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2014 ソングガイド100

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2014年4月の記事一覧

tofubeats「ディスコの神様 feat.藤井隆」/部屋とミラーボールと二人

tofubeats「ディスコの神様 feat.藤井隆」/部屋とミラーボールと二人



まずこの映像! 可愛い女の子の、淡々とした、でもどこか物憂げな日常で大サビまでずっと溜めて、溜めて、そして藤井隆! ミラーボール! 歌も踊りもキレキレで格好いい。最高だと思います。

メジャーデビューを果たしたtofubeats、第2弾EP『ディスコの神様』の表題曲。ハッピーで高揚感たっぷりで少しセンチメンタルな、本領発揮の一曲だと思います。

歌詞にも注目。《世界はめっちゃ広いけど デスクか

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矢野顕子「ISETAN-TAN-TAN」/伊勢丹従業員500人がこの曲を踊ったら

これはいいね! 伊勢丹の従業員500人が本気で踊った公式ムービー。曲は矢野顕子のレーベル移籍第一弾ニューアルバム『飛ばしていくよ』から。もちろん伊勢丹のCMソングとして依頼されたことから始まったタイアップ曲なんだけど、矢野顕子のニューアルバムの「オトナのテクノ」なモードもあいまって非常にフレッシュ。ニュースによると、矢野顕子さん、日本に帰ったらまず伊勢丹に行くくらいのフリークなのだとか。コーラスに もっとみる

『アナと雪の女王』「Let It Go」(25ヵ国語Ver.)/グローバル・ポップの新展開

『アナと雪の女王』「Let It Go」(25ヵ国語Ver.)/グローバル・ポップの新展開



遅ればせながら見てきました。『アナと雪の女王』。面白かったです。物語としても、アニメーションとしても、すごくよく出来ている。もちろん「え? それご都合主義っぽくね?」って首をかしげるところもあるけど、ハリウッド映画で、ディズニー・アニメでそこを突っ込むのはヤボでしょう。というか、僕としては映画そのものとしてだけじゃなく、それが巻き起こしている現象のほうも、すごく興味深いとも思っているのです。と

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RADWIMPS「実況中継」/自由で「無敵」なバンド

RADWIMPSのアルバム『×と○と罪と』から。2月から始まったツアー「GRAND PRIX 2014 実況生中継」の初日前日にアップされたのが、この曲。神様と仏様が丁々発止のやり取りを繰り広げる曲。発想も、譜割りやフレーズの組み立て方も、ほんとに彼らにしかないオリジナリティを放っていると思います。というわけで、昨年の『音楽と人』12月号に掲載したアルバムレビューを抜粋で。→「〈怒り〉と〈告発〉の もっとみる

Vampillia「ice fist」/【閲覧注意】首が……。

彼らのことは以前にも書きました。「Vampilliaというバンドが凄いのだ」→
https://note.mu/shiba710/n/nd136b0a7666a
そこで紹介したのはBiSとのコラボだったけれど、こちらは4/23にリリースされた1stアルバムからの一曲。アイスランドでレコーディングされたという一枚です。いろんな側面があるバンドだけど、轟音とシャウトを前面に出したわりと暴力的な曲。で、
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Clean Bandit「Rather Be」/クラシック×エレクトロが映し出す異邦人の「東京」

今、UKで一大センセーションを巻き起こしているエレクトロ・ポップ・グループ、クリーン・バンディット。まだデビューアルバムのリリースを6月に控えたニューカマーなんですが、この最新シングル「ラザー・ビー」がいい感じ。全英シングルチャートで4週連続No.1という大ヒットで、これは「日本語歌詞版」ですが、オリジナル版はすでに4000万回再生という、すごいことになってます。メンバーにバイオリンとチェロがいる もっとみる

蓮沼執太フィル「Hello Everything」/やわらかい空気感

総勢15人編成のモダンポップオーケストラ「蓮沼執太フィル」の1stアルバム『時が奏でる』からの一曲。札幌駅の地下の大通りで行われたフリーライブの模様です。ラップで参加しているのは環ROY。この感じ、すごくいいなあ。ストリングスやホーンセクションのいる大所帯オーケストラで、参加しているのは権藤知彦や大谷能生のような一線級のミュージシャン。もともと蓮沼執太という人はエレクトロニカだったり実験的な音楽を もっとみる

米津玄師 MV「アイネクライネ」/半径5メートル

今日(4/23)リリースされる2枚目のアルバム『YANKEE』からの一曲。作詞作曲、歌だけでなく、イラストも本人の手によるもの。ボカロP「ハチ」=米津玄は、ボーカロイドシーンが生んだ最も巨大な才能のうちの一人だと思ってます。そしてアルバムは、新しい世代のポップスを作るということを強く意識したもの。「わかりやすく、ポップに、いろんな人がちゃんと自分のことだと思ってくれるように作りました。聴いてくれる もっとみる

Go-qualia - Betelgeuse feat.やなぎなぎ & 門脇舞以/宇宙ヤバイ

ネットレーベル「分解系レコーズ」を主宰するGo-qualiaの、「宇宙」をテーマに作られたセカンドアルバムからの一曲。深夜向き。個人的に、こういう壮大で深遠なエレクトロニカは大好き。00年代以降、音源とかソフトウェアとか、テクノロジーの進化で「それっぽい」音は簡単に出せるようになったと思うけれど、そういう手法とか技術論とかと全く違う巨大な想像力や妄想力のようなものが音にも言葉にも映像にも背景にあっ もっとみる

the HIATUS「Thirst」/荒野を行く

ニューアルバム『Keeper Of The Flame』からの一曲。映像はシンプルなスタジオライブ収録。いやー格好いい! 「聴いていて、本当にワクワクする。見たことのない光景を見せてくれるような、行ったことのない場所に連れていってくれるような、そんな音楽がパッケージされている。手探りのイマジネーションだけを頼りに、高揚感と力強い自由の感覚を旗印に、胸にグッとくるメロディとドラマティックなサウンドが もっとみる

SEBASTIAN X 「スーダラ節」/このカバーはアリでしょう!

「わかっちゃいるけどやめられない!」。植木等の「スーダラ節」が、まなっちゃん(永原真夏)の素っ頓狂な歌声で、陽気におしゃれに蘇ってる。昨日はSENASTIAN X主催の野外イベント「TOKYO春告ジャンボリー」のライブレポ(→http://bit.ly/1lmfNXt)で野音に行ってきたんだけど、そこで披露してたのが、この曲。会場限定シングル(通販もやってるそう)にも収録されてました。ホーン隊に参 もっとみる

Gotch 『Wonderland / 不思議の国』/レコードっていいよね

今日、4月19日の「レコード・ストア・デイ」にあわせてアナログ盤がリリースされたGothのソロアルバム。そのリードトラックがこの曲。実は、アメリカでもイギリスでも、そしてここ日本でも、CD売り上げが低下する一方、ここ数年でアナログレコードの売り上げが飛躍的に拡大してるのです。YouTubeや聴き放題サービスが当たり前になったからこそ、モノとして音楽を所有する喜びが復活してきているんだろうと思う。そ もっとみる

和楽器バンド「千本桜」/新たな時代の「演歌」の誕生

もうバンド名も曲名もそのまんま。和楽器でバンド組んで「千本桜」をカバー。思いつきレベルでは考えたことある人沢山いると思うけど、本気でやってみたらこんなに格好よかった、という。それにしても、ほんと、この曲の持つパワーは何なんだろう。最初に出てからそろそろ3年になるし、いろんなバージョンが出揃ってきているけど、いまだにスタンダードとして愛され続けている。ボーカロイドとニコニコ動画の文化が生み出した新し もっとみる

ROTH BART BARON『ロットバルトバロンの氷河期』/雪解け水みたいな音楽

この人たち、ほんと、素晴らしい才能だと思う。東京出身の二人組、ロットバルトバロン。今までに自主制作のEP2枚しかリリースしてないので、4/16のこれがデビューアルバム。しかもアルバム全曲をレーベル公式チャンネルでいきなりYouTubeに公開(期間限定)。太っ腹すぎる。冒頭3曲の「氷河期」組曲が特にすごく好きです。ボン・イヴェールとかフリート・フォクシーズとかアウスゲイルとか、その辺に通じる美麗なハ もっとみる