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【広告運用】LPOの考え方

LPO…Landing Page Optimization
ランディングページ最適化のこと。
34%は実際に私が達成した、一度のLP改修での改善幅です。

ユーザーが広告経由で流入した後、真っ先に目に入るLP。
CVするかどうかはLPを見てからユーザーが判断するため、CVR改善において最重要ポイントであると言えます。

更に、リスティングでは「KW,広告文とLPのマッチ度」を基に広告の品質ランクにも関わってきます。

結論、LPOはCPAの構成要素「CPC,CVR」双方へアプローチする、最も改善幅の大きい施策なのです。
※CPA=CPC/CVR

CPA=Cost/CV
CPA=(CT×CPC)/(CT×CVR)
CPA=CPC/CVR
簡易な導出

今回のnoteでは0からLPOを始める方へ向けて、
・必要なもの
・分析方法
・改善案の例
・検証方法
をまとめます。

新卒のマーケターを意識して書いていますので、初歩的な内容を含みます。※本文中のリンクを踏むと、その用語を検索できます。
例:IS

①必要なもの

・最低3ヵ月の配信実績 ※運用金額により変動。
・ヒートマップツール導入から最低1ヵ月 ※流入数により変動
・顧客データ(年齢/性別/居住地/レビュー/役職…)
・Google OptimizeなどABテストツール

②分析方法

LPOで費用対効果を高めるには、事前の情報収集が不可欠です。
ざっくりと以下3点は最低でも必要でしょう。

  • CVの傾向(広告文/バナー/KW)

  • 見られているコンテンツ

  • 実際の顧客情報

・CVの傾向(広告文/バナー/KW)

配信実績が最低3ヵ月程度あれば、CVしやすいクリエイティブの分析が可能です。
実際にCVしているKWやクリエイティブに寄せたコンテンツ構成にすることで、よりCV傾向の高いユーザーをフォームまで誘導できるでしょう。

具体的に:
私は家具ECの広告運用担当者です。
今回、売れ筋商品であるデスクへ広告費を投資することになりました。

今までのCV傾向を基に、LPOの方針を決めます。

・有力なCVKW
 └ ワーキング デスク 幅100
 └ デスク ポート 付
 └ PC デスク
機能性重視のワーキングデスクを探しているユーザーかな?
・有力なCVバナー、広告文
 └ ライトブラウンのデスク写真
 └ 「色も、サイズも、自由自在。」
 └ 文字なしのバナー
商品写真のみでも十分魅力的で、KW同様サイズ訴求あり

要約
・落ち着いたライトブラウンを好む
実用的なワーキングデスクを探している
幅100cm と指定がある
商品写真を魅力的に感じてくれる

実際の落とし込み例
FVには余計な文言を入れず、大きく商品写真を見せる
・採用する商品はライトブラウンの機能性重視ワーキングデスク
・LP全体のトンマナは落ち着いた、装飾少なめのデザイン
・カラバリとサイズ展開がFV下で確認できるようにする

・見られているコンテンツ

ヒートマップツールで、アテンションヒートマップを確認してください。
どこに目を止めるユーザーが多いでしょうか?

またGAなどでLP上の押されているボタンがどれなのかを確認してください。
何を見て、次のステップへ進んでくれているのでしょうか?

注目度が高いコンテンツを真っ先に持ってきたり、最も押されているボタンに採用しているフレーズや直前のコンテンツを基にLPOを進めることで、より検討ユーザーを行動に移させやすくなるでしょう。

具体的に:
同上、机を売りたいとします。

今までのLP成績を基に、LPOの方針を決めます。

・見られているコンテンツ:
 └ 寸法がより細かく説明されたコンテンツ
 └ フォーム下に設置していた「返品規定」ページ
 └ コーディネート例コンテンツ
寸法や返品の他、部屋全体のコーディネートも気にしているかも
・押されているボタン
 └ あまり有意な偏りがないようだ。
ユーザーによって回遊傾向が異なり、様々なページ、位置でボタンを押すようだ

要約
・寸法/返品規定は購入前にじっくりと確認する
・コーディネートや周りの小物も気にする
・回遊傾向はそれぞれ

実際の落とし込み例
LPの上部ですぐ寸法を確認できるようにする
・ページ内のよくある質問内に返品規定も明記する
・カルーセルでコーディネート例を見せる
・コーディネートに使用した商品へのリンクも設置
・どのページでもCV、質問できるようチャットボットを導入する

・実際の顧客情報

CVの傾向、見られているコンテンツを確認している内に頭の中でユーザー像がぼんやりと出来上がりませんでしたか?

その裏付けを実際のデータで確認していきます。
※先に実際のデータ分析をしてもよいのですが、結果に頭が引っ張られすぎて「CV傾向分析」「コンテンツ分析」の際に先入観が強くなることがあるため、私は最後の裏付けとして位置付けています。

順番はどうでも良いですが、下記のような内容を確認していきます。
・年齢
・性別
・居住地
・レビュー
※これらは一例ですので、必要なデータがもっとあればその分収集してください。
例えばtoBサービスなら、相手の役職なども必要かもしれません。

(レビューを除き)上のような定量データを見て、あまりにも自分の想像からかけ離れていたときは、しっかりとなぜズレていたのか?どうズレていたのか?の究明もしっかりと行った上で進んでください。

具体的に:
机売ります。

定量データを確認すると、顧客の傾向は以下でした。

・30台
・男性
・東京都
・単身マンション
・組み立てが簡単だったというレビュー
・キーボードスライダーを褒めるレビュー

見えてきたユーザー像
愛される「機能性」に含まれていたのは、KWに表れていたポートのほかに
・組み立ての簡単さ
・キーボードスライダー
にあったようです。

30台男性なので老眼などは考えずらく、文字サイズはそこまで大きくしなくても問題ないでしょう。
また、インターネットへのリテラシーも高そうです。

③改善案の例

②での分析結果より、私が机を売るには下記のようなLPOが候補に上りそうです。

1. FVには余計な文言を入れず、大きく商品写真を見せる
 採用する商品の条件
 └ 幅100cm
 └ ライトブラウン
 └ キーボードスライダー
 └ ワーキングデスク

2. LP全体のトンマナは落ち着いた、装飾少なめのデザイン

3. LPには、下記を必ず含ませる。
 ・カラバリ
 ・サイズ展開
 ・細かな寸法
 ・返品規定
 ・コーディネート + 小物の商品リンク

4. どのページでもCV、質問できるようチャットボットを導入する

5. 固定メニューなどにハンバーガーメニューを設置し、回遊しやすい構造を整える
②を読み飛ばしていると、急に机が出てきてびっくりしますね

④検証方法

無限に工数とコストをかけられる企業は少ないと思います。
効率的に改善するために、優先順位をつけてください。

1. FVで商品を大きく見せる
 ↑
これはかなり影響度が大きそうです。
初めに目に入る要素の改修なので、よくも悪くもすぐに数字に大きな差が出るでしょう。

5. 固定メニューなどにハンバーガーメニューを設置
 ↑
これはどうでしょうか?そもそもハンバーガーメニューを押すユーザーは流入してきたユーザーの十何%でしょうから、影響値として大きいか疑問です。
③でリストアップした施策内容です

上記のように影響度で優先順位を付けたあとは、工数とコストの順位もつけてください。
これは一概には言えませんが、推定の影響値÷工数 をしてみて、数値が大きい順を目安にするとよいでしょう。

そうして決めた順番で1つ1つやっていく、あるいは予算と工数に余裕があるのであれば複数/全面改修してしまってもよいでしょう。
※この時、それぞれの施策の影響値を測るのは難しいですが短期決戦で済みます。内容に合わせ、デメリットを認識した上でやってください。

後はGoogle Optimizeで検証するだけです。
ABテストを行い、それぞれのパターンで2000セッションくらい獲得できれば検証を完了させてよいでしょう。

②~④の手順を応用すればペルソナの設計や課題分析もできるでしょう。
それらは追々、別のnoteとしてまとめる予定です。


「LPOの考え方」noteは以上です。
当たり前のことばかり書いており恐縮ですが、基本が全てだと思っております。

いくら成功事例を見たとて、それは他クライアントの成功事例です。
自社/自クライアントのCPAをより良化させるために、一つ一つ数値と向き合うことが結果的な最短ルートになるというのが持論です。

まだ机の話をしますが、ビジネス用ワーキングデスクとマホガニー材デスクでは、類似業界と言えど結論は異なるはずだからです。
完全に同一の商材はありません。

他の方の考え方も知りたいので、もしよければコメントなどで残していただけると嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。

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