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ボカコレ七転八倒超凸急(追記あり)

毎度お騒がせしております。たいして騒がれてもいないですが。
『ボカコレ2024冬』到来、またまた新作投稿です。

今回は作詞と作曲、ミクV4Xを除く調声、アレンジとミックス、動画編集と書き出し、投稿を担当しております。
上記の責任の一切合切はアテクシにあり、それ以外の責任は何もかも清水藍のものとご認識いただけますと幸いです。

ルーキー気分からの卒業

僕が『ボカコレ』楽曲制作に関わったのは、2022秋の3曲目「積み木のマーチ」のアレンジから。
音楽のプロではない3人だけで曲と動画を作ることなり、その体制では「超凸急」が実質5曲目となります。

今回からルーキー(投稿開始から2年)の資格を失い、競争相手がやたら多いTOP100、もしくはネタ曲REMIXのいずれかの部門を選ぶ必要があります。

パーソナリティの清水藍と「次はどうしようねえ」と話し始めたのは去年の年末。

清水は「ミクの声を楽器にしたい」と言い、僕は僕で「番組ジングルをひとつの曲にしたい」と言い、両者の主張をまとめてリズムのない曲を作ってみたりと、煮詰まらない状況が続きました。

ツービート万歳

2月10日、気づくと開催2週間前になっていたので、「こりゃやべえ」といったん全部リセットしてしまいました。

アタマを真っ白にしてリズムを打ち込んでいたら、2ビートのリズムができちゃったじゃねーかバカ野郎、相棒よしなさいってジャンジャン!

ツービートはほどほどにして、2ビートでパンクな感じのリズムができたので、あとは手弾きしたシンセに、ベースとギターを加えたら、あっという間にニュー・ウェーヴの出来上がり。
この1コーラス分のバックトラック(58秒)が、2月16日に拙番組『RADIO MIKU』でオンエアされたものです。

翌11日は出社して番組収録、帰宅して夜にはフルサイズ(1分46秒)を仕上げ、Moblile版ミクさんで歌詞入り仮メロディまで作ってしまいました。
オフボはこちら。

作業時間は実質10時間足らず、ボカコレ投稿曲では過去イチ最短となりました。

初のグロウル

先日ここに書いたように、詞と曲はオフボトラックを聴きながら、Mobile VOCALOID Editorで同時に作っています。

このVSQXデータを清水に送り、V4Xミクさんで調声してもらった音声データをオフボに乗せるというのが、我々の曲作りのルーティンになっています。

これを書いた翌日(投稿2日前)に清水から初音ミクV4Xの音声が届きました。

オケか強いため、ライブラリーはSOLIDで、初めてGrowl(グロウル、がなり)パラメータを使ったとのこと。

仮歌より力強くなり、歌詞のニュアンスは若干変わりましたが、「これもアリだな」とそのまま使ってます。

ニュー・ウェイヴ2024

毎度おなじみの、音楽的な背景も書いておきます。たいしておなじみでもないですが。

70年代後半に肥大化したロックや音楽産業へのアンチテーゼとして登場したのが、ニュー・ウェーヴ勢です。
英語で書けばNew Wave(以下NW)。
40年以上前のムーブメントですが、Newなのでとてもナウい音楽です。

ちなみに僕が好んで聴いていたのは、DEVO、B-52's、レジデンス、日本だとP-MODELや有頂天といった、テクノポップ寄りのバンドでした。

この辺り、僕が中高生だった80年代中盤に『ビックリハウス』『宝島』とともに、血となり肉となったジャンルです。
それゆえに手癖で作ってしまった感は否めず、我ながら「深みのない曲だなあ」と感心しています。

広義のNWには、なぜかデペッシュ・モードやデッド・オア・アライヴまで含まれるほど範囲が広く、世が世ならボカロ楽曲はすべて括られたことでしょう。

この界隈では、VOCAROCK(ボカロック)というジャンルがある程度確立しています。
実はそこへアプローチした楽曲も作ってみたかったんですよね。

歌詞も書いてみた

ちなみに清水が前回に続き、イラスト(とプロセス動画、初音ミクV4X調声)に集中すると宣言したため、今回は遅延を減らすべく、歌詞まで書かせていただきました。

清水が「実家に帰ろうかな」と言っているのを聞き、そう言えば斉藤初音アナも他地方に実家があるし、「帰省」をテーマにしようと浮かびました。

名古屋駅からの里帰りシーンなど、適当に書き上げたものがそのまま採用されております。
おい誰か止めろよ。

彼女たちが帰省前に味噌きしめんをすするとか、近所の人たちに説教されるとか、実家に忘れ物をするとか、その辺りの事情は妄想ですので、くれぐれも勘違いなさらぬよう。

もともと薄っぺらい人生を送ってきたため、特にリスナーに訴えたいこともなく、美しいストーリーを展開するわけでもなく、こんな歌詞でなんかもう、すいません。

一応韻は踏んだつもりですけどね、それだけでは大した世界観にはならないという好例です。

タイトルは弾丸帰省のストーリーと、最速で曲ができたことから、仮タイトルを「超特急」にしてました。
が、歌詞に「凹む」と入れていたこともあり、あまり皆さんが使わない表記「超凸急」に変えました。

その他

使用キャラクターは、ミクさんをメインに、前作同様MEIKO、KAITO、GUMI、氷山キヨテルの4人を登板させつつ「Oi!」しか言わせない贅沢ぶり。

DAWはCubasis 3、楽器はYAMAHA Mobile VOCALOID EditorKORG Gadget 3といった定番のiOSアプリ以外に、RolandのSH-4dS-1MC-101といったハードウェアでアナログシンセ感を狙いました。

動画は清水藍のイラストと、そのメイキングのタイムラプスです。

最近の清水は、公式から初の依頼となる初音ミク16周年への「お祝いメッセージ」、前作「Peppermint Rainbow」とイラストづいております。

こちら↓ではAdoさんやら中村獅童さんに交じって15人の「初音ミクがお世話になった皆さま」に選ばれてしまった清水、ステイタス爆上げであります。

そんな彼女は前作と違い、曲にイラストを合わせることになり、今までにない生みの苦しみに苛まれたようです。

動画では前半まで描かれたイラストをほぼ全部描き直すところまで、赤裸々に残されております。
誠にお気の毒さまでありますが、まあこれからも頑張れ。

現場からは以上です。

(3/3追記)
小見出しで「初のグロウル」と書くつもりが「初のSOLID」となっておりました。
ちなみに前回のボカコレ投稿曲「楽耳未来神社」でも、清水がSOLIDを使用しておりますので念のため。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。