陸前浜街道1 水戸宿→多賀
2023年に福島浜通りを訪れた際に聞いた衝撃の一言。
「昨年、11年ぶりにに歩行者が道を歩けるようになった」
11年間も人が歩けなかった道があったなんて、深く考えさせられ決めました。
「よし、年明けは浜通りを歩き、歩く事で街道に人流を復活させよう!」
ということで、2年前に江戸から水戸まで歩いていたので、その続き"陸前浜街道"を宮城県岩沼宿まで歩く事にしました。
2024.02.23
1.スタート地点まで
常磐線で水戸に近付くにつれ、雪景色に変わってきました。
積雪が多いと自動車のスリップが恐ろしいので、止む事を祈ります。
水戸駅。
K'sケーズデンキのお膝元なのに、駅ビルはビックカメラ。
2.水戸宿
ハミングロード。
この付近が水戸宿の中心部。
水戸城の中心部から2km近くも離れています。
さぁここから始まります!
浜田のかえる。
陸前浜街道起点の本町交差点から南へ200mの場所にある浜田小学校。
学校を造る際に、田んぼを埋め立てて多くの蛙が犠牲になった事から、蛙を大切にする様になり、運動会の前には"蛙まつり"を行い、運動会当日の好天と安全をお願いするそうです。
栗田寛。
徳川光圀の時代から続いていた”大日本史”の編纂をほぼ完成させた偉人。
画像ではわかりずらくてわかりませんが水戸市内は雪。
極度の指先冷え性の私は、早くもジンジンと手がかじかんできました。
3.新船渡
那珂川の渡し跡。
渡しがあった場所の堤防に突き当たる道は趣があります。
街道を歩いてきた中で数多くの堤防に突き当たる場所を見てきました。その中でも印象的だったのが、長野県の中山道塩名田宿。
道幅が往時のままで、特に観光名所でもなく、それでいて千曲川の畔には川魚を提供する料亭があったりして、地味ですが風情がありました。
ちょうどその日は、前日の碓氷峠を早足で昇った影響で、階段を昇るのが精一杯な位に膝を痛めてしまい、朝から午後まで雨が止まず、心が折れかけた状態で見たから印象に残っていたのかもしれません。その日の記録は↓
那珂川。
台風の時に警戒水位になっているニュースが記憶にある川。
太平洋に注ぐ河口が近いため、河川の幅がかなり広く、往時は渡船には時間がかかったと思われます。
4.枝川宿
ヨモギの葉と思われる草に、うっすら雪が積もってます。ヨモギにはまだ早いか?
4.国道の楽しみ方
地図を眺めると、本日のルートは、ほぼほぼ国道6号を歩きます。
道幅が広く感覚的に遺構が殆ど無さそうなので、こんな時は楽しみ方を探さないと、歩くサイボーグと化してしまいます。それは避けたいと、キョロキョロしていると見つけました。
それは”居抜き物件”、みているだけでトレンドがわかってきます、では早速紹介しましょう。
09:01~09:09、8分間約500mの間に6件の居抜き物件がありました。
この先もありそうなので、定線観察し続けます。
G1TOWER。
奥の白いタワーは、日本一高い213・5mのエレベーター研究実験塔。
50階建ての高層ビルと同じ高さになり、この付近を歩いていると、どこからでも眺められます。
擬宝珠(ぎぼし)。
五重塔・五輪塔など仏塔先端に飾られるものは宝珠で、橋などの欄干に取り付けられているのが"擬宝珠"。
イートインが出来るファミリーマート発見、ファミチキみたいな人形がお出迎えしてます。
雪で手袋が濡れて手先がジンジン、あまりにも寒かったのでコーヒー飲んで小休止。手袋を購入して雪の中にいざ出陣!
イートインがあるコンビニエンスストアは、現代版茶屋的な存在で、本当に助かります。
5.沢宿
湊街道。
まっすぐ進むと那珂湊、この道で栃木や福島方面に魚を運んでいたのかもしれませんね。
純白のビニールハウス。
普通ビニールハウスは透明ですが、先週日光道中を歩いた際に、純白のビニールハウスを複数目にしました。ひょっとしたら新製品で、今後あちこちで目にするかもしれません。
家族葬プランの広告。
消費者金融の広告の上に貼ってあります。
最近街道沿いで、1番多く増えていると感じる商業施設が家族葬の葬儀場。自然の摂理でこれからますます需要が高まるので、もっと増えると思われます。
神奈川県では火葬場が混んでて、死体安置用冷蔵庫の需要が高まっているとニュースで見ました。
例えが悪いですが、風が吹けば桶屋が儲かる的なお話ですね…
首都圏唯一の東海第2原発の近くを歩いてます。
2018年に運転期限の40年を迎えた後、最長20年の運転延長が認められ、2024年9月の再稼働に向かい、安全対策工事中。
本当に必要なのか、本当に安全なのか、ブラックボックスの中身がよくわかりません。
居抜き物件がバス会社、これはレアケース。
パチスロ店の前、道を挟んで消費者金融が軒を連ねてます。
なんとも、生々しい光景でした。
前方に山の稜線が見えてきました。
西から阿武隈山地の山々が迫り、街道は太平洋側に追いやられながら、徐々に福島県に近づいていきます。
東京ガス 日立LNG基地。
北上するにつれて、エネルギー関連の施設が増えてきました。
6.大橋宿
洪水避難タワー。
初めて目にしました。ロープが貼られていて、中には入れませんでしたが、上にはどのような設備があるのか気になります。
やる気ある方全員採用。
あたたかみを感じさせる、見事な募集キャッチコピー。
とはいえ、面接でやる気がないと判断されたら不採用になるのでしょうね。
この付近が大橋宿の中心部かと思われます。水戸宿を出てからは、宿場の街道遺構が全くありません。
この先大丈夫かなぁ…
7.石名坂宿
石名坂。
陸前浜街道を歩き始めて初の急坂、息が切れますが、急坂の後は楽しみが二つあります。
一つ目がふり返った時の風景、達成感が可視化される瞬間。
二つ目は昇った先の風景、街の景色が一変します。
木壁の蔵。
日立に入ると、木壁の蔵が増えてきました。3年間様々な街道を歩いて来ましたが、木壁の蔵は初めてです。
微笑む龍。
鳥居をくぐり、少し進んで拝殿上の龍を見上げると、微笑んでいる様にみえます。
神玉。
常陸國多賀郡の10の神社で授かる事が出来ます。
神葬祭。
初めて知りました。江戸時代に宗教政策で仏教を強いられて制限され、明治になると復活。
一般的な仏式葬儀は亡くなった人を極楽浄土や天国に送るための儀式。神葬祭は、亡くなった人が家を守る神様となるように祈るための儀式。
式の大まかな流れは、仏式の通夜→火葬→告別式に似ていますが、通夜にあたる通夜祭の前、逝去当日から儀式が執り行われます。
いろいろと忙しそうですね。
8.森山宿大沼宿
MARUTO。
福島県いわき市勿来発祥の小売店。
”ト”の看板、街道沿いでこの先一番多く目にする事になります。
ようやく石碑石仏以外の街道らしい遺構が登場しました。
味気ないですが満足。
街道沿いの無人店舗。
餃子店から始まり、肉・古本など、ここ2年位で大幅に増えてきました。
久々の常磐線。
この先、街道と常磐線は阿武隈山地と太平洋に挟まれた狭い平地を、縫うように北上しますので、頻繁に遭遇できると思います。
寒い一日でした。
明日はもう一日常陸國を歩き、明後日から磐城國に入ります。
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