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【遊戯王デュエルリンクス】2022年11月KCレポートとインフェルノイド構築論

KCカップお疲れ様でした.結果はどうだったでしょうか?
自分の結果は

5個目の銀アイコンが取れました.
2022年4月のKCカップの銀アイコンを最後に,KCGT本戦出場逃してから無の期間でリンクス熱は冷めてしまい,惰性で走った9月KCカップは当然のように勝てずモチベーションが底辺になっていたため,久々の銀アイコンは素直に嬉しかったです.勝てるとこのゲームは楽しいですね.

ここからは使用デッキの紹介です.早速ですが使用デッキです.

構築はKC中に一部変更しましたが,使用デッキはインフェルノイド1本です.
KC直前の新弾で実装されたインフェルノイドですが,発売前の微妙な評価に反して強かったですね.自分もあまり評価してなかったテーマですが,いろいろなところから情報仕入れて半信半疑ながら触り始めて,少しずつ強さに気づき銀アイコンは取れると確信して使いました.

ここからはKCレポートです.インフェルノイドのプレイングや構築の基礎も書いていくつもりです.ただし,自分自身がインフェルノイドについて理解,言語化できていない部分があるため思いつくまま書いていくのでまとまりが悪い部分もあるかと思います.参考程度に読んでください.

KCレポート

1.事前準備(環境の変遷)

1.1 リンク召喚登場から転生炎獣1強環境へ

記事を読んでくれた人の中にはアイコン目標に頑張ってるプレイヤーもいると思うので事前準備については,しっかり書き込むようにしてますが,今回のKCカップについては事前準備全くと言っていいほど何も調整しませんでした.以下はどのようにして自分がリンクスへのモチベがなくなっていったのかの言い訳を環境の変遷をまとめつつ書いていきます.長いです.

KCGT本戦出場できず無の期間が続いたためリンクスに対してのモチベーションが徐々に削がれていき,ここ最近のリンクス事情も合わさってリンクスへの熱は冷めてました.惰性で走った9月のKCはやる気が過去最低だったので当然のようにボロ負け.1万位でした.
一番リンクス熱を削いだのは9月環境まで運営が推し進めたスキル基盤のゲーム性でした.一番分かりやすいスキルデッキがフェイバリットHEROです.

現役リンクスプレイヤーには説明不要だと思いますが,簡単に説明するとスキルを使うと無から融合素材と融合が揃い融合モンスターが揃う神スキルです.上の画像だけでは,十代のエース融合モンスターが出てくる原作再現スキルに見えますが,融合先に特に指定はないのでパチモノのヒーローが飛んできます.なぜかスキルボタンを押すだけで無からアタッカーが生えてきて,なぜかアタッカーがワンキル打点を持っており,スキルボタンを押すだけで勝てる神デッキが誕生しました.実際には,相手の妨害があるので簡単にワンキルとは行かないので,無からアタッカーが生成されることを利用してデッキの大半を妨害とメタ札で占めたメタビ系のデッキとして組まれました.(イメージとしてはマスターデュエルのエルドリッチに近いです.主人公キャラデッキが主人公から一番かけ離れたクソみたいなロックデッキを使ってくる神ゲー)
このフェイバリットHEROをはじめとしたスキルありきのデッキが支配する環境が本当に自分は受け入れるのが無理でした.スキルボタンポチポチ押してるだけのデッキのほうが,自分が構築をしっかり練ってきたデッキより遥かに強い環境だったのでデッキを作ることを楽しいと感じなくなりやる気が底辺まで落ちました.スキルがプレイング面の半分は補ってくれるのでKCカップ直前まで全く練習してなくても,環境に合わせてメタ札入れ替える能力さえ優れていたら練習量ほぼ0でも勝てる環境に感じてしまい,毎日練習してKCカップに挑む気はなくなりました.世の中にはリンクス以外にも楽しいことはたくさんあるので別ゲーでもやっておいたほうが建設的だと考えてました.スキル基盤の環境はスキルのおかげで構築とプレイング要素の一部が肩代わりされているだけで,変化したゲーム性に柔軟に乗り換えできていれば面白さを見つけられたかもしれませんが自分には無理でした.
一応供養の意味を込めて9月KCカップで使用したネクロスの構築です.

話が脱線してしまうので,解説は最低限に留めますが,リンクスのネクロスは儀式魔法にアクセスする方法がテーマ内に存在しないので儀式魔法素引きするしかないため,儀式魔法を最大枚数積んでデッキ枚数厚くした方が初動率上がります.初動率を構築練って最大化してもスキル基盤のデッキには初動率で負けるので全く勝てませんでしたが...

9月のKCカップが終わり,リンクスは大変革の時期を迎えました.スキル基盤デッキに大幅な規制が入ったと同時にリンクスのゲームシステムが大幅にアップデートされました.

リンク召喚実装に先駆けてお試しでEXモンスターゾーンが追加されました.(東京ゲームショーで情報解禁されましたが,日程がKCとかぶりプレイヤーはリアタイ視聴できない事態が発生しました.ユーザー激減してると騒がれてる最近のリンクスですが,ガチ勢のほうは振り向かないスタンスを曲げない強い意志を持った神運営)

リンク召喚実装までの1週間ちょっとの期間でしたが,この時期のリンクスはめちゃくちゃ楽しかったです.EXモンスターゾーンの追加によって,メインモンスターゾーンが3つしかなかったリンクスに新たに1つモンスターゾーンが増え展開の自由度が上がりました.これまでモンスターゾーンが狭かったせいでできなかった展開ができるようになり,新たなデッキや展開を考えるのが楽しくてこの期間を楽しいと感じてたプレイヤーは多かった気がします.いつもは大会実況にあまり乗り気ではないあのゲーム祭りkinkinさんまで新環境の答えを見極めるべく新環境大会を開催するほどこの期間のリンクスは楽しかったです

EXモンスターゾーン追加されたことでリンクスに新しい要素が加わり面白くはなりましたが,その一方で既存のゲームシステムは変更なくEXモンスターゾーンのみを追加した弊害がこの時期から散見されるようになりました.
結論だけ書くとこの時期から明らかに展開系デッキ優位の環境が到来しました.こうなった理由は大きく2つあると考えており,1つはモンスターゾーンが単純に1個増設されたのにライフポイントは4000のままだったこと,もう1つは展開系を抑え込むメタ札が弱体化したことです.
モンスターゾーンが1つ増設されたことにより,展開系が展開しやすくなったのもありますが,最大3体から4体に場に並ぶモンスターが増えたので多少盤面の質は低くても雑に打点並べて殴るだけでもライフはたった4000しかないので強かったです.当時の代表例としてはサンライザーです.効果の性質上横に並ぶモンスターの数だけ強くなるカードなので3体より4体並ぶほうが当然強く一段強さのギアが上がりました.

ただ展開力が上がって展開系が動きやすくなった程度の変化だったらあまり問題にはならなかったのですが,同時に展開系を抑え込むメタ札のパワーダウンが著しかったのが問題でした.EXモンスターゾーン追加前の定番の展開系対策札に底なしの落とし穴があります.

モンスターゾーン3つしかなかったときは底なしの落とし穴で1つモンスターゾーンを埋められると残り2面しかなく,展開系は常に底なしの落とし穴を対策することが課題でした.EXモンスターゾーン追加前から環境の速度に底なしの落とし穴はついてこれてない部分もあり採用率は落ち気味でしたが,類似の使い方ができる月の書を使ったテンポを取る妨害がリンクスの妨害手段として長らく定番でした.

EXモンスターゾーンの追加で3面から4面にモンスターゾーンが増えると事情が大きく変わりました.
底なしの落とし穴や月の書で1面埋められても残り3面残ってるので多少テンポ取られたところで誤差の範囲です.その結果,底なしの落とし穴や月の書に苦しんでいた彼岸のようなデッキですら展開してるだけでメタ札を貫通してくるようになりました.
テンポを取る妨害が相対的に弱体化したなら他のメタ札を採用すればいいとなるところですが,このゲームには残念ながら現代遊戯王の定番妨害の手札誘発がDDクロウくらいしか存在しません.灰流うららのような直接盤面に干渉する手札誘発の代わりに長らくクリボールやカイトロイドのような攻撃を妨害する手札誘発が使われてきました.

カイトロイド1枚で攻撃を2回止められるので3面しかない場合は展開系デッキでは容易にはワンキルできず長らくワンキルデッキの対策に使われてきました.しかし,4面になったことで2体の攻撃を防いでも残り2体でワンキル打点を生成してしまえばワンキルできるようになりました.展開系デッキがメタ札を貫通する手段としてメタ札を越える手数の展開で押し切れることが可能になりました

EXモンスターゾーンの実装は,展開系が一段パワーを上げたと同時に展開系のメタ札が相対的に弱体化したため,展開系最強環境の到来を意味してました.これまで低速から展開系まで様々なデッキタイプが活躍していたリンクスでしたが,急速に展開系デッキが優位になり,その割には展開系を対策するのは困難な状況になりつつあり,ゲーム性としてどうなの?かと疑問に感じるところですが,割とこの時期は全く新しいゲーム性が受けたのもあり,楽しいと感じてたプレイヤーは多かったと思います.展開系デッキに気持ちよく回されるのは気分悪くなる時もありますが,自分が回してる分には楽しいですからね.

この時点で展開系最強,月の書底なしが微妙な環境にはなってましたが,まだ本命のリンク召喚は実装されていません.リンクモンスターは月の書底なしは効かず,展開系テーマが多いのにリンクスは本当に大丈夫なのか?と心配になりそうですが,この時点ではリンク召喚が実装されても月の書がスタン落ちするような事態にはならないと予想してました.というのもOCGの事情になりますが,リンク召喚単体では展開力はあっても汎用の制圧リンクモンスターはアポロウーサくらいしか存在しないため,リンクモンスターだけで強力な盤面を作るのは難しいです.OCGのリンクショック直後の環境でも属性リンクのミセスレディエントやデコードトーカーをタッチで使いつつ本命の展開を通す十二獣などのデッキが環境の中心であり,リンクスも初期リンク召喚からいきなりぶっ飛んだリンクモンスターが実装されるはずがないのでOCGのリンクショックからリンク召喚全盛期までの歴史を辿るだろうと予想してました.徐々にインフレしていく分には月の書底なしとゆっくりお別れしていけばいいので,その頃にはリンク召喚メタ札も充実してるはずです.
リンク召喚実装前夜は,これからの新しい環境にわくわくしてました.

遂にリンク召喚が実装されました.新環境一発目のリンクテーマは誰なのか?わくわくしながらプレイヤーはリンクスにログインしていきます.そこに待っていたのは転生炎獣でした.

いきなり転生炎獣飛ばし過ぎでは???
東京ゲームショーの時点で転生炎獣実装の情報解禁はされていたので分かってはいましたが,初期リンクテーマにしてはぶっ飛んだテーマが来ました.

転生炎獣はOCGの世界大会も優勝しており,OCGの一時代を築いたテーマです.キャラゲーを公言するリンクスなのでアニメテーマの転生炎獣を実装しないわけにはいきませんが,本当に大丈夫なのか?と心配したプレイヤーもいたはずです.結論だけ書くと転生炎獣実装は全然ダメだったのですが,運営にも言い分はあるのではと自分は考えています.転生炎獣実装について運営の言い訳を以下は代弁していきます.

そもそもOCGの転生炎獣デッキを一言で表すと平均点デッキです.

テーマ専用のサーチカードであるサークルだけでなく,サイバネットマイニングやレディデバッガーをはじめとしたサイバース専用サーチカードを豊富に採用できるため展開の再現性が非常に高いデッキです.非常に高い再現性を活かしてロアーやレイジといったテーマ専用札やバグースカや深淵のランク4エクシーズを構えて妨害してきます.

制圧力には欠けますが,特定の初動に依存せず,緩い初動条件から最低限のゴールを安定して叩き出せる安定感が平均点デッキの強みです.現代遊戯王基準で見ると転生炎獣は,展開の再現性は高いが回りくどい展開の割に妨害数は1,2個程度なのでガチガチの制圧デッキというより安定した展開で攻める平均点デッキです.OCGで登場した時代はこれでも十分な制圧でしたが,平均点デッキの宿命ですが,周りのデッキのインフレに伴い勝手に平均点は下がっていくので,今のマスターデュエルくらいの環境で使ってもガチデッキ未満ファンデッキ以上のデッキパワーしかなく強いデッキではありません.また,平均点デッキは安定性に重きを置いてるため出力の最大値は低い傾向にあり相手の上振れには脆い場合が多いです.安定と上振れの両立はカードゲームではよっぽど抜けたデッキパワーでもない限り成立するのは困難です.
ここまでが大体のOCGの転生炎獣事情です.これくらいのことは運営も十分理解していたようです.それは実装されたカード群から察しがつきました.
ガゼル,フォクシーの初動の役割がある札とジャガー,ファルコの初動を通した後の展開補助の役割がある札は実装されたのに対してスピニーやミラージュスタリオのような展開の最大値を上げる札は未実装だったため,転生炎獣のテーマとしての基本の動きはできるようにして展開の最大値を落とすことを意識して実装したようです.

ここまでは運営の当初の見通しだったと思います.しかし,運営が転生炎獣実装について計算外だったことが2つあったと考えています.

1つは,転生炎獣の平均点とリンクス環境のパワーの相対評価が甘かったことです.
平均点デッキはあくまでも周りのデッキとの比較によって平均的なだけで周りのデッキが30点みたいな低パワーデッキしかいないなら平均的に80点取れるデッキはぶっ壊れパワーデッキです.前環境の中心にいたスキル基盤デッキが大幅に規制された後のデフレ環境だったこともありますが,リンクスのデッキパワーと比較すると転生炎獣は抜けたパワーがありました.リンクスのデッキパワーに合わないデッキを実装しただけで片付けてもいいのですが,一応運営も強いだろうなと分かった上でパワーを抑える努力は一応していたようです.それはレイジではなくロアーが実装されたところから見られます.

転生炎獣の展開のゴールであるロアーかレイジどちらかを実装しないと何をしたいのかよく分からないデッキになってしまうのでロアーかレイジどちらかを実装しないといけないことは運営も考えたはずです.ロアーとレイジ同時実装はまずあり得ないので,そこでリンクスのゲーム性と照らし合わせたときロアーとレイジどっちがやばいか?が問題になります.ロアーとレイジを比較したときリンクス的にはレイジのほうが強いが運営の結論であり,自分も同意見です.リンクスはキャラゲーを公言してるだけあり,あくまでもデッキのエースモンスター同士が殴り合うことが意識されています.エースモンスターを出すにはそれなりの召喚にコストが伴うので,簡単に1枚から複数枚除去できてしまうレイジを毎ターン打たれては他のデッキでは太刀打ちできません.サイバー流のオーバーフローの前例もあるので,レイジが警戒され,あくまでも1対1交換の1妨害にしかならないロアーのほうが選ばれたと考えられます.
結果的にはロアーでも環境全然ダメだったのですが,ロアーがダメだった理由は,これまでのリンクスの環境デッキにはないカウンター罠による妨害がインフレ速度に追いついていなかったことにあると考えています.上で述べた通りロアーはあくまでも1対1交換の妨害であり,レイジのような1枚から複数枚除去には繋がらないためレイジよりはマイルドな妨害です.ロアーが問題だったのは妨害数ではなく妨害の質がこれまでのリンクスにはほぼ存在しないものだったことです.前述しましたが,これまでのリンクスの主流の妨害は月の書や底なしのようなテンポを取る妨害でした.テンポを取る妨害は召喚無効や効果発動無効のような妨害とは異なり,召喚した,カードを発動したなどのプレイヤーの取った行動が元からなかったことにはならないため,行動の主張は許してもらえます.テンポを取る妨害は見かけ上は1対1妨害に見えますが,行動の主張は通るので実質的には0.5~0.6妨害に留まり,完璧に1対1妨害として運用するにはプレイヤーの腕の差が出ます.これまでのリンクスは妨害を貰っても行動の主張分でアド損を抑えることができたのでそこに駆け引きが生まれていました.
しかし,ロアーはこれまでのリンクスではほとんど使われてこなかったカウンター罠による妨害です.カウンター罠による妨害はカードの発動自体を止めるため行動の主張を許してもらえません.これまでもインフェルニティバリアや神の忠告のようなカウンター罠は使われてきた前例はありますが,テーマ自体のパワー不足や癖の強いデッキを選ぶカードだったため一般的に使われることはありませんでした.OCGの場合は,行動の主張を無にできる灰流うららやPSYフレームγのような汎用手札誘発が使われるので,全員等しく妨害の質は高く,ロアーの妨害が特別抜けて強いわけではありません.リンク召喚も実装されOCGのカードプールに追いついてきたリンクスですが,段階的にOCGのゲーム性に近づければ問題なかったのに,いきなりギアを上げ過ぎてしまったため,周りのデッキが置き去りにされてしまったことが,運営のロアー実装の誤算だったと考えています.

もう1つの運営の計算外は,リンク召喚を基盤とした環境のメタゲームの見通しが甘かったことです.
リンク召喚対策としては有効ではない月の書が実質スタン落ちしたことにより,テンポを取る妨害がまず環境から消えました.ロアーが強いとは言ってもここはリンクスです.ロアーでは妨害不可能なカードの発動ではないスキルが存在します.転生炎獣メタデッキとしてスキル基盤デッキの生き残りであるDD,オッドアイズ,銀河,TGなどのデッキが環境初期では使われていました.かなり優遇されて実装された転生炎獣ですが,展開の最大値を抑える形で実装されたためかフィニッシャーと言える存在が不在でした.一応汎用リンクとしてニンギルスセキュリティドラゴンが盤面解決力が評価されフィニッシャー的な運用をされました.

OCGのトロイメアユニコーン,アクセスコードトーカーの立ち位置がセキュリティドラゴンとニンギルスです.これでも強かったのですが,打点不足は否めません.転生炎獣はあくまでも平均点デッキなので,上からパワーで潰してしまうか,上振れのワンチャン狙いなら勝てる可能性があります.そこで,オッドアイズやDDのような瞬間火力に定評のあるデッキが使われたのですが,ここで問題が生じます.リンク召喚デッキではないオッドアイズやDDは既存の妨害札が普通に刺さります

例を挙げると,つり天井はEXモンスターゾーンの追加により展開系優位になったため格段に使いやすく展開系デッキの対策に使われていました.しかしこのカード残念ながら肝心の転生炎獣はベイルリンクスで対策できてしまうため転生炎獣の対策札としては有効ではありません.

環境の早い段階で,転生炎獣対策札は不足しているのに転生炎獣以外のデッキの対策札は充実している状況が明らかになり,転生炎獣がミラーを厚く見る構築かそれ以外のデッキを対策した構築になるかによって環境が決まり,転生炎獣が環境の方向性の決定権を握りました

かなり早い段階で転生炎獣か転生炎獣以外かの環境の2極化は進んでいましたが,それでも環境というものは流動的なものです.新しいパワーバランスの中でメタゲームが回ればそこにゲームの面白さを見つけられるはずです.既存のメタ札が転生炎獣に有効ではないことは運営も分かっていたのか転生炎獣実装と同時に強力な対策札も実装してくれました.

期間限定のセレクションボックスに大捕り物を新規実装,強制脱出装置が再販されました.ベイルリンクスの破壊耐性を無視して転生炎獣を対策しながら,転生炎獣以外のデッキも同時に対策できる強力なコントロール奪取カードとバウンスカードをこれで対策してくれと言わんばかりに実装してくれました.リンク召喚全般の対策にもなっているため,リンク召喚によって使用率が激減した月の書の代替札が実装されたことになります.
新規カードだけではなく,既存カードの中でも強力な汎用メタ札は存在しており,リンクスを象徴するエネミーコントローラーはコントロール奪取効果がリンク召喚と相性がよく,更に一段パワーを上げました.

月の書によるテンポを取る妨害から,大捕り物,強制脱出装置,エネコンの破壊を介さない除去がメタ札の中心になりました.転生炎獣を対策するために実装された札が同時に転生炎獣以外のデッキの対策にもなっているということはデッキパワーで勝る転生炎獣が一番強いのでは?と気づいた人もいるかもしれませんが,それでも他のデッキはトップメタの転生炎獣に対策を絞れば生き残れるかもしれません.しかしここで,転生炎獣メタデッキの存在を否定する重大な欠陥に気づきます.

コズミックサイクロンは破壊を介さないバック除去札であるため,転生炎獣にもそれなりに有効な札でありながら,大捕り物などのメタ札の対策にも同時になるポテンシャルのある札でした.しかし,リミットの関係上コズサイ,大捕り物,強制脱出装置が同じリミット3に指定されているため,リンク召喚メタ札とリンク召喚メタ札のメタ札を同時にデッキ内に採用することは構築段階で不可能です.コズサイが転生炎獣の対策になるはずと考えて,墓所封印と組み合わせた墓所転生炎獣や大捕り物,強制脱出装置の代わりにコズサイを採用した転生炎獣も一時期見られました.多少の派生構築が生まれましたが,最終的に大捕り物,強制脱出装置によって広く対面を見ながらミラーを意識した転生炎獣が主流になっていきました.リミットの関係からミラーを意識した転生炎獣は構築可能だとしても,ミラーを意識した転生炎獣を意識した転生炎獣の構築は不可能だということに気づいてしまった瞬間です.実質デッキ内にリミット2,3があるデッキはリンク召喚を対策できない死刑宣告です.メタのメタによるメタゲームの一巡目はあっても,メタのメタのメタによるメタゲームの二巡目はあり得ないことに気づき,メタゲームが停滞することが想像できてしまったことに自分はかなり萎えました.ここからのリンクスライフは,セレボにしっかり課金して運営に納税し転生炎獣を完璧に組み極めるか,メタ札に頼らないデッキパワーで勝る新デッキを生み出すかの2択しかありませんでした.どっちを選んでもなかなかの修羅の道です.

転生炎獣がテーマとして強かったのもありますが,リンク召喚自体がリミットとカードプールの関係から対策困難であり,転生炎獣を止められるデッキは存在せず,大手サイトのtier表ではtier0に認定され,大会環境は転生炎獣が独占する転生炎獣1強環境に突入しました.運営の見通しが甘かったことによって生じた1強環境としか言いようがありません.
おそらくですが,転生炎獣ではなくても転生炎獣に準ずるパワーのリンクテーマが実装されていたら1強環境になってたはずです.流石にリミットのせいでメタゲームが停滞している事には運営も気づいたようで,今回のKCカップ後のリミット改訂でコズサイがリミットから完全解除になりました.墓所封印とリンク召喚メタデッキを共存させることが目的でしょう.当然です.

転生炎獣1強環境になったことで,デッキが転生炎獣しかないから面白みに欠ける以外に1つ問題が生じました.転生炎獣を使えば勝てる環境ですが,転生炎獣自体のプレイング難易度が高く,初心者向けを公言するリンクスのゲーム性に乖離が生じました.転生炎獣を組むためにしっかりセレボ納税しても,練習もしなければ勝てないため課金して強いカードを持っていたら勝てるわけでもなく,スキルボタンを押せばスキルが自動的に勝利に導いてくれる神システムもありません.本当の意味でカードゲームがうまくないと勝てないリンクスらしさはない環境が到来しました.

「転生炎獣を回せない人は頭が悪いので生活保護を受けてください」
転生炎獣1強環境によって尖った思想まで生まれました.セレボ納税しても頭が悪いとリンクスライフから弾かれる.まるで社会の縮図のようです.

転生炎獣環境の行きつくメタゲームの流れが自分はある程度見通しがついたので,リンクスへのモチベーションは底辺まで落ちました.転生炎獣環境自体が面白くなかったというよりは,楽しみにしてた漫画やアニメのオチを先にネタバレされて勝手に萎えてるオタクの感情に近いです.これから起きるであろう未知の事象へのわくわく感がありませんでした.

1.2 新規勢力の登場


リンクス熱が下がった代わりにマスターデュエルへのモチベーションは上がりました.マスターデュエルは当時烙印・ふわんだりぃずの2強を中心に環境が形成されていましたが,この烙印・ふわんだりぃず環境がめちゃくちゃ楽しかったです.あまりリンクスから脱線してしまうと戻って来れなくなるので概要だけに留めますが,烙印・ふわんだいりぃず環境は展開系と中速の中間の様な性質を持った烙印デッキと全く正反対の性質を持ったメタビをテーマ化させたふわんだりぃずの2強を中心にした環境ですが,どっちも抜けたパワーがあるかと言うとそうでもなく,他のデッキにもチャンスがあり,構築の工夫やプレイングの練度によって様々なアプローチが可能な環境です.現代遊戯王のカードパワーはありますが,理不尽な制圧もほとんどなく,後攻からも十分チャンスがあり,やり込めばやり込んだだけ結果がついてくるのが楽しかったです.リンクスでおなじみのエネコンや月の書もメタ札として使われていました.
マスターデュエルでもリンクスのKC同様のイベントDCが開催されたことにより,実績を掲げて配信活動を行うプレイヤーも現れ,競技志向のプレイヤーの居場所もできました.一昔前のリンクスもそうでしたが,絶対数が多いゲームなので,適当にプレイングに関しての話題を投げておけば噛みついてくるプレイヤーもいるので何か行き詰ったことがあってもすぐに答えに辿り着くことが可能であり,カードゲームをするには快適なゲーム環境が作られています.メタゲームが停滞していたリンクスに反して,日々成長と変化を感じられるマスターデュエルが対照的に楽しく感じていました.
自分は主にふわんだりぃずを使っていましたが,マスターデュエルでは毎月特殊レギュレーションのイベントが開催され,普段は使わないデッキを触るきっかけを与えてくれます.ちょうど開催されていたリンク召喚限定戦であるリンクregはリンクスにリンク召喚実装されたことも意識されており転生炎獣のストラクも同時発売して開かれました.自分もリンクregのためにデッキを組みましたが,そのとき対戦相手に使われて最強デッキに感じたことで真似して組んだデッキがあります.

インフェルノイドです.リンクスのインフェルノイドとはカードプールの関係上採用札は異なりますが,リンク召喚とインフェルノイドの相性の良さを活かし圧倒的手数で手札誘発4枚くらいなら貫通してワンキルできる上振れの最大値をデッキにしたようなデッキです.リンクreg環境の中心にいたマリンセスやエンディミオンの制圧盤面を上から潰せるパワーがあり使っていて楽しかったです.
また,同時期にマスターデュエルにゲートボールの波が小さくですがやってきました.

2016年4月環境なのでちょうどEM竜剣士が完全に環境から消された直後の環境です.昔触ってたデッキでもあり,ちょうどリンクregでも使っていたのでゲートボールインフェルノイドを組みました.EM竜剣士の規制と同時に名推理とモンスターゲートも規制されてしまったので初動札は名推理,モンスターゲート,虚夢,強欲で貪欲な壺,手札抹殺,左腕の代償しかなく,運ゲーと相手依存の塊みたいなデッキですが,上振れると当時の環境トップだったDDにも勝てるパワーがありました.ゲートボールの波が本格的にマスターデュエルにやってきたときに備えてインフェルノイドのプレイングを思い出しながらリハビリしていました.

インフェルノイドというテーマを大雑把に表現するとめちゃくちゃ調整された征竜です.インフェルノイドのOCGでの初登場時は,まだ征竜が禁止カードになるより前だったため,インフェルノイドのカードデザインは征竜と似ている点も多く,次世代征竜だと前評判では言ってるプレイヤーもいました.しかし,同時代に征竜が生きているので征竜の上位互換が作られるわけもなくちゃんとカードデザインは調整されています.征竜とインフェルノイドの決定的な違いは,征竜が召喚する行為自体が強いのに対して,インフェルノイドは召喚する行為自体は強くない点が大きく異なります.征竜は召喚する一連の処理の中で,召喚コストとして除外された征竜がアドを取るため召喚するという行為が莫大なアドバンテージを生みます.一方,インフェルノイドは召喚に必要なコスト側が一切アドを生まない代わりに場に出るとバニラ同然の征竜とは異なり派手な効果を持っています.召喚コストが軽いのにアドを取りすぎる征竜の反省を活かしたテーマがインフェルノイドと言えます.しかしそうなると,インフェルノイドは取ったアドを使ってどう展開するかが課題になる征竜とは異なり,そもそもインフェルノイドは召喚自体にハードルがあるためデッキを回すことそのものが課題になります.

昔の自分のツイート漁ったら出てきたレシピ,懐かしい

OCGのインフェルノイドが初登場したときは,名推理とモンスターゲートくらいしかデッキを回す札が存在しなかったので安定もせず,回ったら強いよね程度のデッキでした.たまに大会で使われる程度でファンデッカー御用達デッキでした.自分は連続魔法と推理ゲートを組み合わせて気持ちよくなるだけのデッキで遊んでいました.回れば強いですがファンデッキです.

召喚するという行為自体のコストとリターンが釣り合わないテーマだったので召喚コストを捻出するのが課題でした.初登場時は微妙なテーマだったインフェルノイドですが,初登場以降謎のインフェルノイド推しがコナミから入り長期間に亘って強化が入ります.歴史を全部語ると長くなるので端的に言うと,インフェルノイドは召喚のコスパが悪いのでコスト以上のアドを取れる札をたくさん作ればいいという発想からめちゃくちゃアドが取れるサポートカードが作られ続けました.こういう背景もありインフェルノイドは1枚からバカみたいにアド取るクソ雑パワーカードが多いです.
ここまでが大雑把なインフェルノイドの概要です.リンクス熱下がってる間マスターデュエルやってたら結構楽しかったです.リンクスにまだインフェルノイドは実装されてませんでしたが,この時期にマスターデュエルで触ってたおかげでインフェルノイドのプレイングはだいぶ思い出すことができました.

転生炎獣1強が環境に定着してきたKCカップまであと1か月の時期に環境に新しい空気を入れるべく新弾が発売されました.

ブルーエンジェルのキャラ実装に合わせてマリンセスとトリックスターを看板にして水属性を中心にした新弾が登場しました.ちょうど同時期にマスターデュエルのほうでマリンセス新規が実装されたのでマスターデュエルからリンクスも触ってほしいという運営の意図を感じます.
転生炎獣1強なのは運営も分かっているはずなので対抗馬になるテーマか対策カードが実装されるはずと期待されていましたが,当時の評価は散々でした.マリンセスはコーラルアネモネくらいしか実装されず,トリックスターは何がしたいのかよく分からない歯抜け実装だったので,しっかりキーカードが実装された転生炎獣と比較して見劣りしたことが評価を下げました.
評価が低かった新弾でしたが,結論だけ書くとこの弾はかなりの強パックでした.上の画像にもある海皇の竜騎隊が今回のKCカップのキーカードの1枚になりました.最終的にこの弾の収録カードと既に実装済みだった深海のディーヴァ,海皇,マーメイルを組み合わせたリンクスオリジナル版【海皇マーメイル】がKCカップで結果を残しました.転生炎獣1強環境がデッキの研究を遅らせたことや採用カードが高額なものが多くそもそも組めないプレイヤーが多いというのもこのデッキが表舞台に出るのを遅らせた原因として挙げられますが,それ以上にこれまでのスキル基盤のゲーム性により展開ルートという概念が簡略化されていたリンクスに,リンク召喚実装に伴い展開ルートという概念が本格的に生まれたことがデッキの研究を遅らせたと考えています.リンクス版海皇マーメイルはディニクアビスが実装済みなのでディニク竜騎のおなじみの動きまではできますが,竜騎隊から持ってきたディーヴァのリクルート先にネプトアビスは未実装なのでここからは独自の展開ルートが必要になります.パズルのピースは用意されていますが一から展開ルートを組み上げていく作業はなかなか大変です.この展開ルートを練り上げる作業がこれまではスキルによって簡略化されていたので,ゴールの見通しが立てやすくなっていたのはリンクスの良いところでもあり,悪いところでもあったと思います.
最終的にリンクス版海皇マーメイルは密かに展開ルートと構築が練り上げられ,先攻で3,4妨害構えながら後続も引っ張ってくる転生炎獣と同格かそれ以上の盤面強度を作るパワーデッキが完成されました.海皇マーメイルの叩き台になるデッキ自体は竜騎隊実装直後からランクマや大会で見かけましたが,深淵に潜む者の対策まで盛り込み洗練されたデッキリストを完成させた海皇マーメイルがKCでは結果を残し100点満点の回答を見せつけました.すごいです.
「展開ルート」の概念が本格的にリンクスに生まれたことにより1つ大きくリンクスに変化が起き,デッキリストを見ただけではデッキの動きがイメージしづらく簡単に完コピするのが難しくなったため,KC中に急に現れた強力な展開系デッキを真似して乗り換えるのが困難になりつつあります.マスターデュエルやOCGをやっていると分かりやすいですが,新しく展開系デッキに興味を持っても展開ルートが複雑だと敬遠しがちになるのと似ています.KC中に付け焼刃で展開系デッキに手を出しても完コピは難しいので,所謂隠蔽デッキが生まれやすくなり,パクられにくいことからミラーも回避できるため,パワーの高い展開系デッキを密かに練り上げることが戦略の1つとして新たに生まれたと考えています.今回のKCカップの海皇マーメイルのようなパターンは今後増えてくるはずです.

海皇マーメイルの叩き台自体は自分も認知しており,強そうだなとは何となく感じていましたが,高額なデッキなのでパーツは持っておらず,自分には無縁の話だったため新弾発売後もリンクス熱は上がりませんでした.ずっとこの時期もマスターデュエルやってました.海皇マーメイルの研究が進んでいなかったこともあり,プレイヤー全体の空気も転生炎獣1強が継続していました.

10月に新弾が出てから2週間後の11月,また新たにKC前最後の新弾がリリースされました.

ジャックナイツ,インフェルノイド,列車,ギミックパペット,メタルフォーゼ...1個前のトリックスターの弾が微妙な評価をされていたのに反して,露骨にやばそうなカード群がKC直前になって実装されました.転生炎獣1強環境が続いていたので,対抗馬は用意したこれでKCの環境は大丈夫だろという運営の声が聞こえてきそうです.
しかし発売前の評価は微妙な声も多かったです.相手の盤面に依存するジャックナイツは,先攻制圧の転生炎獣を後手から捲れる可能性があるが,先攻後攻を選択できないリンクスでは先攻展開が課題になることは想像できました.インフェルノイドに関しては,芝刈り禁止,名推理未実装,モンスターゲートは1枚のみ実装であり,新弾でも消華,狂宴くらいしか初動札が実装されなかったので初動に難ありと評価されていました.

ジャックナイツとインフェルノイドは未知数の部分が多かったので発売してみたいと正確なデッキ評価は難しかったのに対して,意外と評価されたのがギミックパペットです.

ギミックパペット専用スキルが存在したので,全てのギミックパペットモンスターが1枚初動になる安定感の高さで,同じく安定感が強みの転生炎獣に対抗できることが一部では期待されていました.結果的には,今回のKCカップではギミックパペットは結果を残すことはできませんでした.今現在の個人的評価としてはギミックパペットはかなり高く評価しています.スキルが強いのもあり,展開の再現性が高く,先攻後攻ともに具体的なプランが用意できているため,正統派の良デッキです.しかし問題点があり,安定した平均点デッキですが決定力には欠けます.めんどくさい制約が多いデッキなのでどうしても難しい部分は多いですが,致命的なのはアンチエクシーズモンスターというテーマコンセプトがリンク召喚環境に噛み合っていない所です.これからリンク召喚が更に強化が入ることを予想すると致命的な欠陥です.また,展開系が優位な環境において決定力に欠けることはトップ解決や相手に捲りのチャンスを与えてしまうのは明確な弱点です.今回のKCカップの環境も特徴的でしたが,展開系同士の対戦は,特定の展開札を揃えて展開を押し付けたら勝ちになりがちです.例えるならエクゾディアを先に揃えたら勝ちという対話拒否です.ここで大事なのは,エクゾディアを揃えるチャンスはお互い平等に存在し,先にエクゾディアを揃えるチャンスを貰ったのにチャンスを活かし切れず,トップ解決で揃えさせるチャンスを相手に与えるのは,チャンスを放棄したプレイヤーやデッキに落ち度があるということです.先攻制圧できる権利があるのに先攻制圧できない,ワンキルできたのにチャンスを見逃すことは展開系が強い環境では絶対にやってはいけない悪手です.決定力に欠けることは環境によっては,ハンデにしかならないのでギミックパペットが今後活躍できる環境があるかは未知数です.

新弾発売後,新テーマの研究が本格的に始められました.その中でも実装当日から頭角を現したテーマがありました.ジャックナイツです.
ジャックナイツも転生炎獣と同様にこれまでのリンクスにはない新しい戦略,妨害手段を持ち込んできたぶっ飛んでるテーマです.OCGのときから後手デッキとして知られたテーマなので後手の手数の多さやモンスターゾーンの位置を用いた展開のケアが複雑などいろいろ強みはありますが,特にリンクスの仕様と噛み合い強力だったのは星遺物に眠る深層です.

ジャックナイツ専用のスキルドレインのようなカードですが,これまで永続による妨害が主流ではなかったリンクスに永続による妨害を駆使したテーマが実装され,カウンター罠による妨害の転生炎獣に続いて永続による妨害が環境に追加されました.ジャックナイツ専用のスキルドレインと表現しましたが若干御幣があり,モンスターゾーンが5つあるOCGの場合はジャックナイツの縦列のモンスター効果を無効にする深層がスキルドレインになるには5面をモンスターで埋めないといけないため,簡単には達成できません.しかし,3面しかモンスターゾーンがないリンクスになると事情が異なり,適当に展開してるだけで2面は埋まるのであと一手分用意できればスキルドレインの完成です.発売前評価通り後手デッキとして環境に収まれくれればよかったのですが,想定外にリンクスの仕様と噛み合い先攻制圧力も兼ね備えたデッキがKC直前になって登場しました.
先攻制圧の転生炎獣の対抗馬に良さそうなジャックナイツが登場したことで1強環境が崩れる予感はしましたが,問題点が1つあり,永続による妨害に回答がないデッキはジャックナイツに勝てなくなりました.マスターデュエルのエルドリッチが良い例なのですが,永続による妨害は永続への回答を別途用意しておかないと詰みがちであり回答札の引きゲーに落とし込めるのでシングル戦形式では強力な戦術です.逆にデッキ内のギミックに永続への回答があるデッキはスロットを抑えることができるためアドバンテージが生まれます.永続による妨害を主軸にしたテーマの登場は,リンクスに新たなデッキの優位性を生みました.
しかしここで1つ想定外があり,たまたま偶然転生炎獣がギミック内に永続への回答があるデッキだったことです.

場の効果を無効にするスキルドレインは墓地効果で突破できます.永続への妨害によって生まれた新たな優位性をなぜかたまたま偶然環境トップの転生炎獣が具えていました.逆にこれまで転生炎獣に対抗していた勢力は永続対策まで必要になりました.結局,ジャックナイツの登場は環境に新しい空気を入れてはくれましたが,転生炎獣の対応力の高さを顕著にし,転生炎獣以外のデッキにとっては新たな脅威が生まれただけだったので,相対的に転生炎獣の環境の立ち位置を一段押し上げる形になりました

ここまでがジャックナイツ登場から概ね1週間の環境の変化です.KCまであと1週間しかないので,流石にそろそろ準備しないといけません.デッキ選択から取り掛かりました.直近の大会結果やリンクス世界1位の情報を参考にしながらいくつか候補となるデッキを絞りました.

転生炎獣,ジャックナイツ,海皇マーメイル,ギミックパペットあたりは候補に挙がりました.しかしここまでの1か月半の期間リンクス熱が下がりやる気なくしてた人間がKC1週間前に帰ってきて握れるデッキの選択肢が広いわけありません.リンク召喚対策用の罠が必要な転生炎獣,ジャックナイツ,ギミックパペットに関してはセレボ納税をしっかり運営に収め,しっかり1か月練習してきたプレイヤーだけが使えるデッキです.消去法で海皇マーメイルが候補に挙がりますが,超高級デッキなのでセレボ納税もしてない人間が組めるわけもなく,この時点では全容が明らかになっていない展開系デッキを1週間前になって触りだしても勝てるわけないので候補から外れました.他のデッキも検討しましたが,転生炎獣を見つつジャックナイツにも勝てる夢のようなデッキが簡単に見つかるわけもなく,この環境のデッキ選択の幅の狭さに気づいただけで終わりました.転生炎獣にもジャックナイツにも勝てる神デッキがあるわけありません.

KCまであと僅かに迫った1週間前,急にこれまで環境に顔を見せていなかったデッキが大会で結果を残して注目されました.インフェルノイドです.

自分含めて発売前から安定感に難ありと評価してたプレイヤーは多かったと思いますが,急に結果を残したので注目度は高かったです.この時点での個人的なインフェルノイドの評価は,OCGの知識と直近マスターデュエルでインフェルノイドを触っていた経験から,安定感には難ありでも一発勝負の大会で上振れたら勝てるポテンシャルはあるかもしれない程度でそこまで評価は高くなかったです.実際に触ってみないと分からない部分も多そうでしたが,上振れて勝っただけ程度にしか評価してないデッキを触るのは博打でしかないので触る気は起きませんでした.どちらかというジャックナイツの評価が上がり,インフェルノイドも環境に上がって来るなら墓地利用をあまりせず永続で制圧できるジャックナイツに有利な環境になると考えていました
ジャックナイツは高く評価していたので,セレボ産リンク対策札は持ってませんが構築工夫すればなんとかなるでしょくらいのノリからここに来てやっと新弾剥きました.

ゲーム内アイテムを全部突っ込んで剥いた結果,テンプレ構築に3枚採用されていた紫宵は3枚揃ったのに2枚採用されていた明星は1枚しか揃いませんでした.課金して揃える選択肢もありますが,セレボ産のリンク召喚対策札を持ってないので完璧にテンプレ構築を再現できないなら明星も1枚でいいでしょと思い,明星1枚セレボ未納ジャックナイツを組んで回してました.回し始めてすぐに明星2枚目ほしくなる場面はありますが,そこは誤魔化しがききそうだと感じました.しかし,問題が別にあり,ジャックナイツは永続の妨害はありますが,永続を構えた上でもう一手妨害,手数を用意できないと案外脆い部分があることが分かりました.ジャックナイツを使ってるとセレボ産リンク対策札はほしくなり,改めて現リンクスのリンク召喚対策札不足を感じてやる気がなくなりました
リンクスに限らずDCGは,無課金で中途半端にカードを揃えても強いデッキは組みづらいのは自然ですが,ゲーム内アイテム消費しただけで何も損してないはずなのに損した気分だけは残ります.勝手に損した気分になっただけなのにめちゃくちゃ萎えて,無課金でもイキれるマスターデュエル村に帰っていきました.こういうことの積み重ねによってマスターデュエル公式ツイッターリプ欄の民は生まれるのだろうと初めて彼らと分かり合えた気がしました.

1.3 インフェルノイド調整開始(採用札とプレイングについて)


握りたいデッキが完全になくなったので,今回のKC走る気も完全になくなっていました.そんなとき転機が訪れました.

たまたま見てたインフェルノイド耐久配信がインフェルノイドを触るきっかけになりました.この時点では構築もプレイングも粗削りな部分が多かったですが配信内容から,インフェルノイドは安定感に難ありなのは事前評価通りでも煉獄の狂宴が強過ぎるせいで上振れたら勝ってしまうこと,転生炎獣やジャックナイツの強初動は苦しいが中初動以下なら意外と捲れることが分かりました.札の入れ替えやプレイングについてインフェルノイドを実際に使ってるプレイヤーの生の声を参考にできたのは大きかったです.

インフェルノイドのパーツは揃っていたのでインフェルノイドを触り始めました.既存の構築を参考にしながらたたき台の構築を作りました.

今見るとツッコミどころが多い構築ですが,課題が見えやすくデッキ理解度を深めるには良い構築でした.
まず最初にインフェルノイドを触り始めて気づいたことは,インフェルノイドは初動に難ありは認識が間違っていて,初動率ではなく上振れ率で考えなければいけないデッキであることです.OCGで採用される雑な初動はリンクスのカードプールには狂宴のみで初動率を上げていくアプローチは困難です.逆に言うと,雑な初動である狂宴はリンクスではオーバーパワーであり通ったら勝ちます狂宴が通ったら勝つなら1回でも多く安定して狂宴を打つことから構築はスタートしました.
狂宴を安定して打つプランはかなり早い段階で欠陥に気づけました.消華,狂宴を最大枚数積んだところで引ける確率は計算機叩けば分かることです.当たり前ですが,数字は裏切らないので確率通りに引けるだけです.特定のアカウントに確率操作が入って引きやすくなるでもない限り引けません.そもそも安定志向でデッキを選ぶならインフェルノイドではなく転生炎獣を握ったほうがいいです.あくまでも初動率ではなく上振れ率で考えないといけません.上振れ率の視点で考えたとき使いにくかった札が強欲で謙虚な壺です.

OCGの感覚からしたらインフェルノイドに強欲で謙虚な壺はあり得ないですが,狂宴初動しかないリンクスでは先攻でやることはデカトロン通常召喚して狂宴セットするくらいしかないので,先攻取る前提なら採用圏内の札です.1回でも多く先攻を取るんだという尖った思想でデッキを組むなら採用してもいいですが,後攻取って強欲で謙虚な壺を打って召喚ターンエンドなんてことしたらまず勝てません.20枚デッキにおいて後攻で使えない札をピン刺し採用した場合,全体の対戦数のうち1割は構築段階で捨てることになります.インフェルノイドの後攻で対面の中初動以下なら捲れる強みと矛盾しているのが欠陥に感じました.強欲な謙虚な壺はインフェルノイドとの噛み合いの悪さが目立ち抜きました.
強欲で謙虚な壺を不採用にしたことで,いくら上振れ率が大事なデッキでも初動率に不安が残ります.そこで相性良さそうな札はないかとOCGの文献を探したりリンクスのカード検索機能を使って札を探していました.その結果,相性良さそうな札を見つけました.

インフェルノイドのためにあるような札である墓穴の道連れが見つかりました.墓穴の道連れ自体は初動率の観点から見ると微妙な札です.1ドローしたところで改善できる初動率は微々たるものです.墓穴の道連れは初動率と噛み合いが良かったというより,上振れ率が重要なインフェルノイドと相性が良かったです.相手の手札も入れ替えてしまうデメリットがありますが,墓地除外が共通効果のインフェルノイドではデメリットが軽減されます.一番強い点はピーピングがデカトロンとの相性の良いところです.

ピーピングで相手のハンドが分かるのでデカトロンの妨害の当て所を絞りやすくなります.ピーピングを効果的に活かすためにデカトロンのコピー先としてネへモスを採用して選択肢を広げました.ただ尖ったカードであるため欠陥もあり,運要素が強いことや相手の事故ハンドを強ハンドに変えるリスクがあるためインフェルノイドミラーでは先攻後攻問わず腐りやすいです.ミラーが増える環境なら採用が難しい札です.KC中はミラーは消華のコストで切ってました.

上振れ率については墓穴の道連れ採用によって改善しました.次に構築の欠陥として気になったのは異次元からの埋葬です.

異次元からの埋葬が性能として弱かったというよりは,インフェルノイドにおける煉獄魔法・罠カード,インフェルノイドモンスターカード以外の札が弱く感じました.最悪腐っても狂宴のコストにできる煉獄カードのほうが役割が持てて強いというのもありますが,回った前提=狂宴が通っているので回った前提の札があまり強く感じませんでした.
異次元の埋葬と似たような理由で採用から外れた札が光の援軍です.

光の援軍を採用した構築を練っているプレイヤーもいたため,自分も試していました.ただ個人的な結論としてインフェルノイドの光の援軍は弱いです.インフェルノイドカードではないから弱いのもありますが,召喚権をデカトロン以上に強く使えるモンスターは存在しないことが一番の理由です.デカトロンは先攻なら1妨害,後攻なら必ず相手の1妨害を踏むことができるのでパフォーマンス的には必ず1対1交換ができます.特に転生炎獣環境ではデカトロンは強く使えて,カウンター罠が行動の主張を否定してくるのに対して,デカトロンは行動が無効にされても召喚コストの役目を持たせられるので否定された上でアド損を軽減できます.他の召喚権を使うモンスターは行動が否定されたとき何も残りません.このような背景もあり,光の援軍はランダム墓地肥やしをしたうえでサーチ先のライトロードを召喚するという行為が弱いので,実質1枚ハンドをアド損するだけの札です.もう少し環境の速度が低下したら採用してもいいかもしれません.
デカトロンより召喚権を強く使えるモンスターを探すために天岩戸も試していました.結果は弱かったです.現リンクスで最も強い置物の天岩戸ですら弱いと感じるのでデカトロン以上に召喚権を強く使えるモンスターはおそらく存在しないはずです.

異次元からの埋葬と光の援軍が採用から外れたので,デッキ枚数減らして20枚に収めてデッキ完成でもよかったのですが,異次元からの埋葬と似たような運用できる札として遡洸する煉獄を採用しました.

異次元の埋葬自体回った前提で考えると微妙なだけで効果自体は悪くないので,消華からのサーチ先の選択肢を広げながら似たような役割を持てる遡洸する煉獄を試しました.煉獄カードであるので採用上の不都合はあまりないですが,強いて問題点を挙げるなら回った前提の札なので中長期戦を視野に入れないならあまり効果的には使いにくいところくらいです.期待半分で試した遡洸する煉獄ですが,想定より多彩な使い方ができる良カードでした.テキスト通りの使い方するだけでも墓地回収効果と除外回収効果の2つの効果があり,消華のハンドコストを稼いだり,リソースの回復に使えます.墓地回収効果とデカトロンを組み合わせることで間接的に任意のインフェルノイドモンスターモンスターをサーチできます.
一番強い遡洸の使い方はデカトロンの使い回しです.例えばリリスをコピーしたデカトロンが場にいたとします.この状態は1妨害になるので強い盤面ですが,相手がデカトロンを放置してきた場合,インフェルノイドの場のレベル上限の制約によって追加の展開ができなくなります.遡洸がある場合は状況が異なり,遡洸でデカトロンを回収してあげることで次ターンデカトロン召喚から追加の展開ができるようになります.相手視点デカトロンを放置する意味がなくなります毎ターンデカトロンを回収することでインフェルノイドモンスターをデッキ内から供給できるので,除外回収効果と合わせることで毎ターン2体ずつインフェルノイドモンスターを供給できます.遡洸はこの動きが強いです.しかしこの動き自体デカトロンが複数体揃わないとできない動きなので早くても2,3ターン後からしかできません.環境の速度や対面によって強さがブレやすい札でもあります.今回のKCカップでは,転生炎獣がデカトロンを放置してにらみ合う展開に持ち込んでくる場面があったので活躍の機会は多かったです.特に,インフェルノイドミラーの遡洸はかなり強力で,リリスが煉獄カードは割れないので遡洸の場持ちがよくリソース勝負に持ち込めます.

ここでインフェルノイドミラーについて触れておきます.インフェルノイドはリリースからKCまでの期間が短かったので,プレイヤー間のデッキへの理解度は浅くミラーまで煮詰め切れたプレイヤーは多くなかったはずです.調整期間の短さから「インフェルノイドミラーは狂宴を打った枚数が多いほうが勝つ」という間違った認識が広まりました.これは完全に間違っているわけではないですが,たしかに狂宴を打った回数が多ければ相手より瞬間的なリソースが勝るので押し切って勝てる場合もありますが,狂宴を打った回数=勝利の関係が成立するわけではありません.もっと明確な勝利条件はあり,デッキ内のインフェルノイド上級モンスターが全て除外される=敗北は成立します.ミラーは狂宴で壁モンスターが複数展開されるのに壁モンスターが全員妨害効果を持っているので1個ずつ盤面を処理していくのは大変な作業ですが,盤面処理に比べて墓地のリソースを削ることは簡単なため,盤面の壁モンスターに比べて墓地リソースのモンスターは無防備です. 墓地リソースを増やす狂宴を無計画に打ってしまうとそこを狙われるので,ミラーで一番安全なリソースは墓地ではなくデッキです.除外されたくない上級インフェルノイドは小出しにしてデッキ内に残すことを意識します.
また,狂宴は1枚打つと3,4枚,2枚打つと狂宴も枚数にカウントして10枚以上のデッ圧縮になります.つまり狂宴を打つ行為だけでデッキの半分はなくなります.これは実はものすごくミラーにおいて大事な部分であり,無計画に狂宴を打つと先にデッキアウト負けします.これを分かっていないインフェルノイドミラーがKC中何回か発生してインフェルノイドミラーをデッキアウト勝ちで拾いました.

まとめるとインフェルノイドミラーのポイントはリソースの小出しです.リソースの小出しが遡洸を採用するとかなり容易にできるようになるため,遡洸はミラーで強いです.KC中は他に遡洸を採用しているプレイヤーは見かけなかったので初動用の狂宴を打った後は2枚目の狂宴は打たずに遡洸を構えてリソース回復させているだけで拾える対戦もありました.遡洸は維持できたターンが長いほど強いですが,1回リソースを回復すれば1度ついたリソース差が埋まることはないので,遡洸を頑張って守ることに注力せず1回リソース回復できれば十分程度で使ったほうがプレイングがバグらないのでいいです.
インフェルノイドミラーについて大雑把に触れました.

ここまでの事前調整によって,概ね各札の使用感は分かり構築が固まってきました.

EXも調整してだいぶ構築は固まってきました.このときは上振れ率を考えながら狂宴の確率にも真摯に向き合い21枚構築でした.
インフェルノイドのEXについては後述しますが,必須枠のドリトルキメラとペンテスタッグを除くと残りは自由枠です.一応各EXの採用理由はありますが,どうやって相手の盤面を返していくのか自分のプレイングスタイルに合わせてEXは構築すべきです.EXを使わずに勝ち切る対戦も多いデッキなのでEXは0の状態から構築をスタートして必要に感じたとき適宜追加していくと組みやすいです.自分のEXの採用基準は戦闘を介さない盤面処理を意識しています.インフェルノイドは戦闘を介さない除去がネへモスとルキフグスくらいしかなく除去を戦闘か戦闘を介する除去に頼っている部分があります.列車のような高打点が並ぶデッキやスパイダーシャークの様な戦闘では除去が困難なモンスターの除去が苦手な部分があるため,EXは苦手な部分を補完するために戦闘を介さない除去札を中心に組んでいます.KC中はダークリベリオンエクシーズドラゴンとブラックローズドラゴンは1度も使いませんでしたがそれ以外のEXは使いました.

KCカップ直前でしたが,デッキができました.あとはランクマやポイントバトルで練習するだけですが,練習はほとんどしなかったです.直前までマスターデュエルばかりやっておりインフェルノイドも触っていたのでインフェルノイドのプレイングには自信がありました.プレイングには自信がありましたが,OCGとは異なる構築だったため構築には自信がありませんでした.そこでランクマはカードの使用感を確かめるために30戦ほどやってあとはひたすら札を入れ替えながらお試しドロー機能を使って上振れ率の高い構築を探しました.

お試しドローは一人回しですらないので全くプレイングはうまくなりませんが,おみくじ大量に引いてる感覚になってくるので当たり率が高いと最強デッキに感じてきます.構築の正解の根拠程度には使えるのでお試しドロー機能はリンクス版神社です.自分は神社だけで銀アイコン取りました.

KCカップ前日になってインフェルノイド最強カードが降りてきました.

モンスターゲートです.ツイッターでモンスターゲートやべえと言ってるのを見かけたのでやべえなら入れるわで入れました.
OCGの感覚だと理解に苦しみますが,リンクスのインフェルノイドのモンスターゲートは入ったり入らなかったりで構築にばらつきがありました.1枚限定実装なのでモンスターゲートありきで構築が組みにくい点や先攻後攻で強さがブレやすい札なので採用されない理由も理解はできます.実際に使用感を確かめるためにランクマで数戦試しましたが,先攻でモンスターゲートを打ってもリソースを捨てて1妨害立つ程度であまり強くない反面,後攻と先攻取った返しのターンに打つモンスターゲートは打ったら勝つのであまりにも強かったです.先攻有利の環境で後手が打ったら勝ちの札を積めるのはかなりのアドバンテージになるので採用しました.

モンスターゲートの強い点を2点まとめておきます.
1点目は,確定デカトロンになるところです.デッキ内の通常召喚可能モンスターをデカトロンのみにすることで確定でデカトロンが出せるので,実質モンスターゲートでその状況で必要なインフェルノイドモンスターに確定でアクセスできます.不幸にもモンスターゲートの落ちが悪くても確定SR最低保証されてるガチャなので引けば勝てます.逆に確定SR保証されないガチャを引く気が起きなかったのでデカトロン以外の通常召喚可能モンスターが弱く感じました.モンスターゲートの採用はインフェルノイドからライトロード要素を抜く根拠にもなりました.
2点目は,場のデカトロンをデカトロンに変えられることです.これはOCGではあまり起きないケースなのですぐには気づけなかった強みですがリンクスでは頻発します.例えば先攻でデカトロンを召喚してリリスをコピーした場合,相手はデカトロンを放置して追加の展開をさせないようにしてくるときがあります.この展開になるとデカトロンをもう1体召喚するか相手に動いてもらってデカトロンをどかせてもらうかしないと動けません.この展開になったとき場のデカトロンをコストにデカトロンに変えられるので,モンスターゲートは実質4枚目以降のデカトロンです.この使い方が強く,割と頻発します.モンスターゲートは先攻では初手にあっても打たずに3ターン目に打つようにしていました.

モンスターゲートを追加したことでデッキが完成しました.

KC直前に突貫工事で組んだデッキですが何とか間に合いました.採用カードを見て分かりますがインフェルノイドデッキはめちゃくちゃ安いです.レベルアップ報酬とパック産低レアティカードだけでメインデッキは組めて,EXは必須枠のドリトルキメラとペンテスタッグはRとNです.転生炎獣がセレボ納税の義務をしっかり果たさないと組めないデッキなのに,こんな道端で拾ったカードで組んだようなデッキに負けたら何のためにリンクスやってるのか分からなくなりそうです.転生炎獣回せない人は頭が悪いので生活保護受けてくださいとまで言われていたのに,まさかKCカップ直前になってリンクスライフを守る生活保護デッキが生まれました.納税の義務を果たしてもそれに見合ったリターンが得られるとは限らない社会の縮図のようです.

ここまでがKCカップ事前準備です.

2.KCカップ開幕~最終日

KCカップが始まりました.
昼間は予定があったのでスタートダッシュは切れませんでした.予定が終わってから走るつもりが,めちゃくちゃ体調悪かったので一旦寝て体調を整え,深夜に起きてから始めました.

初日はめちゃくちゃ勝てました.神社(お試しドロー機能)でいっぱいおみくじ引いて運勢占ってきただけあり大吉ハンド引きまくりでした.めちゃくちゃ勝ててめちゃくちゃ気持ちよくなってたので今回のKCカップ貰ったわと思ってました.初日盛れた理由としては,インフェルノイドミラーが多かったのに対面のミラーへの理解度が低かったためミラー全部勝って盛りました.


2日目全く勝てませんでした.初日7割あった勝率は55%まで落ち,対戦数は増えたのにDPは初日より減ってました.
2日目全く勝てなかった理由はただ1つ練習不足です.転生炎獣1強環境おもんねえマスターデュエル楽しいなあでリンクスやってなかったのに,KCカップ1週間前に帰ってきてランクマ30戦程度しか練習していないので当然ですが練習量が足りているわけありませんでした.2か月間転生炎獣環境と向き合い続けたプレイヤーとふわんだりぃずと向き合い続けたプレイヤーの差は歴然でした.
このままではマズいと思いプレイングを見直しました.KCカップ中に事前の練習不足分,特に経験からくる知識面を補うのはまず不可能です.知識面については勉強代だと思って負けから学ぶとして,凡ミスで負けていた部分を修正しました.リンクスから離れていたせいで操作面のミスが目立ってたのそこを減らすことに注力しました.EXモンスターゾーンの後ろのモンスターを殴ろうとしたら間違ってEXモンスターゾーンのモンスターを殴る,マニュアル2操作に慣れず置きミスでジャックナイツケアを怠る,ヴァエルの効果で相手の場のカードを除外するつもりが墓地除外効果を使ってしまうなど操作面でのミスが多かったのでKC中にCPU相手に操作確認していました.また,カードの裁定が分からない部分があり転生炎獣ファルコのセルフバウンスはコストなのか効果なのかすら分かっていなかったので,公式Q&Aを横に開いて調べながらやっていました.
こんな状態でやっていても当然ですが勝てるわけなく,2日目はボロボロでした.


3日目やっと3万DPに乗りました.初日2万DPに乗ってから200戦もかかってます.試行回数のごり押しで操作には慣れ凡ミスもなくなり,知識面でも対面理解がだいぶ進みました.
しかし,ここに来て伸び悩みました.転生炎獣はずっと多い,インフェルノイドミラーも初日より理解度があるプレイヤーが増えてきて苦しい対戦が増えてきました.プレイング面の差別化だけでは勝てなくなってきたので構築に答えを求めることにしました.直近の負けパターンを見直して,転生炎獣に壁モンスターで耐えられて返しに豊富なリソースと手数を叩きつけられて負けていることに気づきました.エクゾディアハンドを叩きつけ合ってる環境で戦闘を介する除去に頼っているインフェルノイドは決定力に欠けていることに気づきました.

決定力を上げるためにフィニッシャーを探した結果,アドラメレクに辿り着きました.このアドラメレクがめちゃくちゃ強かったです.絆の力で2900打点になるので先にベイルリンクスを除外しておけばサンライトウルフ単騎なら2回攻撃でジャスト4000ワンキルになるなどワンキル成功率が跳ね上がりました.ワンキル面以外でも,狂宴2枚をセットしたとき1枚目の狂宴にチェーンして2枚目の狂宴にサイクロンを打たれた場合,アドラメレク不採用では2枚目の狂宴からリクルートできるモンスターが存在せず不発になってしまいますが,アドラメレクを採用することでアドラメレクがちょうどレベル8なので不発にせずにすみます.サイクロンへの受けが良くなるのもよかったです.

アドラメレクを採用したことでセットでパワーを上げたバグカードがいました.

ペンテスタッグです.現リンクス最強の汎用リンクモンスターです.リンク状態のモンスターに貫通効果を与えるというシンプルな効果ですが,アドラメレクとの組み合わせがぶっ壊れていました.絆の力込みでアドラメレクが3000打点,貫通持ち,2回攻撃の化け物になります.壁モンスターで耐えて返しの展開を狙ってくる転生炎獣やインフェルノイドミラーはライフカットが困難な場面が多々ありますが,ペンテスタッグの貫通ダメージで壁モンスターの上からライフカットが可能になりました.壁モンスターで耐える戦術を完全否定したことで決定力に欠けて負けが激減しました.
余談ですが,リンクスの貫通モンスターは最強です.ライフがたった4000しかないゲームなので,生き残って次ターンを迎えることが重要視されます.ワンキルを回避する手段として壁モンスターを展開してライフカットさせないことが基本戦術です.壁モンスターの上からライフカットができる貫通モンスターはこれまでのリンクス史上,プルガトリオ,ライノセバス,ガイアドラグーン,ゼロマクスウェルなど何度も暴れています.今回のKCカップでも貫通持ちの転生炎獣ジャックジャガーがインフェルノイドの守備力0に攻撃してくるのはきつかったです.ただ歴代の貫通モンスターはテーマ専用カードやデッキを選ぶものばかりでした.しかし,デッキを選ばず採用できる汎用リンクモンスターに貫通効果持ちがいると事情が大きく変わります.実質リンクスの勝利条件に「モンスターを最低3体展開してワンキル打点を生成すれば勝ち」が加わりました.リンク召喚の実装は確実にリンクスのゲーム性を変えました.ペンテスタッグはこれからも現在のリンクスのゲーム性が維持されるならいずれライン越えの強さになるはずです.

アドラメレクが加わったことで最終構築が完成しました.

この構築が強く,ここからは下振れで負けはあっても上振れるまでやれば勝てることが確信持てたのでひたすらデュエルボタンを押していました.先攻後攻,対面関係なく上振れたら勝てたのでコイントスとマッチングによるストレスがなく快適に周ることできました.
銀アイコン争いに追いついてきたあたりから大活躍してくれたのがネへモスです.

ネへモス入ってない構築が主流ですが,対面ジャックナイツが楽できたり役に立つ場面もあり,自分は最初から採用してました.銀アイコンラインまで来て活躍してくれたのは別の理由で,上のDP帯で流行っていた海皇マーメイルにネへモスが強かったです.先攻で3,4妨害構えてくる海皇マーメイルを後手から捲るのはかなりきついですが,ネへモスの全体除去を通せば奇跡を起こせるので何度も救ってくれました.逆にネへモスなしの構築で銀アイコンを取ったプレイヤーがどうやって海皇マーメイルに勝っていたのか自分には全く分からないです.海皇マーメイル以外にも対面転生炎獣でベイルリンクスを先に除外してからネへモスで全体除去を通すのも強かったです.
ネへモスが大活躍してくれたおかげでセットで大活躍してくれたのが煉獄の死徒です.

①の一時的に完全耐性を付与する効果がジャックナイツの深層を突破するために不可欠なので採用必須だった札ですが,②の破壊耐性を付与する効果が対面海皇マーメイルに強く重装兵の除去から守ってくれるので便利でした.破壊耐性が相手の効果だけではなく自分の効果からも守ってくれるため,ネへモスの全体除去から自分のインフェルノイドモンスターを守ることができネへモス+αでワンキルが通せました.

いろいろありましたが,最終日の深夜には銀アイコンボーダーを越えてステイしました.

最後のほうは上振れの波が押し寄せて直近戦績が9-1のときもあり対戦履歴がwinで埋まり調子よかったです.
調子もよく時間的にはワンチャン狙いで金アイコンアタックしてもいいくらいの余裕はありましたが,今回は明らかに練習不足が目立ったので上位帯のずっとリンクスと向き合ってきたプレイヤーたちと戦っても勝てないのは明確,銀ステイで満足しました.銀アイコン取れなかったらリンクス熱完全になくなってたと思うので,銀ステイでよかったです.

これで自分のKCカップは終わりました.
結果だけ見たら,練習不足だったのにインフェルノイドのデッキパワーの高さにキャリーしてもらっただけのKCカップでした.先攻が圧倒的有利な環境でしたが,上振れたらコイントス関係なく勝てるインフェルノイドは答えデッキだったと思います.OCG,マスターデュエルから好きで使っていたインフェルノイドで走り切れたKCカップは楽しかったです.

3.その他採用候補カードとスキル

最後に採用を検討したがボツになったカードとスキルをまとめておきます.

①ライトロード・アサシン ライデン

KCレポート内でも触れましたがライトロード出張は検討しましたが,デカトロン以外に召喚権を使う行為が弱いのでボツになりました.他にもソーラーエクスチェンジを採用した30枚構築なども試しましたが,煉獄魔法罠の比率が増えることと組み合わせでしか動けない札が増えるのが弱く安定せず抜けました.インフェルノイド自体が初動には難ありのデッキなので完全な1枚完結初動以外はあまり相性よくありません.狂宴,モンスターゲートに規制が入って将来的に採用を検討してもいいかも程度です.

②天岩戸

スマイルワールド型の構築を練ってるときに採用を検討しました.OCGではインフェルノイドの後手捲り兼手札誘発対策として使われていましたが,手札誘発がないリンクスでは先攻の置物以外の仕事がないので抜けました.インフェルノイドの特殊召喚が起動効果ではないので全く相性が悪いわけではありませんが,デカトロン以外に召喚権を使う行為が弱いのであまり強い使い方を見つけられませんでした.

③ヴォルカニック・クイーン

後手捲り札として検討しました.OCGでは推理ゲートを邪魔しないことから採用される札ですが,モンスターゲートが1枚しか実装されていないリンクスではデカトロンの召喚権を邪魔するケースの方が目立ち不採用になりました.似たような札としてサタンクロースも検討しましたが,打てば勝てるモンスターゲートが不確定になるのが耐えられずボツになりました.デカトロンを召喚する行為以上に強い後手捲り方法は現リンクスには存在しないと思います.

④インフェルノイド・ベルゼブル

転生炎獣のジャックジャガーの貫通が苦しかったので,最上級を除くと唯一守備力が0ではないインフェルノイドとして採用を検討しました.効果自体も普通に強いので悪くはないのですが,狂宴から展開するためには構築を専用構築にしないといけないのが弱く抜けました.一部のプレイヤーの間で,狂宴からのレベル5-2-1構築が練られていたようですが,レベル5のアシュメダイは効果が弱く,レベル1のシャイターンとレベル2のベルゼブルは打点がないためデッキ全体の出力が落ちるのが弱かったです.将来レベル6のインフェルノイドが実装されるまでは採用しづらいと思います.

⑤無の煉獄

煉獄カードの選択肢として検討しました.消華で持ってくることはまずない札なので抜けました.1ドローしたところで改善する初動は微々たるもので,手札を失った返しにトップで引いた消華が腐るほうがよっぽど目がなくなるのでボツになりました.

⑥錬装融合

消華のコスト兼モンスターゲートで落ちてアドを取れる札として検討しました.消華が通ってモンスターゲートが打てる状況で負ける状況がほとんどないので過剰なアドになるだけで,消華やモンスターゲート引けてないとき事故札にしかならないのが弱かったです.ライトロードギミックを採用しなければいけない,もしくは何かの手違いで推理ゲートが実装されたら採用してもいいかもしれません.

⑦エクスチェンジ

相手に送りつけても利用されにくいインフェルノイドと相性いいことからOCGでは手札誘発対策として使われていた札です.手札誘発がないリンクスでは使ってもアド損するだけの札なので強いわけありませんでした.

⑧ライトニング・ボルテックス

後手捲り札として検討しました.転生炎獣のベイルリンクスでケアされるので環境的に弱かったので抜けました.しかし,ジャックナイツ,海皇マーメイル,インフェルノイドミラーでは1枚で捲れる可能性がある札なので,環境的に弱かっただけの札だと思います.転生炎獣が環境から落ちた後の環境なら十分採用圏内の札です.

⑨月の書

ワーニングポイントの対策や一時的に場のレベルを下げることができる札として採用を検討しました.リンク召喚環境で実質スタン落ちしてた札なので環境的に弱くボツになりました.煉獄カードでもないのでデッキ相性的にも強くはないです.
KCカップ中にデカトロン対策に月の書が使われたと半分間違った認識が広まっていますが,正確にはジャックナイツの月の書が強かっただけです.墓地利用テーマではないジャックナイツはデカトロンさえ蓋してしまえば横のインフェルノイドは無視して展開できるのが強かっただけで,墓地利用テーマの転生炎獣や銀河のようなデッキに月の書を積んだところで対策としては弱いです.今後もインフェルノイドが強い環境が続くことを考えると採用しづらい札だと思います.

⑩煉獄の落とし穴

消華のサーチ先として検討しました.転生炎獣に全く刺さらないので環境的に弱く抜けました.フリチェで開けないので狂宴のコストとしても使いにくいところもボツ理由です.ただ,ジャックナイツに対しては有効な妨害であり,墓地利用テーマではないジャックナイツにインフェルノイドの妨害があまり刺さらないので,環境と相談して採用を検討していいかもしれません.

⑪飢鰐竜アーケティス

レベル9シンクロ枠です.マスターデュエルではVFDの下敷き程度の役割しかなかったカードですが,リンクスに来て海皇マーメイルやジャックナイツで暴れたことで単体スペックの高さが露見したカードです.個人的には相当ぶっ壊れてるシンクロモンスターだと思ってます.インフェルノイドでもレベル9シンクロは使うので採用候補です.採用しなかった理由はインフェルノイド関連カードを揃えたらゲーム内アイテムが尽きたからです.もう少しリンクス熱が高かったら採用されていました.

⑫クリムゾン・ブレーダー

インフェルノイドミラー,対面ジャックナイツの対策になるレベル8シンクロ枠です.アーケティス同様採用されなかった理由は持ってなかったからが一番大きいですが,クリムゾンブレーダーに関してはあまり使う機会がないと考えて不採用にしました.インフェルノイドミラーでは消華の除外効果や盤面を空にすることで割と簡単にケアができ,対面ジャックナイツではそもそもクリムゾンブレーダーを通したら勝ちというゲーム展開にはならないことから,使う機会は多くはないと思います.サプライズプレゼントで送り付けられた札を処理できるスクラップドラゴンはほしい場面が多々あったのでレベル8シンクロ枠はスクラップドラゴンでよかったです.環境と自分のプレイスタイルと要相談の札だと思います.

⑬落消しのパズロミノ

レベルを変更できる効果でインフェルノイドのレベル制約を軽減する使い方ができる札です.レベル制約は軽減して複数展開を想定したときパズロミノの時点で2体,そこから2,3体インフェルノイドを展開できるほどの召喚コストが確保できている状況はまず起きないです.モンスターゲート打ってデッキボトムまで掘れたらできるかもしれませんが,その状況はパズロミノなくても勝てます.勝敗に関わることがあまりないように感じたので抜けました.

⑭転生炎獣サンライトウルフ

EXからデカトロンを回収できる札として採用を検討しました.リンク召喚を絡める展開をしてるときは大体ワンキルを取りに行くので回収するデカトロンを次ターンに使うことがなかったため抜けました.ただ,プレイスタイルによっては使う機会はなくはない札なので必要に感じたら採用を検討していい札だと思います.

⑮デコード・トーカー

打点の高さと対象耐性効果がミラーで強いので採用候補でした.今回のKCカップでもジャックナイツコードトーカーがデコードトーカーを立ててきましたが,実はインフェルノイドでデコードトーカーを突破するのは結構めんどくさいです.ミラーで使えるかもしれないと考えましたが,ミラーでリンク3が立つまで展開が通ることはまずないです.今後もデコードトーカーとはインフェルノイドの敵役として付き合っていくことになると思いますが,インフェルノイド側が採用することはない気がします.

⑯LP増強α,根性
系統がかぶっているのでまとめて不採用理由を説明しておきます.
防御系スキルで耐えられないほどの展開系最強環境だったため,スキルの有無が勝敗を左右することがなく不採用になりました.リンクスのスキルは上振れを上振れにするために使うのではなく下振れをなくすために使うべきです.勝敗の有無に関わらないスキルは全く意味を成していません.特に根性については特殊召喚制限がワンキル展開を阻害するので噛み合いが悪いです.

⑰悪魔送り
相手依存とは言えスキルで悪魔族を供給できるのでアド取れるスキルの分根性やLP増強αよりは採用の余地あります.デカトロンを放置されてそのまま押し切られる展開になりがちなので噛み合いの悪さも目立つスキルでもあります.環境の速度が低速化したら採用を検討してもいいかもしれません.

スキルは最終的に絆の力1択の結論に至りました.キャラ偽装でインヴェルズローチを出しづらくさせる役割もありますが,インフェルノイドが基本的に戦闘を介した除去に頼っているため,戦闘サポートスキルである絆の力が相性よかったです.絆の力込みでアドラメレクのワンキルが取りやすい,ミラーが強くなるなど採用理由はありますが,一番決め手になったのは紅蓮のジャックナイツの守備2600です.

実はインフェルノイドはステータス2600をラインにワンキルの取りづらさが変わります.銀ボーダー付近で戦っていたとき,紅蓮のジャックナイツを横にしてワンキルを耐えるプレイングを取ってきたプレイヤーが数人いました.彼らはよく分かっていたと思います.ワンキルできずにターン返すとそのままワンキルされて負ける展開系最強環境が続く限りは決定力を上げられる絆の力で安定だと思います.

以上がその他採用候補カードとスキルについての説明でした.
プレイスタイルや想定する環境,対面によって札は変わるので必要と感じたら適宜採用するのがいいと思います.

あとがき

ここまでKCレポートを読んでいただきありがとうございました.
今回のKCカップは,リンクス熱が下がり続けていた中での久々の銀アイコンだったので,結果以上にうれしかったです.環境については,デッキによってはコイントスだけで勝敗が決まる展開系最強環境でしたが,コイントスへの依存度が低いインフェルノイドは対面のストレスがなく,インフェルノイドにとってはストレスを感じにくい環境でした.ただ上振れるまでデュエルボタンを押し続けるのが作業に感じてしまいそこは辛かったです.

自分以外のプレイヤーでもインフェルノイドで銀アイコンを取ったプレイヤーは複数存在しますが,構築を共有したプレイヤーを除くと全員異なり,KCカップを経てもインフェルノイドはテンプレ構築が完成していないデッキです.一から自力でデッキを作り上げるしかなかったため,デッキを試行錯誤して作る作業は楽しかったです.スキル基盤のデッキが悪いわけではありませんが,カードゲームの醍醐味の1つであるデッキを作り上げる作業を奪わない程度のバランスは取ってほしいですね.

今回のKCカップでリンクスの楽しさを思い出すことができたので,サービス続く限りはまた目標を持って挑戦してみたいと思います.
ここまで長い文章でしたが,最後まで読んでいただいた方の役に立つ情報が少しでも提供できていたのなら幸いです.

















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