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ひつじのショーン展@美術館「えき」KYOTO

夏休みの遠出のついでに、JR京都駅の伊勢丹7Fにある美術館「えき」KYOTO「ひつじのショーン」展を観てきました。2007年の公開開始からなんと15周年の記念展だそうです。

家にあったフィギュアたち。
「ウォレスとグルミット」(1995)初登場時の四足歩行ショーンです。

展覧会前半は、「ひつじのショーン」の絵コンテや、撮影で使ったセットや小道具を使用したジオラマの数々が展示されています。

人型のパペットが大体15~20cmくらいで、実際目にすると結構大きめに感じます。実際の映像では一瞬しか映らないであろう小道具も作りこまれていて、ジオラマは見どころたっぷり。。
ちなみに、上記ツイートの写真は今年12月に日本公開されるクリスマスをテーマにした新作のジオラマだそうです。年末の楽しみもひとつ増えました。(「PUI PUI モルカー」2期も10月始まるので、今年の秋冬はストップモーションアニメ好きには豊作ですね!)

特に面白かったのは後半、アニメの作り方を解説する部分。

(上記映像は「ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~」(2015)のメイキング。この映像は淡々と撮影の様子を追っていく構成ですが、展示で詳しい解説映像やキャプションを読んでからまた観ると各所で何をしているのか分かってより楽しいです。)

少しずつ人形を動かして撮影するストップモーションアニメは、熟練したアニメーターでも1週間にたったの20秒しか撮影できないそうです。単純計算すると10分撮るのに7か月半! もちろん実際には何チームかのスタッフが同時並行で撮影するのでしょうが、それにしたって各チームのすり合わせ等々考えると膨大な手間です。
しかも、「ひつじのショーン」はセリフを使わない作品で、言語の制約がないこともあってか180もの国で放映されている作品。絵コンテ作りから、画面の動きだけで物語を説明できるようにしないといけないことを考えると気が遠くなるような作業です。「何度も絵コンテを見返している我々がクスッと笑えるものに仕上がったら完成」というスタッフの言葉が紹介されていましたが、何度も見返せば見返すほど何が面白いのか分からなくなってしまいそうです。プロフェッショナルはすごい。

キャラクターの表情を作るために、人形のまぶたや口のパーツは別付けで用意されており、撮影の都度人形にくっつけて使用しているとのことです。まぶただけが大量にタッパーに入れられているのはちょっと猟奇的な光景……? 口部分だけを集めた箱もなかなか面白かったです。

その他、絵コンテ代わりに撮影スタッフがキャラを演じた場面を映像に収めたものと、それをもとに作られたアニメーションを並べて映す映像もあり、ギャグシーンを演じながら笑いをこらえきれないスタッフさんの楽しそうな様子から、アードマンスタジオっていい職場なのかもな……としみじみしてしまいました。

ジオラマやメイキング映像にものづくりの魅力がたっぷり詰め込まれており、「この人形があんなに生き生きと動くのか!」という感動は「ひつじのショーン」のファンか否かに関わらず得られると思うので、万人におすすめしたい展示です。

2022/9/4(日)までJR京都駅伊勢丹7Fの美術館「えき」にて開催中!

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