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鮮明な旗を立てる

何か新しいことを立ち上げるに当たり、特に自分だけでなく周囲の人や不特定多数の人たちを巻き込む場合においては、「旗を立てる」ことが重要だと考える。

もちろん、ただぼんやりとした旗を立てるのではなく、何かの道しるべとなる鮮明な旗印であるべきだ。

この場合の旗とは、デザイン的なものを意味するのではなく、どちらかと言えば「言葉」の意味合いを指す。

鮮明な旗印には、多くの人たちの方向性を指し示す魅力的な言葉が必要なのだ。


ここで、「鮮明な旗印」というテーマで、noteについて考えてみる。

noteとは、自分の書きたいことを書くスペースであると同時に、不特定多数の読者に届ける文章を並べる陳列棚でもある。

書き手は、一部の有名人を除いて、基本的に無名の人たちばかりである。肩書にいくら工夫を凝らしたとしても、「一般人」の括りからはみ出すことはない。

そんな無名な僕らが多くの読者を獲得するためには、不特定多数のnote住民たちの目を引く、旗が必要となってくる。

その旗は先述したとおりに、魅力的な言葉でなくてはならない。

僕の場合では、noteを立ち上げた数年前、それほど深く考えずに藤子ネタを書き始めたのだが、数ヶ月間書き続けているうちに、藤子先生の作品を全てレビューするという方針が浮かび上がった。

これはそのまま旗印としても有効だったようで、ある時点から読者数が増えて、さらにはgoogleの検索ワードでも上位となる記事を多数書き上げることができた。

何者でもない自分がここまで書き続けていられるのも、うまく旗を立てることができたことが非常に大きいと考えている。


次に、「鮮明な旗印」というテーマで、仕事について考えてみる。

仕事において、これまで新しいプロジェクトを立ち上げる場面に数多く遭遇してきた。うまくいったものもあれば、すぐに消滅したものもあるし、うまくいかずに大打撃を受けたこともある。

失敗と成功を分けるポイントはいくつもあるが、その一つには、新事業の旗印が鮮明かどうかが重要なカギを握っていたと感じている。

簡単なところでは、新しい会議体を設計するに当たり、会議の出席者全員に、会議の目的が十分に共有されなくてはならない。目的はぼんやりとしたものではなくて、大勢の参加者の時間を費やすに値する内容でなくてはならない。

目的が明らかであれば、余計な出席者が参加することもなくなるし、目的が達せられたところで、会議体自体を解散させることもできる。

逆に言えば、あいまいな目的で始めた会議は、参加メンバーの内職が激しくなるし、会議での決定事項が簡単に蔑ろにされてしまう。


予算を費やす大事業であればあるほど、立ち上がるまでに、旗となる言葉を紡ぎださなくてはならない。これは簡単なことではなく、下手をすればいつまでも言葉が浮かび上がってこない。

かといって、旗を立てることなしに新事業を始めても、結局はどこかで行き詰まり、立ち往生してしまうだろう。進むべき道を見失い、まさしく路頭に迷うことになる。


個人的に、二つのプロジェクトの立ち上げに関わっているが、いずれもまだ魅力的な言葉を見出せていないと感じている。

しかし、本格的に立ち上がらねばならない時間は迫っていて、かなり焦らされている状況にある。

けれど、鮮明な旗(言葉)なしでは、プロジェクトの失敗は火を見るより明らかだ。時間はないが、考えて、考え抜いて、そして人の意見を吸収して、なるべくくっきりした旗印を掲げたいと思う。




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