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牛を捕まえるだけ。本当にそれだけだったのに…「ジャッリカットゥ 牛の怒り」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(515日目)

「ジャッリカットゥ 牛の怒り」(2019)
リジョー•ジョーズ•ペッリシェー監督

◆あらすじ
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舞台は南インド・ケーララ州最奥のジャングルに眠るとある村。さえない肉屋の男アントニが一頭の水牛を屠ろうと鉈を振ると、命の危機を察した牛は怒り狂い、全速力で脱走する。ディナー用の水牛カレーや、婚礼用の料理のために肉屋に群がっていた人々が、慌てて追いすがるも、まったく手に負えない。暴走機関車と化した暴れ牛は、村の商店を破壊し、タピオカ畑を踏み荒らす。アントニは恋心を寄せるソフィに愛想を尽かされたが、一番はじめに牛を捕まえて汚名を返上しようと奮闘する。農場主や教会の神父、地元の警察官、騒ぎを聞きつけた隣村のならず者らを巻き込み、村中は大パニック。一方、かつて密売の罪で村を追放された荒くれ者クッタッチャンが呼び戻されるが、猟銃を携えた彼は、かつてソフィをめぐっていがみあい、自分を密告したアントニを恨んでいた。やがて牛追い騒動が、いつしか人間同士の醜い争いへと大きくなっていく…。(Filmarksより引用)
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公式サイト↓

日本では2021年に公開されたインド発のマラヤーラム語映画です。

◆マラヤーラム語映画とは
インド映画のうち、マラヤーラム語で製作された映画のことで、“モリウッド”の通称で知られています。今作の舞台にもなったケーララ州南部に拠点を置く映画産業で、インドでは四番目に規模が大きいそうです。

インドのケーララ州にある村が舞台となっており、屠殺寸前で逃げ出した水牛を巡って巻き起こる騒動を描いています。

◆タイトルにもなっている“ジャッリカットゥ”とは

インドの伝統的な牛追い祭りのこと。内容としては柵で囲んだ闘技場内に待ち構える参加者の間に牛が放たれ、参加者はその牛を捕まえようとするそうです。

ジャッリカットゥ(ライブドアニュースより引用)

スペインにも似た感じの“エンシエロ”という行事があります。世界的にもっとも有名な祭礼の一つでもあるサン・フェルミン祭で行われる祝祭儀礼で、こちらは挑発して興奮した牛を走らせて、参加者がその牛と並走するというものです。イッテQで宮川大輔さんが参加してました。

エンシエロ(牛追い)
(サン・フェルミン祭Wikipediaより引用)

現在U-NEXT、DMMTV、Lemino、huluにて配信中です。

“牛の怒り”というサブタイトルをつけないと何のこっちゃ分からないですね。(映画.comより引用)

“一頭の水牛が逃げ出した”

という一つの事象だけで、90分超えの作品を作れるのがすごいですよね。

冒頭から気持ちの良いリズムで日常パートが繰り広げられ、このあたりが特になんてことない会話ややり取りなんですけど、音楽も映像もすごくキレイなのですごく引き込まれました。

そしてそんな中、精肉店で働くアントニがうっかり水牛を逃がしてしまったことで村は大パニックです。

逃げた水牛(映画.comより引用)

逃げ出した水牛は畑を荒らしたり、店を壊したりと甚大な被害を生みます。更には辺鄙な土地ゆえに、水牛はとてつもない御馳走です。水牛料理が出ないパーティーなんてパーティーじゃないというレベルです。なのでその水牛を屠殺してさっさと食肉にしないと困る人がたくさん出てきます。

水牛を取り囲んでも危険過ぎて誰も近づけません。
(映画.comより引用)

村の男たちが総出で捕獲しようと試みるも歯が立たず、警察やら、村を追放された荒くれ者にも助力を仰ぎ、他のことには目もくれず、ひたすら牛を追い続けます。

荒くれ者のクッタッチャン
子分が運転する車のボンネットに座り、銃を担いで颯爽と登場するのがかっこいいです。あと、シャツがおしゃれです。(映画.comより引用)

ひたすらひたすら牛を追います。

そして終盤も終盤で、『牛を捕まえたのは誰か』を巡ってとんでもない争いが生まれます。この最後の5分くらいがえげつなかったです(笑)

「そっか!これインド映画だったんだ!」

となりました。ここだけでもぜひ見ていただきたいです。

こういう人間の欲とか業を具現化したかのようなシーン大好きです。(映画.comより引用)

登場人物に個性があるわけではなく、本当に申し訳ないんですけど誰が誰だか中盤くらいまで見分けがつかず、『今これは誰のターンで、何をしているんだ?』となってしまいます。

この作品をざっくりまとめると

『水牛が逃げて、てんやわんやする村の人々』

を描いているので、重厚な人間ドラマや登場人物一人ひとりの葛藤などはほぼ無いです。

主人公アントニとクッタッチャンが牛探しの最中、どさくさに紛れて殺し合いするのも面白かったです。
(映画.comより引用)

Filmarksの他の方の感想を見てみると、「星1も付けたくない」や「何これ?」みたいなものもちらほら見受けられます。正直、低評価の感想も分かります。個人的には全然嫌いじゃないんですけど、いまいちどう見たらいいのかが分からない作品ではあると思います。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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