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#9 絵本の読み聞かせに対する態度と親の役割

幼児期からの絵本の読み聞かせは子供に対して広範に、かつ多大な影響を与える。
様々な調査、研究から示されており、読書習慣の大切さは割と広く認識されているところです。

前回は幼児の読書量、親の読書に対する態度について簡単に調べましたが、今回はタイトルの内容に焦点を充ててみていきます。
※前回の記事は以下になります。

「共有型」と「強制型」という観点

「絵本の読み聞かせをする」と言っても、その内容は様々で、行動主義、認知主義、構成主義的な視座から見ることも検討できるはずです。

例えば、行動主義的なアプローチでは、
・絵本を読むこと自体に賞罰を与える
・絵本の読み聞かせにゲーミフィケーションを取り入れる
といった行動面に着目して、絵本読み聞かせが与える影響を見ていくことも考えられます。

深入りしすぎると非常に長くなるため、ここでは

「幼児期の絵本の読み聞かせに母親の養育態度が与える影響:「共有型」 と「強制型」の横断的比較」

という文献から、幼児の絵本読み聞かせに対する影響を見ていきます。

齋藤らは、幼児の絵本読み聞かせについて、読書スタイルとして

・子ども中心とした体験を享受させる「共有型」
・親によるトップダウン的、時には罰を与えることも厭わない「強制型」

上記2つに分類して、幼児に与える影響を調べています。

結論としては、「共有型」の読み聞かせは絵本に対する主体的な態度を育てていることが示唆されています。

この研究では、言語的なコミュニケーションとは別に、その場面における行動といった非言語的コミュニケーションについても示されています。
強制型では、マイナスな語気や態度、一緒に読むというより、文字通り「聞かせる」という印象を受けます。
子供の読書に向かう主体的な態度に関しては、子供が本を読みたいと思うような働きかけに差が出るように見えます。

非言語的コミュニケーションが子供に与える影響という点に関して、さらなるリサーチの余地がありそうです。

また、世間一般で「自走」という言葉がありますが、この自走をどこまで促せるかは非常に重要だなと思うところです。

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