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なんでもない日常は彩られる - さユり『葵橋』

さユりの最新曲『葵橋』は、アニメ『イエスタデイをうたって』のエンディングテーマに起用された、さユりの新たな歩みを感じられる一曲だ。

さユり曲と言えば、生きることを突き詰め、ダークで強い曲が多いが、前作『ねじこ』からはただひたすらにギターをかき鳴らすだけではない彼女の姿が目に浮かぶ。

「酸欠少女」としてデビューから5年、彼女なりに様々なことを吸収して、もがき、生きてきたのだろう。そして、何か大きな壁を越えたかのように、彼女は羽ばたいているようにも感じる。前々作『航海の唄』では、貫いてきたポンチョスタイルから大きく変わった、大人の女性としての魅力を放つビジュアルを公開した。

そして今回の『葵橋』はポップな曲調で、新宿駅を行き交う人を想起させる。多くの人がそれぞれの人生を送る東京で、なんでもない日常を感じさせてくれるような曲だ。訴えかけるようなさユりの曲は生きるパワーを与えてくれていたが、このようなふとした些細なことにも目を向けたくなる曲も素敵だと思う。

幅が広がった彼女のこれからの音楽には期待が高まる一方だ。

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