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2020年に良かった日本のコーポレートサイトまとめ

2020年に見たWebサイトで特に良かったものや印象に残ったものをまとめてみました。私も日頃から制作を手掛けている日本のコーポレートサイトに限定しています。

DENSO

見事な情報設計。この規模のコーポレートサイトをここまでシンプルに整理し、まとめることができるのかと驚きです。カルーセルやマウスオーバー、スクロールに伴うアニメーションも小気味よく、設計・デザイン・実装と全てのフェーズにおいて細部まで品質高く作られている。

rocking’ on

実用的かつ美しい。こちらも見事な情報設計。多岐にわたる事業内容をサブナビゲーション、サイドナビゲーション、パンくず、と効果的に使いながらナビゲートしつつも、決して雑然とならず端正な印象と分かりやすさを保っている。

天水福祉事業会

際立つ言葉の良さ。「メニュー」ではなく「もくじ」、「詳しく見る」ではなく「くわしくみる」、「2020年」ではなく「令和2年」。ちいさな丁寧さが積み重なって大きな良さを生み出している。自分もこういうところを大切にしながら作っていきたいと思うお手本のようなWebサイト。

QuoitWorks

サービスページがあまりにも良いのでサービスページへのリンクを貼ります。Webサイトに必要な情報とは何か、さらにいえばWebサイトとはそもそも何かをゼロから考え直して、言葉を紡いで、作り直したのではないでしょうか。「制作会社のWebサイト」というジャンルごと別次元に引き上げるような仕事ですね。尊敬。

CRAZY

メニューのくるくる回転するナビゲーションがなんとも魅力的。このメニューがなくてもWebサイトの機能としては何も欠けず作れるはず。でもブランドの一体感や価値観を伝えるためにインターフェースもユニークなものにするんだという気概がかっこいい。

東北新社

この規模の会社のWebサイトで、こんな遊びのある実装をできるなんて。しかもこの背景切り替え機能11パターンもあるなんて。そしてファーストビューにメニューと背景切り替え以外に何も出さないなんて。思い切りが良くてステキです。

renoma

renomaというブランドのことはよく知らないのですが、実家のタオルとかになぜかrenomaって書いてあるイメージがあります。日本の生活の中に入ってるくらいだから、かなり大きな会社ですよね。本当にこれはオフィシャルサイトなのか。インスタとコンタクトしか導線がない。すごいな。

--- 12/15に下記追加しました ---

mercari

セキュリティやプライバシーガイドといった「汎用流し込みテンプレート」などで作ってしまいがちなページを1つずつ丁寧にイラストと言葉を作っていて好感度がとても高い。「脆弱性の報告」ページのイラスト最高ですね。バグを見つけたんですね。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ

ページ下部のプレゼンテーション用の字幕が素晴らしい発明。来年同じような機能を持ったWebサイトたくさん出てくるだろうな。コンセプトと、それを伝えるデザインの明瞭さが相乗効果となって「Webサイトを体験した」という印象が強く残る。

フルスケール

「英語を使わない」というルールがとにかく良いですね。アクセスページも車、JR、バス、飛行機と4ルートでの行き方が書いてあって、情報を誰に向けて発信するのかを考え抜いたんだろうなと思いました。優しくてすてきです。

--- 12/17に下記追加しました ---

and

写真いいですね。作業着もかっこいい。非常にシンプルな設計とデザインゆえに、そこに載せられた写真と言葉の良さが浮き彫りになっている。リクルートページのメイン写真「AND NEW」の箇所だけが見えるようになっている構図最高です。あとドメインもエモいです。

真面目

会社概要の「沿革」が面白いので、会社概要へのリンクを貼ります。「沿革」が面白いってほとんどないことだと思います。ブログや社員インタビューじゃなくて沿革で会社の雰囲気を伝えるというアイデアが良いですね。 来年また沿革をみるためにサイトを訪れたいと思います。あとグリッドに沿ったトランジションの演出もステキです。

●選定基準

まとめるにあたって、デザインブックマークサイトを1年分見返しました。多くのWebサイトの中で、自分が惹かれるのはどれも制作プロセスの丁寧さやチャレンジが滲み出ているものでした。一方でビジュアルとしての新しさや格好良さがあっても下記のような傾向のあるWebサイトには魅力を感じませんでした。

・アニメーションなどの演出過多で内容に目がいかない
・英語が多くメッセージや情報の出し方が一方的
・1画面の情報量が多く認知不可が高い
・情報設計やUXライティングへの工夫がない

コーポレートサイト全体の印象としてはコモディティ化を脱して「らしさ」を追求した個性的なものが増えてきてるように感じます。2021年も楽しみです。

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