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【洋画】ターミナル(2004)

監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、スタンリー・トゥッチなど
上映時間:2時間9分

スピルバーグ監督&トム・ハンクス主演の映画「ターミナル」鑑賞しました。主人公のビクターが、ニューヨーク空港(JFK)のターミナルで生活する話。日本人の友人にトム・ハンクスの素晴らしさを熱弁していたら、この映画を教えてもらい、おもしろそうだな~と興味を持ち鑑賞。

ロシア付近の国・クラコウジアからニューヨークにやってきたビクター(トム・ハンクス)は、飛行機に乗っている最中に祖国でクーデターが起き、政府が消滅してしまった。そのために彼のパスポートは無効となりアメリカに入国できず、祖国に帰る飛行機も飛ばない状態に。彼は国境警備員のディクソン(スタンリー・トゥッチ)の命で、JFKの乗り換えターミナルで生活することを余儀なくされる。

彼は工事中の69番ゲートを、誰も使っていないのをいいことに本拠地にし、寝床を確保する。飯は空港に放置された旅客用カートを返却しデポジット金(一個25セント)を貯め、バーガーキングで食事をする毎日。シャワーはトイレの洗面所。さすがに空港ターミナルでそんなに好き勝手やられると困るディクソンは、彼を空港の外(アメリカ国内)に出られるドアへと誘導し不法入国をさせようとするが、まじめな性格のビクターはそれを拒否する。

彼は次第に清掃員のグプタ(クマール・パラーナ)やフードサービスのエンリケ(ディエゴ・ルナ)、貨物輸送担当のジョーら空港職員と仲良くなる。英語も最初はほぼ理解できなかったが、空港の本屋で買った英語の本を読んで勉強するなど徐々に覚えていく。

ターミナルで生活する中で、彼はアメリア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)というCAと知り合う。妻子持ちである恋人と上手くいっていない彼女は、徐々にビクターと仲を深めていく。

この映画は間違いなく設定の勝利です。「空港ターミナルから出られなくなった男」って時点で、めっちゃおもしろいですもんね。カート返却でセントを荒稼ぎしてバーガーキングに入っていったり、69番ゲートを私有化したり、空港内のペンキ塗りの仕事で稼いだお金でスーツを買ったり、コミカルなシーンも盛りだくさん。

空港ターミナルで遊ぶ要素をふんだんに含みながらも、ちょっとしたメッセージ性も織り交ぜています。アメリアがディクソンに呼ばれて「なぜあなたほどの美しい女性がビクターなんかと?」と聞かれた際に「あなたのような人間には到底わからないわ」というところ。ここがこの映画の核心です。

じゃあビクターの魅力とは何か?ズバリ「人のために動ける男」であることです。アメリアとの出会いも掃除したての床で滑って転んだのを助けたところ。他にも入国審査官のドロースに恋をするエンリケをアシストしたり、病気の父親の為に持って帰る薬を没収されそうになっている人を機転を利かせて救ったり。ピーナッツの間の中身もそうです。そんな彼だからこそ周りに人が集まってきます。

その対極の存在であったのがディクソン。すべては自分の昇進のために動く。ビクターとの対比が分かりやすくて効いています。演者のスタンリー・トゥッチは「プラダを着た悪魔」でもいい味を出しています。

トム・ハンクスは相変わらずの最高の演技。特にフォレスト・ガンプ然り、心優しい奇人を演じさせたら彼の右に出る者はいません。本当に自然な演技。我らがインド系俳優、クマール・パラーナも重要な役回りをらしい演技でバッチリこなしています。

ただめっちゃ欲を言うと、コミカル3:ヒューマンドラマ7ぐらいの割合なのですが、個人的にはもっとコメディ多めにしてほしかったです!せっかく設定がユニークなだけに、もっと広げられるんじゃないかな~と少し物足りなさも感じてしまいました。・・・めっちゃ個人的な意見なんですけど(笑)

「ターミナル」は、空港ターミナルに閉じ込められるという圧倒的な設定力に、人間としてのメッセージ性を乗せた作品。コミカルでヒューマンドラマでもある。トム・ハンクスも安定の演技です。

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