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生き物を見つける

私の実家は人里と言うのもおこがましいくらいの山奥にある。仙台に出てきてからは、すっかり街中の暮らしである。そんなわけで、生活の中で見つける生き物たちに親しみを感じる。

今日は通勤中に塀のふちに止まったトンボを見つけた。暑いから一休みしているのだろうか。そんなことを考えると、ふっと心が軽くなる。

私は生き物を見かけたら、すぐにその名前を調べるようにしている。今日見かけたのはアキアカネのようだ。目に入った生き物や草花の名前を知っていると、親しい友人と久しぶりに再会したような感覚を味わえる。とても喜ばしい体験だ。

そういえば、都会育ちの友人は蝉の鳴き声の区別がつかないと言っていた。そんなものなのだろうか。学生時代、塾講師をしていたときに、教え子に春の詩を読み聞かせたことがある。“つくしんぼ”や“ふきのとう”といった春の草花の名前にキョトンと首をかしげる。そうか、知らないのか…。少し寂しい気持ちになる。

仙台は街の中にいても、自然を感じることができる。少し遠出すれば、山や海がそこにある。良い街だと思う。自然に目を向けると、生活に彩りが加わる。豊かな暮らしとは、そのような心持ちのことでありたい。

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