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しがないコック

令和にもなって未だにインターネット回線が繋がらないような北海道の田舎で生まれた20代前半の田舎者男、まぁ僕のことなのですが、そんな境遇の人間全ての人に共通して言えることがある。「上京」という言葉に対して抱く感情は「とてつもなく楽しみ」もしくは「とてつもなく不安」でほぼで二極化されてるということ。僕は後者でした。

都会の人間は冷たいという印象が頭にあったからだ。でも、東京に来てみて思ったけれど、そんなことはないと思う。
見方次第だし、環境次第。どの場所でもそう。

ただやはり誰と対峙してても真っ先にその印象を思い出してしまい、東京という場所での正解に自分がちゃんと適応できるのかが心配で仕方ない生活を日々送ってます。

昔から本当に臆病だし固定概念にものすごく影響を受けやすい。自分の嫌いな部分です。

どうにか頭を働かせて「北海道だったらこうなのにな」とはあまり口にしないようにしている。元いた場所では正解だったことが不正解だったなんて話はその逆も然りだ。東京の人達からすると北海道の人ってこうなのかと思うことだってあると思う、お互い様の関係、平行線、傾かない天秤だ。

そして天秤を傾かせられるほど僕の言葉には重みが無いこともちゃんと知ってるのです。

ここ最近、少しだけ東京に慣れてきた。
やっと人らしい生活をできるようになった。コンビニに行くのすらもしっかりとお洒落をしてた引っ越ししたて特有の自意識過剰時期を終え、軽装でいけるようになる。重たく感じてた空気もカラッと晴れた日には気持ちいと感じるようになる。

この間インターネット回線をようやく契約した。4G回線が繋がるとお祭り騒ぎをしてる地元では考えられないくらいの超快速ネット回線で驚いた。パソコンをまた触れるようになった。

天秤を傾けられるほどの重みのある言葉は書けないけれど、独り言、自己満足の範疇でまた楽しくnoteを書けたらいいなと思います。見てくれたら嬉しいです。


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どのレストランに入社してもまず水回りを確認する癖があることに気がついた。これは自論ではあるけれど、水回りは使う人の人間性をよく表していると思う。
詰まらせたり掃除をサボると怠惰な人柄が見える。綺麗だとその逆といったようなイメージになる。安直だけど人を判断する上で水回りを確認するのは大事なことだと思ってる。

結論から先に言うと今回入社したレストランは水回りが綺麗すぎて逆に引いてしまったのです。
水垢ひとつ無い。それどころか水回り以外の場所も機材も料理に使う道具もどうやらそんな様子だったのでシンプルに怖かった。

逆の発想にもなった。
今までの店が汚すぎたのではないか?そう思って先輩方に聞いてみると、「こんなに掃除ばっかりする店はあんまり他に無いかも。」とのことだったので少し安心した。

シェフと約2ヶ月くらいしかまだ過ごしていないけれど、何となくどんな人物か分かってきた。
完璧主義で、発想力があって、言葉使いが結構きつい。でも、発言の奥底に優しさを感じる。少し不器用な人なんだと思う。

この店の厨房にはそんなシェフの完璧主義な部分が顕著に表れてると思った。

ホールの偉い人にそのことを話した。

「店は料理とかお酒は勿論だけど、何よりも人間を映す場所だからね。」

その言葉を聞いた時、小学生の時に感じた遠足に行く前日のような気持ちになった。

この場所でたくさんの経験をする。出会って、学んで、乾いて、もがく。

北海道では経験できないことをする。ボヤッとした目標だけれどすぐに輪郭を見つけられそうな気がした。

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