見出し画像

全てがちゃんとしてる!そこそこ優等生な作品「エスケープ・ルーム」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(523日目)

「エスケープ・ルーム」(2019)
アダム・ロビテル監督

◆あらすじ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
内気な理系女子大生ゾーイ、冴えないフリーターの若者ベンらの男女6人が、賞金1万ドルが懸かった体験型脱出ゲームに参加するため、シカゴの高層ビルに集まった。ところが前触れもなくゲームが突然スタートし、姿なきゲームマスターが仕掛けた邪悪なトラップに翻弄され、タイムリミットが迫る極限状態で命がけのゲームを強いられていく。想像を絶する難関を死に物狂いでクリアしていくうちに、やがて全員が大惨事の“唯一の生存者”という共通の過去を持つことが明らかになる。(Filmarksより引用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

面白いんです!

これを見て、“ハズレだった”と思う人はほとんどいないのではないでしょうか。実際、Filmarksでは星3.5と平均以上の評価です。

ゾーイたちを襲うトラップの数々はどれも凝っているし、イイ感じに続編を匂わせる終わり方も大好きです。俳優陣の演技も抜群で、ダイレクトに緊張感が伝わってきました。

参加者それぞれが“大惨事の唯一の生存者だった”という共通の過去を持つという要素も後半にかけてどんどん効いてきますし、最後まで本当に面白かったです。

ですが、なんでしょうか…

何か物足りないんです!

最近私は80〜90年代の名作や迷作、そしていわゆるおバカホラーと呼ばれるような作品ばかりを見ていました。

それらの作品の中には

『なんでタイヤが人を襲うんだよ!』

『世界の命運をかけた生首バスケットボールってどういうこと?』

『そもそも吹き替えと字幕の内容が全然違う!』

等などツッコミどころが多い問題児な作品もあります。

しかし!

そういった作品は、仮に映画としての完成度が低かったとしても、記憶には爆裂に残りますし、誰かに話したくなります!
私自身そういった作品が好きなこともあり、完全に感覚が麻痺していたのかもしれません。そのため今作のようなちゃんとした作品では満足できない頭になっていました。

例えばなんですけど、学校の先生方も“そこそこの優等生”より“手のかかる問題児”の方が記憶に残っているのではないでしょうか。

今作はまさに“そこそこ優等生な作品”なんです。ずば抜けて『ここが良い!』や『ここがイマイチ』みたいなのが一切無いんです。

手のかからない良い子なんですけど、それだけというか、優しい人止まりみたいな感じです。

現在U-NEXTとLeminoで配信中の他、アマゾンプライムにて5月末まで字幕版、吹き替え版共に100円でレンタル可能です。

映画.comより引用

色々と書いてしまいましたが、本来であれば相当面白い作品だと思います。実際、続編も公開されています。

ある日、突然贈られた謎のキューブを開封したゾーイたちは体験型の脱出ゲームに招待されます。

謎のキューブのデザインがシンプルなのがまた良いですね。
(映画.comより引用)

ある者は自分を変えるために、そしてある者は賞金目当てなど、異なる目的でシカゴの高層ビルに集まる6名。内気な大学生のゾーイ、無愛想なフリーターのベン、大金持ちの投資家ジェイソン、イラク帰りの元陸軍兵士アマンダ、ゲームオタクのダニー、トラックの運転手マイク。彼らが一同に会した部屋で突如としてゲームが始められる。

という導入からすごく面白かったです。

オタクのダニー(画像手前)がコガケンさんに似てますね。
(映画.comより引用)

それぞれの登場人物もどんなキャラなのかが分かりやすいですし、見せ方や演出もとても良かったです。

そして、トラップの一つ一つが尋常じゃないくらいにエグいです。

『部屋が灼熱になり、最後は天井から火炎放射』

(映画.comより引用)

『マイナス12℃の極寒』

(映画.comより引用)

『床が無い空間』

(映画.comより引用)

などなどシンプルではあるものの、どうやって用意したのか謎すぎる壮大なスケールですし、制限時間が迫る中で“謎を解かなければ死に直結する”という状況が非常にリアルで恐ろしいです。
更には、毎回のようにジェイソンが周囲を急かすので焦りや苛立ちも生まれてきます。このあたりの人間模様やそれぞれの立ち振る舞いみたいなのもとても良かったです。

そして、ステージの中にある文言や隠されたヒントから各々が知恵や知識を振り絞ってピンチを乗り越える団結力や友情なども素晴らしかったです。

看板の文字などもヒントになったりします。
(映画.comより引用)

終盤までは“謎を解いて次のステージへ”という展開が続き、その中で自分たちがなぜ集められたのかが判明し、クライマックスにかけての盛り上がりはかなりワクワクしました。

しかし、終盤に登場するこのゲームの黒幕みたいなおじさんがあまりにもポッと出で、「誰だこいつ?」となってしまい、個人的にはここで少し気持ちが切れてしまいました。

作り手側からしたら「この映画のポイントはそこじゃねぇよ!」と言いたくなる部分だと思いますし、おそらくは続編への伏線といいますか、『そのおじさんは駒に過ぎない』みたいな展開かもしれませんので、これは私が悪いです。

うるさいだけであまり役に立たないジェイソン(画像左)
(映画.comより引用)

終わり方も『続編を見ずにはいられない!』という感じで、良い感じに謎を残してくれます。近い内に続編も視聴してみたいと思います。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


この記事が参加している募集

映画感想文

映画が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?