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親知らずを抜く

親知らずを抜いた。人生で初めての体験だった。

私は虫歯というものになったことがなかった。すっかり油断していた。ある日ポテトチップスを噛み締めた瞬間にバキッという音と共に親知らずが砕けた。

歯医者を予約し、診察してもらったのが4月である。立派な虫歯ですね〜と歯医者さんはニコニコしている。親知らずだったので、その場では簡単な治療にとどめて、後日抜いてしまおうということになった。

なんだかんだと月日は流れ、今日ついに抜歯の日を迎えた。朝からソワソワと緊張していた。軽食をとってから歯医者に向かう。

施術は一瞬で終わった。麻酔もとてもよく効いて、メキッという音がしただけで歯が抜けてしまった。こんなに簡単に終わるなら、虫歯になる前に抜いてしまえばよかった。

親知らずは残り3本となった。右下だけ、横に生えてしまっているため、不安は残る。無事にスポッと抜けて欲しい。長年連れ添った腐れ縁だが、綺麗なお別れを切望している。

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