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上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展

三菱一号館美術館で開催している『上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展』を見てきました。

”ウィーン生まれのカワイイです”
というコピーがピッタリのとても可愛い作品が数多くありました。

ただ、「ふーん、可愛いねぇ、、、」
なーんて、ちょっと斜に構えていくと、ガツンとくらいます。
だって、リチさんの作品からは、可愛いだけじゃない芯の強さみたいなものがビシバシと感じられるから。
なんか、もう、強いんです。圧が強いとかではないですし、あくまで私感でしかないですが、きっちり仕事をしている人から感じる特有の強さ、そういう印象がありました。

イースター用ボンボン容れのデザインのニワトリの顔とか、鳩の顔とかもちょっと滑稽でクスッとする感じだし、植物モチーフなどは、植物特有のたおやかな線もあって優しいし、色使いなども”可愛い”のですが、作品は芸術家の作品というよりは実直な職人の仕事をまざまざと見せられている感じ。

『ヨーロッパ最後の港』という絵がわたしは気に入ったのですが、それはあまり職人を感じなかったなぁと。
まだ図録も関連本も買えていないので、リチさんの人となりとかもわからないのですが、模倣を嫌い、教鞭をとっていた学校では生徒さんにも厳しい一面があったと聞くと、しっかりした強い方だったのかも?というイメージです。

あと、夫の上野伊三郎さんの友人であり、日本で何年か暮らした建築家のブルーノ・タウトさんと一緒に撮った写真があったんですけどね。
”リチさんとタウトさんはソリが合わなかった”
というキャプションが添えられていて、それが、やー、本当にソリが合わなかったんですね!っていう写真にしか見えない表情を二人ともしているのでぜひ見てください笑(タチの悪いおすすめの仕方)

その後、ブルーノ・タウトさんも気になって調べちゃったんですけど、なかなかの激しさを秘めて(いや、秘めてない、丸出し)いる方だったので、リチさんも熱い方だからこそソリが合わなかったのかもな、なんて邪推しました。
そう考えると、夫の伊三郎さんが絶対いい人!だった!ような気がしてくるから不思議です。
タウトのことも、来日してすぐに色々日本国内の名建築を案内してあげたそうですし、伊三郎さんが手がけたの家の設計図も今回のリチ展では見られるんですが、そこから不思議な人の良さを感じます。

あと、リチの妹のキティさん(彼女もリチ同様、ウィーン工房のメンバーでした)の陶磁器も展示されていたのですが、遊び心満載でクスッと笑ってしまいました。
キティさんや伊三郎さんの作品を見て感じたのは、もしかしたらですが、リチさんはご自身の才能と努力もそうだけど、周りにいる人にも恵まれていたのでは?と思わせる何かがありました。

今回、絵だけではなく、七宝焼や、椅子、洋服、バッグなども展示されています。そういうのがお好きな方はぜひ!
特に七宝焼の黄色いやつ(作品名失念)はとっても可愛いです!
ひー!可愛いって言ってしまった!まんまとキャッチコピーを!

で、その後、ミュージアムショップに行くとその七宝焼とそっくりの箱にキャンディを入れたものが売っているので、そりゃあ買うよね、、、ってなります。
そしてやはりテキスタイルというだけあって、可愛いがまぐちやトートバッグなど、リチさんのデザインをこれでもか!と堪能できる品物が沢山あります。

京都ゆかりのリチさんだけに、可愛い京都の飴さんが入った小箱も可愛い!(また可愛いって言ってしまった!)
飴を食べ終わったら、カードケースになります。

併設のCafe1894や近くの丸の内ホテルでもリチさんをイメージしたランチやデザートなどが提供されているので、展覧会&アフタヌーンティーも良さそう!誰か、行こう!←急に誘う

会期は5月15日までと、春、真っ只中です。
春に見るリチ、良さそうだなぁと感じます。

(今日はマガジンコーナーはおやすみです!)

では、また!

三菱一号館美術館は館内もいいですよね。


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