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自主製作!しかも三部作!ゾンビとエロに全振りした意欲作「ミートマーケット ゾンビ撃滅作戦」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(518日目)

「ミートマーケット ゾンビ撃滅作戦」(2001)
ブライアン•クレメンテ監督

◆あらすじ
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20××年。アメリカの地方都市。街はゾンビたちの大増殖により壊滅状態であった。そもそも事の発端は、オッペンハイム博士が病原体を喰いつくすワクチンを開発したが、逆に病んだ組織に入り込み増殖し、食人鬼・ゾンビとなって人間の肉を求めさまよいだしてしまったのだ。人々を守りつづけていた、SWATチームもゾンビの集団の前に壊滅していった。生き残った人間の中で自警団が現れた。元SWATのシュラック、美女アルジェンタ、女バンパイア三人組、レスラーのアズールたちだ。彼らは軍の地下施設でゾンビたちの一斉撃滅作戦を計画していた。(jvd.ne.jpより引用)
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ブライアン•クレメンテというカナダ人男性が監督、脚本、製作、メイク、ゾンビ役を務めた自主製作のゾンビ映画です。

どういった経緯から製作に乗り出したのかは不明ですが、あるゆるシーンで往年の名作ゾンビ映画のオマージュが感じられる作りになっており、ブライアン監督がかなりのホラー通であることは間違いないです!

しかも凄いのがなんと三部作なんです!

90分の映画を作るだけでも想像を絶する大変さであろうに、それを3本も撮り、しかもそれを世界中に流通させてしまうというのが本当に凄いです。

ちなみにアンダーグランド•フィルム年間最優秀作品賞という賞を受賞しています。この賞に関しては聞いたことはなく、調べても出てきませんでした。

一作目(2001)
(Filmarksより引用)
二作目(2001)
(Filmarksより引用)
三作目(2006)
見づらいですがサブタイトルは「地獄からの脱出」です。(Filmarksより引用)

サブスク等には当然なく、一作目となる今作は五反田のTSUTAYAにてレンタルしました。三作目はどうやら大森のTSUTAYAに在庫があるようです。二作目は現在捜索中です。情報お待ちしております!

序盤は日々増殖するゾンビと戦う特殊部隊や逃げ惑う人々、そしてゾンビに制圧されてしまった町並みなどが淡々と流れます。ガチの火事で燃えている家も映ります。おそらくこれは勝手に撮影して許可なく公開しているのではないでしょうか。

低予算の自主製作映画なので仕方がないとはいえ、
1台のカメラで長回しで撮影をしているようで非常に単調に感じました。

(jvd.ne.jpより引用)

主要キャラであるサングラスにリーゼントのシュラックと金髪ショート美女のアジェンタの自警団コンビが登場してからは銃撃シーンなどもがっつり入ります。しかしここも効果音を後付にしており、血飛沫などもなく、派手さや迫力はありませんでした。

その後、二人はセクシーなボンテージ姿の女性三人組と出会います。彼女らは実は吸血鬼で、人間がゾンビに滅ぼされたら生き血が吸えなくなるため、シュラックらと手を組み、ゾンビ殲滅を掲げます。そこでシュラックはゾンビ殲滅にはオッペンハイム博士の力が必要だと語り始めます。

オッペンハイム博士は元々、病原体を喰いつくすワクチンを開発していました。しかし、そのワクチンは病んだ組織に入り込み増殖し、人をゾンビに変えてしまったそうです。シュラックたちもこの施設で働いていましたが、ゾンビの事はまったく知らず、ゾンビの増殖に伴い、身の危険を感じて逃げ出して自警団となっていました。

道中、強力な覆面レスラーのアズールも仲間に加わり、一同はオッペンハイム博士の下へ向かいます。博士からゾンビ殲滅の方法を聞き出すも、施設内にゾンビが押寄せ、博士は亡き者となります。

命からがら逃げ出したシュラックたちはゾンビたちと死闘を繰り広げ、多少の犠牲は出たものの見事勝利を収めます。そして「世界は我らのものになった、我らに抗っても無駄だ」と言い残した謎のゾンビを葬ります。彼らの戦いはこれからも続く…

といった感じで幕を閉じます。

これは普通のゾンビです。
(jvd.ne.jpより引用)

映像のチープさもあり、終始緊張感はないです。
しかし、ストーリーもそこそこしっかりしていますし、味付け濃い目の登場人物の活躍などもあり、それなりに楽しめました。
特に吸血鬼三姉妹は煙になって移動できたり、内二人がセックス依存症だったり、世界観ガン無視のレーザー銃を使用したりと相当面白いです。

ゾンビのクオリティや人を襲うシーンのグロ描写はかなり頑張っており、ゾンビの特殊メイクはルチオ・フルチ監督の「サンゲリア」に近いタイプで、腐敗した様子や白っぽいビジュアルはかなり良かったです。

電動のこぎりで頭をパックリ割ったり、蛆が湧く頭部が映ったりと結構エグいです。
(jvd.ne.jpより引用)

人の肉を貪るシーンでゾンビたちが食べているのはおそらく鶏ももの照り焼きやソーセージですが、血糊などもあってかそれなりにグロく見えました。

元々は人口の多い国の口減らしや生物兵器としてゾンビを作ろうとしていたものの、手がつけられなくなってしまったというゾンビの凝った設定は興味深かったです。
さらに、病んだ組織を食べる新たな病原体を作り出し、それをゾンビに投与すれば殲滅できるという後半の展開も中々に面白かったです。

そしてゾンビのクオリティと共にエロシーンにも相当力が入っています。美女のシャワーシーンやがっつりセックス、更には女性同士の絡みもあるなど
どう考えてもそれ以外のところにもっとお金掛けた方がいいんじゃないかと思うくらいに生々しい濡れ場があります。

清々しいまでにゾンビとエロに予算を全振りした結果、少々お粗末な部分もありました。しかし、ブライアン監督のゾンビ愛が大いに伝わる素晴らしい作品でした。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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