【耳読note】『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティー
Audebleで耳読するアガサ・クリスティーの作品は
『そして誰もいなくなった』に続いて2作目。
これまた学生の頃に読んで以来だが
2017年に『オリエント急行殺人事件』として映画になり
劇場で見ていることを覚えている。
でも、7年前に映画でも見ているのにかかわらず
内容を忘れている…。
Audebleで聴き始める前は、だれが犯人だったかを
すっかり忘れていたが、聴いている途中で思い出した。
記憶を思い出したのが良かったのか悪かったのか
結末を思い出すと何だか微妙に聴き方も変わってきて
些細な言い回しも気になって聴いている自分がいた。
(あらすじ)
イギリスに向かうオリエント急行の中で、私立探偵のエルキュール・ポワロは、乗客のある男から身の危険から護衛を依頼される。「興味の無い仕事はしない」と、男の依頼を断るのだが、その深夜、寝台車の個室で男はナイフで複数刺され殺害される。
たまたま、そのオリエント急行は雪にはまってしまい立ち往生してしまう。乗客は列車から出ることができない状況の中、誰が犯人なのか、乗客の中に犯人はいるのか、ポワロが捜査を始める…。
(感想・ネタバレ)
容疑者が乗客・乗務員含めて13名いて、最初は誰が誰だったか混乱する。
耳読の場合、本と違って途中で簡単に前のページがめくれないし、よく巻頭にある登場人物をまとめて書いてあるページも見ることができない。
でも、そこはさすがクリスティー。
乗客は色々な国籍と老若を混ぜ個性あるキャラクターをつけているので、聴いていくにつれ、だんだんと頭の中にそれぞれの容疑者のキャラクターが固まってきた。
それとナレーターも素晴らしい。男性・女性、年配・若者、声の張りなど声色を微妙に変えてキャラクターを演じている。
犯罪を犯すことは許されることではない。
まして殺人なんて以ての外だ。
しかし、罪を犯す者にもそれなりの「理由」がある。
アニメ「名探偵コナン」も犯人が何故罪を犯したのか
良く描かれていると感心している。
アガサ・クリスティーの作品は、登場人物の心の動揺や表情にも細かく描かれているところが好きだ。
最後、犯人の一人が罪を認めて告白をするシーン。
舞台を見ているような気分にさせられた。
映画『オリエント急行殺人事件』も断片的に内容を思い出したが
原作を再読したところで、忘れないうちにもう一度見てみようと思う。
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