見出し画像

早期退職制度に手を上げる前にするべきこと

こんにちは。人材系企業で人事総務/派遣コーディネーターをしております、しぶやです。このツイートがそこそこ話題でしたので、だいぶ時間が経ってしまいましたが突っ込んで話をしてみようかと。

 

ちょっと長いですがお付き合いください。

きれいすぎる職歴は中年になるとデメリットにもなる


超大手企業を早期退職して派遣に流れてくる方、そこそこいます。20年、25年の職歴があって、一社しか経験がない。

きれいすぎる職歴は、40なかばを越えるとデメリットになりかねません。大手企業だと年功序列で出世していくので、社歴が長いだけで役職がついている場合もあります。大企業の看板ありきで成功するプロジェクトもあるでしょうし、部下が優秀で波に乗れることもあるでしょう。ポジションと実力が乖離していると、転職活動が成功したとしても入社後に苦労するケースもあります。

社内政治に長けているだけで実力が伴っていないケースは、転職活動が相当難航するので、「大手企業で部長にまでなったんだから、退職してもどこでもやっていける」と思い込んで早期退職制度に手を上げてしまうと悲惨なことになってしまうかも…。というか、そういう悲惨なことになった人が弊社に派遣登録をしに来るという現実があります。正社員で転職先が見つからないのです。

正社員が見つからなくても、派遣なら見つかります。ただ、年収はガクッと下がる。年収1000万から400万に下がることが受け入れられずに内定を蹴った方もいますし(しかし1年後に再登録に来た)、700万から380万に下がることを受け入れてがんばってくださっている方もいます。

退職制度に手を上げたくなったらまずすること

 そもそも早期退職制度は人件費削減のための制度です。「仕事ができないわりに給与が高い」人を切るという側面があるので、優秀な人にはそもそも対象になりません。優秀な人はヘッドハンティングされより好条件で引き抜かれたり、独立したりしていきます。40半ばで自力で正社員転職ができる人は、1社で長く務めた人よりも、3社程度を渡り歩き、そのどれもでマネジメント経験を豊富に積んでいたり、専門職として外部を納得させられる実力のある方です。

早期退職制度に手をあげたくなったら、まずいったん転職活動をしてみましょう。人材紹介会社に登録するのも手です。そこであなたの市場価値がわかります。面接を受けてみれば、内定が出るかどうか、出るとしたら提示される年収はいくらか知ることができる。それがあなたの今の市場価値です。

あるいは、全く内定が出ないかもしれません。書類すら通らないかも。その場合は、早期退職制度には手を上げず、次の道を探りましょう。

今こそ学びなおしを


早期退職制度に手を上げないと決めた人の最適解はおそらく、「社内で必要とされる人材になるべく学びなおしをする」です。社会人大学に通うもよし、プロボノで他社に関わるのもよし、副業するのもよし。情報を仕入れるだけでなく、最新ツールに触れていくのも立派な学びなおしだと思います。

なにも、MBAを取れとか専門資格を取れと言っているわけではありません。学び直しを通して、意識を変えてほしいのです。自分はポジションに胡坐をかいていたんだと思いなおすことができれば、当然仕事ぶりも変わります。ここからもう一度必要とされる人材になれることだって十分にできるのです。

私の体験から

実は私も、学びなおしで生まれ変わったひとりです。10年今の会社に勤めていて、これでいいのかなと思っていました。転職活動もしてみて、年収が上がるオファーももらいました。しかしオファー先が子育てをしながら働ける環境ではなかったため、現職を継続中です。

転職を諦めた私が挑戦したのが、ベンチャー企業での採用アシスタントの副業でした。これが私の生ぬるい感情を吹き飛ばしてくれたように思います。

Slackで飛び交う迅速な対応指示。提出後、クラウド上で即時に校正されていく資料。圧倒的なオンライン会議のファシリテーションスキル。昔ながらの企業で、WordとExcelだけを使って仕事をしていた私の常識がガラッと変わりました。スピード勝負なので、60%でいいからとにかく早く出し、それをみんなで100%に仕上げていくのもとても刺激的な経験でした。

ここでの経験は、コロナ以降でメジャーになったオンライン面接でものすごく生きています。「Web上で資料を共有しながら会社説明をし、面談を進めていくのが社内一うまい」との評価につながったのは、ベンチャー企業でリモートで副業していたおかげです。

自分の評価は自分でせず、市場に任せる

長年大手企業に勤めていると、自己評価が高くなりがちです。早期退職制度に手を上げたくなったら、まずは転職活動を。人材会社への登録、おすすめですよ!と最後に自分の業界をヨイショして終わりたいと思います(笑)

お読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?