思われると思いますが,水晶はプレイミスさえしなければ基本的には負けることはないのと,後程WCバック干渉札の採用基準でまとめますがWCからギャラクシーサイクロンを抜く選択肢はなく,どうしても1枚が抜けませんでした.
EXデッキのPSYフレームロードZは抜いてカラクリを厚く見るために星態龍を入れました.Zはドラグニティのアスカロンの処理と相手ターンの手数を増やすために入れてましたが全く活躍していなかったので,カラクリに強く出られる星態龍を入れました.この星態龍が今回のKCカップの3枚あるMVPカードのうち1枚で,後のWCのプレイングの項目でまとめますが,WCの対面ドラグニティはドラグニティ側がクリボールを握っている場合,アスカロンが出せるハンドであったとしても,何もしないでディスドロをするほうが勝てます.このクリボールを握って何もしないドラグニティに対して星態龍の攻撃する場合,効果を受けない効果が強かったです.

構築の見直しで劇的に勝率がよくなると期待していましたが,思うように勝率はよくなりませんでした.その原因として,最後まで拘っていたピン刺しのギャラサイがクリストロンには打ち所がなく,カラクリにも打ったところで状況が変わらなかったからです.加えて,芝WC時代のカラクリは先攻ヴェールでブレイを止めたらバックが薄いので旅籠蔵をギャラサイで剥したら勝ちでしたが,今のカラクリはブレイを止めてもバックを厚く置いてくるので先攻・後攻どちらを取ってもギャラサイが活躍してくれませんでした.バランスWCのピン刺しカードの弱いところも目立ちました.そこで拘りを捨てました.

画像16

ここでやっと冒頭のデッキが完成しました.この構築にしてからDP爆盛りできるようになったかと言うと,そうでもなくずっと増えもせず減りもしなかったDPがちょっとだけ上向きになりました.

画像17

画像18

30戦して+4000DP.KCカップらしくなってきました.100位以内に一瞬入れたところで2日目は終了しました.2日目後半あたりから運命デスぺとの対戦数増えているなという印象がありました.前回のKCカップでは,休まずWCを回し続けたことで疲労が溜まりプレイ精度が落ちたので徹夜して走るのはやめました.

この2日目の構築には今回のKCカップの3枚のMVPカードのうち2枚が入っており,1つは鬼動武者,もう1つはシステムダウンです.
鬼動武者は事前準備の段階で天気対策をEXに増やすために入れていました.2日目から多く対戦した霊獣,3日目から増えたデスぺに強かったのもありますが,耐久してくる水晶のリソースを削りにいけたり,カラクリの弩弓部隊が流行っていたので,弩弓部隊部隊+デモンズチェーンみたいなバックのときブラックローズドラゴンを出して2400打点を残すくらいなら鬼動武者でバックを踏むほうが強かったりと何度も活躍してくれました.EXデッキを見たら分かると思いますが,WCのレベル7シンクロ枠は効果無効された場合鬼動武者の2600打点が最大です.単純な打点2600が効果無効にされてもサンドバックにされない点で優秀でした.今回のKCカップ通してエヴァリーは3回くらいしか使ってませんが武者と星態龍は30回は使う大活躍でした.
3枚目のMVPカードであるシステムダウンは,環境が機械族に偏っていたから当然と思われると思いますが,規制後のソラエクが弱くなった理由と同じでWCのデッキ相性的には採用しても強いカードとは言えません.ただし,今回のKCカップは例外で,機械族に環境が偏っていたこととバランスWCのコンセプトが3枚積まざるを得なくなったシステムダウンと偶然噛み合ったことから相性いいパワーカードへと変貌しました.詳細な説明は後のWCのプレイングの項目でまとめております.

1.6 KCカップ3日目(デスぺ大流行,ぽんコツくんさんとの遭遇)

3日目は急用が入ったので,夕方まで走れませんでした.
夕方から再開しましたが,潜り始めてすぐに環境の変化に気づきました.デスぺに3回に1回はマッチングしてたほどデスぺが大流行していました.瞬間ランキング1位にデスぺが入ったことにより,デスぺが強いと噂になったことによる大流行でした.ここから再びDPが伸び悩み5万DPに乗ったらすぐに連敗して4万帯に落とされてを繰り返すことになりました.この時間帯が今回のKCカップ通して1番苦しかったです.
苦しんだ理由が2つあり,1つは4万帯と5万帯で環境分布が違い過ぎたこと,もう1つは流行のデスぺの構築がよく分かっておらず対戦相手毎に構築が微妙に異なっていたからです.
1つ目の環境分布の違いは,5万帯はデスぺが門番のように居座っていたのに対し,4万帯に落ちると5万帯のデスぺに敗れたWCの天敵語り不知火が増えました.この分布の違いのせいでデスぺに4万帯に落とされると不知火に負け続け一生戻ってこれない地獄のような環境になっていました.
2つ目のデスぺの構築については,今回流行した運命デスぺは,これまでの運命デスぺとはコンセプトから異なったものでした.詳細はつんつんさんの動画見てください.

事前情報もほとんどなかったことから,採用札が読めず,何をされているのかよく分かりませんでした.これは自分だけではなかったようで,人によってはネクロバレーを採用したり,輪廻デスペを使っている人もいたり,底なし,カナディア,デモンズチェーンを多めに積んだ構築など,流行に乗って真似した人たちの中でもデッキへの理解度の差から構築差が生じていました.これがWC視点かなり苦しく,採用札が読めないせいでプレイが安定しなくなり,急な環境の変化への対応力も自分にはないため,デスぺにDPを吸われ続けました.

4万帯に落ちたとき,初日に絶望の淵に叩き落としてきたあのぽんコツくんさんとマッチングしました.ドラグニティを使っているのは知っていましたがこちらの初手がよくない罠が2枚も初手に来てしまい,いきなりヴェールを立ててパトローナスとマスターピースを伏せて手札0枚でターン返しました.ぽんコツくんさんのターン,ドローフェイズに砂時計が光りコズサイを握っていることが分かりパトローナスでヴェールのコストが取りに行けなくなりました.ここで,ぽんコツくんさんがコズサイを打たずに我慢してきたら負けなのでぽんコツくんさんのプレイングミスを祈りました.祈りが通じてコズサイを発動してくれましたありがとうぽんコツくんさん.しかしここでまた絶望のぽんコツくんさん,バックを伏せただけで何もしないでターンを返してきました.先にも触れていますがWC視点ドラグニティの何もしないプレイングはかなりうまいプレイングです.ぽんコツくんさんがどこまでWCを分かっていたかは分かりませんが,コズサイからは一転して分かり手のプレイが飛んできて絶望しました.トップに全てを賭けてお祈りドロー,ミネルバを引き星態龍で殴って勝ち,ウキウキでミネルバを召喚したところで砂時計が光りました.嘘だろドラグニティに底なし????底なし開かれたら負けなんだが????何回ぽんコツくんさんは絶望に叩き落してくるのかと発狂しそうになりましたが,なぜか底なしを開いてこず星態龍で殴ったら勝ちました.対戦相手がぽんコツくんさんでなかったら負け試合でした.

DPが伸び悩んだので一旦休憩することにしました.これがとてもよく,冷静に考え直す時間ができました.このとき,4万帯に落ちて不知火と連戦しても絶対に勝てない,まずはDPは伸びなくてもいいので5万帯から落ちないためにデスぺに構築を寄せることにしました.何回かデスぺと対戦したことで,デスぺの構築も概ね分かってきたので,WC視点でデスぺ対策を考えることができました.落ち着いて考えてみれば,WC視点デスぺ自体には脅威がなく,Ms. JUDGEもシュミッタの1800打点とパトローナスなどでコイントスを消化させることが回答になっており,ヘッドジャッジングも下級WCモンスターは効果は無効になっても奪われるリスクはなく,上級WCモンスターを出さないように動きつつ,シンクロも鬼動武者を積極的に出せば問題ありませんでした.怖いのは何が飛んでくるかよく分からない後ろの伏せカードとデビルコメディアンにリソースを全部持っていかれることがきついだけです.デビルコメディアンについては,1枚しか実装されていないので踏んだら不幸な事故だったと割り切ることにしました.これで,何が飛んでくるか分からないバックだけに対策を絞ることができました.

デッキ構築を見直して,このとき使っていた構築が以下になります.

画像19

システムダウンを全部抜いて,ギャラサイ2枚とコズサイ1枚を入れました.ここに来て,前回のKCカップからずっと調整してきた経験が生き,シークレットドローWCのバック干渉を多く積んだ構築が,何が伏せから飛んでくるかよく分からない環境では強かった経験からシステムダウンを抜く発想が思いつきました.
このシステムダウンを抜いたバック干渉型が5万帯の環境にマッチしました.デスぺが増えたことで召喚獣も増えていたのでバック干渉札で安全に戦うことができました.システムダウンを抜いたことでカラクリの勝率が下がる不安はありましたが,5万帯のカラクリは上位帯の争いに敗れて落ちてきた人たちや自分同様死んでも銀アイコンがほしいと必死になってる人が多いため,プレイングがおかしくなったカラクリとの遭遇率が上がりました.システムダウンを何度も打たれてトラウマになったと思われる,先攻イナシチ召喚シンクロ召喚はせずに3伏せターンエンドしてくるカラクリまで現れました.対面30枚バランスならシステムダウン割り切って動いたほうが勝てると思うんだけどなと思いつつバックを剥して勝ち拾ってました.

画像20

構築を変えてから4万帯に落ちる事態が回避できるようになり,100位ボーダーが見えてきました.
この時点で,KCカップ前半はふて寝と休憩を繰り返しながら走っていましたが,100位争いギリギリになってしまったのでここからはもう休憩してる余裕がなくなりエナジードリンクを買いにコンビニに走りました.

1.7 KCカップ最終日(じんかけの1戦)

3日目の構築が環境にマッチしたおかげで順調にDPが増えていき遂に6万DPに乗りました.

画像21

このときかなり調子よく負けてもすぐ連勝のループに入って6万にすんなり乗りました.
ここで問題が発生しました.自分は銀アイコンを1度も取った経験がないの銀アイコンボーダーの見通しが全くできずステイしていいのか走らないといけないのか分かりませんでした.このとき,かなり調子よかったのでこのまま走り続けて世界大会代表権をかけて争っている本当の上位者同士の戦いに参加してみたい,仮にそれでDPを溶かしてもいい経験になるという思いもよぎりましたが,3年やっても銀アイコンすら取れてない自信のなさが安全に銀アイコンを取る方向に舵を切ってくれました.
ここからは,銀ボーダーを予測するためにメモ帳を起動しランキング更新時間と100位のDPと自分の順位をメモして銀ボーダーを予想しながら1時間に数戦ずつのペースで走っていました.ツイッターで100位ボーダーのDP予想を教えてもらったり,優しく教えてくれそうな雰囲気のあるzeluさんのライブ配信でDP予想を聞きまくってました.それらから判断して最低6万3000,6万5000DPで安全圏と予想しました.
調子よかったので特に苦戦もせず6万3000DPに乗り一旦ステイしました.

画像22

深夜帯は100位のDPの変動がほとんどなかったので銀アイコン取れたと安心し,6時間くらいステイしてました.
朝になって,状況が変わりました.100位のDPが毎時500~700のペースで上がり始め6万3000DPでは全く安全圏ではなくなってしまいました.


100位が6万2000DPなので1ゲーム差になり,走らざるを得なくなりました.
デュエルボタンを押して踏んだのがデスぺのおかげで前日はほとんど踏まなかった語り不知火.後攻でこちらの盤面を崩壊されてそのまま負けました.負けを取り返さねばとデュエルボタンを押したらまた語り不知火でまた負け,次こそはとデュエルボタンを押せばブラマジに陣ナビされて負け,次こそはと押したらカラクリ先攻イナシチ入場で負け,これ以上DP下がらないでくれと願ってデュエルボタンを押すも虚しく先攻カラクリイナシチ入場で負けました.たった10分ちょっとで-5000DP,一瞬で5万DP帯に叩き落されました.
元から最終日は走らない予定でいました.最終日は最後のじんかけに走る人が多いのが容易に想像でき,短期決戦かつ初手がよければ対面関係なく勝てるカラクリが激増することが読めていました.WCはカラクリとの勝率が勝てなくはないけど安定せず最終日に使っても勝てない可能性が高かったので最終日はステイするとKC始まる前から決めていました.走らざるを得なくなったことで最後の構築の見直しをしました.

画像24

2日目に使っていた構築と全く同じシステムダウン3枚構築に戻しました.ここから,運が味方しシステムダウンが手札に吸い付いてきてカラクリに連勝し,有利対面のドラグニティ,サイバー,ガール召喚獣ともマッチングし,コズサイさえ引ければ勝てるトラミッドにコズサイが吸い付いてきて,溶かしたDPを取り返すことができ6万5000DPに乗りました.

画像25

この時点で11:30だったので12:30と13:30分のランキング更新を見て走るか決めることにしました.
12:30分のランキング更新が以下です.

画像25

かなり微妙なDP差で悩みましたが,ここから溶かしたらDPを取り戻す時間も自信もなかったので,最後のランキング更新までステイすることにしました.

最後のランキング更新,104位!?余裕で銀アイコン圏外で走るしかなくなり最後の1戦お祈りしながらマッチングボタンを押しました.

画像26

対戦相手は闇遊戯,バランスではない.こちらの先攻.今回のKCカップ中,バランス以外の闇遊戯を踏んだ瞬間ボーナスステージで,もうこの時点で神に感謝してました.初手はまあまあ丁寧にやれば勝てそうです.ピットレ→シュミッタ→マスターピース切りのトップデモンストレーション→シュミッタでサボタージュ落としの90点以上の初動ができました.
対戦相手後攻1ターン目.

画像27

イナシチ入場.今回のKCカップで都合がよすぎるだろデッキ第1位スキルなしでコイントス表しか出さない運命デスぺに次いで第2位のスキルなしで初手にイナシチ握ってるドロセンローレベルカラクリを最後の最後に踏んでしまったと絶望しました.手札全部モンスターで事故ってろと再び神にお祈りしました.

画像28

定石通りヴェールでブレイを止めました.ここで奇跡が起きました.相手が何もバック伏せずにターンエンド!?よっしゃーエヴァリーでブレイを殴れば勝ち!勝ちを確信しました.

画像29

なぜか手札から飛んでくるクリボール?????嘘だと言ってくれ!!!
おそらくですが,今回のKCカップ都合がよすぎるだろデッキ第1位にディステニードローカラクリがエントリーしました.こんな理解不能なデッキに自分の銀アイコンは阻止されるのかと今回のKCカップで1番発狂したシーンです.
相手ターン,ブレイでヴェールを縦にされてから小町入場.打つしかないのでヴェールで止めます.蝦蟇油発動どんだけ強い.ブレイドからなぜかカラクリ樽入場してからバック1伏せ.勝ち確信から一転負けを確信しました.
ここで,なぜか奇跡が起きます.

画像30

なぜか相手が殴ってこない???この場面,相手視点ではサボタージュが手札にあることは分かり不明カードは1枚だけです.この不明カードがモンスターカードだった場合はヴェールを処理できて,魔法カードで返り討ちにされたとしても伏せが置けているので返しのターンの受けはできています.殴る以外の選択肢ないはずですがなぜか殴ってこない奇跡が起きました.
このチャンスを逃したらもう勝ちはないので賭けに出ます.ピットレのドローでシステムダウンを引けることに賭けます.


引けたああああああああああああ!!!!!!!!
最後はデッキが応えてくれました.

画像32

6万6000に乗せたところで銀アイコンがほぼ確定したところで自分のKCカップは終わりました.

1.8 KCカップまとめ(WCでは1位にはなれなかったのか?WCが勝てた理由,ぽんコツくんさんへの謝罪文など)

ここまで,読んでいただいた方はありがとうございました.
今回のKCカップはWCを使って走り抜き,自慢できるほどの結果ではないと思いますが,銀アイコンを取れました.
WCが今回のKCカップで銀アイコンを取れた理由を考察してみると,2つの理由が挙げられると思います.
1つ目の理由は,規制で誰からも終わったと思われた完全な環境外デッキと思われていたことです.規制後,環境落ちしたせいで一切研究がされていなかったため,KC中も間違ったプレイをしてくれる対戦相手が多く見られました.正しいプレイを分かっているプレイヤーでもWC対策まで視野には入れてないので,デッキ相性差だけで勝ててました.加えて,環境外デッキだったためミラーマッチがありませんでした.WCのミラーマッチははっきり言ってプレイングと構築の最低限の知識があれば,引き以外勝ち筋のない引きゲーです.環境デッキとして意識されていれば当然ミラーも増え勝てなかったはずです.
2つ目の理由は環境の変化がWCに有利にはたらいていたことです.開始直後のワンキル環境では,局所ワンキルが効かないだけでもWCが有利でした.特に,序盤のランダムマッチでは使用キャラによるデッキ偽装に苦しみがちですが,その中でもWCはサイバー,月光,召喚獣,ドラグニティ,HERO,霊獣などのデッキに相性で有利が取れており,デッキ読みを間違えても立て直しが簡単にできたため,偽装デッキに強かったです.その後の水晶環境も事前準備で対戦経験から有利なことが分かっていました.中盤以降のデスぺの大流行も,自分の対応力のなさから苦しみましたが決して不利なデッキでもなかったこと,デスぺの大流行によってデスぺに勝てないと判断したWCの天敵語り不知火が数を減らしたこと,デスぺの対策にWCが圧倒的に有利な召喚獣が増えたこと,機械族環境がシステムダウンを必須カード化させたことで事故札を積んだデッキが増えた中,システムダウンが腐りにくいWCがシステムダウンを強く使えたこと,最後まで事前予想に反しDDクロウが流行しなかったことがWCに有利にはたらきました.
ここまで,勝てた理由を考察してみましたが,これだけWCが強かったのならもっと自分より強くWCに精通しているkinghaloさんに代表されるプレイヤーがWC使っていたら金アイコン取れただろと思う人もいるかもしれません.金アイコン争いに参加できたことすらない自分が言うのもおかしな話ですが,個人的な見解として,おそらくWCで金アイコンは不可能だったと考えています.上でも説明したようにメタゲーム外から遠距離射撃をしていただけで,メタゲームに巻き込まれていれば,語り不知火に引き下ろされ,カラクリとパチンコ合戦してそのまま終わっていたと思います.いやいやいつのKCカップでも1位はtier表通りではないからWCで金アイコンが可能性0だったとは限らないだろという意見もあるかもしれません.それについては,1位はtier表通りとは限らないですが,tier表のデッキに勝てる可能性が0のデッキが1位を取ったことはないです.前回のKCカップから語り不知火の対策方法を探し続けていましたが,WCに語り不知火の対抗策はありません.WCが金アイコンに足を突っ込めば今回のデスぺのように対策されて結局金アイコンからデスぺは消えたと同じ結果になっていたはずです.自分の銀アイコンはWCが今回のKCカップで到達できる最高到達点だったのかもしれません.金アイコンを取ることと銀アイコンを取ることが全くの別次元の話だと経験として理解できたKCカップでした.

以上でKCレポートは終わりです.運のよさもありましたが,事前準備をしっかりすることの大切さを実感できた充実したKCカップでした.また,環境把握を常に誰かがライブ配信をしていた配信者さんたちのおかげででき,配信者に泣かされ笑いを提供してもらい楽しいKCカップでした.まだまだ実力不足ですが,いつかは金アイコン争いや代表権争いに参加してみたいという思いもあるので今回の結果に満足することなく高みを目指したいと思っています.

2. WCのプレイング

ここからは,WCのプレイングについて,構築とプレイングの基礎からバック干渉札の採用基準,その他の採用候補カード,各対面との立ち回り,おすすめの練習方法など基礎から応用まで説明していきます.WCが何をしているのかさっぱり分からない初心者にも分かるように,なるべく分かりやすく説明はしているつもりです.ただし,各カードの使い方を1枚1枚ピックアップして全て説明することはしません.あくまで,初心者が最初につまずくポイントや間違いポイントを押さえて初心者が進むべき方向性を示すだけに止めています.

2.1 WCのプレイングの基礎(ランクマのWCが弱い理由)

まず,WCのプレイングの基礎ですがWCについて初心者が勘違いしがちな点を正しておきます.
WCを使って勝つ上で最も大事なキーカードは何でしょうか?

答えは,エーデルです.

画像33

いやいや,初動のシュミッタやマスターピース,制圧のヴェールのほうが大事でしょと反論されると思いますが,ここで大切なのは初動や制圧することはあくまでデッキを成立させるうえでの必要条件であり,勝つための必要条件ではないことです.初動率=勝率が成立するならカラクリ以上に強いデッキは現環境存在せず,制圧すれば勝ちのゲームならカードゲームにおいて先攻ワンキルデッキが理論上最強デッキです.初動,初動と初動率にばかり注目しがちですが初動率は確率ツールを使えばすぐに算出でき,初動率だけが全てのデッキに平等に与えられた計算上の確定要素ですが,勝ちに必ずしも直結する数値ではありません.あくまでも初動札は削ってもよく初動率は下げても勝ち筋は削ってはいけないのです.
この勝ち筋のためにエーデルは最も大事なキーカードです.よくランクマで見かけるヴェールを立ててそのまま何もできずに負けてしまうWC使いがいますよね?これは多くの場合,エーデルをデッキに入れていない,もしくはエーデルの力を最大限活かせていないパターンです.WC下級モンスターは墓地効果を使ったら除外されるので回収しない限り戻っては来ず,デュエル中2度と使えません.WC下級モンスターを全て使いきりデッキにエーデルが入っていない場合はたった2枚のヴェールで相手のLPを削り切り必要があります.これがヴェールを立てただけで何もできずに負けるWCの理屈でデッキ内に勝ち筋をたった2枚しか用意していないので当然ですが勝ち筋が細くなっています.だからエーデルの使い方がWCでは最も重要になります.
ここまでの説明で,どんなすごいエーデルの使い方があるのかと期待されたかもしれませんが,基本的にはテキストから読み取れる以上の使い方はなく,打点2000なのでコラボレーションで2回攻撃付与して4000ダメージでワンキル,2000打点なのでヴェールの打点上昇効果で魔法カード1枚見せるだけでコキュートスを上から殴れる(他のWCは2900打点以上は魔法カード2枚以上要求されます),エーデルを経由してヴェールを釣り上げることで因果切断を1回分踏める,手札の魔法カードを切って手札のWCモンスターを出せるので手札にきてしまったヴェールを展開できる,ピットレ+ヴェールの初手の場合ピットレの効果でエーデルを特殊召喚ヴェールを切って1ドローからヴェールを釣り上げることでデッキ内のヴェールを1枚温存できる,釣り上げ効果が任意の魔法使い族なのでシンクロ召喚につなげられるくらいの使い方しかありません.(芝WCのときは,手札のWCを展開してからルミナスを釣り上げてルミナスの効果でさらにライトロードを釣り上げることで3体モンスターが並びエネコンで相手モンスターを奪ってシンクロやワンキル,ワンキル失敗しても手札コストが全てエンドフェイズに返ってくる使い方もあったので今よりもっと強かったですが)
以上の使い方からヴェールは初動にも少しは貢献しますがフィニッシャーの役割が多く,使い方より使うタイミングのほうが大事なカードです.初動への貢献度が低いため,事故率を下げるためにエーデルを抜いてしまう人も見られますが,上でも説明しましたが勝ち筋は細くなりデッキパワーは落ちるため,できるだけ避ける選択肢です.
以上がWCのプレイングの基礎です.いやいやエーデルの説明しただけで他のカードの使い方全く説明していないからさっぱり分からんと言われそうですが,そう思われた人は次のWCのおすすめの練習方法を読んでください.

2.2 WCのおすすめの練習方法(WCは罠に弱いの本当の意味,おすすめの練習構築など)

WCのおすすめの練習方法はずばりガール召喚獣との対戦経験を積むことです.
いやいや,プルガトリオに両親殺されたから召喚獣は生理的に無理,親は殺されてないけどコキュートスにデッキ殺された,罠多すぎるから召喚獣は無理やで,と言われそうですがプレイングの基本さえ押さえておけば負けない相手です.(召喚獣以上にWCが殺したデッキのほうが多い気がしますが...)
ガール召喚獣は以前のES召喚獣以上にWCは簡単に勝ててしまいます.ES召喚獣は召喚獣側の理解度にもよりますが,プレイと構築次第ではWCに勝つ方法がありました.しかし,今のガール召喚獣はプレイと構築次第では勝つ方法はあるかもしれませんが,基本的にはWC側が手札事故するかプレイミスでもしない限り勝ちます.
ガール召喚獣とES召喚獣の決定的な違いが2つあり,先攻カリギュラ率が低い,ダイヤウルフのような例外もありますが基本的に戦闘以外でモンスターがWC側の盤面に触ってこないことが挙げられます.
カリギュラについては出されたら負けに直結するほどきついわけではないですが,全くきついわけではないので出てこないに越したことはありません.先攻カリギュラ率がガール召喚獣はES召喚獣より低いのでES召喚獣より戦いやすいです.
もう1つの戦闘以外でモンスターがWC側の盤面に触ってこないが,WC初心者やWCに詳しくないプレイヤーが勘違いしている重要なポイントです.「WCは罠に弱い」とよく言われますが正しくは「WCは罠を強く使うことができるモンスターを使ってくる罠デッキに弱い」です.分かりやすい例を示すと,アックスレイダーデッキがいくらバックに因果切断やデモンズチェーンを置いていても,前にいるアックスレイダーに何の脅威もないので後ろの罠を恐れる必要がありません.ガール召喚獣はWC視点アックスレイダーデッキと同じです.いやいやそれなら,カラクリも同じ罠デッキなんだからアックスレイダーデッキでしょと言われそうですが,カラクリはアックスレイダーデッキではないです.

画像34

このカラクリ将軍ブレイというカード,ヴェールのステータスを1800下げると書いています.1800はヴェールの上昇効果に必要な魔法カード2枚分もです.加えて旅籠蔵というカードの存在です.

画像35

効果を無効にしてヴェールのステータスを1800下げると書いてます.しかも,このカードサーチが可能です.どんだけ強い.さらに芝WC時代のワンキル特化のカラクリと違い,今の罠カラクリは展開を止められてもしっかりバックを構えてきます.最強の前と最強の後ろを構えるカラクリデッキは,WC視点これ以上強いデッキは現環境存在しません.
話が脱線しましたが,元に戻してガール召喚獣についてはモーレフのようなこちらの盤面を触ってくるモンスターもいなければ,アレイスターを使わずに勝ち切ることはできないので,スローゲームに持ち込みやすく,仮にプレイミスをして負けたとしてもどこでミスしたかが分かりやすく初心者がプレイを見直すことが容易にできます.スローゲームに持ち込めることにはもう1つ良い点があり,マスターピースを落としてじっくり戦うプレイングが学べます.これについては後のバランスWCのプレイングの項目で少し触れます.
もう1つガール召喚獣と練習することが初心者におすすめな理由があり,召喚魔術がシュミッタ,ピットレを素材できることがあります.いやいや,それは召喚獣の有利要素で何度も息子の妖刀が除外ゾーンに飛ばされたぞとクレームが入るかもしれませんが,WC視点では召喚魔術のおかげでプレイングが簡単になるので初心者がプレイングの学習がしやすくなります.召喚魔術で除外されてリソース削られるくらいなら,先に使ってしまわないともったいないです.初心者の中には,ピットレのドローで何を捨てたらいいのか,シュミッタの効果で何を落としたらいいのか分からない人もいるかもしれません.最初のうちは,シュミッタでマスターピースか足りない任意のWC魔法カードを落とす,ピットレで何を切っても問題ないです.ガール召喚獣はスローゲームになりがちなので,少々シュミッタで落とすカードをミスしても立て直しが簡単です.仮にミスして負けたとしても先に述べたようにミスが分かりやすい場合が多いので,プレイの修正が簡単です.
以上がガール召喚獣がWCの練習相手として最適な理由です.いやいや,各カードの使い方も罠の踏み方も教えてないからさっぱり分からんと思われると思います.後のバック干渉札の採用基準,各対面の立ち回りの項目で少し触れますが深掘りはしません.基本的には,先のWCのプレイングの基礎の項目の説明通り,WCは勝ち筋を意識するさえ頭に入っていれば,最初のうちは罠の踏み方がうまくできない,初動ミスしたなど失敗しても必ずいつか回せるようになります.
最後におすすめの練習構築です.

画像36

自分が今回のKCカップで運命デスぺが流行した時間帯に使っていた構築と全く同じです.最終的には,WCは罠はプレイで踏むことができます.バック干渉札は決して多く採用する必要はありませんバック干渉札の採用枚数は環境依存です.しかし,初心者にバックをプレイで踏めるレベルを要求するのは難しいと思われるのでバック干渉札を多めに採用しています.かなり使いやすい構築になっているので,ここからWCに入るのをおすすめします.バック干渉札の採用基準については後のバック干渉札の採用基準で説明しています.

以上がWCのおすすめの練習方法です.細かい説明は省略しましたが,WCを回すうえで一番大事なことは勝ち筋を意識することなので,ここさえ間違えなければいつか世界最高峰になれるとは限りませんが,うまいWC使いにはなれます.頑張ってください.

2.3 バランスWCのプレイング(芝WCと異なる点)

何度も貼りますが練習構築用のバランスWCの構築を使ってバランスWCのプレイングを説明します.基本的な点は芝WCと同じですが芝WCと異なる点を説明するために比較のためにkinghaloさんの芝WCの構築も貼っておきます.

画像37

画像38

バランスWCは芝WCと異なり芝や援軍ソラエクでガンガンアドを取っていくことはできません.基本的に下級WCモンスター+任意の魔法カードから動いていきたいので下級WCモンスターの枚数は高い確率で初手に来るようにピットレの枚数を増やしています.いやいや,それならジェニーの枚数も3枚にしろよと言われそうですが,先のKCレポートでも説明しているように,ジェニーは墓地効果はWC魔法カードをコピーする効果なので初手からすぐに仕事するわけではなく,初動に一応なりますが強い初動ではありません.ジェニーの枚数についてはもう1つの芝WCと異なる点とも深い関係があります.
もう1つのバランスWCが芝WCと異なる点,それは高い確率で手札に罠カードが来ることです.
芝WCは罠カードは2枚しか入っておらず,手札に来る確率が低かったに加えて,墓地効果のほうを主に使っていたので普通に伏せてから使う通常の罠カードとしての使い方はしていませんでした.手札にきても邪魔になることも多かったため,ピットレに追加でルミナスまで入れて手札を切りやすかったソラエク型は非常によくできたデッキでした.
しかし,バランスWCではそうはいうわけにはいかず,ピットレの効果で切るくらいしかなく,切っても強くない場合が多いです.ここでマスターピースの効果を1度読んでみましょう.

画像39

墓地の好きな魔法カード選んでデッキから持ってきつつ,さらに後続まで取ってくると書いています.どんだけ強い.セットして発動するだけで2アド取れるカードなのでピットレで切るだけでは基本的にはアド損です.芝WCがアド損してでも切っていたのは,芝WCが少々のアド損が無視できるレベルでアドが取れるくらい強かったからです.この芝WCのアド損については,先のソラエクが弱くなった理由のところでも説明しています.
バランスWCはマスターピースを伏せるプレイを構築の段階で意識しなければいけないです.基本的には採用する魔法カードは2枚以上採用になり,1枚採用の場合マスターピースを伏せてもデッキ内にサーチ先のカードがない事態が起きます.(余談ですが,マスターピースの魔法カードを拾う効果が今回のKCカップでは非常に強く,カラクリがイナシチ展開にムサCを挟みシステムダウン1枚打たれてももう1度展開してくるのに対し2回目のシステムダウンを打てました.)
加えて,マスターピースを複数枚採用する関係から,レアケースですがデッキ内にジェニーが残っていないせいで墓地のマスターピースの効果が使えない事態が起きることがあります.ここまで考えていたのかは分かりませんが,先のバランスWCとの出会いで紹介した元のバランスWCにはジェニーが3枚入っています.実際は,マスターピースとパトローナスが手札に来る確率は同じなのでパトローナスでジェニーを回収してあげたり,ジェニーをデッキ内に温存するプレイを意識すれば問題ありません.

以上が,バランスWCのプレイングを芝WCと比較しながらの説明です.細かいプレイングの説明は省略しましたが,注意すべき点を中心に説明してあります.

2.4 バック干渉札の採用基準

WCのバック干渉札の採用候補はいくつか挙げられると思います.
ギャラクシーサイクロン,嵐,コズミックサイクロン,禁じられた聖槍,禁じられた聖衣,ナイトショットなどが挙がると思います.
ここで,WCとの相性を考慮した採用の優先順位を示します.

ギャラクシーサイクロン>コズミックサイクロン≧嵐>>>>>(その他)

いやいや,おかしいだろ聖槍ないと罠踏めないし,お前が銀アイコン取ったデッキにギャラクシーサイクロン入ってなかっただろといった反論もあると思いますが,この優先順位にほぼ間違いはないと確信しています.
先のソラエクWCが弱くなった理由で説明しましたが,基本的にWCモンスターの効果を起動するために魔法カードを切る行為はアド損です.このアド損を軽減するために採用する魔法カードはアド損したとしてもリターンがあるように2重の意味を持たせる必要性があります.
ギャラクシーサイクロンと嵐が優先される理由は分かりやすく,自分のパトローナスやWC魔法カードを割ってアドに変換できたり,ギャラサイの場合は墓地に行っても相手のデモンズチェーンを割ったり単に相手のバックを剥す以上の仕事を持っています.嵐がギャラクシーサイクロンより優先順位を落とす理由は,回った後前提の色が濃く初手に来ても仕事しない場合があるためです.特に,バランスWCになってからは初手に来る魔法カードは1,2枚なので嵐が初手で打てない場合が多く,マスターピースとの組み合わせでしかほぼ機能しません.環境にネクロバレーが多い場合は,ギャラクシーサイクロンより優先して採用してもいいかもしれません.以上の理由からギャラクシーサイクロンのほうが優先されます.
ここまでの説明では,コズミックサイクロンが優先順位高いのはおかしいだろと思われた方もいるかもしれません.たしかにコズミックサイクロンがただ単にLPを1000払って魔法・罠カードを1枚除外するだけのカードだったら優先して採用する必要はありませんが,コズミックサイクロンが優先される理由は他の2枚とは異なります.このデュエルリンクスにはスキルが存在するため,LPを払う行為自体に意味があります.バランスWCの場合は,LPを払うことに意味はありませんが,今後実装されるスキル次第では無限の可能性を秘めています.
コズミックサイクロンが優先されるもう1つの理由があり,自分がKCカップ中コズミックサイクロンを優先して使い続けた理由でもあります.この理由を分かりやすく表現している画像を示します.

画像40

このコズミックサイクロンと言うカードはデュエルリンクスの中で全実装カード中1位の採用率があるのです.先のバランスWCのプレイングの項目でも説明しましたが,WCはマスターピースをセットして墓地の魔法カードを拾う動きが重要になってきます.このとき相手の墓地も対象にできるので,相手の採用カードが自分のデッキ内に入っていれば,それだけで展開の幅が広がります.コズミックサイクロンの圧倒的な採用率が,コズミックサイクロンがテーマ相性を無視してでも採用を優先される理由です.ここから分かることは,WCのバック干渉札の採用基準は環境で採用されているバック干渉札によって変わるということです.
その他に分類したバック干渉札が優先されない理由は,ここまでの説明で分かったかもしれませんが,テーマ相性がいいわけでもなく,優先して採用が検討されるほど環境での使用率が高くないからです.いやいや,バック干渉型の芝WCでは聖槍もナイトショットも採用されてたし実際に結果を残してただろと反論があると思います.バック干渉型の芝WCの聖槍,ナイトショットが強かった理由は,ソラエク型が弱くなった理由同様,芝WCが聖槍やナイトショットを採用することによるアド損が無視できるほどアドが取れる破格の強さがあったから,プレイヤー間のWCへの理解に差があったため使用者側も対策側も認識不足だった,そもそもコズミックサイクロンがリミットの関係で採用できなかったからです.WCは任意の魔法カードを後続に変換したり,相手の場のモンスター効果を全て無効にする強力な効果を持っています.バック干渉カードをバック干渉カードとして消費するということは,このWCの強力な効果を破棄してでもリターンが見込める必要があります.その他に分類したバック干渉札にはリターンが見込めるほどの効果がない,そもそも聖槍やナイトショットまで必要な環境でWCを使い続ける意味はありません

以上が,WCのバック干渉札の採用基準についての説明です.反論もあると思いますが,もちろんここでの議論は環境によって変わるため,WCを使う上で大切なのは環境把握だと理解していただければ幸いです.

2.5 他の採用候補カード

他の採用候補カードを,今回KCカップ事前準備の段階で採用を検討したカードを中心にまとめておきます.

1.破壊剣士融合

画像41

WCの初手モンスターに偏る事故軽減や,中盤以降はWC魔法カードをコストに切ってWC魔法カードの回収効果を使うことで毎ターン1アドを取り続けることができます.かなり高いポテンシャルのあるカードですが,コンボ性が強い面があり,バランスWCになってから抜けました.

2.コーラルドラゴン

画像42

天気が事前準備の段階では増える可能性があったので採用を検討していました.天気については,後の各対面の立ち回りの項目でも説明しますが,曇りの天気模様の直接攻撃で苦しい展開になります.ブリューナクではその場しのぎ,7シンクロは使い切りの除去効果持ちしかいない,コズサイではライフコストが不足する,ギャラクシーサイクロンは環境的に採用しづらい可能性があったため,コーラルドラゴンで毎ターン曇りの天気模様を割りながらスレットの回収効果を止める勝ち筋を検討していました.結果的に環境が味方して天気が増えることはなかったため採用はしていません.

3. マジッククロニクル

画像43

kinghaloさんが紹介したことで広く認知されたカードですが,自分は紙のほうの知識で存在は知っていたので採用は検討していました.ただ,コズサイに弱すぎる点やコンボ性が高い点から採用はしませんでした.しかし,現時点でのデュエルリンクスに実装されているWC魔法カードが3種類しかないため,採用するリスクとリターンが釣り合っていないため評価を落としているカードでもあるため,今後の実装カード次第では採用を検討してもいいかもしれません.

4. 驚天動地

画像44

不知火との相性差を少しでも緩和するために検討していました.シュミッタの効果で墓地の妖刀をデッキに戻したり,牛頭鬼や水晶のスクラップリサイクラーやウンディーネ初動を止めることができます.ただ,先攻初手に来ないと機能しない点,コンボ性が強い点,不知火との相性差を劇的に縮まるわけではなかった点,そもそも不知火が数を減らした点から採用しませんでした.

5. 因果切断

画像45

いやいや,お前1枚しか持ってないエアプだから採用しなかっただけだろと思われそうですが,WCは初動がスロースタートになった場合,手札コストを払いたくない場面が多々あり,バランスWCになってからは特にこの色が強くなったため採用はしませんでした.また,中盤以降は因果切断を使わなくても勝てる上に一度伏せないと使えない遅さが目立ち,環境の高速化とともにその場しのぎ感も強くなりました.先のバック干渉札の採用基準の項目でも説明しましたが,WCの強力な効果を破棄してでもリターンが釣り合うカードを優先して採用すべきです.おそらくですが,WCはどう構築しても手札コストを要求する罠カードが強くなることはないと思います.

6. 恐牙狼ダイヤウルフ

画像46

WCはチューナーにアクセスできない限りEXを触れないことから,戦術の幅を広げるためにエクシーズの採用は検討していました.しかし,WCがエクシーズする場合全てのモンスターのレベルが異なるため同名モンスター2体を並べる必要があります.この同名モンスター2体を並べる行為が弱く,相手の妨害の当て所になる,同名2体を同時に墓地に送っても1体は効果を使えないなど弱い点が目立ち現状採用までは至りませんでした.ただ,優秀なエクシーズモンスターは実装を控えているため,リスクとリターンが釣り合えば,将来的には採用を検討してもいいかもしれません.

7. ABFー神立のオニマル

画像47

破壊耐性と打点の高さから海クリストロンの潜海奇襲やデスぺ,弩弓部隊の回答になると検討しました.ただ,打点の高さに反して守備力が低いため横にされると処理されてしまう点,規制後のリミットでコズサイの採用が可能になり海水晶がきつくなくなった点,ライデン+ヴェールで出す必要がありライデンが戦士族なのでエーデル経由で出せない点から採用しませんでした.実際,カラクリが多かったためブレイや旅籠蔵に処理されるので強くはなかったと思います.同様の理由でスターダストドラゴンも採用していません.

8. 大欲な壺

画像48

霊獣や不知火の隠者など除外利用デッキの対策をしつつWCのリソース回復もできるので検討していました.しかし,初動の安定性につながらず中盤以降しか機能しないこと,今の水晶は除外ゾーンからカードを戻すと涙を流して感謝のグッドボタンを送ってくる危険性があるため採用を見送りました.

以上,他の採用を検討していたカードのまとめです.

2.6 各対面との立ち回り

ここからは,具体的なデッキ名を挙げて,注意すべきプレイや勝ち筋,逆にWCと対戦するときに各テーマが気をつけることなどをまとめていきます.芝WCのときと共通点もありますが,規制後の変化したプレイも含めて説明していきます.
その前に予備知識として,WCが1ターンにできる手数は基本的に3手だと頭に入れておいてください.1手目は下級WCがデッキから他のWCモンスターを持ってくる効果,2手目はヴェールのモンスター効果を無効にする効果,3手目はヴェールの打点上昇効果です.この手数全てに最低1枚ずつ魔法カードが要求され,3手目に関しては戦闘を行うときのみ使える手です.バランスWCの場合,先攻初手に来る魔法カードは1,2枚なので基本的には2手,シュミッタやピットレなどで3手目まで用意できるのはかなり強い初動ができていることになります.以上のことが分かっている前提で以降は説明していきます.

2.6.1 ドラグニティ

ドラグニティですが,基本的にはWCのほうが有利ですが,ドラグニティ側がWCへの理解度が高い場合,微有利もしくは微不利となり優勢を取れず,運の要素もあるので高い勝率を出すことは難しい対面です.ドラグニティ側の勝ち筋をしっかり理解した上で動く必要があります.ドラグニティ側の勝ち筋は,2体のヴェールを使用不能にする,一時的にヴェールを使用不能にしてワンキルするの2つです.説明の都合上ディスドロドラグニティを例に説明しますがイクイップドラグニティも基本的には同じです.前提知識として,ドラグニティの装備効果は後から効果を無効にされた場合装備カードは破壊されることは頭に入れておいてください.たまに知らない人がいるのでこれはドラグニティ戦において必ず知っておくべき知識です.
まず闇遊戯とマッチングしてスキルがバランスではなかった場合,マスターピースを墓地に落とし,ヴェールを立てないで動きます.闇遊戯は後で説明しますが,ドラグニティ,月光,召喚獣なので月光と召喚獣はゆっくり戦うためのマスターピース,ドラグニティは盤面を一時的に崩壊されても後続を確保するためプラスワンキルを阻止するためのマスターピースを落とす必要があります.闇遊戯は基本的には手数が2手あれば1ターンは耐えられるのでこれで十分です.
上では抽象的な説明でしたが,ドラグニティ側の勝ち筋を具体的に示します.クーゼ(セナートでも可)+ミスティル×2です.ここから,逆算して,WC側のヴェールの打ち所はクーゼ+ミスティル初動の1体目のミスティルとヴァールチャの装備効果です.いやいや,ミスティル3枚握られていたせいで負けたぞとか,神槍が飛んできて負けたぞとか,アスカロンを止めたほうが確実だろと反論されるかもしれませんが,後攻ミスティル3枚は神社1万回行って徳を積んでおり,神槍入りは一般的な構築ではないので諦めてください.アスカロンを止めない理由は,アスカロンを止めると1ターン生き残る確実性は高いです.ただ,返しのターンにクリボールやチューナーを引かなければできないWCのシンクロ召喚などの不確定要素がある状態でアスカロンの処理は困難であり,アスカロンを処理せずにターンを返した場合は負ける可能性が高くなります.あくまでも勝ち筋を残しつつ負けないための打ち所です.
若干説明が脱線したので,具体例に戻ります.1体目ミスティルを止めるべきか説明します.ミスティル+クーゼのみの展開の場合,最終盤面はアスカロン1体のみです.このときアスカロンをできるだけ立たせたくはないのでミスティルを止めた場合,ミスティルのみが盤面に残るので返しのターンはミスティル1体処理すればいいだけなのでかなり勝ちに近づきます.仮にミスティル2体目を握られていても最終的にはアスカロン1体のみしか場に残らないのでワンキルは回避できます.そもそもクーゼ+ミスティル×2を後攻初手5枚に揃っている確率は,20枚デッキから3枚入っているミスティルのうち2枚とクーゼもしくはセナートの6枚中1枚を引く確率なので約10%しかありません.1体目ミスティルかバールチャを止めた場合,アスカロンが立つ確率はたった10回に1回しないので,ここを止めればほぼ勝てる考えれば止め得だと理解できると思います.
ここまでの説明で,疑問を持たれた方もいると思います.バールチャを止めるのとセナートを止めるのは同じでは?仰る通りで,セナートを止めてもバールチャを止めてもミスティルを出された場合,最終盤面はアスカロンのみです.ただし,この場合はクーゼ+ミスティルが揃っている確率なのでこの確率は約50%です.この確率40%の開きがWCとドラグニティの対戦を難しくしています.実際には一度立ったアスカロンを返しで処理できる確率も考慮する必要があるのでセナート入りできた場合はドラグニティ側のほうが有利と言えます.加えて,バランスWCの場合先攻で用意できる手は2手の場合が多いので,アスカロンの除外を止めても戦闘で処理できてしまうため,場にヴェールが残らずにターンが返ってきます.その場合でも勝ち筋を残すためにマスターピースを落とすようにしていました.自分は試行回数を稼げるKCカップではある程度は運要素に賭けるべきと考え,50%に賭けつつ少しでもリソースを削れるバールチャを止めてました.実際これが最善手かは分かりません.
ここまでの説明で気づいた方もいるかもしれませんが,対面ドラグニティの勝敗を大きく左右するのはドラグニティ側の手札にあるミスティルの枚数です.紙のほうだと確率ツールを使えば分かる単純な確率問題になりますが,デュエルリンクスにはスキルがあるため,ディステニードローで手札にミスティルを確定で揃えてしますことができてしまいます.特にWCは素の打点が低い上にクリボールを貫通してワンキルするのは非常に困難です.したがって,ドラグニティ側は仮にアスカロンが出せるハンドだとしてもクリボールを握っている場合は,何もしないほうが勝てる可能性が高くなります.実際KCカップ中何度もドラグニティの何もしないプレイに苦戦しました.この何もしないプレイの対策に星態龍は必須だったのでKCカップ中は助けられました.
以上が,対面ドラグニティの立ち回りの説明です.最後に,ドラグニティ戦に限ったことではありませんが,WCのプレイングの項目でも説明しました内容で,対面ドラグニティで絶対に覚えておかないといけないのは守るべきはヴェールではなく勝ち筋です.一生懸命アスカロンからヴェールを守るためにリソースを吐いて返しにアスカロンを処理できずに負けてしまう人もいると思います.1体目のヴェールが処理されたとしてもデッキにはもう1体ヴェールが残っているので勝ち筋は細くなっても勝ち筋はまだ残っています.勝ち筋を残すためにマスターピースをしっかり落としておくプレイが大事であり,ヴェールとエーデルを並べて両方処理されるのは避けるべきです.

2.6.2 召喚獣(ロイド,ガール)

基本的には,WCのおすすめの練習方法の項目で説明した内容だけで十分です.罠の踏み方さえ分かれば勝てる対面です.先の説明ではしていなかった点として,基本的にアレイスターの召喚魔術をサーチする効果はヴェールで止めません.アレイスターを止めた場合,プルガトリオとコンセントレイトでワンキルされるなど相手に勝ち筋が生まれる可能性が高くなります.WC視点コキュートスは効果を無効にすれば守備表示のままでは攻撃できず守備力2900も上から殴って処理できる,プルガトリオも効果を無効にすれば全体攻撃もされず貫通ダメージも受けないため,打点と召喚魔術で墓地リソースを削られるくらいであまり警戒する必要はありません.1点だけ,注意するべき点は場に魔法使い族モンスター以外はなるべく出さないことです.LPに余裕があれば出しても大丈夫ですが,中盤以降ライフポイントに余裕がなくなった場合は,魔法使い族モンスター以外はヴェールの打点上昇効果を受けられないのでサンドバックにされる危険性があります.
特にロイド召喚獣の場合ですが,対面召喚獣は長期戦になりがちです.長期戦を視野に入れるために最初にしっかりマスターピースを落としておくプレイが大事になります.基本的にゆっくり攻めていって問題ない対面なのでこのマスターピースは使う必要はありません.ただし,突然つり天井が飛んでくることや,長期戦のため疲れからミスしてしまったなどイレギュラーが発生して盤面が崩壊する可能性もなくはありません.長期戦を確実に拾うためにマスターピースを落としておくことは大事になってきます.
以上が対面召喚獣の立ち回りです.

2.6.3 月光(メガリス)

対面闇遊戯の説明は月光が最後です.ご存じの方も多いと思いますがWCが一番勝てるデッキは月光です.月光はほとんど打点以外でこちらの盤面を触ることができず,手数も少ないのでヴェールと下級WCモンスターが飛べる盤面を作って殴っておけば勝てます.クリボールやクリボーが多く採用されているので中長期戦になりがちですが,ここでもマスターピースをしっかり落としておけばキメラフレシアやラヴァゴーレムなどのイレギュラーが発生しても問題ありません.
あえて月光をピックアップした理由として,エクシーズの存在があります.同じような理由からWCが得意だったデッキにメガリスがあります.エクシーズ実装前まではメガリスはベトール以外でWC側の盤面を触る手段がなくヴェールでベトールを止め続けるだけで勝てました.先に説明しましたがWCが用意できる手数は基本的に3手なのでベトールの1手だけではWCの盤面を突破できませんでした.今回のKCカップでは,メガリスとは1回しか対戦してませんが,ダイヤウルフ,マエストローク,ブラックコーン号を駆使して手数を増やすことで盤面を無理やり突破してきました.マスターピースを落としておかなければ負けてた可能性もありました.これまでシンクロ召喚を取り込みづらくテーマ内では手数が稼げないデッキはデュエルリンクスには多く存在しました.今後のエクシーズ召喚強化次第では,そのようななテーマも脚光を浴びる可能性があります.現時点では,月光にWCは有利ですが,今後の実装カード次第では,この評価も変わってくるので,エクシーズ召喚の強化には注目していく必要があります.
以上が,対面月光の立ち回りです.

ドラグニティ,召喚獣,月光の説明を読んでいただければ分かってもらえたかもしてませんが対面闇遊戯はマスターピースを落とすプレイが大事です.共通のプレイで対処できるためキャラ偽装に強いのはこのデュエルリンクスにおいてアドバンテージです

2.6.4 サイバードラゴン

月光と関連してキャラつながりでサイバードラゴンについ説明します.運の要素もありますが,基本的にはWCが有利です.オーバーフローの効果をヴェールでサイバードラゴン名称に変える効果を無効にしてあげれば止められ,守備2800を処理する方法がサイバードラゴン側は苦労します.
注意すべき点は,1点だけあり,キャラを見てカイザーだった場合はヴェールを先攻で立てるほうがいいです.今のサイバードラゴンは,以前のコアを引けなかった場合でも勝ち筋を作るためにデモンズチェーンやカナディアを積んだ構築から変化し,かなりワンキルに特化した構築をしており,オーバーフローに盤面突破手段を依存しています.加えて,WC側の問題として先攻では手数を用意しづらく下級WCからアドを稼ぎつつサイバードラゴンに展開されたとしても上から潰せた芝WCほどのデッキパワーもありません.たしかに,供物や深淵の宣告者のような裏目もありますが,供物だった場合はヴェールでも下級WCでも負け確定なので変わらず,宣告者はカラクリの影響もあると思いますが採用枚数と採用率ともに低いため踏んだら不幸な事故だと割り切っても問題ありません.そこをケアするよりは初動のコアを止めたり,サイバーエンドからのワンキルを回避するために手数は割きたいのでヴェールを先出ししたほうが勝てるケースは多くなります.ヴェールの止め所はサポートがあるのが砂時計から分かる場合はコア,分からない場合はワンキルを回避するためにどこも止めずに打点上昇効果のために手数は温存したほうがいいです.
ここまでの説明で分かった方もいるかもしれませんが,今のサイバーは2枚入っているオーバーフローを処理するゲームです.実はKCカップ中,2日目の水晶意識してシステムダウンを3枚入れた構築よりも,3日目のデスぺを意識してギャラクシーサイクロンやコズミックサイクロンのバック干渉札を多く採用した構築のほうがサイバードラゴンへの勝率はよかったです.オーバーフローを一時的に回避するよりもバック干渉札で丁寧に2枚剥したほうが勝ちにはつながりやすいです.
以上が対面サイバードラゴンの立ち回りです.

ここまで,読んでいただいた方は分かったかもしれませんが対面カイザーはヴェールを先攻で立てるほうが勝てます.月光はヴェールが突破困難なであり,サイバードラゴンには手数を温存するプレイが大事になるため先攻ヴェールの裏目が少ないからです.ここでも,WCはキャラ偽装に強いと言えます.

2.6.5 HERO

こちらも月光つながりで対面HEROについて説明します.HEROはエドとイシズの場合がありエドの場合は月光,イシズの場合は霊獣に偽装している可能性がありますが,基本的にはデッキ枚数が多ければHEROと判断し,霊獣偽装はHEROと同じ立ち回りで対処できるためデッキ読みを間違えても問題ありません.ただし,20枚のエドの場合は,月光かHEROか判断ができないのでデッキ読みを間違えたときのリスクが大きいHERO読みで動きます.
WCとの相性ですが,自分は今回のKCカップで1敗しかしておらず,他は全て勝っており,WC側がかなり有利です.というのも,HERO側が出せる最高打点はトリニティの5000ですがヴェールで無効にされれば2500打点,素で出せる最高打点は闇鬼の2800打点かつ直接攻撃で上からライフを削るのもヴェールで止められてしまうため,ヴェールの突破に苦労します.加えて,シュミッタの1800打点が優秀でHEROの下級の最大打点であるエアーマンと同じであるため,シュミッタの打点が攻防両方の面で活躍してくれます.
いやいや,HEROにはブルーDがいるだろ何回ヴェールたんがNTRされたと思ってるんだ!?とクレームが入るかもしれません.そのような人たちはもう1回ブルーDのテキストとシュミッタのテキストを読んでみましょう.

画像49

画像50

お分かりいただけたでしょうか?ブルーDの効果は対象を取る効果で場に存在するモンスター効果のみを無効にする効果で,WC下級モンスターの変身効果はリリースがコストでブルーDの効果では無効になりません.ここから分かることはブルーDがWCの効果のうち止められるのはヴェールとエーデルのみで装備できるモンスターもヴェールとエーデルのみです.
具体的な,ブルーD対策はマスターピースを墓地に落としつつシュミッタを縦に出すです.シュミッタをHERO側はメインの下級では抜けないのでEXのモンスターを使う必要があります.よくある展開はファリス展開からのアドレイションですね.ファリス展開後,多くの場合メインフェイズを終了してこちらのWCにヴェール出させることを強要してきます.このときヴェールを出さずにピットレイを横で出します.これで基本的には問題なく,マスクチェンジがなければピットレとマスターピースを壁にしてブルーDを出させずにターンが返ってきます.ターンさえ返ってくればHERO側は相手ターンに妨害する手段がなく,こちらの墓地にはシュミッタ,ピットレ,ジェニーがあるのでいくらでも展開の選択肢があります.仮に,ファリス展開の途中でブルーDが出てきたとしても下級WCモンスターで受け流せる盤面作っていれば,3体のモンスターをコストに出てきたただの1900打点なのでエーデルを出せば上から殴って処理できます.そのためにもエーデルの使い方とマスターピースを落とすプレイが大事になります.
ここまでのブルーD対策を読んで気づいた人もいるかもしれませんが,ヴェールは出さずに下級WCモンスターを犠牲にするのも戦術の1つです.大事なことは何度も説明していると思いますが,大事なことは制圧することより勝ち筋を作ることです.ヴェールを出して制圧すれば勝ちの場面ならヴェールを出すのは正しいですが,ヴェールを出したら負ける場面でヴェールを出すのは勝ち筋を捨てています.同じことがHERO側にも言えており,相手の場に吸えるWCモンスターがいないのにブルーDを出すことは制圧することに意識が向きすぎて勝ち筋を捨てています.
ここまでの説明で分かった人もいるかもしれませんが,HERO側がWCに勝つ方法はブルーDを出す前にヴェールを出さないといけない状態を作ることです.具体的には,ファリス展開をした上でマスクチェンジを持っているように見せかけて本当にマスクチェンジを持っているパターンです.これだけは,WCは本当にきついです.ただし,このパターンはファリス,エアーマン,ブルーDもしくはコズミックサイクロンが初手にあり,かつマスクチェンジを握っているなのでかなりのレアケースであり,HERO最強のハンドです.こんなハンドを毎回握っているのはチーターか,前世で世界の危機を救った人だけなので割り切ってもいいはずです.
以上が,対面HEROの立ち回りです.

ここまで,読んでいただいた方は分かったと思いますが,HEROと月光はマスターピースを落としておくプレイが大事になり,共通のプレイで対処ができます.ここでも,WCはキャラ偽装に強いと言えます.

2.6.6 霊獣

墓所HEROつながりで,対面霊獣について説明します.デッキ相性としてはWC側がやや有利ですが,霊獣側の理解度やWCが環境で意識されて構築されているもしくは他のデッキ用の対策カードがWC対策にもなっているなどのケースによって相性が変わるため必ずしも有利とは限らないです.
基本的に霊獣戦は長期戦になるため,マスターピースを落として長期戦を視野にして動きます.勝ち筋は,鬼動武者などを駆使して相手のリソースを削る,ブリューナクなどで一時的に相手の盤面を崩壊させワンキル,相手のデッキ切れの3つです.どの勝ち筋を狙っても構いませんがどの勝ち筋もかなり体力を消耗します.加えて,霊獣側の理解度が高ければこちらの勝ち筋を理解した上で立ち回り,デッキ内に回答札が仕込まれていればそこまで耐久する展開に持ち込まれがちです.実際,今回のKCカップでも,相手が先攻紅蓮の指名者でいきなり回答札を初手に握られていたパターンとデッキ全部引ききるまで耐久され最後にため込んだ手数でワンキルするパターンの2つは負けました.
霊獣対面気をつける点は,ペトルフィンのバウンスと深淵の宣告者です.エーデルがヴェールが両方光属性・魔法使い族であり,エーデルが手札に戻ったヴェールを場に戻してくれるのでエーデルとヴェールを並べてしまえばペトルフィンと深淵の宣告者の対策は可能です.デモンストレーションをセットしておけば,エーデルだけでなくデモンストレーションでもヴェールを場に戻すことができるのでより強固な盤面になります.相手のデッキにペトルフィンと深淵の宣告者以外に盤面を突破する手段が入ってない場合は,ヴェール×2とエーデルを並べてしまってデッキ切れを狙うのが安全策です.しかし,多くの場合,ペトルフィンと宣告者以外の回答札を仕込んでおり,かつ採用札が読みづらいので,勝率は必ずしも安定しません.霊獣を回せる人との対戦経験を積むことと採用札のトレンドに注意しておくことが大事です.
以上が,対面霊獣の立ち回りですが,あまり具体的な対処法が示せておらず,対戦相手と採用札によって勝率が変わってしまう点は意識しておいたほうがいいでしょう.

2.6.7 水晶

対面水晶は基本的には,WC側が有利です.ただし,自分もKCカップで苦しみましたが,水晶側の理解度が高い場合は苦戦するパターンもあるため,圧倒的有利というわけではありません
コピー水晶と海水晶どちらの場合では基本的には一緒で,マスターピースをしっかり落としておくプレイが大事です.このマスターピースは長期戦を意識してというよりは,水晶の盤面突破力で盤面が崩壊した時ワンキルを阻止するためのマスターピースです.水晶対面で絶対にやってはいけないプレイは先攻でヴェールを立てることです.ヴェールでスクラップリサイクラーなどの初動を止めても,水晶の盤面突破力と手数があれば,ヴェール1体くらいサイコウィールダーやコーラルドラゴンで突破されてしまい場合によってはワンキルされてしまいます.基本的に相手のメインデッキの火力は低いのでシュミッタですらEXを触る必要があり,相手にまずは動いてもらい手数を減らしてもらってからこちらが動くプレイが大事になります.手数が減った後出てくるヴェールの処理方法は水晶側も厳しくなるので制圧には効果的なタイミングを選ぶことが大事です.ここで注意が必要なのは,ヴェールで制圧が可能な場面になると水晶側がデッキアウト狙いで耐久してくる場合があります.自分も今回のKCカップで上位プレイヤーとマッチングするまでは知らなかった戦術で自分はかなり苦戦しました.最高峰の水晶使いとの対戦経験が十分にあるわけではないので確実なことは言えませんが,おそらくWC側のプレイだけでも対処可能だと思いますが,自分はシステムダウンを採用することで札で対処しました.この耐久戦術への対処法は環境と自身の力量と相談する必要がありそうです.
海水晶とコピー水晶それぞれ特有の注意点をまとめておきます.
海水晶の場合,潜海奇襲でヴェールが破壊されたり,無効効果を回避されたりして苦しい展開になる場合があります.芝WCの場合はEXからミカエルやブリューナクで素早く対処できていましたが,規制後のWCは海の処理に手間取るケースも増えています.基本的には芝WCのときと対処法は同じで海を飛ばせばいいですが,今のWCにはコズミックサイクロンが入れられるので,対処手段の種類は増えています.WC側より水晶側の注意点ですが,マスターピースで相手のコズミックサイクロンを拾うことができるのでコズミックサイクロンを打つことは海の処理手段を相手に与えることにもつながりかねないので注意が必要です.
コピー水晶の注意点は,1点だけ意識すれば問題ありません.スキルレベルコピーの発動にはチェーンできないのでレベルコピー経由のブラックローズドラゴンとグリオンガンドは回避不能です.いやいや,それならコピーのときは最初からヴェールを立てるべきだろと反論されそうですが,たしかにグリオンガンドに関しては来そうなタイミングで先にヴェールを出しておいたほうがいいケースもあります.ブラックローズドラゴンに関しては相手の盤面も空になっているのでそこからワンキル打点を用意できても墓地にマスターピースがあれば耐えられる場合が多いです.これはHERO対面と同じで,下級WCモンスターを犠牲にすることで勝ち筋を拾いに行くことを意識するのが大事な対面です.
以上が水晶対面の立ち回りです.キャラでデッキが読みやすい対面なので戦い方さえ分かれば勝てますが,水晶側の理解度にも依存する対面なので,練習経験が大事な対面です.

2.6.8 不知火(語り不知火,罠不知火)

語り不知火については,ほぼ勝つの不可能です.罠不知火は,罠の踏み方さえ注意すれば勝てますが,以前までの語り不知火と罠不知火でデッキ枚数を見て区別がついていたのが,薄い語り不知火も見られるようになったので,語りと罠不知火の区別が困難になっており,5D'sキャラのカラクリの高速リスタートキャンセルが不知火と区別がつかないのも加わり,勝つのが非常に困難な対面です.芝WCのときと異なり手数が足りなくなる場合が多いので基本的には先攻ヴェールを立てて語りがないのを神に祈るが一番勝率は高くなります.また,武士の特攻を防ぐために早めにLPを減らしておくことも大事でヴェールをさっさと立ててしまったほうがLPを減らしやすくもなります.火遁対策はバック干渉札に加えて,墓地を早い段階でマスターピースやパトローナスを駆使して空にしてしまうのも有効ですがこれには限界があるので狙えたらラッキー程度で考えておいた方がいいです.
以上が,対面不知火の立ち回りです.圧倒的不利対面なので不知火が多い環境ではWCは使わないが一番の対策かもしれません.

2.6.9 カラクリ

全く勝てないわけではありませんが,先攻後攻のコイントスや,相手のリスタートパチンコなど運の要素が非常に強い対面なので相性不利の運がよけばれ勝率50%のクソゲーです.一番はっきりとした勝率が出しにくい対面です.前回の規制で罠型に移行したことで,以前までの定石だった先攻ヴェールを立ててブレイを無効にして旅籠蔵を剥せば勝ちというゲームにはなりづらくブレイを止められてもしっかり妨害を構えてきます.加えて,整備蔵が採用されるようになり,構築によってはネクロバレーが入っていたりとシステムダウンによる対策も困難になっています.
シェア率も3強の中でも高いので,全くの無策とはいかないのでシステムダウンは対策札としては採用が検討されます
.また,EXにスクラップドラゴン星態龍を採用することで多少は勝率は改善します.スクラップドラゴンも星態龍も素の打点が2800以上であり,ブレイ,ブレイドの2600,2800打点に殴りに行くことができます.WCのEXを見てもらえば分かると思いますが,鬼動武者の2600打点,エヴァリーの2800打点は旅籠蔵や鬼動武者で無効にされれば0になってしまい,ブレイブレイドの処理が難しくなっています.スクラップドラゴンと星態龍の素の打点の高さがカラクリ対面は優秀で,特に星態龍の守備2800は旅籠蔵で横にされても,相手はバックの除去札以外では処理できません.しかし,WCのシンクロ要素はチューナーを引けた場合に限るので運の要素が強いです.カラクリ対策は,運営が対策してくれるのを待つのを神に祈るがベストと言えます.

2.6.10 ミラーマッチ

現環境では,ほとんど意識しなくてもいいかもしれません.もしも環境の変化によってミラーマッチが増えた場合のために説明しておきます.基本的にはミラーある程度の知識とプレイングがあれば引きゲーの運ゲーです.というのも,WCが用意できる手数は基本3手で限られているので4手目を先に用意したほうが勝ててしまいます.具体的に4手目はシンクロ召喚を先にすることです.ここで間違えてはいけないのは,相手のリソースが十分ある状態でエヴァリーを立ててはいけないことです.WCミラーの主な勝ち筋はデモンストレーションで自分の効果が優先的に通る状態にしてからヴェールを通しヴェールの上昇効果で高打点を作りそのままワンキルを狙います.このときエヴァリーとヴェールを並べてターンを返した場合,デモンストレーションからアーカナイトマジシャンを立ててアーカナイトマジシャンとヴェールの盤面を作り,ヴェールをアーカナイトマジシャンで飛ばしてからヴェールの効果で無効にしたステータス0のエヴァリーをサンドバックにして勝ちです.エヴァリーの素の打点の低さが相手が十分展開できる状態で出すと仇となります.ターンプレイヤー側に優先権があるため,ブリューナクやアーカナイトマジシャンなどの除去手段とヴェールを並べてしまえば,相手の盤面は崩壊します.不用意にサンドバックになるモンスターを残さないためにも下級WCを出すときはシュミッタでも守備表示で出したほうが無難です.加えて,ここでもマスターピースを落としておくプレイが大事でマスターピースが落ちている状態でワンキルを取りに行くのは困難なため引きゲーとは言え最低限のプレイは必要です.あまりにもミラーマッチが頻繁する場合は因果切断のような回答札を多くするのもいいかもしれません.
以上が,WCミラーマッチの注意点でした.

2.6.11 運命デスぺ

運命デスぺはいろいろタイプがありますが基本的には,どのタイプも同じように立ち回れます.相性的には,WC側が有利です.ただし相手の素の運命力が高い場合は不利です.基本的には,シュミッタを縦に出すことを意識して,あとは他の罠デッキ同様丁寧に罠を踏んでいけば勝てます.シュミッタを縦に出すのはデスぺの下級はMs. JUDGEの1800打点が最大なのでシュミッタと最悪相打ちする構えを作るためです.Ms. JUDGEはかなりめんどくさいカードですが,デモンストレーションやコラボレーション,パトローナスで踏みに行けるので早い段階でコイントスを消化させます.ヘッドジャッジングもWCではコントロールを奪われるリスクがあるモンスターは上級WCだけなので下級で踏みに行き無効にされても墓地効果は使えるので他のデッキに比べて被害は半減しています.基本的に,WCのエヴァリーは火力以外では使わないようにしますが,デスぺは例外でエヴァリーの蘇生効果と除外効果が回答になっているので狙える場合は出していきます.一番WCが厳しいカードはデビルコメディアンです.デビルコメディアンだけは踏むとどうしようもないケースが多くリソースが一気に削られます.先攻Ms. JUDGE,デビルコメディアンされたら諦めていいと思います.デスぺの処理方法ですが,基本的には打点で超えます.デスぺが2800打点より高かったら話が違いましたが2800打点なので横のヴェールを突破できません.アーカナイトマジシャンなどでデスぺを除去してしまう,もしくは2体目のデスぺが出てきても大丈夫な受けを作った状態でデスぺを殴りにいきます.
対策札ですが,先のKCレポートでも触れましたが,システムダウンよりバック干渉札を増やしたほうが勝てます.結集型の場合,デスぺが出てくるとそのまま押し切られてワンキルされるパターンが多く,ヘッドジャッジングなどで前を維持できない展開に持ち込まれる方が苦しくなります.デスぺは出させても処理できるので丁寧にバックを剥していくプレイと構築が大事です.
以上が.対面運命デスぺの立ち回りです.

2.6.12 天気

天気との相性は,WCが微有利です.雷の天気模様がヴェールで止まるので天気側の勝ち筋は不純物の因果切断などの汎用罠を当てるか,ネクロバレーを早い段階で貼ってしまう,曇りの天気模様で早めにLPを削りコズサイのLPを払えなくするです.WC側は曇りの天気模様2枚を剥し切り,スレットの回収効果をヴェールで止め続けるが勝ち筋になります.バック干渉札の採用枚数を増やしたり,EXにコーラルドラゴンを追加するなどが対策になります.ただし,天気のネクロバレーや因果切断は脅威で早い段階で盤面を荒らされてコズサイのLPコストが払えなくなると曇りの天気模様の処理手段がなくなるので早い段階で盤面を取ることを意識して立ち回るべきです.

2.6.13 ブラマジ,BF,サンダードラゴン,ライトロード

最後一気に4テーマについて説明しますが,結論だけ言うとこの4テーマは現状のWCでは,不利対面です.
この中だと,対処しやすいのはBFでBFはシムーン展開以外なら勝てるはずです.ただし,シムーン展開の場合ライキリ→ゲイル→チドリの3手でWCの3手に間に合ってしまうため,よっぽど初動が強くないとターンが返ってきません.芝WCがBFに有利取れていたのは芝WCの手数が破格だっただけです.
ブラマジも同じ理由で手数の少ないデッキにはブラマジは最強です.特にカイクウの1800打点は苦しく処理に時間がかかる場合もあります.今回のKCカップでは,カイクウ2枚採用のブラマジも見られ,事故って消えればいいのにと思ってました.
サンダードラゴンとライトロードは決して苦手というわけでもありませんが,上振れたときの両テーマは全デッキに勝てるほどのパワーがあり,落ちや初手の強弱などの不確定要素に左右されるので勝率は安定しません.特に,No.25 重装光学撮影機フォーカス・フォースやソードブレイカーなどのエクシーズモンスターでエクシーズ実装前より,手数を増やすのが容易になっています.今後のエクシーズ強化次第では,いくらでも強化が期待できるので今後のエクシーズ強化には注目が必要です.

以上で,各対面との立ち回りを大雑把でしたが説明しました.まだまだ研究不足なところや,他のデッキとの対面相性など抜けはあると思います.WCを回すとき意識してほしい点は,守るべきはヴェールでもなくLPでもなく勝ち筋だという点だけです.これさえ意識していれば,応用はきくはずです.

3. あとがき

今回決して自慢できる結果ではないですが,銀アイコンが取れてしまったことがうれしくなり,かなり長大なnoteを書いてしまいました.全て読んでいただいた方はおそらくいないと思いますが,一部でもいいので読んでいただいた方の役に立つ情報が提供できていれば幸いです.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?