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2014 ソングガイド100

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2014年5月の記事一覧

レキシ 「年貢 for you feat. 旗本ひろし、足軽先生」/庄屋と農民の湾岸ドライブ

じわじわとこみ上げてくるおかしみ。これ素晴らしいですね。一応ちゃんと説明しておくと、池田貴史によるソロユニット「レキシ」の新曲。日本史をネタにしたファンクミュージックという、最初は誰もが一発芸か悪ふざけかと思ってたプロジェクトだったんだけれど、あれよあれよという間に人気が拡大。8月にはなんと日本武道館でのワンマンライブも決定してしまった。そんなレキシの、6月4日にリリースされる4枚目のアルバム『レ もっとみる

後藤まりこ「sound of me」/「お前ら、全員死ね! それで、もう一度ボクと生き帰ろう」

後藤まりこ「sound of me」/「お前ら、全員死ね! それで、もう一度ボクと生き帰ろう」

昨日は、後藤まりこのワンマンライブ@SHIBUYA-AXに行ってきました。

チケットの半数以上が売れ残っていたことが逆にスポーツ新聞のニュース報道にもなっていたこのライブ。

後藤まりこ、チケット半数以上売れ残り - 音楽ニュース : nikkansports.com

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-2014052

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ヒトリエ「センスレス・ワンダー」/ヒリヒリしたしのぎ合い

ヒトリエ「センスレス・ワンダー」/ヒリヒリしたしのぎ合い



cakesのほうで大谷ノブ彦さんとやってる連載「心のベストテン」で紹介した曲です。これすっかり書いたつもりになってた。

https://cakes.mu/posts/5854

KANA-BOON、KEYTALK、ゲスの極み乙女、キューソネコカミなど高速テンポのロックバンドがどんどん頭角を現す今のロックシーンだけれど、彼らは出自がまったく別。そもそも2009年にボカロPとして頭角を現したwo

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Owen Pallett「Song for Five & Six」/怯える6歳

以前は「ファイナルファンタジー」名義で活動していたアメリカのシンガーソングライター、オーウェン・パレットの4年ぶり新作『イン・コンフリクト』からの一曲。今ほど難解になる前のレディオヘッド的な、内省的で潔癖な感じがあってハッとする。曲名の意味は「5~6歳のための曲」。歌い出しはこう。「5~6歳のころ、子供のころ、きっと君は”果てしないもの”への恐怖を抱いていたはずだ」。

海外ウェブサイトのインタヴ
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Jungle「Platoon」/驚異の6歳

ロンドン発、「T」と「J」からなる二人組、Jungle。まったく素性が明らかになってない覆面ユニット曲なんだけど、このダンスのキレのよさで一躍話題を呼んでる。踊っているのは、Terraという6歳のB-Girl。完璧なブレイクダンス。ジャスティン・ティンバーレイクもツイッターで絶賛したらしいです。今時の子供ってほんとすごいよね。フジでも来日予定。(36/100)

サム・スミス「Leave Your Lover」/報われない愛と孤独

サム・スミス「Leave Your Lover」/報われない愛と孤独



cakesのほうで大谷ノブ彦さんとやってる連載「心のベストテン」の第二回目が公開になりました。

[今だけ無料]若いやつが洋楽聴かなくなってるなんて風評被害だぜ! [#2 SPRING 2014]|心のベストテン|

https://cakes.mu/posts/5854

こちらの対談のとき、偶然にも大谷さんと僕が共に紹介しようと思って持ってきたのがサム・スミス。イギリスの21歳のシンガーソ

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スーパーカルト誕生 (Birth of The Super Cult) / 坂本慎太郎/2000年前それは生まれた

素敵だ。乾いたドラムにギロ、漂うスチールギターにピッチシフトされた奇妙な歌声。「ズレ」に満ちてるのに、すごくジャストな感じがする。坂本慎太郎、自主レーベル「zelone records」からリリースされるセカンドアルバム『ナマで踊ろう』からのリードシングル。《2000年前それは生まれ 2年後にこの世は滅びた》
《愛より素敵なものだ 神より役立つものだ》
《どう見ても地獄だけれど もう戻れないもとに
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Porter Robinson 「Sad Machine」/EDM×ボーカロイドの新潮流

Porter Robinson 「Sad Machine」/EDM×ボーカロイドの新潮流

弱冠21歳のDJ/トラックメイカー、ポーター・ロビンソンの新曲。noteだとsoundcloudの貼り付けできないので、リンクこちらで。

https://soundcloud.com/porter-robinson/sad-machine

ティエスト、スクリレックス、デッドマウスあたりから賞賛を浴び、昨年にはフジ・ロックや単独公演も果たした「EDMの貴公子」がリリースするデビューアルバムからの

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小出祐介w岡村靖幸「愛はおしゃれじゃない」/2年ごしの「男の星座」

小出祐介w岡村靖幸「愛はおしゃれじゃない」/2年ごしの「男の星座」



「久保みねヒャダこじらせナイト」テーマソングにも決定した、岡村靖幸w小出祐介の「愛はおしゃれじゃない」。先日ゴールデンウィークに行われたZepp Tokyoの公演で実現した両者の共演のビデオです。岡村ちゃん健在。「モテたいぜ君に」と歌う、永遠の思春期な曲。さすがです。

で、これを機にちゃんと言っておきたいのは、小出祐介と岡村靖幸のコラボはこれが初めてじゃない、ということ。端緒は2012年にリ

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THE NOVEMBERS 「今日も生きたね」/美しさを見出す視点

自主レーベルMERZを立ち上げたTHE NOVEMBERSからの新曲。いろんな方向性を持ったバンドだけれど、僕は、彼らが2012年に出した「GIFT」という曲がとても好きで、その後にリリースされたアルバムやミニアルバムも、実は収録曲全部というより「Children」や「Flower of life」という曲が図抜けていいと思っていて。つまりは、こういう柔らかくて豊かで、どこか潔癖なスローチューンが もっとみる

チームしゃちほこ「いいくらし」/「いい」はエクスタシーの「E」

チームしゃちほこ「いいくらし」/「いい」はエクスタシーの「E」



いやー、これはヤバい。

ベボベ小出氏のオススメで知ったチームしゃちほこの新曲「いいくらし」。これ、80's末から90'sにかけてクラブシーンを席巻した「アシッドハウス」のサウンドに思いっきりオマージュを捧げまくった一曲なのです。

というか、直接の元ネタはこれ。D-MOBの「We call it acieed」。

これの「アシー!」ってヤツですよ。

作曲家は吉田哲人さん。小西康陽さんのマ

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ふぇのたす「すしですし」/「楽しい」が時代を制す予感

ふぇのたす「すしですし」/「楽しい」が時代を制す予感



さばさばさば、まちがえてさんま

すしすしすし、シャリなくてさしみ

とろとろとろ、まちがえてとろろ

すしすしすし、さびなしはこども

これが歌詞。なんだか口ずさんでいるうちにハマっちゃいました。東京を中心に活動し、徐々に注目を集めつつある3人組、ふぇのたす。2ndミニ・アルバム『胸キュン'14』からの一曲。実は彼らにインタヴューしたんですが、3人いわくの「楽しい」感覚が、なるほどなーと思っ

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マイケル・ジャクソン「ラヴ・ネヴァー・フェルト・ソー・グッド」/お蔵入りってレベルじゃない

ちょっと忙しくて「一日一曲」途切れちゃった。すいません。また淡々と続けていくよ。というわけで、マイケル・ジャクソンの新作『XSCAPE』からの一曲。ニューアルバムがリリースされる、というのもそうだけど、このレベルの曲がリリースされずに残っていたというのも驚き。原曲は1983年にレコーディングされたもので、それを数々のプロデューサーが「コンテンポライズ(現代化)」したもの、だそう。お蔵入りってレベル もっとみる

Coldplay「A Sky Full Of Stars」/真夏の夜のアンセム

コールドプレイ、新作アルバム『ゴースト・ストーリー』からのリードシングル。コラボ相手はアヴィーチー。これはいいわぁ……。「VIVA LA VIDA」「EVERY TEARDROP IS A WATERFALL」に続く、感涙系ダンスチューン。踊れるのに泣けるというか、チャラさも切なさも兼ね備えてるというか、とにかくスケールでかい。コールドプレイは現役ロックバンドの中で最もマジョリティを引き受けてる感 もっとみる