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2021年9月〜11月に聴いてよかったアルバム

ずいぶんとご無沙汰。

『平成のヒット曲』の執筆に籠もったり、その他いろいろの〆切に追われていたもんで、すっかりこっちからは離れていた。でも、聴いてよかった音楽を記録していくのはずっとやらんとなーと思っていたので、おもむろに再開します。また途切れたらヤダなと思うけれど、淡々とやっていきます。

■Self Esteem『Prioritise Pleasure』

ぜんぜん前情報も知らずに「Prioritise Pleasure」という曲を聴いたらめちゃめちゃよくて、その他の曲も抜群によくて、一気にハマってしまった。リズムが強靭で、歌声がパワフルで。歪んだシンセの上で「I'm Free」と叫ぶとこととか、すごい格好いい。

セルフ・エスティームというのは、レベッカ・ルーシー・テイラーというUKを拠点に活動している女性シンガーソングライターのソロプロジェクト。もともとスロウ・クラブというポップ・デュオをしてたらしいんですが、そのあたりのことはあまり知らず。

最初は言葉もわからずに聴いていて、なんというか、ピンとくる感じがあって。で、「Prioritise Pleasure」とか「I Do This All the Time」とか「I'm Fine」の歌詞を見たら、すごく奮い立たせるような内容になっていて。で、いろいろ調べてみたら、クイア・カルチャーの人で。いろいろ合点がいった感じがある。

■PinkPantheress『to hell with it』

ドラムンベースですねえ。「Just For Me」がMura Masaのプロデュースということで、たぶんプレイリストきっかけで知ったPink Pantheress。もともとはTikTokきっかけでバズってデビューにつなげたという、UKロンドン在住の20歳のアーティスト。メランコリックなベッドルーム・ポップのテイストに、キュートな声。それがドラムンベースのビートに乗ってるのがいい。

アルバムを聴くと、単にドラムンベースだけじゃなくて、2ステップとか、ハイパーポップとか、ポップパンクリバイバル、Y2Kノスタルジーっぽいトレンドも感じる。まだまだ素性も正体もわからないけど、よい感じ。

■Clairo『Sling』

リリースされたのは結構前だけど、夏から秋にかけてはこのアルバムばっかり聴いてた気もするので、改めて。Clairoの『Sling』。ジャック・アントノフがプロデュース。テイラー・スウィフト、ラナ・デル・レイ、ロードと、いわゆる女性シンガーソングライターのここ最近の名作に携わりまくっている人なんでだけど、クライロのアルバムが一番しっくりといい感じがする。優しいタッチのアコースティック・ギターを軸に、ストリングスに、ホーン。柔らかくて、眩しい光を感じさせるような歌。中盤の「Just for Today」から「Joanie」の流れが好きで、あとはラストの祝祭感ある「Management」もいい。ベッドルーム・ポップの土壌から出てきた人なんだけど、それがバロック・ポップとかの文脈に接続された感じもする。

■Adele『30』

Adele『30』は、もう流石というかなんというか。いろいろと特別だなあという感じがします。ただリード曲の「Easy On Me」は個人的には(アデルにしては)イマイチで。まずはルドヴィク・ゴランソンが手掛けた1曲目の「Strangers By Nature」の鳥肌感。そして「Woman On Me」と「To be Loved」。これはinfloの仕事。サウンドのテクスチャにどうしても耳がいってしまう。

■Cleo Sol『Mother』

■Little Simz 『Sometimes I Might Be Introvert』

SAULTのクレオ・ソルの『MOTHER』も、リトル・シムズの『Sometimes I Might Be Introvert』も、Infloがプロデュースしてるんだよなあ。今年のMVPの一人かも。

■LIL NAS X 『MONTERO』

LIL NAS Xに関してはマジで見くびってたというか「一発屋だと思っててすいません」という感じです。「Old Town Road」でバズり倒してる渦中の去年の6月のプライドマンスにゲイであることをカミングアウトしたわけど、それをもっと踏み込んで、どんどん挑発的に表現してきていて。「MONTERO」のキリスト教のモチーフを使いつつかなりグロテスク仕上げたMVとか、「INDUSTRY BABY」の刑務所モチーフとか。

肝座ってるなあと思います。

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