映画と本ともうひとつ

青山史愛です。映画と小説、その他にドラマやドキュメンタリーの感想を書いてます。ブログも…

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青山史愛です。映画と小説、その他にドラマやドキュメンタリーの感想を書いてます。ブログも書いています。https://blog.goo.ne.jp/fa2019, https://blog.goo.ne.jp/sa2016

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記事一覧

門田隆将「日中友好侵略史」全ての政治家が読むべき本だが。

門田隆将「日中友好侵略史」(2022年9月発売)を手に取った。読むのは2度目。 今回は、公明党はホントに親中的な政党なんだなと改めて強く思った。 田中角栄の日中訪問を支…

平井宏治氏「経済安全保障のジレンマ」日本は内部から侵略されつつあるのかも。

平井宏治氏の「経済安全保障のジレンマ」(2022年)は「経済安全保障リスク」(2021年)の続編。 川重が新幹線技術を盗まれた件、新日鐵がポスコに電磁波技術を盗まれた件をは…

平井宏治「トヨタが中国に接収される日」佐々木類「静かなる日本侵略」背筋が寒くなる。

恐ろしい本を続けて読んだ。 平井宏治「トヨタが中国に接収される日 (WAC BUNKO B 367)」は2022年5月発売。 中国に進出する企業は、軍民融合政策により、合弁会社を経由し…

門田隆将「尖閣1945」尖閣が日本である示す感動の物語。

門田隆将「尖閣1945」をやっと読んだ。 “尖閣戦時遭難事件”を詳細に取材して書いた奇跡の物語。登場する市井の人々の生きざまに胸が震え込みあげるものがあった。 門田氏…

「議会乱入を仕組んだ男 トランプ 陰の“盟友”」ロジャーストーンがすごい!

BS世界のドキュメンタリー「議会乱入を仕組んだ男 トランプ 陰の“盟友”」が実に興味深かった。 デンマークの映画監督クリストファー・グルブランセンが撮った、トランプ…

「ロシアを捨てたロシア人たち」ダメな政治家を選ぶと。

「ロシアを捨てたロシア人たち」(BSスペシャル)はウクライナ侵略後、ロシアを捨てて国外に生きる4人の家族のドキュメンタリー。 ホントに戦争が起こってしまった国は、人々…

トム・クルーズ主演「ア・フュー・グッドメン」正義のために闘う人たちに胸が熱くなる。

トム・クルーズ主演「ア・フュー・グッドメン」(1993年)はアカデミーの作品賞、助演男優賞、編集賞、音響賞受賞。 今週BSが放送したので観た。 正義のために闘う人たちがい…

大下英治「孤高奮戦変革の人 平沢勝栄」興味深い内容あった。

大下英治の平沢勝栄の評伝を読んだ。発刊は2023年11月と新しく、興味深い内容があった。 そのひとつ。巷噂されている、岸田総理が近く電撃訪朝して、拉致被害者の田中実さ…

「愛と激しさをもって」恋愛心理を濃密に描いたまさにフランス映画。

「愛と激しさをもって」(2022年)は人気女優J・ビノシュの主演。監督C・ドゥニがベルリンで銀熊(監督)賞を受賞した作品。 言ってみれば、現在と昔の恋人との三角関係の…

「オッペンハイマー」公開初日に観てきました。

オスカー総なめした「オッペンハイマー」公開初日に観てきました。夜の最終回で終わるの0時なのに109シアター1はほぼ埋まっていた。オスカー総なめだし、全米の公開2023年…

「ナバロンの要塞」こんな上質の戦争映画をもっと観たい。

先日「ナバロンの要塞」をBS1が放送したので観はじめたらやめられずに最後まで観てしまった。1961年制作だから60年前の映画ということになるが、全く古臭い感じがしなかっ…

「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」ドラマも傑作だ。

「舟を編む」は三浦しをんの原作も読み、松田龍平主演の映画も観ていた。 とても面白かった、からか、NHKのドラマが2月から始まったがあまり気が惹かれず観ていなかったの…

「トレーニング デイ」デンゼル・ワシントンがオスカーだけど。

「トレーニング デイ」(2001)はデンゼル・ワシントンが悪役での主役。こういうの珍しい。 しかもこれでワシントンはアカデミー賞主演男優賞を受賞した。 確かに演技はすご…

NHK「ソビエトハイウェイ ルート2 バルト三国」は見応えあった。

BSスペシャル「ソビエトハイウェイ ルート2 バルト三国」。NHKはいい取材をした。 毎日放送してる国際報道などは、現地取材もしないスタッフ、キャスターが、CNN、ABCなど…

横山秀夫「第三の時効」犯人との闘い以上に刑事部内の闘いが凄まじい。

横山秀夫「第三の時効」は凶悪犯罪者を追い詰める刑事たちのハナシ6編。各編とも巧妙なプロットがストーリーをスリリングなものにしている。 だが刑事たちと犯人との闘い…

本広克行監督「踊る大捜査線」6作品。たっぷり楽しめました。

本広克行監督の「踊る大捜査線」シリーズ&スピンオフ6作品ぜんぶ観た。 「THE MOVIE」(1998)、「レインボーブリッジを封鎖せよ」(2003)、「交渉人 真下正義」(2005)、「…

門田隆将「日中友好侵略史」全ての政治家が読むべき本だが。

門田隆将「日中友好侵略史」(2022年9月発売)を手に取った。読むのは2度目。 今回は、公明党はホントに親中的な政党なんだなと改めて強く思った。 田中角栄の日中訪問を支えたのは竹入元委員長だった。そのことを自伝に書いた竹入氏をひどく嫉妬して怒った池田大作がその自伝を廃刊にしたのだと。 現在の山口公明党の売国的な動きは長い長い歴史的な経緯が積み上げられたゆえなのだ。 この中国の手先のような公明党と、今や相当にリベラル化した自民党の、連立の枠組みは最悪だよなぁ。 それから橋本元

平井宏治氏「経済安全保障のジレンマ」日本は内部から侵略されつつあるのかも。

平井宏治氏の「経済安全保障のジレンマ」(2022年)は「経済安全保障リスク」(2021年)の続編。 川重が新幹線技術を盗まれた件、新日鐵がポスコに電磁波技術を盗まれた件をはじめ、東芝、ソフトバンクグループ、上海電力などの問題を具体的に取材・解説している。 ホントに恐ろしい。日本は大丈夫か。 マネトラ、ハニトラにかかって国益を損なう活動をしている政治家、産業界、経済人がかなりいる、ということは、尖閣列島を侵略される危険があるだけでなく、いや既に内部から侵略されてつつあるのかもし

平井宏治「トヨタが中国に接収される日」佐々木類「静かなる日本侵略」背筋が寒くなる。

恐ろしい本を続けて読んだ。 平井宏治「トヨタが中国に接収される日 (WAC BUNKO B 367)」は2022年5月発売。 中国に進出する企業は、軍民融合政策により、合弁会社を経由して企業の命である技術を窃取・軍事転用される。核心技術を盗まれ、中国であげた利益を日本や他国に移せない、というよく聞いていたハナシが具体的に書かれている。 佐々木類「静かなる日本侵略 -中国・韓国・北朝鮮の日本支配はここまで進んでいる」は2018年8月発売。 外国人勢力による“支配”が着々と進

門田隆将「尖閣1945」尖閣が日本である示す感動の物語。

門田隆将「尖閣1945」をやっと読んだ。 “尖閣戦時遭難事件”を詳細に取材して書いた奇跡の物語。登場する市井の人々の生きざまに胸が震え込みあげるものがあった。 門田氏がどうしてもこれを書こうと思ったのは、この事件以上に、”尖閣が日本であることを示す出来事はない“からだ。 古賀辰四郎氏が「真水」を開拓・確保し、人が住めるようにした事実を、わたしたちはこの素晴らしいノンフィクション作品ではっきりと知った。 わたしたちは尖閣で頑張った先人たちの生きざまを心に刻み、中国が狙う尖閣を含

「議会乱入を仕組んだ男 トランプ 陰の“盟友”」ロジャーストーンがすごい!

BS世界のドキュメンタリー「議会乱入を仕組んだ男 トランプ 陰の“盟友”」が実に興味深かった。 デンマークの映画監督クリストファー・グルブランセンが撮った、トランプの政治顧問ロジャー・ストーンのドキュメンタリー。 もっとも衝撃だったのは、あの国会議事堂乱入の日の朝。そこまで選挙結果を覆す運動を立ち上げ主導してきたストーンは、トランプの演説のあと抗議デモの先頭に立つつもりだった。彼はのプランには国会乱入などは全くは入っていなかったのだ。 しかもその日の予定はいつしかトランプ自身

「ロシアを捨てたロシア人たち」ダメな政治家を選ぶと。

「ロシアを捨てたロシア人たち」(BSスペシャル)はウクライナ侵略後、ロシアを捨てて国外に生きる4人の家族のドキュメンタリー。 ホントに戦争が起こってしまった国は、人々われわれとは全く異なる世界に生きることになるんだなぁ。 ウクライナの兵士の人が言っていたが、彼らの戦争は”2022年のウクライナ侵略“からではない、2014年のクリミア侵略からなのだ。 10年も勝てる見込みのない戦争を続けることになったのは、政治家がダメだったということだろう。国民がダメな政治家を、政治体制を選択

トム・クルーズ主演「ア・フュー・グッドメン」正義のために闘う人たちに胸が熱くなる。

トム・クルーズ主演「ア・フュー・グッドメン」(1993年)はアカデミーの作品賞、助演男優賞、編集賞、音響賞受賞。 今週BSが放送したので観た。 正義のために闘う人たちがいて、正義が勝つのだが。2人の兵士は殺人で無実となるも規律違反で有罪、恐れていた除隊となる。でも彼らはきっと前を向いて生きていくと思えるエンディングで胸が熱くなる。 クルーズはこれがベストと思えるぐらい。若々しく正義感に溢れるデミ・ムーアが素敵。ジャック・ニコルソンうまい。 名画はやっぱりいいなぁ、とこの頃よく

大下英治「孤高奮戦変革の人 平沢勝栄」興味深い内容あった。

大下英治の平沢勝栄の評伝を読んだ。発刊は2023年11月と新しく、興味深い内容があった。 そのひとつ。巷噂されている、岸田総理が近く電撃訪朝して、拉致被害者の田中実さんと金田龍光さんを帰国させ、見返りに巨額支援を与えるのではないかということについて、平沢はこれを支持している。この2人の帰国で北朝鮮は拉致問題を幕引きにしようとしているかもしれないが、それじゃ拒否すればいいという理由だ。そんな懸念より、2人でも拉致被害者を奪還することを優先すべきだと。 西岡力や山口敬之らはこうい

「愛と激しさをもって」恋愛心理を濃密に描いたまさにフランス映画。

「愛と激しさをもって」(2022年)は人気女優J・ビノシュの主演。監督C・ドゥニがベルリンで銀熊(監督)賞を受賞した作品。 言ってみれば、現在と昔の恋人との三角関係のハナシだが。 この雰囲気、まさにフランス映画。ビノシュとバンサン・ランドンの心理、葛藤、愛憎がとても濃厚に描かれて、苦しくなるほどだ。 ハリウッドの映画人たちが撮ったら、こんな感じにはならない。愛憎よりも性欲ばかり強調され、セックスシーンももっと濃厚だろう。 高校、大学の頃はフランス映画の方をよく観た。ドロン、ベ

「オッペンハイマー」公開初日に観てきました。

オスカー総なめした「オッペンハイマー」公開初日に観てきました。夜の最終回で終わるの0時なのに109シアター1はほぼ埋まっていた。オスカー総なめだし、全米の公開2023年7月から8カ月も待たされたから当然でしょう。 この作品、オッペンハイマーの為人、マンハッタン計画などについて、なんとNHKは3番組(クロ現、プロファイラー、映像の世紀)で扱った。 それらを観ていたから、ナチスが原爆を開発することを恐れてオッペンハイマーが原爆開発にのめり込み、被害に惨状を知り、開発を後悔、水爆開

「ナバロンの要塞」こんな上質の戦争映画をもっと観たい。

先日「ナバロンの要塞」をBS1が放送したので観はじめたらやめられずに最後まで観てしまった。1961年制作だから60年前の映画ということになるが、全く古臭い感じがしなかった。 そもそも戦争映画って少ない。大金がかかるし撮影もたいへんだからだろう。 戦争映画だからもちろん殺戮のシーンはあるが、グレゴリー・ペックがスパイのイレーネ・パパスを苦悩の末に撃つ場面などのように、残酷なシーン映像はあまりない。 先日のモスクワ郊外のテロ事件関連の報道での、捕らえた容疑者への拷問、耳を切り落と

「舟を編む 〜私、辞書つくります〜」ドラマも傑作だ。

「舟を編む」は三浦しをんの原作も読み、松田龍平主演の映画も観ていた。 とても面白かった、からか、NHKのドラマが2月から始まったがあまり気が惹かれず観ていなかったのだが。 まとめて再放送があったので録画したのを一昨日観たらやめられず続けて4話まで。5話6話を録画し忘れてがっかりしているところ。 三浦しをんがこんなコメントを寄せていた。 “.....脚本家の蛭田直美さんがお書きになるシナリオを拝読して、私は早くも爆笑したり涙したりしています。その「舟」に、魅力的で実力のある役

「トレーニング デイ」デンゼル・ワシントンがオスカーだけど。

「トレーニング デイ」(2001)はデンゼル・ワシントンが悪役での主役。こういうの珍しい。 しかもこれでワシントンはアカデミー賞主演男優賞を受賞した。 確かに演技はすごい。悪役がはまりすぎるぐらい。だからかえってよくないよなぁ。 ドラマはスリリングでハラハラドキドキして見た。リアルだと思うけど、改めてアメリカってひどい国だなぁて思って、ちょっと悲しい。 もう一度観たいと思うことはないだろう。ブルーレイには焼かなかった。

NHK「ソビエトハイウェイ ルート2 バルト三国」は見応えあった。

BSスペシャル「ソビエトハイウェイ ルート2 バルト三国」。NHKはいい取材をした。 毎日放送してる国際報道などは、現地取材もしないスタッフ、キャスターが、CNN、ABCなど海外メディアを見てそれにコメントつけてるだけの内容で見る価値ないのに。 日本のジャーナリストはダメだなぁ、欧米のジャーナリストはスターアンカーだって、みんな現地に行くのに、って思ってたけど。 この番組は見応えあった。 バルト3国の人々がウクライナ侵略を見て、何を思うか、感じるか。 そして自分たちがロシアに

横山秀夫「第三の時効」犯人との闘い以上に刑事部内の闘いが凄まじい。

横山秀夫「第三の時効」は凶悪犯罪者を追い詰める刑事たちのハナシ6編。各編とも巧妙なプロットがストーリーをスリリングなものにしている。 だが刑事たちと犯人との闘い以上に、刑事部内の上司部下の、ライバル同士の闘い、確執がすさまじく、ドラマに引き込まれる。 短編集というより、6部構成の長編だ。読みはじめると止められないのはいつものこと。まだ当分は横山秀夫から離れられない。

本広克行監督「踊る大捜査線」6作品。たっぷり楽しめました。

本広克行監督の「踊る大捜査線」シリーズ&スピンオフ6作品ぜんぶ観た。 「THE MOVIE」(1998)、「レインボーブリッジを封鎖せよ」(2003)、「交渉人 真下正義」(2005)、「容疑者 室井慎次」(2005)、「ヤツらを解放せよ」(2010)、「THE FINAL 新たなる希望」(2012)。 面白かったぁ。 映画って、世紀の名画とか大傑作見ようなんて思っちゃ、だめだな、楽しめないって思った。 キホン警察サスペンスだから、ハラハラドキドキ。警察社会でのおなじみの競