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【インド映画】Fighter(2024)

監督:スィッダールト・アーナンド
出演:リティク・ローシャン、ディーピカー・パードゥコーン、アニル・カプール、カラン・スィン・グローヴァー、アクシャイ・オーベローイ、スィーラト・マストなど
上映時間:2時間46分

2024年1月公開作品「Fighter」鑑賞しました。インド空軍のストーリーで、2019年にカシミールで起こったイスラム過激派によるインドの保安警察隊を狙った自爆テロ(プルワマ襲撃事件)が題材となっている。当時僕もインドにいて、この事件のことは鮮明に覚えています。ただあくまでも娯楽映画なので、史実に忠実に作られているわけではないのでご留意を。主演はアクション映画の帝王、リティック・ローシャンとディーピカ・パードゥコーン。

カシミール州スリナガルの空軍基地のキャプテン、ロッキー(アニル・カプール)は、「エアー・ドラゴン」と呼ばれる優秀なパイロット部隊を形成する。メンバーはパティー(リティック・ローシャン)、タージ(カラン・スィン・グローヴァー)、バッシュ(アクシャイ・オーベローイ)、ミニー(ディーピカ・パードゥコーン)など。パティーは中でも随一の腕を持つパイロットでありながら、自らのミスで許嫁のネーナを失った過去があり、そのトラウマから抜け出せずにいた。彼らはすぐに仲を深め、パティーとミニーには恋愛感情が生まれる。

そんな中カシミール領内でインド保安官を襲った自爆テロが起きる。このテロを指揮したのは爆破物を専門とするアズハル・アクタル(リシャブ・サーニー)。インド首相はパキスタン内にあるテロリストの拠点を空爆することを決定する。エア・ドラゴンは見事に任務を成功させる。しかし主犯のアズハルは生き延びていた。

アズハルの指揮の元パキスタンからの報復攻撃が始まる。パティーはまたしても自らのミスで親友のタージとバシュが乗った戦闘機を墜落させてしまい、彼らは捕虜として拘束される。基地に戻るとパティーはロッキーに「エア・ドラゴン」からの脱退を命じられる。実は彼が以前失った許嫁のネーナはロッキーの妹でもあったのだ。

インド映画は軍隊ものがとても多いですね~。インド国民は軍に対するリスペクトが大きく、作中でパティーが言っていたように、「軍隊のおかげで民間人は安心して寝ることができる」という意識があります。この辺がインド人並みに感情移入できないのは、まだまだ僕の勉強不足だなぁと。これだけ映画で取り上げられているのですから、相当に感情的なトピックなはずなので。

この映画の要はやはり軍隊リスペクト精神や愛国心や、ド派手なアクションシーンです。特にラストの空中戦は緊張感・迫力ともに素晴らしい。BGMの使い方が個人的には好きです。

物語は王道中の王道。愛国心に訴えかけるのがメインテーマなので仕方ないとはいえ、さすがに王道が過ぎていたのではないかと。ほぼ寸分の狂いもなく予想通りの展開です。昔はこういう作品がよく受け入れられていましたが、さすがに大衆もこのようなストーリー展開には飽きているんじゃないかと。同じアクション映画でも「Jawaan」や「Animal」はオリジナルの要素があった分、興行収入が伸びているのだと感じました。

主演のリティック・ローシャンは、バッチリ役割をこなしています。彼は演技力どうこうではなく、肉体を仕上げてキレッキレのダンスを披露すればそれでいいんです(笑)。今回も恐ろしくバッキバキの肉体で、キレのあるダンスを披露しています。この人のダンスはマジでナンバーワンです。

ディーピカー・パードゥコーンはインドのセクシークイーンの座をほしいままにしています。もはや貫禄さえ感じる。「オーム・シャンティ・オーム」からのファンである僕としては、もっとガッツリ恋愛映画で、かわいいディーピカーが見たい気も。まだまだ老け込む歳ではないですし、時折見せる無垢な笑顔も健在なので。

アニル・カプールも「Animal」然り、ボス的な役回りが多くなっていますが、見るたびにやはり彼はもっとコミカルな役を演じてほしい。背の低さなど少し威厳が足りなく感じます。あのフォルムはやはりコメディ向きだと。「Welcome」の小悪党的なコメディロールが、彼の役の中では最高に好きです。

「Fighter」はインド・パキスタン問題と空軍について取り扱った、国民の愛国心に訴えかけるアクション映画。アクションシーンは見事だが、ストーリーが王道過ぎて、ちょっと見飽きた感もする。リティック・ローシャンの肉体美とダンスは素晴らしい!


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