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菅前首相などがライドシェア導入を求める理由

 最近、新しい乗り物が次々に登場している。電動キックボードに続いて、今度は電動型バイクという(バイクでも自転車でもない)乗り物が、やはり16歳以上は無免許で乗れるようになると、今日突然ニュースで伝えられて驚いた。
 
 電動キックボードだけでも、高齢者がゆっくり歩いている中、16歳以上は無免許認可して大丈夫かと思ってたら、やはり事故が次々に起きている。どちらもシェア型でいきなり認可され、ニュースでは若い経営者が登場して利便性を力説する。

 どういう力学が働いているのか。また利権か。楽天の三木谷会長率いる、新経済同盟あたりのゴリ押しかもしれない。三木谷は大学の共通テストに民間英語テストを導入させたり、やりたい放題である。これはさすがに頓挫したが。

 別に新しいものを否定する気はないが、導入の経緯が不透明なのである。導入が計画されていることも全く知らされていなかったし、議論もなかった。今でさえ自転車事故がすごく多いのに、電動キックボードや電動型バイクなどが、狭い道に高齢者がたくさん歩いている日本で、いきなり認可されるなんて。

 よく「外国では普通だ」「便利だ」と言う人がいるが、道路事情は国によって全く違う。それに、新しいものを使いこなせる若者にとって便利でも、社会全体の安全性を考えるとどうなのか。

 次に解禁される予定なのがライドシェアで、今日も会議が開かれている。菅前首相がいきなり言い出して、あっという間に流れができた。数日前には河野大臣が、わざとらしく現場を視察し、「やはり都心でも規制緩和が必要だとわかった」と、取材陣に聞こえるように呟いていた。

 今まで白タクと呼ばれていたライドシェアが解禁される背景には、何があるのか。確かに今タクシー運転手は不足していて、早急な対応が必要だ。だが、そもそも過剰な規制緩和が過当競争を招き、業界を疲弊させたことが始まりで、それにコロナ禍が追い討ちをかけたのである。

 それを是正する方が先だろう。ライドシェアで業界はさらに追い込まれ、失業者の最後の砦が崩れる。「外国では普通」と言っても、外国に比べて日本のタクシー運転手は専門性が高く、信頼感も高い。

 そもそも、菅前首相がいきなりライドシェアを推進し始めるなんて、何かあるに違いないと週刊誌を毎週読んでいたら、発見した。誰も読まないような小さな記事を。

 それによると、強力に推しているライドシェア三人衆、つまり菅前首相、小泉進次郎、河野大臣の共通点は神奈川県選出。そして神奈川は2027年に花博を控えている。

 総来場者1500万人を見込んでいるが、会場への交通の便がとても悪いという。最寄り駅から遠い上、公共交通機関の整備も進んでいないそうで、ライドシェア解禁が是非とも必要らしい。地元に便宜を図らないと、次の選挙にも影響するのだろう。

 ライドシェアの導入は時代の流れだとは思う。しかし、こういう理由でゴリ推しすると歪みが出てくる。タクシー業界を壊滅させていいのか。政府として、外国人観光客をもっと呼び込みたいという気持ちもあるのだろうが、宿泊飲食業界も人手不足でこれ以上は無理だ。

 とりあえず日常の安心安全が脅かされる。近所に、駅までスノーボードで行く若い会社員がいて、すごく迷惑している。また、公園からスケートボードで飛び出してくる子どももいて、すでに犬のお散歩も危険で一杯だ。

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