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ふと目を上げると、泣きたくなるような景色

一杯のお茶と、些細な談話から
生まれた閃きの小さな灯を
消えないように、消えないように
胸に抱え、不安の黒い潮が満ちる前に家路を急ぐ

ふと、目を上げると、泣きたくなるような景色

持ち帰った灯を甘く香る蝋燭にうつし、
そのあかりを頼りに筆を取る
不安は引潮と共に去り、その手は泉のように湧き上がる感傷に色を与え続ける
やがて乳白色の朝靄が微睡みを連れて迎えにくるまで

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