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生首バスケに恐竜プロレス!?こんなの見たら気が狂う!キング•オブ•カルト「死霊ゾンビ伝説ヘルデモンズ」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(522日目)

「死霊ゾンビ伝説ヘルデモンズ」(1989)
S•P•ソムタウ監督

◆あらすじ
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邪教信仰の司祭ウムツェック博士は今日も少女を生け贄に如何わしい儀式を行っていた。アメリカの考古学を研究する学生チームとオサリバン神父はキリスト教の祭りを調査する為に、トドスサントスの村に向かうが、その途中でトラブルに巻き込まれる。しかしそれは邪教ウムツェック博士の仕組んだ罠だった。
次々と仲間は殺され、心臓をえぐり取れた者はゾンビと化して襲ってくる!助かる道はただ一つ、闇のバスケットコートでモンスターと戦うしかない。(amazon.co.jpより引用)
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この作品に関しても監督についても中々に情報が少なく苦戦しましたが、まずこの作品を手掛けたS•P•ソムタウ監督について調べてみました。

S•P•ソムタウ監督
御年71歳です。(hollywoodreporter.comより引用)

本名はソムトウ•スチャリトカルで、ソムトウ•スチャリトクルやS•P•ソムタウと表記されることもあります。

タイ出身の作曲家で映画音楽を主に手掛けている傍ら、作家としても活動しており、ホラーやSF、ファンタジーなどあらゆるジャンルの作品を発表しています。

2021年には「ザ•マエストロ」という“生徒たちを殺害する音楽家”を描いたスリラー映画で監督、脚本、主演を務めていることからもわかるように多岐に渡って活躍している非常にパワフルな方だということがわかります。

今作もそんなメキシコの鬼才•ソムタウ監督が脚本も務め、さらには邪教司祭ウムツェック博士役も担当しています。本編でこのウムツェック博士がピアノを演奏するシーンがやたら多いなとは思っていましたが合点がいきました。

1989年の作品にしてはかなり画質が粗く、音声が乱れたり無音になる部分もあります。内容も詳しくは後述しますが、かなりぶっ飛んでおり、支離滅裂な展開が多いため少しでも気を抜くと置いてけぼりを喰らいます。

私は展開や重要そうなセリフを細かくメモしながら鑑賞しましたが、それでも何回か巻き戻しました。ですが内容を完全に理解したからといって特段楽しめるというわけではないので別にメモをする必要はないと思います。

現在、配信などはなさそうです。私は五反田のTSUTAYAにてレンタルしました。

原題は「THE LAUGHING DEAD」ということで直訳すると「笑う死霊」とか「死霊のほほえみ」でしょうか。
(amazon.co.jpより引用)
一番上の文言がイカれてますね(笑)
(amazon.co.jpより引用)

複雑というか意味不明な部分も多々あるお話なのであらすじを詳細に書きながら進めていこうと思います。全然流し読みで大丈夫です。太字の部分だけ読めばポイントは押さえられます。

◇ツーソンの教会に務めるオサリバン神父(以下神父)は過去にシスターだったテシーと関係を持ってしまう。テシーは妊娠し、教会を破門。神父はその事を悔やみ続け、気づけば信仰も失い、近所の子供たちとバスケに興じる毎日でした。

そんなある日、神父は市民大学の考古学ツアーの引率の仕事でメキシコのアオハカに行く事となる。ツアーの参加者は学生や教授、そしてその助手のカル、更には巨漢おしゃべりアフロのドゾワールやその友人のフロスト、オカルト好きのレミング夫妻など一癖も二癖もある連中ばかり。更には神父に思いを寄せるローリーまでも付いて来てしまう。

オカルト大好きレミング夫妻
(amazon.co.jpより引用)

現地の祭りでも見学すれば気持ちも晴れるかと思っていたのも束の間、途中でテシーとその息子のアイバンもツアーに参加してくる。微妙な距離感で喋る神父とテシーを見て、アイバンも不機嫌になり、放送禁止用語の『クソ尼』発言も飛び出します。

夜も更けた頃、バスが拘束された少女の死体を撥ねてしまう。そばには民族衣装を来た怪しい男達が佇んでいる。彼らが呪文を唱えると、少女の死体は姿を消し、また彼らも霧の中に消えてしまう。死体の拘束の仕方が古代マヤ族と同じであることに気づいた神父は死体が動き出さないために縛られていたことが妙に引っかかる。

儀式で生贄になる子供たちはなぜか青くなります。
(amazon.co.jpより引用)

アオハカに到着した一同。神父は老婆から「娘が悪霊に取り憑かれているから助けて欲しい」と懇願され、断りきれずに老婆の家に向かう。するとそこにはピアノを弾く怪しい男がいた。彼は神父の夢に頻繁に現れる男そのまんまだった。ウムツェックと名乗るその博士の娘が悪霊に取り憑かれたらしい。神父はその娘と二人きりにさせられ、気づかぬ間に何かに体を乗っ取られてしまう。

全ては世界征服を企むウムツェック博士の仕組んだ罠だったのだ。

儀式中のウムツェック博士
(amazon.co.jpより引用)

何かに乗っ取られた神父はホテルでドゾワールに強烈ビンタをお見舞いし、吹き飛んだ首は外のバスケットゴールにキレイに収まる。警察が到着し、ホテルを封鎖。何やら警察も様子がおかしく、不思議な力で次々とツアー参加者を殺害する。更には神父もまだここを出ては行けないと皆を引き止める。

ここでアイバンは自分の父親が神父であることを知り、外に飛び出してしまう。神父は何者かの声に導かれるまま、アイバンを捕らえ、ウムツェックに引き渡し、何事もなかったかのようにまたホテルに戻る。

ここでカルとローリーは古文書からウムツェックの世界征服の方法を知ることになる。

『オーラの効力を転換させるには血の星、つまり火星の軌道をいけにえによって変えること。光に捨てられた者が行い、父を知らぬ子をいけにえに』

つまり信仰を失った神父が光に捨てられた者で、父を知らぬ子はアイバンだったのだ。

一方、その頃ホテルのフロントでは暴走した神父による大虐殺が繰り広げられていた。殴られたものは首が吹き飛び、腕をもがれた者はその腕を口に突っ込まれ窒息していた。レミング夫妻の持っていたクリスタルに怯んだ神父は壁の中に姿を消す。神父に取り憑いているのはウムツェック自身だったのだ。

ウムツェックの野望を阻止するために一行はクリスタルに呪文を唱える。すると先程の壁が怪しい洞窟へと繋がる。死者の群れを切り抜けながら、儀式の祭壇に辿り着いた一行は神父がアイバンを生贄に捧げようとするのを阻止。

しかしウムツェックを倒すには光の神の力が必要で、そのためにツアー参加者と死者の群れによる生首バスケが繰り広げられる。生首を奪い合い、パスを出し、時に生首がバスケットボールに変わっていることなど気にも止めず奮闘する一同。すると突如としてカルは巨大な恐竜に変身、それに呼応するかのようにウムツェックも巨大な怪物となり、派手さ皆無の恐竜プロレスがおっ始まる。

『世界の命運をかけた生首バスケットボール』
生首がボールに変わった瞬間です。
(amazon.co.jpより引用)

愛の力で正気を取り戻した神父はなにやら重要っぽい蓋をアイバンに投げさせて色々と悪いモノを封じ込めます。知らない間に人間に戻っているカルと共に皆で脱出。外に出るとあのホテルは消えており、そこには遺跡発掘地しかなかった。楽しげな祭りが行われる中、神父とテシーとアイバンは家族な絆を確かめ合うのだった。

いやぁ壮大なスケールの物語でしたね。

長々とすいません。

特に中盤から終盤にかけてはイカれた展開のオンパレードでした。

『なぜ生首でバスケをしたのか』『なぜカルとウムツェックは巨大な怪物に変身したのか』『神父が最後にアイバンに投げさせたあの蓋は何なのか』などどれだけ真剣にこの作品と向き合ってもまったく分かりませんでした。

テシーの悪夢
(amazon.co.jpより引用)

雑な部分もありましたが、グロ描写にはかなりこだわっていますし、神父が大暴れするシーンなどは相当見応えがあります。登場人物も使い方がうまく、どう考えても一番最初に死にそうなオカルト夫妻が最後まで活躍したり、ローリーやカルなどそれぞれが良い働きをしており、個人的にはしっかり楽しめる一作でした。

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