コカイン中毒くまさん大暴れ!面白いので今すぐ見てください「コカイン•ベア」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(511日目)
「コカイン•ベア」(2023)
エリザベス・バンクス監督
◆あらすじ
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1985 年、米ジョージア州の田舎町で暮らす少女・ディーディーは母親に内緒で友達のヘンリーと“秘密の滝”を目指し探検に出かける。意気揚々と森の中を散策する二人だったが、突然、背後から不気味な唸り声が聞こえてくる…。恐る恐る振り返ると、そこには巨大なクマの姿が!まさかの出会いに立ち尽くす二人だが、クマの様子がどこかおかしい。なんと、そのクマは森の中で行方不明になったコカインを食べて狂暴化した<コカイン・ベア>だったのだ!コカイン・ベアから必死に逃げる子供たち。そこに娘たちを探す母親、森林公園のレンジャー、コカイン回収を目論むギャングと彼らを追う警察までもが森に集まり、一大騒動が幕を開ける!果たして彼らは“最狂のクマ”から逃れ、森を脱出することができるのか―!?(Filmarksより引用)
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公式サイト↓
1985年、アメリカのジョージア州にて“麻薬密売人が投棄したコカインをアメリカクロクマが大量摂取して死亡する”という実際の事件をモチーフにしています。
ちなみにアメリカクロクマは本来、穏やかな性格で縄張り意識もなく、めったに人を襲うこともないそうです。もし山中で対峙したら、反撃したほうが生き残る確率が高いとすら言われています。
監督を務めたエリザベス・バンクス氏は「スパイダーマン」シリーズのベティ役など、数多くの代表作を持つ俳優でありながら、「ピッチ•パーフェクト2」(2015)や「チャーリーズ・エンジェル」(2019)では監督、製作、脚本(チャーリーズ・エンジェルのみ)も務めるというパワフルなお方です。
いわゆる動物のパニック系映画ですが、そこに何か一つ要素(コカイン)を足すだけでこんなにも面白くなるのかと衝撃を受けました。
リアルタイムで映画館で見なかったことを心底後悔するレベルの面白さと迫力で、個人的に大満足の一作でした。
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広大な森林公園のどこかにある大量のコカインを巡り、密売人、チンピラ、警察、レンジャー、母と子供たちなど様々な人物が偶然一同に介し、そこへコカイン中毒のくまさんもやって来てしまい、もうしっちゃかめっちゃかです。
そもそも事の発端としては
末端の密売人がボスであるシドの命令通りに飛行機から森に大量のコカインが入ったボストンバッグを投下。しかしその後誤って自身も落下してしまい命を落とします。身元が特定され、死亡したのがその密売人だということ、そしてコカインが降ってきたというニュースが報道されます。
麻薬王のシドはコカイン回収のため、息子のエディと優秀な部下のダヴィードを森に向かわせます。後にシドも合流します。
ベテラン刑事のボブは報道を見て、この事件に自身とも因縁のあるシドが関与していると読み、単身現地へ赴きます。
その一方、母親にかまってもらえないディーディーは学校をサボり、友人のヘンリーと共にブラッド山の滝の絵を書くために森へと足を踏み入れます。
それを知ったディーディーの母•サリは森林公園のレンジャーであるリズとピーターに助けを求め、二人の捜索に向かいます。
『別ベクトルの登場人物がそれぞれが異なる目的で森を訪れ、そして関わっていく』
という構図だけでも非常に面白いですし、先述したように、ここにコカインを欲している凶暴なくまさんが加わってくるので目まぐるしくストーリーが展開していきます。
クマは本物と見紛うほどの完成度で、とてもCGとは思えません。ラリっちゃう様子は可愛らしいですし、怖すぎないのでむしろ推せます。
中盤までは登場人物それぞれの視点で物語が進んでいきます。アクションシーンを数回入れて、中弛みしないような工夫も施されており、非常にテンポが良いので飽きも来ません。
脚本も相当面白いですが
今作はカメラワークにもこだわりを感じました。
『このタイミングで、この角度から出てきたら絶対にビクッとする』
というのを心得ているのか、来て欲しいところで絶対に来てくれたり、あえて来なかったりと、視聴者は監督の掌の上で心地良く転がされます。
基本的にはコメディ路線で展開していくので、
不謹慎ではありますが人が死ぬところでも笑ってしまいます。
ですが、千切れた足が飛んできたり、食いちぎられたピーターの上半身だけが落下してくるなど結構エグいところはしっかりエグいです。
救急車とクマのチェイスも、非常にスピード感があり、めちゃくちゃ怖いんですけど、こういうところでも笑いを絶妙に散りばめてくれるので重くなり過ぎずとても良かったです。
クライマックスはそれまで恐怖の対象だったクマがちょっとしたヒーローとなり、悪い人は罰せられ、良い人は助かるという勧善懲悪の展開になり、これも好みでした。
最後の最後まで遊び心満載で心の底から“面白かったなぁ”と思える素晴らしい作品でした。
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