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Roland GALAXIAS はじめました(2024/5追記)

先日唐突に発表されたRoland GALAXIAS。

これまでRolandが積み上げてきたプラグインシンセのターミナルとなるプラットフォームでもあり、かなり気になるものでした。

まずはお試し

ここにも書いたように、現在楽しんでいるSH-4dやS-1などのハードウェアと連携できればいいな、と思っていました。

が、ネックは、ダウンロード条件となるサブスクリプション・サービス”Roland Cloud”のUltimateプラン加入。

円安のせいで日本円にして3万円超え(2023年11月現在)となる年間払いは、サブスクといえどなかなかハードル高めです。

迷いに迷って出した結論は「とりあえず月額で始めよう」。

月19.99ドル、11月23日現在で税込3,365円です。
スポーツファンにとってはDAZNの月額料金くらいのもんですかね、よくわかりませんけど決して安くはないです。

Ultimateプランにしたかったのは、もちろんGALAXIAS欲しさではあるんですけど、やはり使えるようになる音源が変わることも大きいです。

例えばJUPITER-8ひとつとっても、ProプランてはソフトシンセZENOLOGYのモデル・エクスパンション(Zen-Core音源)でしたが、Ultimateプランに変えると、SYSTEM-8用PLUG-OUTモデル(ACB音源)が使用できるようになります。

まずは機種集め

Proプランで加入していたRoland Cloudでしたが、実はメインのカードを変えていたので、年間更新が半年以上停まっている状況でした。

久々にRoland Cloud Managerを立ち上げてアップデート。
そしてUltimateプランに加入すると、タブの一番左に”GALAXIAS”の名が。

ここからGALAXIASをインストールして立ち上げても、購入済みの音源(僕の場合はSYSTEM-1のPLUG-OUTシンセ数種)しか出てきません。

ここでまたRoland Cloud Managerに移って、”Legendary”から各機種、あるいは機種ごとの音色ライブラリーをダウンロードする必要があります。

もちろんサブスクなので、どの機種を何台ダウンロードしても追加料金はかかりません。
ただし全機種入れようと思ったら、そこそこ時間がかかります。

入れたい機種は全部入れた

再びGALAXIASに戻って確認すると、画面の右側のタブにインストールした機種が全て揃っています。
ここからシーンに最大4機種をピックアップします。

ちなみに僕はDAWソフトStudio OneのVSTプラグインにRolandフォルダを指定していますが、こちらにも音源が追加されていました。

Studio Oneのインスト一覧

SH-4dで弾いてみた

どうもパッドやマウスでシンセサイザーを操作するのが苦手で、肩が凝るし手もプルプルしてくるしで、ストレスが溜まるんですよ。

Roland SH-4d

そんな個人的事情もあり、ノブがたくさんあるハードシンセのRoland SH-4dをUSBで繋いでみることにしました。

繋いで弾いてみると、シーンに並べた4つの音源が一斉に鳴ります。
初期はMIDIチャンネルがすべてOmniのため、いきなりJUPITER-X状態です。

ここでINSTRUMENTタブからスプリット・エディターへ入ると、それぞれの楽器のMIDIチャンネルを選べます。
ここでは上から順にCH1からCH4をアサインしました。

MIDIチャンネル設定はこの画面で。

SH-4dでパートを切り替えると、連動してJUPITER-8、JUPITER-4、SH-101、JUNO-106が鳴るようになりました。

SH-4dと連動してみた。

そして一番試したかったのは、パラメーター操作をMIDI LEARNできるかということ。MIDI LEARNとは外部コントローラーからCCなどの情報を受け取って、特定のパラメーターを動かす機能です。

例えばSH-4dでレゾナンスのノブを回すと、ソフトシンセのレゾナンスが追随してくれるのです。
もちろん連動するパラメーターは任意で選べます。

右クリックでMIDI LEARN

ちなみに画面上でフル表示した機種の特定のパラメーターで右クリックすると、上の画像のように”Learn MIDI CC”と表示されます。

ここで連動させたいSH-4dのノブやスライダーを動かすと、表示が消えてMIDI LEARN完了です。

MIDI LEARNはマクロ・コントローラーからも

GALAXIASでは、画面下のマクロ・コントローラーでもMIDI LEARNが使えます。
こちらのメリットは、最大4つまでのシンセやリズムマシンをひとつのノブやスライダーで制御できることです。

ただし、マクロ・コントローラーにはスロットが16個しかありません。
まあこれだけでも7割程度の音作りはできますが、せめて24あれば、LFO周りやバイパスフィルターもケアできるんですけどね。
ただ、やってみてわかったのは、4台がすべてACBモデルだと相当メモリを喰うようで、ノイズがどんどん増えて、やがて音が鳴らなくなってきます。

SH-4dには11のオシレータータイプがありますが、そのうちビンテージ機としてSH-101とJUNO-106が含まれています。
せっかくMIDI LEARNさせたので撮ってみました。

SH-4dではフィルターは独自で調整されているので、出音は多少異なりますが、没入感は間違いなくマシマシです。

未完の印象

GALAXIASの商品ページにもあるように、DAWプラグインは後日対応ですし、スタンドアロンでも使えるシーケンサーは、アルペジエイターしか搭載されていません。
それゆえ楽曲制作の即戦力になるかというと、まだ未完の印象です。

現状はMIDIキーボードを繋いで往年の名機を演奏してみるとか、JUPITER-X/Xmのようにレイヤー演奏するには最適のソフトだと思います。

ただブラウジングが楽な点と、各機種のパネルが大きくて見やすいといった点は大きいです。
今回ノートPCでしたが、大きめのディスプレイを繋ぐともっと楽しめそうです。

何よりUltimateプラン加入により、手持ち音源にACBのJUPITER-8などが使えるというのは、今の制作環境にメリットがあります。
やっぱり音はいいなと改めて感じ入りました。

2024/5/18追記

実はあまりTRシリーズには愛着がなく、MC-303、MC-101、SH-4d搭載のPCM音源で満足してたんですけど、GALAXIASでTRシリーズを鳴らしていて音の良さに気づき、先日TR-6S購入に至りました。

ロの字は商売うまいな、というか拙者、完全に取り込まれております。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。