国会議事録に「実子誘拐ビジネス」という言葉を刻んでしまった唯一の国会議員、嘉田由紀子氏

 何だかもうサムネつくるのも嫌になってきたのでサムネ無しにします。ていうか、嘉田由紀子氏の言動をウォッチすると言ってみたもものの、ホドホドにしないと心病みそうです。
 前の投稿の最後で、嘉田由紀子氏が2023年2月の【有本香チャンネル】に出演した際に、池田良子『実子誘拐ビジネスの闇』(飛鳥新社、2021年)という本を持参していたということを書きました。こんな帯がついている本ですよ。嘉田氏は2019年7月の参議院議員選挙で、安倍政権と対峙するために、市民と野党統一候補として支援を受けて国会議員になったはずの人なんですよ。

飛鳥新社Webサイトより

 「国会会議録検索システム」で「実子誘拐ビジネス」で検索してみたところ、ヒットしたのは嘉田由紀子氏の発言だけで、うち2回はこの本の紹介(2021年4月、5月)、あと1回は「あるお父さん」からの相談内容を紹介する文脈(2022年3月)。
 もっとも、「実子誘拐」の「ビジネス」について質疑をした議員はもう一人いて、今年2月7日の衆議院予算委員会での維新の市村浩一郎氏「(DV等の相談の)99%がでっち上げ」というフレーズで有名(?)になりました。弁護士がDVや虐待の「でっちあげ」を指南して法を悪用・濫用し、「実子誘拐」が「ビジネスモデル」となっていることを知っているのかと総理や大臣に迫るという…。以下の番組で音声付きで紹介され(開始38分頃から)、「すさまじいですね」「何なんですかこれ」と絶句されていました。

 「実子誘拐」という単語を国会で発した回数は嘉田氏がダントツでトップなので、市村浩一郎氏以上に「すさまじい」かも。
 しかも2021年4月8日の参議院法務委員会では、この本の一部コピーをわざわざ資料として配り、2021年5月13日、参議院法務委員会では、この本を「社会的事実として重く、データも信頼が置ける書籍と判断」として再び紹介したんですよ。さらにその流れではすみとしこ『実子誘拐』(ワニブックス、2020年)も紹介したんですよ。はすみとしこ氏が難民差別のイラストで物議をかもしたのが2015年、性暴力被害者の伊藤詩織さんへの名誉棄損を繰り返したのが2017~2019年、そのことについて提訴されたのが2020年(2023年に伊藤さん勝訴で確定)、まさか、2021年5月にはすみとしこ氏がどういう人物か知らずに言及したとは言わせません。

 2021年5月13日の質疑に立つ前、嘉田氏は自分のFBに長文の投稿をし、そこでこの本の広告画像および「おわりに」3頁分の画像もポストしました。

かだ由紀子FB2021年5月9日より

 ここで、この2021年4~5月のタイムラインを整理しますと次のとおりです。
2021年4月5日 橋本崇載氏と面会
2021年4月6日 参議院法務委員会で質疑、橋本崇載氏について取りあげる
2021年4月8日 参議院法務委員会で質疑、『実子誘拐ビジネスの闇』紹介、資料配布
2021年4月21日 「オンライン院内集会 共同親権実現に向け自治体現場に求められること」(主催:子育て改革のための共同親権プロジェクト)に登壇し、滋賀県のDVシェルターの場所を暴露。ここでも『実子誘拐ビジネスの闇』を紹介
2021年4月28日 外部からの通報を受けた滋賀県が嘉田氏に対処を要請、オンライン院内集会の動画削除
2021年5月9日 「離婚後の子どもの幸せづくりと法制度」の長文のFB投稿でも『実子誘拐ビジネスの闇』を紹介。
2021年5月12日 4月21日のDVシェルター暴露発言問題について「DV被害者からの相談時における発言について」をブログ上に公表。メディアが報道。
2021年5月13日 参議院法務委員会で質疑、『実子誘拐ビジネスの闇』を「信頼が置ける書籍」と紹介。

 つまり、4月21日のDVシェルター暴露発言が問題になり、28日に県の要請を受けて動画の削除はしたものの、謝罪もせず、5月12日にようやく「配慮が足りない発言があったとのご指摘」を「真摯に受け止め」るというだけのコメント(謝罪ではない)を発表しました。そしてその翌日、国会で『実子誘拐ビジネスの闇』を取り上げたわけですよ。DV被害者が子どもを連れてシェルターに避難することを「実子誘拐」と言い、それをそそのかして「ビジネス」にしている弁護士がいると主張する本を「信頼の置ける書籍」と言ったんですよ…(そしてその本を2023年2月に【有本香チャンネル】にも持ってきて宣伝してるんですよ)。

 嘉田氏が2021年春の時点で「こんな人」になってしまったことが白日の元にさらされたはずだったのに、2021年秋の衆議院議員選挙でも、2022年の参議院議員選挙でも、2023年の統一地方選挙でも、何事も無かったかのように嘉田氏と二連ポスターにしたり、応援に入ってもらう候補者ばかりだったのも絶望的でした。 

 問題のオンライン院内集会での嘉田氏の発言については「ありしん@共同親権反対です」さんのnoteに全文書き起こしがあります。

 嘉田氏の発言を匿名で県に通報された「ZEZE@共同親権制度化反対」さんのnoteも是非お読みください。

 嘉田氏が「実子誘拐」の被害者として国会で積極的に紹介していた橋本崇載氏がその後どうなったかは、こちらの記事をご確認ください。

 池田良子『実子誘拐ビジネスの闇』がどんな本かは、「foresight1974@剣客商売」さんのnoteをご覧ください。どんなトンデモ本かがよくわかります。

 同じく「foresight1974@剣客商売」さんのこのnote、嘉田氏に投票してしまった全ての滋賀県有権者に読んでほしいです。


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