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言葉を持っていること、言葉を手渡すこと、何度でも伝えること。

終わりましたね、朝ドラらんまん。
まだロスです。今週もさらにめっちゃよかった。月曜日にいきなり想定を吹っ飛ばした構成にうなりましたよ。

ということで、どうでもいいのにふりかえるnote。
個人的な、無理やりな、キャリアに結び付ける「朝ドラらんまん」考。

まずこんなのを書いてました。これ結構読んでもらったね。
朝ドラの話といいつつ、ここで書いているメインはサブサブキャラのこと。
なんていうか、センターじゃないほうに注目しがちな私(笑)

そのあと、
秀才と天才、秀才の苦悩、みたいなことを書いたのがこれ
主役じゃなく、そこに照らされて陰になる方に着目してる。

でまた、サブキャラというかサブサブキャラにのめり込んで書いたのがこれ。センターのキャラについては「何も評価せずに最後まで見ていたい」自分なんだなあと今振り返ると思う。

そんなわけで今日終わってしまいましたよ。
本当にらんまんは大好きでした。

これまでもいろいろ朝ドラは勝手に考察していますが(一番ノリノリで書いていたのは「おかえりモネ」だと思う。世間の評価はともかく私はかなり好きでしたよ。)、朝ドラに復帰したのが(あまちゃんではなくてその次の)「ごちそうさん」からなんですね。珍しいタイプかも。その前に見ていたのはずっと前、なんか朝ドラって実家の親が見るイメージだったんですよね。でも当時の実家の親年齢になってるってことか(笑)。

そんな「にわか朝ドラファン」ですが、今回は半年間本当に1日も捨て日がありませんでした。今週はお休みなのね、なんて気分になることが過去の朝ドラにはありましたし、この描写っている?って思ったことも多々ありましたが、らんまんには、本当に1日たりともなかったです。もう一回最初から見たい…!

さて、前置きいい加減にしろ、ですので、本題に。(いくらでもしゃべれるから誰か飲みながら聞いて笑)

語りたいことがたくさん、論点が山のようなのでそれまとめようとしたら永遠に書けない(すぐに次の朝ドラが始まる笑)んで、これをどうしてもいいたいこと、としてタイトルを選びました。

「言葉を持っていること、言葉を手渡すこと、何度でも伝えること」

今回の朝ドラ、主人公とその周囲の濃いつながりの仲間たちが「言葉を持っている」人で「人に言葉を手渡そうとする」人だったなあと。それがどれほど大事なことなのかってことだなと。

大事な時に、言葉を飲み込まない。

このドラマは雑に言うと「やりたいことをまっすぐ追い求める夫(経済力も計画性もないトンデモ野郎)を様々な角度から支え続ける妻の物語」とも言えます。いやそれだったら私はおそらく途中で見ることをやめたでしょう(「まんぷく」も「マッサン」もだいぶイラっとしながら見たからね。)
でも、妻の寿恵子がそうすることが寿恵子の人生(キャリア)にとってどんな意味があるのか、なぜそうするのかを、さまざまに多角的に表現する脚本で、かつ、その妻をどう見ている夫なのかということを、夫自身の言葉で数々表現してくれるストーリーでした。とても美しかった。

あさイチのプレミアムトークで神木くんがその主人公像をどう考えて演じたか、という話を聞いて「ああ、だから私はこの(見方を変えたらとんでもない)主人公を愛することができたんだな」と感心しましたよ。凄いよ、神木くん。俳優さんの力ってすごい。

万太郎(主人公)が家業を捨て実家を飛び出し自分のやりたいことを追求し始めたとき、幼少期からのお目付け役(数年年上の男子、のちに万太郎の相棒になる竹雄)がそばにいたのですが、彼もいつも「今なぜそれをやるのか」を問い、「自分がどう考えどう感じ、どうして万太郎を支えるのか」を語ります。容赦なくダメ出しもします。遠い故郷で家業を継いだ姉も、新妻を連れ帰った弟のふるまいに、その後の行動や選択に、容赦なく意見を言います。そして何よりそんな万太郎の生涯の伴侶であり支え手の妻寿恵子も、黙って飲み込むことをしない人でした。

このドラマでは登場人物に序列がなく、それぞれがそれぞれの場でみんな自分を生きていて、それなのに、互いに有機的に関わりあっていました。そして、時に距離を置き、時に(誤解も含めて)仲たがいをし、時に感情的になり、ということを繰り返しながら、それぞれの関わり合いがらせんのようにつながっていました。

万太郎の生涯に渡る親友(小学校以来の)とは、おそらく10年に一度くらいしか会っていないのに、そのたびにかわす言葉によって「二人の根っこのつながり」がきちんと描かれました。ここにも意味があるなあと毎回唸っていました。

すべての人物が主人公の周りを動く衛星のようで、その軌道は近いものもあれば、ひどく遠い楕円を描いてたまにしか巡り合わないものもありました。でも「自分にとって意味あるつながりというのは、日常をともにしていなくとも、また遠い楕円軌道をたどったのちに巡り合うんだな」という納得感がそれは丁寧に描かれていました。まんまと乗せられまくったよね(笑)。

万太郎は一心に思い描いた自分の成し遂げたいことを叶えた人生でした。でもそれは、途中から万太郎だけの目標ではなくなり、妻と早世した娘を思っての夢に変わりました。妻の寿恵子は本人の持つ資質、気性という才能が、この夫の夢を「自分の冒険」として意味付けしたことで加速しました。周りにいた人たちも(物語の中では)それぞれに、万太郎が伝える言葉や行動が見せるメッセージによって覚醒していきましたし、その姿はまた、万太郎に影響を及ぼしました。

人は、誰一人、単独で自分のナニカを成し遂げたりしないのだなあ、ということや、誰一人「存在している意味のない人」などいないのだなあということを、これでもか!というくらい丁寧に積み重ねられた半年間でした。

登場人物の一人一人が解像度が高かったのが、今回のドラマの特筆すべき点ではないかと思います。忘れたころに現れても違和感がなく「ああ、この場にこの人が来るのは確かにありそうだ」と(余分な説明もないのに)皆が納得する、もちろん脚本家の力量と俳優さんたちの力ではありますが、でも私はここにキャリアの本質があるのかもしれない、と思いました。

私たちはみな、思っていることや願いは(ぼんやりでも)あるのに、言葉を出し惜しみしているから見えていないことが多いけれど、どんな人もみな、1人では存在していないし、どんな成功も一人では成し遂げられるものはないですよね。私たちそれぞれの人生にかけがえのない登場人物がたくさんいて、自分はそこの主役でもあり、誰かの人生の物語の中では「いい味出してる大切な脇役の一人」でもあるのだということなのかもしれません。
らんまんには、そんなかけがえのない登場人物がたくさんいて、一人一人のスピンアウトドラマが見たいという気持ちがわき出してきます。けれども、私たちの人生だって、きっとそうなのです。

こうして書いていると、野宮さんも、藤丸も、波多野も、聡子さんも、いや土佐の峰屋の人たちも、長屋にいたあのすべての家族も、差配さんも…思い起こすと止まらなくなるのでそろそろやめておきましょうか(笑)。


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