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サビノワとリユドミラ物語.ロシア語の歌 Екатерина Савинова и Людмила Сенчина

Приходите завтра「明日来なさい」(1963年,ソビエト映画)は,1540万観客の大ヒット映画(ロシア語)です.シベリアの寒村からИнститут имени Гнесиных モスクワの音楽学校に入ろうと出てきた才能ある少女の物語です.重い荷物を背負って一人で都会に出てきた元気で愉快な純粋な少女です.しかし,モスクワに来たときは既に遅く入学試験は終わっていました. 少女の役名はФросяフローシャ.これは実在のЕкатерина Савиноваサビノワの伝記映画で,サビノワ自身が主演し歌います.あの声はサビノワしか出せません.私がこの映画を知ったのも彼女の3.5オクターブ出るという魅力的な声の歌を耳にしたからです.音楽学校の玄関で有名なソコロフ教授に何度か訴えます.ついに引き出した教授の返事が Приходите завтра!「明日来なさい」でした.教授に学校のオーデトリウムで聞いてもらえた彼女の歌声がすばらしい.教授もフローシャの純粋さと素晴らしい声を見抜き,何とか入学させようと動きます.この映画はサビノワが自分で主演した愉快で楽しい映画で,私はとても好きです.しかし,残念ながら,その後のサビノワは,生牛乳を飲むと牛から感染する病気*が重くなり鉄道自殺(1970年,43歳)してしまいます.
*注)ブルセラ病と言います.ナイチンゲールの記事でも書きました.
https://note.com/sgk2005/n/n2b8fcf8a0b50

■興味深いのは,1963年にウクライナで高校生時代に,Людмила Сенчинаリュドミラ・センチナはきっとこの映画を見たのではないかと私は想像します.リュドミラは成功して,ロシア人民芸術家歌手になります.彼女は今年(2018年)の1月25日に,ペテルブルクの病院で死去(67歳)しました.
リュドミラは,高校を卒業して,歌手になるために,ウクライナからレニングラード(現ペテルブルグ)に出てきました.でも,そのとき音楽学校の試験は終わっていたのです.よく似た話があるものですね.サビノワと違うのはペテルブルグに親戚がいたことです.
リュドミラの代表曲は,Песня Золушкиシンデレラの歌

その他のリュドミラの歌(昔NHKロシア語講座で見たこともあります)
以下の訳詞は私訳です.


■石ころの歌
А по камушкам, а по камушкам,
А по камушкам речка бежит
В даль далекую: к морю синему
Путь ее беспокойный лежит.
石ころに沿って,石ころに沿って
石ころに沿って小川は流れる
はるか遠くの青い海へ
その旅程は静穏ではない
■恋の花(原題はВсегда и Сноваいつでも何度でも)
Красный лист по озеру плывёт,
А за ним летит снежинок стая,
А любовь смеётся и поёт
Ни зимы, ни осени не зная.
А любовь, а любовь
Смеётся и поёт.
湖面に赤い葉が漂います
その後に雪の群れが飛ぶ
だが恋の花は笑い歌います
冬であろうが秋であろうが
恋,恋の花
笑い歌います

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