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「クリパ」~レンタルスペースホームパーティのススメ

身内用アドベントカレンダーの最終日に寄せて。

クリパは楽しい

俺の名前はシチハという。
会社勤めのサラリーマンで、趣味はアウトドアとインドアだ。

ホームパーティという言葉を聞いたことはあるだろうか。
>自宅に客を招いて行うパーティー。
とwikipediaには書いてあった。要は宅飲みだ。

ホームパーティを有料で貸しきれる部屋、レンタルスペースで行うというのが、身内の間で定番になっている。
会の名は「クリパ」、すなわち「クリスマスパーティ」である。
2020年に成り行きで始まったクリパは既に過去6回ほど開催しており、先
日ちょうど、2023年の回が盛況のうちに終了した。

クリパには、潜在的なリスクが存在する。漫然と開催すると、会全体がおもんなくなる可能性がある。一般的な飲み会と異なり、クリパでは料理も酒も場所も何もかもが自分たちの裁量で決まるからだ。
逆に、会をどう盛り上げるのか、どう楽しむのかを自分たちで決めることができ、価格以上の満足感を作り出しやすいのがクリパの面白さであり、ここまで何回も続いてきた理由でもある。

今回は、毎度主催をやっている俺から、回を重ねて蓄積してきた、クリパで盛り上がった企画や、楽しむためのノウハウをまとめておこうと思う。
主目的は次回以降の主催のための自分用情報集積・ネタかぶりの防止だが、企画のネタやレンタルスペースの選び方など、ホームパーティーの参加者一般に広く参考になる内容になるかとは思う。

クリパはこんなん

以下の様式で開催されている。

  • 会場は東京都内のキッチン付きのレンタルスペース

  • 滞在時間は半日ほど

    • 昼食 / おやつ / 夕食 / 夜食は概ね会内で摂る

      • 料理をしたりピザやケンタッキーなどを買ってくる

      • カクヤスで酒を頼んで飲む

  • 参加者は10人前後

  • 会場でやりたい企画や遊びたい道具、飲み食いしたいものを自由に用意

    • 買って来たものは各個人の裁量で会費に入れてもよいものとする

  • 各自、中身がわからないように包装したプレゼントを持ち寄る

    • 全員が集まったらランダムな相手と交換する

  • 開催時期①クリスマス近辺

  • 開催時期②真夏

    • クリスマスではないため、プレゼントは交換しない

飲み会比でのクリパの特殊性

①時間の長さと人数の多さ

10人程度で半日の時間を共有する。飲み会のノリで会話だけで過ごそうとするとダレる。逆に、大人数でないと出来なかった「やってみたいこと」ができる。

②開催地がレンタルスペースである

会場選びの選択肢は豊富だが、地雷を踏む可能性や、用意した企画ができない可能性がある。

③必要物資の調達・処理は自前で行う

調達方法を検討したり、人数を見て食料の必要量を計算する必要がある。また、レンタルスペースはゴミの処理も自前の場所があり、検討が必要。

①時間の長さと人数の多さを活かした企画

10人が半日集まる場という特殊性のもと、クリパではさまざまな企画が行われてきた。
自分の記憶と参加者からのヒアリングで、よかった企画をまとめる。

企画:料理

鉄板中の鉄板の企画。
レンタルスペースは、毎回必ずキッチン付きの場所にしている。料理が企画としてめちゃくちゃ良いからだ。
料理人は「一人で作るほどでもない料理」を「材料費割り勘」で作れる。
参加者は珍しい料理に舌鼓を打てる。
全員が全員楽しいので、毎回必ず誰かが何か良いものを作っている。
以下に、過去あった料理企画をまとめる。

料理:ケーキ

過去、ホールケーキを2回、 ブッシュ・ド・ノエルを1回作った。
華やかな見た目のケーキはパーティ感をかなり高めてくれる。

ブッシュ・ド・ノエルを作った時のレシピを参加者より頂いたので、内容を掲載する。

  • 材料

    • スーパーに売ってるロールケーキ

      • このロールケーキはパンコーナーにある
        パンなので1袋110円くらいだったかな。なので安く済む。ケーキコーナーのはクリーム入ってて美味しくて高いけど、後からクリーム塗るのでくどくなると思う

    • いちごと冷凍ベリー

    • チョコ味の生クリーム

  • 作り方

    • 生クリーム泡立てる

    • いちごの半分を、半分にカットする

    • ロールケーキ並べる

    • クリームを塗る

    • フォークでブッシュドノエルっぽく筋を入れる

    • いちごと冷凍ベリー飾って完成!

本企画実施時はバーカウンターのあるスペースをレンタルしており、かなり横に長い作業スペースを確保できていたのが功を奏した。
腕一本分ぐらいの長さの激長ロールケーキが出来上がってテンションが上がりまくったのをよく覚えている。

料理:寿司

鮮魚のサクを刺身にし、寿司を握る。
サクの調達は上野御徒町のスーパー「吉池」で行った。寿司種用として大量のサクが置いてあり、鮮魚系の企画の準備には非常にオススメ。

寿司は、横から見ている人間が、「俺も握ってみたい」「刺身切りたい」と参加することができるのと、上手く握るとかなり綺麗な見た目になるのでテクを色々試したくなることから、企画としてのパワーが高かった。
2回目をやってもいいなと思っている。

なお、魚種は「マグロ赤身」「中トロ」「サーモン」「クエ」「ハマチ」の5種類用意した。一人では値段的にも量的にもキツいが、10人相手に出す分には瞬殺だったので、次があれば8魚種程度行ってもいいかもしれない。
米は6合持ち込んだが、消費量は3合少々だった。2サク1合+α程度で考えておくと良さそう。

料理:フライヤー揚げ物

レンタルスペースにフライヤーを持ち込み、フライドポテトや唐揚げを揚げた。
揚げ物は揚げたてが一番ウマい。一番ウマい揚げ物が無限に出てくるので、すごい勢いで消費されていっていた。

以下、参加者より。

  • フライドポテトはフレーバー(シーズニング)買ってくといいです

  • カレーパウダーが一番美味かった気がする

各自が食材を適当に持ち込んでいるため、当日アドリブで適当な揚げ物を作れるのも良かった。(鳥刺しを持ち込んだ人間がおり、「ヤバそうだから」という理由で唐揚げに変換する、など)

料理:低温調理肉

水槽に肉を入れて殺菌ギリギリの温度で加熱する、低温調理機を使って仕込んだ肉を食べた。
俺は洒落たラーメン屋で丼に載っているピンク色のプリプリのチャーシューがめちゃくちゃ好きなのだが、それだけ無限に食べられるのは、ただただ滅茶苦茶よかった。
この会を経て参加者が低温調理機を導入した事例がある。自分はウィッシュリスト入りで耐えた。

料理:異常肉

牛・豚・鶏でも鹿・猪でもない肉を色々食べた。
具体的な肉と感想は下記。

  • カエル

    • ホワイトシチュー的なもので食べた

    • よく「鶏肉」と言われるが、マジで鶏肉だった

      • あっさりしていてクセがなく美味しい

  • カンガルー

    • 炒めだった気がする

    • 鉄分の多そうな赤身

    • とても固く引き締まっている

      • よくネットで見る、カンガルーに殴られたら死ぬという話がリアリティを帯びた

  • ワニ(テール)

    • これも炒めだった気がする

    • 赤身の周りにゼラチン質な脂がモリっと付いている

      • この構成自体が異常肉という感じでよかった

    • 脂は量こそ多いもののしつこくなく、好きな人は好きそう

異常肉は「食材の性質に意識を向ける」という体験が発生する。相対的に、普段食べている牛豚鶏がどういう食材なのか、どういうクセの度合い、しつこさや重さ、食感を持つ食材なのか……といったことも浮彫りになってくるので、人生の解像度が一段上がる感じがして大変良かった。

酒:カクテルづくり

リキュールとバーテン用具一式を買ってきて、バーテンダーごっこをした。
まずカクテルシェイカーは振ってみたいという者が多く、ローテで回して盛り上がった。
持ち込めるリキュールの量は移動が徒歩な関係でタカが知れているのだが、その範囲内で作れるカクテルの種類を事前に企画者(俺)の方でレシピに
まとめておき、誰でも作れる状態にしておいた。

圧倒的人気だったリキュールはブルーキュラソーだ。
青色が綺麗なオレンジ味のリキュールで、やはりカクテルには見た目の派手さを求めているのがうかがえた。
過去750ml程度のものを2本買って両方使い果たしている。
逆に、味は近しくても無色のホワイトキュラソーはほとんど減っておらず、自宅でホコリをかぶっている。

食品:生ハム原木

生ハム原木とは、塩漬けにして乾燥させたブタの足である。
所謂ハムは乾燥後に熱処理を行うが、生ハムは熱処理が行われていないので柔らかく生肉のように赤い。
そして、我々のクリパにも、長さ80センチほどの巨大な生ハム原木が持ち込まれたことがあった。
良い感じのバルなら1皿500円ぐらいする生ハムが、目の前の原木を削り取るだけで無限に食べられるので、現実がバグったかのような感覚が得られ、よかった。

なお、持ち込んだ本人曰く、「次は骨ないやつか小さいサイズにしよう。運ぶのとテーブル一つ埋まるの大変なので」とのこと。

余談だが、豚肉は生食できないのに生ハムが生で食べられるのは、カンピロバクター菌が乾燥によって死滅することが理由らしい。
豚肉食中毒の原因は他にもエルシニア菌、サルモネラ菌、E型肝炎ウィルスなどがある模様。この辺も乾燥や塩蔵で殺されるのかもしれない。

「企画:料理」全体を通しての考察

鉄板なので、要素を抽出して考えてみる。
「ウケの良い料理」は、以下を要素として含んでいそうだ。

  • New体験性

    • 異常肉普段そもそも売っていない、食べたことがないものを食べる体験

  • 喜びの飽和性

    • 値段が高いなどのごちそうを大量に食べる体験

  • 調理工程や見た目のエンタメ性

    • 寿司のように作ってておもろい、生ハムのように食うために削ること自体がおもろい、ブッシュドノエルのようにクソ長くて見た目がアツいなど

食事という行為それ自体の喜びとも直結していそう感。

企画:ボードゲーム

時間と人が有り余っているので、対面でのボードゲームも定番化している。
今まで遊んだものをまとめる。
※公式サイトやレビューサイトのリンクを貼るので、ルールやゲーム紹介はそちらを参考されたし。

スカル

要はどんだけ大口を叩けるかというチキンレースゲーム。
シンプルなルールながらさながらカイジのEカードのようなヒリついた戦いを味わえてオススメ。

Stick Stack

棒積んで崩したら負け。抜かずに積み上げるジェンガ。
ジェンガよりも物理的に軽くてめんどくさくない。老若男女誰でもすぐ楽しめるということで定番化している。

ワンナイト人狼

人狼を炙り出す正体隠匿ゲームを1ターンでまとめた名作。
超コンパクトに嘘つきを探す人狼のオイシイところだけ味わえる。普段使わない「嘘を暴く」という脳みそを使いまくって楽しもう。

ハートオブクラウン

オタク向けのドミニオン。ドミニオン原作よりもアクセル入れる瞬間が分かりやすくて盛り上がる。ドミあるあるの「アクション後何回だっけ」が分かりづらくならないカードデザインも良い感じ。何より絵がたいへん可愛らしい。

テラフォーミングマーズ

火星開拓する激重ゲー。1プレイ3時間ぐらいかかった。有利な奴を潰し自分の発展を目指してコンボやシナジーを組む感じが大変ボードゲームやった感があり良い。面白すぎて参加メンバーで電子版を買ってしばらく対戦しまくっていたら1プレイ30分ぐらいで終わるようになり、慣れってスゲえなとなった。

企画:大喜利

クリパの参加者は笑いを取ることを勲章とする者が多く、毎度盛り上がる。
突如として起こり、記録に残らぬまま終わるケースが殆どだが、その中でも比較的残ったものをまとめる。

ルール追加スピード

一般的なスピードに対し、途中途中でルールを追加していく。
以下のようなルールが追加された

  • カードを置く山を1個増やす

  • トランプ2組目を追加

  • 人数を一人追加

  • 色もあってないと置けない

  • 数字が互いに素なら置ける

参加者より、
>一番おもろかったのは「ラス1になったらUNOって言わないと山一つとってやり直し」で死ぬほど笑った
とのこと。

「最強の街を作ろう」

オモコロの企画。
企画のコンセプトは「理想の街をつくること」なのだが、参加者の

>最強の街作るなら警察署→裁判所→刑務所をお隣さんで配置します

という一言でコンセプトが「面白町大喜利」に変化した。
説明すると身内感が非常に強いので細かいところは割愛するが、1つの画面を見つめて全員参加が可能ということで、場を盛り上げるコンテンツとしてはかなり良かった。ただし、俺のPCでスプレッドシートを開いて街の代わりにしたところ、地図描き係がめちゃくちゃ大変だったので、画用紙やホワイトボードがいい気はする。

絵しりとり

酔った参加者が初手で「🍞」を書いて即座に終了させた。

企画:コンテンツ

事前に準備が必要な、料理でもゲームでも大喜利でもないもの。

麦茶見分け王

オモコロの企画。
大量の小さなコップに麦茶と麦茶ではない液体(ジュース、めんつゆなど)を入れて、麦茶だけを見分け続けたものが勝利する。

見た目で思ったよりわからず、目というのは適当なモンなんだなと思わされた。俺はどピンクの液体を飲んだら見た目通りの味がして脱落した記憶がある。
準備がかなり大変なのが難点だが、超大量のコップが並ぶ見た目の圧がすごく、また誰でも参加できるのでやった感があった。

DJ

DJというのは曲と曲を連続して切れ間なく流し続ける行為 / 流す人のことを指す。やっていない人間に伝わりそうな概念で言うと「まったく気付かないうちにXXがOOに変わっている」とか、「ニコニコ動画組曲」とか、そういうのをアドリブでやりましょうという奴だ。
大きなスピーカーがある会場をレンタルした際に、PCとDJコントローラーを繋いでDJをしたのだが、BGMがあると会の雰囲気がだいぶ変わってくるので、やっている側としてもかなり楽しかった。
前提として、クリパの集まりの一部メンツでクラブハウスを貸し切ってDJをやってみる、という会を何回か設けているのだが、その場以外で転用するのが体験として「活かせたな感」があった。

RTA大会

RTAはリアルタイムアタックの略だ。
ストップウォッチをつけてゲームを遊び、ボスを倒してクリアなどの特定の目標を達成するまでの速度を競う。
昨今、このRTAだけを丸4日ほどぶっ続けで生放送し続けるという大会が催されている。この大会の特徴は、プレイヤーの高度なテクニックを人間がその場で解説することで、知識のない視聴者でもスポーツ観戦のように楽しめるということだ。
これを我々も真似してみようということで、走者(プレイヤー)と実況解説者を募り、5本ほどのゲームタイトルでRTA大会をやってみた。
以下が当日の競技項目だ。

  • ピクミン2 のぞみの大地全お宝

  • Binding of Isaac 適当

  • マインスイーパーRTA

  • 高速廻転寿司 TA

  • BIG休憩

  • Minecraft エンダードラゴン討伐RTA

  • GeoGuessr(マップ: Japan / TA)(2play目安→飽きるまで)

  • フリータイム / お片付け

各項目は1時間ほど。
やってみての結論としては、単にゲームプレイ会として盛り上がりまくったが、クリパの参加者10名をしても頭数が足りなかった。具体的には、実況解説者がもっと必要だった。

俺はド頭ピクミン2に実況・解説として参加したが、プレイ尺の1時間ほど喋りっぱなしになり相当大変だった。
趣味でゲーム実況の動画を撮ってみたこともあるのだが、プレイしながら喋るのはマルチタスクになるのでめちゃくちゃ厳しく、プレイヤーと実況解説者に分業するのは合理的だ。
またゲームでその瞬間に起きたことを実況する人間と、その事象を解説する人間はさらに分業しないと、しゃべり通しになって本当にキツい。1時間、頭をフル回転させ続けていた。

が、それを置いても、好きなゲームを知らない人向けに理解してもらえるようにかみ砕いて話すのはかなり楽しかった。

プレゼント交換

毎度のクリパの目玉。
事前に予算を指定し、その範囲を目安にプレゼントを買ってくる。
プレゼントは見た目がわからないように包装し、番号の書かれた札を張り付けて置いておく。
全参加者が集まり次第、もう1セット用意しておいた番号札をランダムに引き、対になる番号の振られたプレゼントを、買ってきた人間の解説を受けながら受け取る。

プレゼント選びは、その人の個性や思考が露骨に出るので、見ていて面白い。
ボウモア12年などちょっといいお酒、贈り物の鉄板ロクシタンのハンドクリーム、拳を叩きつけて押すめちゃくちゃデカいエンターキー(USBでつないで実際に使用可能)といったネタグッズまで多種多様だ。
何より自分が普通に生きているとあまり買わなそうなものを持って帰れるというのが人生の幅を広げてくれて楽しい。

なお、下戸が酒に当たるなどがあり得るので、交換後のトレードはOKということにしている。目的はプレゼントを交換することではなくて楽しむことなのだ。

過去の企画全体を通しての考察

会が盛り上がる企画には、以下の要件がありそうである。上のものほど重要度が高い。

  • やってない人も楽しい。またはシームレスに参加できる

    • ディスプレイを使うコンテンツ(最強の街、RTA大会など)や、手に汗握る展開が起きがちなゲーム(スカル、ワンナイト人狼)、料理のように食べ手に回る、など

    • コンテンツが真ん中にあるので交流が促進されやすく、会が盛り上がる。

  • 「俺も次やる」が言いやすい

    • 上記と重複するが、見るだけでルールが簡単にわかる、占有面積がデカくて進行が見やすいなど。

    • 「1個寿司を握ってみる」「シェイカーを1回振ってみる」「ワンナイト人狼1回参加」といった、1プレイ / 1単位が短いなど。

    • 参加者が入れ替わることで、マンネリを防ぎつつ会が盛り上がる。

  • 「うまいじゃん」と評価しやすい

    • 「握った寿司が他のやつよりちょっと綺麗」など、テクや知識で差が付く。どうすればうまくなるのか、などの面から交流が促進され、会が盛り上がる。

平たくまとめると「参加者みんなに向けて開かれたコンテンツで、ちょっとしたテクを競い合う」みたいな言い方になりそうだ。

レンタルスペースの選び方

アタリのスペース、ハズレのスペース

明確なハズレを引いたことは、現状あまりない。
アタリが多いと感じるのは「フリースペース専門ではないところ」だ。
一例として「普段はバーとして運用している地下のスペース」。バーカウンターがあり、雰囲気抜群だった。
そして「普段は音楽スタジオとして運用しているスペース」。キッチンがめちゃくちゃ綺麗でやたら広かった。
フリースペースとしての運用を初めから見据えている場合は当然予約の価格帯なども考えて設備投資をするだろうが、普段別の施設ならその限りではないということなのかもしれない。

ごみ捨てオプションは会の完成度のために必須

スペースの予約時、必ずごみ捨てオプションを申し込んでいる。
掃除までならまだいいが、出たごみを持ち帰るのは「楽しい会の土産にゴミの処理を押し付けられる人間が出る」という状態を作り出すことになる。
せっかくの余韻を台無しにしてしまうので、必須だと思っている。

スペース選びの際、気にしているところ

主催の俺は以下を気にしてスペースを選んでいる。

  • 調理器具

    • スペース備え付けの鍋の大きさや炊飯器、電子レンジの有無などに注目するとよい。

    • 特に鍋はかなり大きさがまちまちなのでよく見たほうがよい。一人暮らし用程度のものしかない所で大規模な調理を行おうとすると泣きを見る。

    • テレビは大きくても嬉しい程度だが、調理器具は無いと代用を考える必要がある。

  • キッチンの広さ

    • なんやかんや料理が最強コンテンツなので、料理ができる程度にキッチンが広いかどうかは重要。

    • 二口以上のコンロ+なるべく広い作業台が欲しい。

  • 机の広さ

    • テーブルがあるタイプのスペースの場合、とくに注意が必要。

      • お菓子やらゲームやらが大量に広がるので、机の大きさがお楽しみのキャパと同一になりがち

    • 床が使える畳系のスペースならその限りではない。

  • 間取り

    • ブチ抜きの広い部屋1つで構成

      • 部屋の往来が多くなると、会の参加者に分断が起き、盛り上がりが削がれるため。

    • 同一価格帯なら単純に広い場所を選ぶ

      • 10人が荷物を置いて座ると相当場所を食うので、導線も込みで空間のデカさが重要

逆に優先度を落としているところ

  • 駅からの距離

    • 基本的にスペースマーケットのスペースは駅から遠い住宅街にありがちなので、最初からあきらめている。

    • 滞在時間が長いので、多少移動時間があってもおつりがくる。

  • 周辺の食料品店

    • 参加者の持ち込みとスペース宛ての配送を頼っているので、その場ですぐ買う必要がない

    • 途中で買いに行った回は1回とかなのではなかろうか。

物資の調達と処理について

10人分の飲食物となると、用意するだけで骨が折れる。
以下に、用意の上でのノウハウをまとめる。

企画屋は登山用リュックを買え

都内は車・バイクに厳しい。とにかく駐車場が高いため、重い荷物は人間が背負うのが合理的な選択だ。
飲食物や企画用アイテムをガッツリ持ってきたい場合、登山用リュックはベストな選択肢となるだろう。通常のリュックと異なり、肩の部分にクッションが入っていて食い込まないのと、腰部にベルトがついており、肩だけでなく腰にも重さを分散してくれる。俺は毎度5~10キロ程度の荷物を運んでいるが、特段つらさを感じたことはない。
また、撤収時に、開封すらしていないソフトドリンクのペットボトルやお菓子、食料品などが出ることがままある。捨てて帰ってもよいのだが、リュックがあると持って帰れるので無駄にならなくてよい。

使い捨ての食器を準備しろ

ほとんどのスペースにコップ・皿が備え付けられているが、数が足りていなかったり、割って壊してしまうリスクが常にある。
このリスクを回避するためには、使い捨ての食器を用意するとよい。
人数が多いので皿やコップが混ざることは多々あり、そうした時に捨ててしまえるのもメリットだ。また、洗い物の手間もない。

飲み物は重いからカクヤスに届けてもらえ

カクヤスは飲料を配達してくれる宅配サービスだ。
飲料は重い。10人が半日滞在するので15L、おおむね15kgほどの飲料が必要となるが、これを運ぶのは骨が折れるし、酒の瓶なんかは輸送中に落として割るリスクもある。
クリパでは毎回、事前に希望を募り、レンタルスペース宛てにカクヤスで飲料を注文している。瓶を割ることもなく、肩を痛めることもないので大変オススメだ。

ケンタッキーは予約必須

クリパではケンタッキーを注文するのが定番になっているが、12月、冬のシーズンにはケンタッキーの需要は爆増する。
このシーズンに安定してケンタッキーフライドチキンを入手したくば、予約を取っておく必要がある。段取りが良いもののみに許された特権、それがクリスマスのケンタッキーなのだ。

クリパは楽しい

以上が2020年から3年間のクリパより抽出した情報だ。
そしてその全ては、「楽しい半日を過ごすため」という目的に集約される。
楽しい時間を自ら作り出すのは楽しいし、人の作った楽しい時間を浴びるのもまた楽しい。
楽しいの集まる空間、クリパを、これからもやっていきたい所存。

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