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蛇の頭を持つ者 続き

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記事一覧

蛇の頭を持つ者 第145話(最終回)

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加奈子の執務室
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「色々書き換えちゃったけど、まぁ、しかたないわよね」

加奈子はコーヒーを片手にネットニュースのアーカイブ(保存版)を閲覧していた。

====[ ネットニュース ]====

2016年の出来事・・・

冬:

巨大生物が新宿駅地下にて大暴れした。

230名におよぶ犠牲者が発生した。

巨大生物は自然消滅

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蛇の頭を持つ者 第144話

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護送車
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タイムパトロールに捕まった唐木はおとなしくしつつも考えを巡らせていた。

あのバケモノ親子を活動停止まで追い込むことは不可能なのか…?

このタイムパトロールの目をかいくぐってもう一度あの場所まで行き、事態を収束にもっていく手段は残されていないのか…?

考えれば考えるほど、行動の障害が浮き彫りになっていく。

タイムパトロールの目を欺くことが、どのパター

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蛇の頭を持つ者 第143話

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地下鉄 車輌破壊現場
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八神は姿勢を低くするよう、みなお達に指示した。

草薙まことと草薙母の変異は突然だった。

多くの場合、被検体は前兆を示してから変異し、過度な細胞分裂を急激に繰り返してDNAの寿命が尽きて死ぬ。

しかし、草薙親子は前兆がなかった。

「反応が遅れていたら、全滅していたわ」

間一髪

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蛇の頭を持つ者 第142話

車両はどれも静かで、唐木の歩行音が床のみならず唐木自身にも染みるようにコツっコツっと響いた。

まるで生命などこの空間には存在していないかのような静寂。

時折クリアリングのために立ち止まると、耳鳴りが襲ってきたほどだ。

ヤツらはどこへ消えた…?

もう次が最後の車両となる。

まだ電気が通っているのだろう、扉が自動でスライドする。

シューッ

徐々にその全貌が見えていくにつれ、唐木はこれまで

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蛇の頭を持つ者 第141話

唐木のたどり着いた新宿駅東口改札前は、おびただしい量の血痕で真っ赤になっていた。

そのほとんどは主の姿を失っていた。

かろうじて動ける者も幾人かみられるが、多くはうめき声をあげる程度の力しか残っていないようで、そう遠くないうちに何も言わなくなるに違いない。

「奴らはあっちか?」

うーという苦しみの声をあげて手を伸ばしてきた被害者を介抱するそぶりもみせず、逆に必要な情報を引き出していく。

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蛇の頭を持つ者 第140話

新宿駅東口を出てすぐにアルタのビジョンが存在し、その前で待つ人々は普段と違った景色にざわついていた。

大型のモニュメントのような銀色の像がいつの間にか設置されており、そこに人々の死線が注がれているのだ。

天使の羽を背負った鬼の像だ。

背負ったという表現は誤りではなく、どこからかもぎ取ってきたもののようだ。

鬼の足下には頭蓋骨が置いてあり、それはまるで羽をもがれたあとに残った人間の部分のもの

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蛇の頭を持つ者 第139話

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2016年 新宿
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粉雪のシンシンと降るアルタ前では、スタジャンのポケットに両手をしまって上下に体を揺する青年達が、ふわふわのコートを着た少女達を吟味するような目で見ていた。

今日は日中でも5℃を下回るというほど、冷え込んでいる。

吐く息が白いのはもちろんのことだが、もっと驚くのは地面に氷が張っていることだ。

「こんなことなら、防寒

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蛇の頭を持つ者 第138話

室内は思ったよりも静かだった。

というよりも、むしろ、もぬけの殻といった方が適切だった。

「これはいったい・・・」

唐木の予想は裏切られ、既に絶命した2名の他が消えていたのだ。

事前に打ち合わせていた状況とはあまりにかけ離れている。

床に広がった血だまりで靴の裏にニチャニチャを感じながらも、唐木は部屋の中心へと進む。

そして、顎に手をあて、周囲を見回した。

「おそらく転移装置を使った

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蛇の頭を持つ者 第137話

仕事を終えた唐木はスナイパーライフルを残し、執務室へ戻る準備を始めていた。

減っていた影については後で追求するとして、まずはターゲットだった庭野を破壊できたから、一段落といったところか。

「石田晴香も完全破壊すべきだろうが…後でも問題じゃないな。庭野を破壊したことで、連携とれる相手がいない今の石田晴香は、片翼をもがれた蝶のように弱体化しているだろうし。それよりも、だ…」

次に優先すべきターゲ

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蛇の頭を持つ者 第136話

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唐木の残ったビル屋上
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銃口がズレなくて良かった・・・

久しぶりに人を殺す感覚を味わった。

あの時からずっとくすぶっていた感情があった。

砂の舞うあの戦場から足を洗った、あの日から・・・

だが、今、そのくすぶりが消え、新たに感情の昂ぶりを覚えた。

やっぱり俺は・・・

ジェノサイダーなのだな・・・

唐木は三浦の死体

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蛇の頭を持つ者 第135話

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加奈子の執務室
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黒曜石へ向かって飛んでいった庭野の管が対象と接触した瞬間、唐木は転送装置の電源を入れ、そのまま現場から消え去った。

庭野と晴香は辺りを見回した。

唐木の消失がにわかに信じられなかったからだ。

いないことを確認したところで、可奈子の顔を見る。

すると、加奈子は驚いてはいなかった。

可奈子どころか、他の

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蛇の頭を持つ者 第134話

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ビルの屋上
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ハンドガンを構えた唐木と身動きのとれない三浦との間を冷たい風が通った。

「三浦先輩、あんたがグルだったことは前々から分かっていた。だから、釣り糸を垂らしておいたんだ」

釣り糸?

至ってこちらの予定通りに進んでいたこのシナリオのどこにそんなものが?

「俺が絡んでいるのを見破ったのはなかなかだが、俺がホイホイついていきそうな旨そ

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蛇の頭を持つ者 第133話

ビルの屋上に伏せている三浦は、トリガーにかかった自分の指が震えていることに気付いた。

一発目は確かにターゲットを捉えた。

チャージには時間がかかる。

そのチャージを終えるまで、依頼主達がもっともらしい会話を繰り広げているはずだ。

チャージが終わったら、次弾。

その次弾のタイミングで俺がイザベルという女を狙えるように、あの2人が雰囲気を誘導する。

そして、イザベルと思われる対象に照射。

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蛇の頭を持つ者 第132話

パァン!

モノが勢いよく弾ける音が執務室全体に響き渡った。

弾けたモノを中心として、放射状にどす黒いものが辺り一面に飛び散っていた。

「大丈夫か!?」

とっさに数名を庇いつつしゃがんでいた唐木が周囲の安否を確認する。

1、2、3、4…

頭数を数えたのだが、1人足りない。

次いで、顔を確認する。

楠木がいない…

ぎゅるる…

回れ右のように体を捻りながら唐木が立ち上がると、液体が強

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