AKI デザインリサーチ&藍染 @アムステルダム

京都生れ>多摩美染織科卒>2011-渡伊>Shibori LABの運…

AKI デザインリサーチ&藍染 @アムステルダム

京都生れ>多摩美染織科卒>2011-渡伊>Shibori LABの運営開始>2022-渡蘭 ミラノ、アムスを拠点に、持続可能な社会を目指し活動中。 www.shiborilab.info

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最近の記事

天然素材を軸とした、カラーコーディネート

それぞれのブランドには得意不得意が当然ながらあります。 生地の製造が得意だったり、石材の調達、加工が上手だったり、金属加工が得意だったり、ガラス加工が世界一であったり、あるは複雑な形を再現できる工作機械を所有していたり、世界に数人だけのお抱え職人がいたり、などなど。 空間構成の核を、ブランドの売り商品、目玉と設定するケースが近年見られる。高い石加工を有するブランドであれば石を中心に、それはガラスであったり木材であったり金属であったりします。 サローネのブースやショールームの構

    • オン・ザ・ロック by ボッテガべネタ & カッシーナ

      2024年のカッシーナは、コルビジェのデザインスツール TABOURET CABANON をボッテガベネタとのコラボにより発表した。 晩年コルビジェが過ごした、カップマルタンの休憩小屋に彼がデザインしたスツールである。 ウイスキーを保管する木箱からインスパイア―を受け、スツールをデザインしたそうだ。コルビジェが実際に着想を得た木箱も展示されていた。箱の中につき板を貼り、木の木目の上に、目を描いたそうだ。まさに木目である。 老舗ブランドの強みは、背景にある壮大な歴史であろう

      • Flexform のミニマリズム

        まずFlexform の展示を見ていただきたい。何を感じるだろうか。 これは本会場での展示だが、ブースの中央に大きな通路が一本あるのみで、訪問者は一切家具に近づくことが出来ない。家具の展示会なのに、家具に触れられないとはどういうことか。 展示方法は、まるで、博物館で重要文化財を距離を置いて見物しているかのようである。 今年の、Frexform は徹底的に色数をそぎ落とした、ミニマルな商品となっている。 インテリアで使用されている色は、白、ベージュ、ブラウンの3色、エクステ

        • Nilufar Gallery 「これはリンゴではない」

          アルゼンチン出身のアーティスト Andrés Reisinger の個展 Time traveler が今回のテーマである 会場の中央にはシュールレアリズムの巨匠、マグリッドを連想させる巨大なリンゴのモザイクタイルが展示されている。かなりインパクトがある。 12個のリンゴが円を描いて並んでおり、その周辺には12脚の椅子12 Chairs for Meditation が配置されている。 シュールレアリズムの巨匠マグリッドの「これはリンゴではない」は有名な作品の一つである。デ

        天然素材を軸とした、カラーコーディネート

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        • ダッチデザインウィーク 2022
          1本
        • シボリラボ / ミラノで藍染
          6本
        • ミラノ生活滞在記
          16本

        記事

          Moooi から考察するファンタジー

          毎年面白い展示をサローネにて発表するオランダの家具ブランドMOOOI。 今年も非常に興味深いものとなっていた。 MOOOIの真骨頂は、彼らのストーリテリングだ。独創的なストーリーを作り上げ、まるで実際に存在するかのような世界観を作り上げてしまう所は非常に参考になる。新興ブランドであるが故の戦略といえよう。 まず考えなければならないのは、なぜ彼らはここまでストーリーにこだわるのか?という事だ。近年、ブランドコンセプトづくりに躍起になっている会社をよく見かける。会社の歴史は、

          Dutch design week 2022 ①

          ダッチデザインウィーク2022 のテーマは「Get Set」です。 フェスティバルとしての DDW は、デザイン分野にどのように関係してるのか。 DDW はデザイナーが有意義な影響を生み出すのにどのように役立つのか? コミュニティが現在どのような状況にあるのか? どのようなテーマが私たちの周りに起きているのかを確認し、デザイン業界の将来について話した結果「Get Set」は導かれました。 準備から行動へという心構えの変化を示しています。 準備を整える 「Get Set 」

          ミラノで藍染め⑥/ Shibori LAB

          スクモ造りって個人でできるもなのだろうか。。。 リサーチをしていくと、スクモ造りには100日間の発酵プロセスが必要で、その感強いアンモニア臭とが発生するそうだ。 また、スクモを造る職人がいるらしく、ある程度のスペースとかなりの技術が必要とされるようだ。  なかなかハードルが高そう。。。。 家でスクモを造っている人を見つけ、記事を読んでいると乾燥葉が1kgあれば、温度調節をしっかりすれば何とかギリギリ発酵させることが可能なそうだ。 よし、やってみよう! まずは 早朝に収

          ミラノで藍染め⑤/Shibori LAB

          藍染のには様々な工法があると前回説明しましたが、大きく分けて以下の3点に分けられる。 1: 生葉染め / 藍の葉をそのまま利用し、シルクなどの動物性繊維に染織する方法。 2: スクモ(蒅)法による染色法 / 収穫した藍の葉を乾燥させ、100日間かけて発酵させたものをスクモ(蒅)といい。このスクモを使用して染め上げる。 3: 泥藍(沈殿藍)による染色法 / 収穫した藍を、水に浸し2-3日発酵させた液に、石灰を加え撹拌することで、藍に含まれるインディゴを抽出する。抽出した

          ミラノで藍染め④/Shibori LAB

          ミラノでタデ藍を育て始めて、3か月。意外にしっかり育つのにびっくり。ただ、6月を過ぎるとイタリアの猛烈な日差しが、藍の葉を焦がしてしまう問題が発生。幸い午後は日陰になる場所でよかった。でも朝、晩と水を撒くことが、必須。7月はさらに苛酷に。。。 それでもタデ藍の生命力にビックリさせられる。午前の日差しでカラカラになってしまった状態でも、夕方水をやればすぐに復活。これだけ強い植物だったら無事に育ってくれそうだ。 7月中旬にもなるとこの通り。しっかり育ってくれました。 さて次

          ミラノで藍染め③/Shibori LAB

          そんなこんなで、絞りの授業を始めてみると、色んなイタリアのアソシエーションからお声をかけて頂けるようになりました。 そんな中、知り合ったのが、YAMATO というピエモンテ州とロンバルディア州の州境にあるCasale Monferrato に拠点を置く日本のアソシエーションでした。絞りの授業を今も行っており、かれこれ4年間 Shibori LAB 立ち上げ依頼ずっとお世話になっている団体です。 代表の方は小池 昭三さん。墨絵の先生一本で生活しておられる (日本人で初めてだ

          ミラノで藍染め②/ Shibori LAB

          さて、絞り染めを始めるために、まず材料集め。手軽にイタリアで手に入る材料で始めないと、モノづくりのハードルが上がってしまいますから。 染色に必要なのは何といっても染料。これが無いことには何も始まりません。学生時代にシリアス染料とか反応染料とかありましたが、助剤が必要だったり入手が困難なためちょっと難しい。そもそもどこで手に入るかもわからないし。。。 そこで出会ったのが、色落ちした衣服を洗濯機で染め上げることのできるColoreria (コロレリーア) 全国のドラッグストア

          ミラノで藍染め①/Shibori LAB

          きっかけは2016年のこと 日本語をはじめ、様々な日本文化発信の活動をミラノを中心に行っているアソシエーションTOZAIとの出会いでした。当時、日本語の先生を探しているという事で、友人を通して僕にコンタクトがあり、 日本語をイタリア人に教えてくれないか。 との依頼に返事に困りました。 そもそも日本語を教えた経験は無いし、学生時代の国語の成績もそんなに良い方では。。。。自分には無理かなーと思っていましたが、彼らも熱意をもって説得してくれたので、ちょっとしたアルバイトと思

          コロナ後の世界 閉鎖から開放、密から疎への移行

          コロナ後の世の中を想像するが、どう考えてみても、以前の様な生活が戻ってくるとは思えない。イタリアは5月3日より規制を緩め、外出を許可し、一部の営業を再開する見通しで進んでいる。ただ、今まで通りに1~2mのソーシャルディスタンスは保ったまま。買い物に行こうとしても入場規制がかかり、自由な時間は限られるのは明らかであり、ワクチンが全国民に普及する期間までこの規制は続く。都市生活が今までと全く変わってしまうのは明らかだ。そうなると、大都市に住むより、人口密度低い田舎に定住したほうが

          コロナ後の世界 閉鎖から開放、密から疎への移行

          イタリア フェーズ2の段階に 5月4日より

          4月8日付けのcorriere della sera にて、イタリアはフェーズ2の段階に入るとして、政府の方針が公開になった。 内容は大きく分けて4つ 5月4日より、施行される予定となっている。 1つ目は、製造業の再開。食品生産加工の分野以外でも、再開の見通しを立てている。一部の企業に関しては、来週より営業が再開される。 2つ目は、小売店の営業再開。マスクなどの防護をし、人数制限を設けた上での再開となる。美容院などは、密室空間での接客になるため、1部屋に店員1人

          イタリア フェーズ2の段階に 5月4日より

          日本はイタリアの1カ月後を追っている

          イタリア、外出禁止から24日目。封鎖当時ミラノ市内はまるでゴーストタウンかの様に静まり返り、世界の終わりのように感じたかもしれません。でも私は、3週間も経てば、今の生活にも慣れて来ています。これからは、失業の不安との戦いになるでしょう。 イタリアでは、物流に若干遅れが出ているみたいです。アマゾンも生活必需品の配送を優先し、嗜好品はアマゾンプライムでも遅れが発生していると聞きます。 日本は4月2日の段階で、2495人の感染者数。ちょうどイタリアの3月4日の状態。 イタリア

          日本はイタリアの1カ月後を追っている

          ローマ法王、全カトリック教徒へ"全贖宥"宣言

          3月27日、カトリック教徒にとって大きな変化が一つありました。 イタリアでは高齢者を中心に猛威を振るっているコロナウイルスですが、残念なことに感染者は家族との一切の接触を禁止されてます。患者がコロナ陽性と分かった時点で完全隔離され、次に会えるのは、いつになるかわかりません。患者は家族に看取られることもされず、遺族も最後に顔も見ることも許されません。現在の規制ではお葬式も行うことも許されません。 ですのでイタリアでは、コロナに感染していると分かっていても、病院に行かず自宅で

          ローマ法王、全カトリック教徒へ"全贖宥"宣言