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今回のボカコレ投稿曲ではSH-4dが大活躍(追記あり)

8月4日から7日、ニコニコのボカロ楽曲投稿祭『ボカコレ2023夏』が開催されます。

これまでは4月頃の「春」と10月頃の「秋」の開催でしたが、今年は「春」が3月に繰り上がり、「秋」が「夏」に変わりました。

僕の担当番組『RADIO MIKU』では、『ボカコレ2021秋』からメディアパートナーとして、告知やランクイン楽曲の紹介をお手伝いしています。
同時に、番組で制作した楽曲を投稿しています。

開催期間が繰り上がったのは、本来のメディアパートナーとしてはありがたいんですが、投稿は正直大変です。

僕らの業界では2-3月は改編前でドタバタしており、7月はイベント前で、Web担当兼務としては休日返上期間なのです。

今年の春は、パーソナリティの清水藍が「『初音ミク JAPAN TOUR 2023 〜THUNDERBOLT〜』全会場制覇」とか言い出したので、僕が先行してバックトラックと動画を同時進行で作ることになり、清水にはそれに初音ミクV4Xで作詞・作曲をしてもらいました。

そして今回は、7月末のイベントで何かを練習して発表すると言い出し、結局今回のボカコレも僕が先行して曲を作るハメになりました。

清水のハナシはさておき、実は今回から制作環境を変え、バックトラックはRoland SH-4dで作ることに決めていました。

前にも何度か書いたんですけど、DAWで音を作るのがどうも苦手で、ノブやスライダーといったフィジカルなコントローラーを使わないと、欲しい音が作れないタチなんですね。

ほら、「カレーは素手で食べると美味しい」とかいうアレと同じですよ()。

とは言え、その後入手した同社のS-1の音の良さが楽しくて楽しくて、しばらくSH-4dを放置しちゃったんですね。
ACB音源のS-1とZen-Core音源派生のSH-4dでは、正直音の密度が全然違うんです。

ただSH-4dにおける、トラックを鳴らしながらノブで音作りできるポイントは他の機材にはありません。
6月に入ってから腕慣らしを兼ねて、SH-4dだけで6タイプほど短い曲を作りました。

7/7の放送では、5タイプかけたんですが、清水に「つまらない」と言われたAが最も新しく、Eに向かって古い順になってます。

最初に作ったFタイプは、一番完成に近かったんですが、ちょいとチルアウト感()が強い曲で、清水と話して候補から外しました。

これら6タイプの短編はそのうち「ボカコレへの道」(甲子園的な意味で)とか題して、ニコニコで公開しようと思ってますが、共通してるのは、マイナーで固めたところ。

フロアでYeah!みたいなのは、前回やったからもういいかなと。

そして今週7/21の金曜日の『RADIO MIKU』で、A〜Eの5タイプから作ったトラックを発表します。

ただこの2週間、別の仕事で休みがなく手付かずだったんですよ。
それで昨日(7/16)の収録に間に合わせるため、前日から久々の完徹でSH-4dに向かい合いました。

ソング機能がないので、パターンを16個、演奏しやすくするために、順になるよう作っていったんですが、途中でアイディアが浮かび新しいパターンを作るたびに順番を入れ替えなきゃいけないのが、ちょいと面倒でした。
チェーン機能付けてください、Rolandさん…

朝に清水へWAVファイルを送るため、パターン連奏をまるまるAudaCityで録音しました。
接続はUSBケーブルのみでOK。

で、演奏したものを通して聴いてみたら、すごいなと思っちゃったわけです。
いや、僕の才能じゃなくて、SH-4dの完成度が。

トラックごとに単体で音を鳴らすと、S-1に比べて貧弱に思えたんですが、リズムを入れて5トラック重ねると、すごく存在感のある音になるんですよ。
特にLo-Fi系のエフェクトを入れて、マスターでコンプをかけると、もはやマスタリング音源と言っていいクオリティが単体で作れてしまうんです。

DAWでは「厚みが足りないなあ」とトラックを10以上重ねてしまうんですが、いくら中身がZENOLOGYと同じと言えど、ハードだけあって、弄るべきポイントとその効果がとてもわかりやすいんですよ。

曲の中には、シンセ2トラックとリズムのみというパターンもあるんですけど、まるで貧弱さを感じません。
つかリズムトラックがすごく入力しやすくて、狙ったパターンが作りやすく、グルーヴを出しすいんですよね。
これは有能、マジで有能だよSH-4dは。

SH-4dで曲作りしようと考える向きに、おすすめのアルバムを挙げておきます。

IDMの巨匠となったスクエアプッシャーの最新アルバムで、アナログ回帰しているのが特徴。
アナログサウンドによるドラムンベースは、フルコピしたくなります。

ということで、今回のボカコレ投稿曲、前回と様相は違いつつも、かなりな意欲作となる予定です。
とりあえず7/21の24時はステイチューン()だぞ、乞うご期待。

さて、後は歌詞と動画するか…
これが一番厄介なんだけど。

(8/5追記)
動画公開しました。

SH-4dだけのバックトラックはこちら。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。