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Adoがまふまふから受け取ったバトン、人生の伏線回収

Adoの初のワンマンライブ「喜劇」を観てきました。4月4日、場所はZepp DiverCity TOKYO。

素晴らしかったです。最初の感想は、なんといっても「いる!」ということ。なにせ初のライブ。これまで一世風靡した存在になったのに、顔はもちろん、姿形もメディアには一切公開してこなかったわけで。集まった人には、ようやく「会えた」という感慨も大きかったんじゃないかと思う。

ステージの上には磨りガラスみたいな感じの大きなボックスがあって、Adoは大きな映像を背景にその中で照明の光を浴びて歌う。なのでシルエットだけが見えるような演出となっているんだけれど、それでも「実際にここにいるんだ」という感覚と共に伝わってくる声のパワーは120%増しみたいな感があった。

で、なんせ歌はすごいです。1曲目の「ラッキー・プルート」の歌い出しから一気に掴まれる。終盤までMCなしでどんどん歌っていく展開で、初ライブということでひょっとしたら緊張もあったのかもしれないけれど、そういうことも全然感じさせないステージング。

アンコールで披露した「踊」と「うっせぇわ」、そしてsyudouのカバー曲「邪魔」はバンド編成でのパフォーマンスで、それもすごくよかった。Adoの声自体のパンチ力がすごくあるから、ハードなギターとか力強いドラムの音がマッチしてるんだよなと思う。

で、個人的に一番グッときたのはラストの「心という名の不可解」。

この曲を歌う前にAdoが長いMCで語ったのは「14歳の時にとある歌い手のライブをZepp DiverCityで観たことをきっかけにここでライブをするのが夢になった」という話。人生で初めてライブというものを見た場所というのがZepp DiverCityで、混み合った会場の後ろのほうで背伸びしながらステージを観ていたという話なんかもしていた。

で、Ado自身も、歌い手としてニコニコ動画で活動を始め徐々に界隈で注目を集めるようになってきていた17歳のときに「Zepp Divercityでワンマンライブをする」というのを宣言していたりする。

上が2019年のときのツイートで、下が実際にライブが決定したときのツイート。

で、その「14歳のadoが人生で初めて行った歌い手のライブ」というのが、まふまふが2017年1月15日にZepp DiverCity TOKYOで開催した初のワンマンツアー「ひきこもりでもLIVEがしたい!」の東京公演だった、というわけ。

そういうことを考えにいれると、「昔の自分は喜んでくれるかな……」と語って、そのまふまふがadoに書き下ろした「心という名の不可解」を歌って終わるというのは、めちゃめちゃアツい意味があるわけで。人生の伏線回収っぷりにグッとくるものがあった。


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