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2023年7月までの楽しかった「観たもの」たち


はじめに

タイトル通り。
本当は6月末に内容をまとめて、7月には投稿しようとしていたのに、もう8月になっている。計画性がない。
「観たもの」を振り返るので、お笑いライブとは限らないのでご注意を。様々なコンテンツの中で「良かった!」と思ったものを羅列するが、日付順というだけで優劣などはない

私が「何を観たか」はInstagramの投稿である程度、追えるようになっている。
「このライブのことは書くのに、このライブのことは書かないのか!」と憤慨されたら申し訳ない。
本当は「観たもの」すべてにコメントを添えたいが、そうすると大変なことになる。取捨選択してしまったことは、どうか許してもらいたい。

私が書かなかったことは、代わりにアナタに、アナタ自身の言葉で、書いてもらいたい。それを読ませてもらえたら幸せだ。

簡単な感想や、それに付随する想い出は書くが、ライブそのもの詳細な内容は書かない
理由は、私がNONSTYLE・石田のかつてのブログ記事『ライブレポって大嫌い』から、多大な影響を受けているからである。

当時と現在では状況が大きく異なるし、恐らく石田が批判しているのは、漫才やトークライブの内容を「すべて」文字起こしするようなレポだろう。

私もかつて、好きな芸人の単独ライブの漫才の「すべて」を文字に起こされ、「こっちはお金を払っているのに、無料で広めちゃうなんて、そりゃないよ……トホホ……」と思った経験がある。

今は配信の時代なので、配信の購入に誘導させるような簡易なレポを書くことは大切だ。私もそれを出来る技術を持ちたい。

M-1ツアーのような「流れ」のあるライブでは、「各地の出来事」をリレー形式で伝聞していくことも必要かもしれない。

しかし私が今回書く記事の「観たもの」は、もともと配信がなかったり、あったとしても配信期間が終了していたりするものばかりだ。
あの場にいたお客さんと出演者の方だけが「分かる」内容を心掛けたい。

もちろんこれは私の考え方なので、誰かに押し付けたりはしない。レポなんて、好きなように書いたら良い。

そしてこのnoteは長すぎるので、暇つぶしとして読んでもらえたら。

上記にもあるように、あくまで「感想」と「思い出」と「自分語り」なので、ライブレポートだと思って読み進めたら、「時間の無駄だった!」と心底後悔するハメになるので注意してもらいたい

人によって呼び捨てだったり、さんづけだったり、様づけだったりしてしまっているが、そこには「関係性」や「長年ファンをしていたらいつの間にかそうなった」など、それぞれ歴史があるので、どうか目を瞑っていただきたい。

1月

●銀シャリno寄席(1/2 配信)

生で観たもののみを書こう!と思っていたが、これに触れない訳にはいかない。
出演者が昨年の11月に発表になった段階で、かなり楽しみにしていた。

流石に良すぎたので、当時の私がTwitter(今はXと呼ぶらしい)でもはしゃいでいる。
大自然がお休みだったことが残念だけれど、なんてワクワクするメンバーなんだ!
この出演者を、銀シャリが選出しているところも胸アツだ。

銀シャリは二人とも漫才が大好きな上に、チャンピオンという権力も持ち合わせているので、事務所の垣根を取っ払った、楽しい寄席を開催できる。

ななまがりのハプニングも含めて、「漫才好きによる漫才好きのための寄席」といった感じだった。この寄席が配信延長にならないところが、なんていうか、ちょっと切ない。

●RGがあるあるを歌い続けフースーヤが中華コレクションをやり続けマイスイートメモリーズが変〜!なコントをし続ける会(1/27)

このライブだけは揺るがない。2023年全体を振り返ったとしても「結局、このライブを越えられませんでした」になるかもしれない。
雪の降りしきる祇園花月に、なんとかして辿り着いた人たちのみが目撃することを許された、「奇跡」のライブだ。

すべての条件が良かった。
RGが袖ではなく板の上からネタを観ていたこと。フースーヤの振る舞い。マイスイートメモリーズの選んだネタ。……すべての条件が揃って発生した「奇跡」だ。
このライブを選んだ自分を褒めたいし、雪の中辿り着けた自分も褒めたい。

「面白いものが生まれていく瞬間」に立ち会えたことの幸福感。
こういうライブがあるから、「やっぱり観たいものはなるべく現地で」と思ってしまう。

全員がベストパフォーマンスをしてくれたライブだったけれど、MVPはフースーヤ・谷口さんだったと、ずっと思っている。
よしもと漫才劇場の手売りで谷口さんを見掛ける度にそれをお伝えしたくなるのだが、彼の列はいつも大人気で、伝えられずにいる。

マンゲキの夏フェスでは、リメイクしたバージョンをお披露目してくれて嬉しかった。
しかし正直に白状すると、祇園花月でのマイスイートメモリーズ・花谷さんの輝きは、あんなもんじゃなかった。

終演後に写真撮影タイムが設けられることの多い「あるあるライブ」だが、この日はネタ中にRGさんが「今撮って!」と言ってしまうくらいの盛り上がりだった。

「花谷パチンコ」の前では皆すかんぴんに
なってしまう。しかし、満開の笑顔なのだ。

2月

●TAITAN CINEMA LIVE(2/10)

ウエストランド優勝後初のタイタンライブ/タイタンシネマライブ。
私はタイタンシネマライブが大好きで、2022年は8月以外すべて観に行った。
8月は、前日が結婚式でクタクタすぎたので不参加。許してほしい。自分が主役の結婚式は、流石にクタクタになる。
タイタンシネマライブの魅力については、いつかじっくりnoteに記したい。

まさか、よりによって、あのTITANから、M-1チャンプが誕生するなんて!
ウエストランドのことはタイタンシネマライブと、たまの関西のライブでしか観ていなかったが、2ヶ月に1度以上のペースでネタを観ていたら、情だって抱く。

私の行くようなライブでは、彼らはずっと『あるなしクイズ』のネタを試していたから、あのネタで優勝したことは感慨深い。

「また『あるなしクイズ』かよ」と思ってネタの導入を観ているのに、ネタが終わったら「面白すぎる……」としか思えない日々。
それくらいウエストランドは『あるなしクイズ』に賭けていたし、何度観ても笑ってしまうくらいには、私は『あるなしクイズ』に屈していた。

「爆笑問題とキュウを目当てに映画館に吸い込まれたのに、またウエストランドで一番笑ってしまった……」と、彼らに降参し続けた2022年だった。そのネタで掴んだ、優勝。

「タイタンライブに出られる」のはTITANの若手の中ではかなりの精鋭たちで、用意するネタも、気合の入ったものばかり。この日のシネマライブも、楽しいネタしかなかった。

エンディングトークで「チャンピオン」として登場し、爆笑問題から祝われるウエストランドの姿には、グッと来るものがあった。
例えウーチャカの拍手が、3回だったとしても!

●流々転(ルルテン)vol.2(2/24)

2022年の大きな財産として、「涼風と、どくさいスイッチ企画を知ることができた」がある。
彼らがいなければ今の私はいない。

キュウのネタを好いている人間が涼風のネタを好いてしまうのは、分かりやすすぎて恥ずかしい。しかし好きなものは好きなのだ。仕方がない。

ゲストは人間横丁。
涼風×人間横丁なんて、楽しくないはずがない!
人間横丁が涼風を、涼風が人間横丁をリスペクトしている様子が伝わってきて、満ち足りた気持ちになれた。

幸せになっちゃうね(その①)
幸せになっちゃうね(その②)

●ガングリオンとともだちライブ(2/24)

この日がガングリオンとの出会い。
まさか「こんなこと」になるなんて!ねぇ?クボ様(クボ様は私のnoteを読んでくれているらしいので、もう直接語りかけちゃいます)!
まさかこんなことにるなんて!人生って面白いですね、クボ様!!文様!!まーちゃんさん!!

3月

●Kakeru翔SP(3/2)

私は非国民なので、あまりマンゲキへ足を運んだ経験がない。
あったとしても、吉住だったり、寺田寛明だったり、かが屋だったりを目当てに観に行く程度。あとは気になるコンビの単独ライブをチョロっと。

タイムキーパーから単独ライブの手売りを買いたくて、それならネタも、と気軽に入ったKakeru翔SP。

そこで翠星チークダンスのネタを生で初めて観て(もちろん彼らの存在は知っていたが、ネタを生で観るのは初めてだった。本当に不勉強で恥ずかしい)、感銘を受けた。

【漫才が上手すぎる】。

翠星チークダンスのネタに対しては「漫才が上手すぎる」としか言えない。それ以上の言葉を持ち合わせていない。
翠星チークダンスにはきっと、独自の、そして揺るぎない漫才論があるだろう。そんなお二人のネタに対して、私が幼稚で稚拙な言葉を並べたところで、きっと二人は満足しない。
だから私は繰り返す。
「翠星チークダンスは漫才が上手すぎる!」と。
あまりに感銘を受け、Kakeru翔SP終わりに木佐様をDMで呼び出し(図々しいお願いでしたのに対応していただき、本当にありがとうございます!)その場で単独ライブの手売りチケットを買った。

翠星チークダンスは手広く楽しいことをやっているから、すべてを追い切ることはできない。しかし、きっと私のペースで追い掛けたいコンビになるんだろうな、とボンヤリ思っている。

●納豆(3/19〜)

どうして初回の『納豆』に行こうと思ったのだろう。その日は3ステを回すことは確定していて、「じゃあシメに『納豆』も寄っていくか。500円だし」と白鯨に飛び込んだ。
この時の自分の判断は、ファインプレーとしか言えない。

私はガングリオンのファンを名乗れるほどガングリオンのライブに行けていないが、それでも『納豆』だけは欠かさず行っている。
ガングリオンのファンは優しくて聡明な人たちばかりなので、「『納豆』にしか来ない私」のことも受け入れてくれるし、「愚かな私」で笑ってくれる。

7月末で『納豆』は10回を迎え、「ライブ内での私のキャラ」も固まりつつある。
『納豆』では毎回お客さんから悪口を募るのだが、如何せん大喜利ができないので、長文の怨念(クボ様曰くレポート)を送り付けている。
それを楽しんでくれるチームクボと納豆勢には、感謝しかない。しかもその悪口は、漫才に昇華してもらえることがある。
『納豆』は私を「人間」に戻してくれる場所だ。
これからもネバネバしていきたい。

●爆笑お笑いフェス in神戸(3/25)

私は抜け連(気抜け連中)である。
気抜け連中とは『爆笑問題カーボーイ』のリスナーのことだ。気が抜けているから、気抜け連中。
ちょっと失礼なところが、ウーチャカらしくて良い。

『カーボーイ』に支えられる夜が何度もあった。

爆笑問題が好きだ。
爆笑問題の漫才だけでなく、爆笑問題が好きで、太田光と田中裕二と太田光代社長が好きだ。
だからついTITANを応援してしまうし、例えば春とヒコーキみたいに、爆笑問題に憧れてTITANの門を叩いた芸人には、親近感を感じてしまう。

死ぬまでに一度、爆笑問題のネタを生で観たいと思っていた。
私が先に死ぬか、爆笑問題のどちらかが先に亡くなってしまうかは分からなかったが、とにかく、互いが生きている間に爆笑問題の漫才を拝みたかった。

そんな中、爆笑問題が神戸に来てくれるという吉報が届いた。二部とも行くべきか悩んだが、京都から神戸は地味に遠い。朝起きるのが苦手な私は、二部に駆けつけるのが限界だった。

早坂営業には何度か行ったが、神戸はかなりの豪華メンバーだった。
人力舎からは吉住がいて、真空ジェシカがいて、スパイシーガーリックがいた。TITANからはダニエルズがいた。
かが屋、三四郎、お見送り芸人しんいち、どぶろっく、ランジャタイ、モグライダー、エイトブリッジ、そしてU字工事までいる(オンバトで育ち、旧M-1に想い入れのある私にとって、U字工事は大スターなのだ)!

それだけでも豪華なのに、爆笑問題まで来ちゃうなんて!そんな……!そんな贅沢があって良いのですか?
関東を拠点とする芸人を好きになりがちな私としては、早坂営業はありがたい存在である。

早坂営業のライブはあくまでも営業なので、お笑いファン向けというより「地元に芸能人が来たから行ってみよう」の層に向けたネタ選びになるが、それでもやっぱり嬉しいメンバーだ。

早坂営業はいつも大きいハコでのライブだが、必ず後ろにスクリーンを貼り、後方のお客さんでも観やすい工夫をしてくれる。
丁寧なライブだなあと感心するし、大きいハコでライブを打つなら、早坂営業のスタイルを取り入れるべきだとも思う(吉本興業さん、貴社に言っていますよ。M-1ツアーの規模感のハコで、サンパチマイク一本だけで、あの価格設定は、私は不誠実だと思いますよ。3階席のお客さんに、もっと寄り添ってあげてください)。

どぶろっく、お見送り芸人しんいちが、それはもう客席を盛り上げる。フェスが如し。歌ネタのパワーは凄い。

モグライダーもランジャタイも、時間を守ってネタをする。
吉住が、かが屋が、客をイジってからコントに入る。
それが、早坂営業。
早坂営業だけでは物足りないが、たまに観るには楽しい。物販にサイン入りDVDがあるので、つい早坂営業で買ってしまう。

そんな愛すべき早坂営業の最後に、爆笑問題は登場した。光沢感のある紅いスーツが、最高にキマっていた。
生の「助けてくれー!」で興奮しない爆笑問題のファンなんていない。
はしゃぎすぎて客席から「プシュー!」をやってしまった。イタい。
しかし、それくらいは許してほしい。だって爆笑問題の優しさに包んでもらえて、今の私があるのだから。

爆笑問題には営業用のツカミなんて必要ない。板の上に立ち、漫才をして、帰る。
他の芸人より与えられたネタ尺は長かったはずなのに、どの芸人よりも一瞬だった。面白くて、格好良かった。

たまにテレビで、この日のスーツ姿で漫才をする爆笑問題を観る。
TITANのスタイリスト班は優秀なので(ウエストランドの衣装もいつも素晴らしい)、どのスーツだってお似合いなのだが、私の中では、真紅のスーツは特別なスーツになった。

「好きだなあ」。
そんな言葉では表現できない「好き」を抱えて、私は涼風の単独ライブに行った。
涼風のネタまでに気持ちを切り替えられたのは、ちょっと偉いと思う。涼風の単独ライブも、とっても楽しかったから。

●ごくごくファイヤー(3/27)

トリプルファイヤーというバンドが好きだ。
歌詞が好きだ。私は歌詞でしか音楽を聴けない。
友人に指摘されて気付いたのだが、私は小説を読むことが困難なとき(布団に入って寝付くまでの間や、通勤の時など)に、音楽を聴いているらしい。
「小川は歌詞を小説と同等に捉えている」と言われたし、「良い歌詞を書くアーティストはいないか」と尋ねたら「諦めて小説を読め」と返された。諦めたくないけれど。

婉曲した表現の歌詞が好みだ。
ストレートな言葉より、大切なことを50層くらいのオブラートに包んでくれる歌詞のほうが好きだ。
オブラートを剥いでいく作業は楽しいし、オブラートを剥がした後に「この曲って実はこれがテーマですよね?」とバンドマンに伝えて、「よく気付きましたね!」と太鼓判を押してもらえる時間も好きだ。

私の好きなバンドは、「コミックバンド」と評されることが多い。というか、コミックバンドのフリをして、「物凄いこと」を歌っているバンドが多い。

性格がオシマイなので、そのバンドのことを「コミックバンド」と捉えているリスナーを、心の中で馬鹿にしている。
そのような「好きなバンド」をいくつか抱えているが、トリプルファイヤーもその一つだ。

最近のトリプルファイヤーは、まだ音源化されていない新曲を中心としてライブで演奏することが多いが(YouTubeでのみ、ライブ映像として音源が上がっている場合もある)、この日のトリプルファイヤーのセットリストは、「初めてトリプルファイヤーを聴く人」にも親切な内容だった。
「あ!この曲は代表曲だけれど、案外ライブでは聴けていないかも!」という曲をたくさん聴けて、とても満たされた。
ジュースごくごく倶楽部の曲(例えば『サボりの歌』)と、トリプルファイヤーの曲(例えば『銀行に行った日』)は親和性が高いと思っているので、ジュースごくごく倶楽部のファンの方も是非、トリプルファイヤーを聴いてほしい。

令和ロマン×タイムキーパー緊急ツーマンライブ『太陽を向き〜ながらパーを出せ』(3/30)

令和ロマンの祇園花月ツーマンライブはすべて通っている。いつもコーナーMCはタイムキーパー。漫才にはあんなに安定感があるのに、ちょっとグズグズなコーナーMCなのが愛らしい。
「いつかコーナーMCではなくて、本当のゲストとしてタイムキーパーが呼ばれると良いなあ」と願っていた。
令和喜多みな実の代打でのゲストとなったが、それでも楽しかったし、令和喜多みな実・河野さんのMC力を痛感させられた。

令和ロマンの祇園花月ツーマンライブは、ホスピタリティの高いライブだ。色んな角度でおもてなしをしてくれる。
「生で観る」ことに意味がある。
令和ロマンは吉本の宝だ。

笑い飯とのツーマンライブで、一旦シリーズは終了なのだろうか。
祇園花月をあんなにパンパンに出来るコンビはなかなかいないので、今後も是非続いてほしい。

4月

かが屋第4回単独ライブ『瀬戸内海のカロカロ貝屋』(4/9)

良かった。良かったとしか言えない。
良かった!
セットや幕間の映像なども工夫されていて、充実した単独ライブだった。
かが屋はコントが好きなんだなあと実感したし、そんなかが屋が好きだなあとも思えた。

TITAN CINEMA LIVE(4/21)

私の中では、エレキコミックの優勝でしかなかった。「10位先輩」であるやっつんとだっつんの優しさに泣きそうになってしまった。エレキコミック……っていうかエレ片、いつもありがとう。エレキコミックからの「1位後輩」への愛を感じたよー!ホントだよー!

漫才こそはすべて(4/24)

リピーター率の高いライブらしい。私もこの日から、リピーターになる決意をした。

翠星チークダンス・丸亀じゃんご・タイムキーパー。この3組が『漫才こそはすべて』というタイトルを背負っていることに痺れる。

ネタなんて、面白くないわけがない(単独ライブがあったばかりなのに、新ネタを作っている翠星チークダンスは良い意味での変態だ)。
このライブがZAZA Poket'sなことが勿体ない。もっともっとたくさんの人に、3組の漫才を観てもらいたい。

5月

水中、それは苦しい×トリプルファイヤー/o.a.佐藤守晃とブルーハワイ(5/1)

名古屋に駆け付けた。駆け付けるしかないでしょ、こんなメンバー!
ツーマンライブは入り口でお目当てを聞かれるので、泣く泣くトリプルファイヤーと答えたが、水中、それは苦しいだって勿論お目当てだ。
『芸人の墓』は聴けなかったけれど(あの曲は「喰らう」ので、聴けなくて良かったのかもしれない)、『保育園落ちた、吉田死ね』や『農業、校長、そして手品』を生で聴けて、更には「手品コール」も出来て大満足。
ジョニー大蔵大臣のMCで大笑いし、「もう音源を聴いているだけの生活には戻れないなあ」とボンヤリ思った。
トリプルファイヤーは勿論とっても良かった!ごくごくファイヤーより攻めたセットリストで、聴き込んでいるファンはニッコリだ。
佐藤守晃とブルーハワイは初めてだったけれど、両方のバンドと共鳴していて、良いブッキングだなと感心した。

佐伯祐三―自画像としての風景(5/10)

佐伯祐三という画家が好きで、「佐伯祐三展」みたいな展覧会に行くのは今回が3回目。
回顧展としての佐伯祐三展は、15年ぶりらしい。
美術部だったので、美術館には何回も部活動の一環として連れて行ってもらった。美術館が好きだ。
それぞれの美術館には特色がある。長所を理解し、展示方法に工夫を凝らす美術館にキュンとなる。私の推しは、兵庫県立美術館。

今回足を運んだのは、大阪中之島美術館。このハコはあまり好きではないが、ハコの良し悪しくらいで、佐伯の鮮やかさが衰えることはない。

「佐伯祐三の良いところ」はいくつもあるだろうが、私が好きな点は、「実家が太い点」と「活動中に評価されていた点」の2点である。

実家が太いのでお金がある。
油絵の具は高額だ。絵の具を油で溶いて、薄く塗り重ねる画法もあるが、佐伯は違う。
チューブ(当時の絵の具がチューブだったかは知らない)からパレットに絵の具をモリモリと出し、「ウヒョー!油絵の具をたっぷり使って、ベタベタ塗るのは楽しいぜ!」みたいな絵を描く。

若くして評価されているので、メソメソした絵もあまり見当たらない。講師に怒られたことにブチ切れて、自分で描いた絵を踏んづけたりはしているが。

ゴッホなんて、観ているだけでこちら側がツラくなってしまう。しかし佐伯は、楽しく絵を描いてくれるので好きだ。

「油彩好き!パリ好き!芸術って楽しい!」が、私の抱く佐伯への印象だ。

地元で観た絵や、東京で観た絵と再会したり、初めましての絵と出会ったり。
「久し振り!元気してた?」。「お!良い額縁に入れてもらってんじゃん!」。「あらまあ、初めて観るけれど、この青色の使い方が素敵ね〜」。「いや、構図取るのウッマ!!!!」。いろんなことを、絵と「おはなし」した。

「絵とおはなしする」というとイタい人だが(実際私はイタい人なので、その認識で間違っていない)、芸術鑑賞は作品と自己との「対話」だと考えているので、私はこれからも作品に語りかけるし、作品からの声にも耳を澄ませたい。

SNSでバズること等を狙ってか、撮影可能な美術館が増えたが、私は作品と「おはなし」がしたいので、せめて無音カメラにしてくれないかなあ。でも無音カメラだと、お客さんが盗撮の被害に遭っても気付かれにくいしなあ。

そもそも絵画や彫刻をカメラに収めて「観た気」になるなんて、ナンセンスじゃないか?という議論は、きっともう終わっている。
私は肉眼で観たいけれど、カメラに残すことを大切にしたい人もいるのだろう。
それぞれの楽しみ方を尊重すべきだ。

新しい芸術との向き合い方と折り合いをつけるのは、今後の私の課題である。

6月

THE ROB CARLTON本公演『Meilleure Soirée』(6/2)

ヨーロッパ企画を中心に京都のコメディ系の劇団をゆるゆる追い掛けていたのに、THE ROB CARLTONの本公演は何故かタイミングが合わず、一度も観に行けていなかった。ヨーロッパ企画の客演としてや、朝ドラのチョイ役としての彼らは観たことがあったのに。

満を持しての本公演。すっごく笑った!
「初めてのTHE ROB CARLTON」がこの劇で本当に良かった。

THE ROB CARLTONはこれを「演劇」として出力しているから、この公演は演劇なのだが、「今回は100分のコントを上演します」と言われたら、「そりゃまあ、これだけ笑っちゃったらコントだよなあ」と納得してしまう。

コントとコメディの境目は曖昧だ。劇団がコントをやることに対して、そんなにムキになり、目くじらを立てる必要があるのだろうか。
芸人だって演劇をするんだし、曖昧なまま両者を楽しみたいというのが、私の勝手なスタイルだ。

どくさいスイッチ企画第三回単独『前向きな歌』(6/4)

素晴らしい単独ライブには、「素晴らしい単独ライブだった」としか言えないことが悔しい。
素晴らしい単独ライブだった。
「一人コント」の美しさ、強さ、奥深さを味わえた。
夢のような時間だった。
会場に「みんな」がいすぎて笑ってしまったが、そりゃ「みんな」も来ちゃうよね。どくさいスイッチ企画さんのことは、「みんな」が大好きだもん。

どくさいスイッチ企画さんは現在、YouTubeやRadiotalkに力を入れているので、なんの宣伝効果も見込めないが、一応ここでも宣伝しておく。

リバー、流れないでよ 公開初日舞台挨拶(6/23)
詳しくは別記事を参照してください。

「リバー」「リバー」と騒ぎすぎて、私をキッカケとして、なんと5人も、『リバー、流れないでよ』を観に行ってくれた!これは快挙である。
しかも別の方は、ヨーロッパ企画の本公演『切り裂かないけど攫いはするジャック』のチケットを取ってくれたらしい!
口うるさくツイートしてみるものだ。
今後も「リバー」と言い続ける。

『リバー、流れないでよ』は海外でも褒められ始めている。
最近の人は「勝ち馬に乗る」ためにコンテンツを追うと聞いたことがある。
流行る前から観ておいてマウントを取ったり、流行っているものを観ていないとマウントを取られてしまったりするらしい。
コンテンツをそんな風に消費して、疲れないのかなあと心配になるが、作品に対する接し方は人それぞれなので、自由にすれば良いし、咎めるつもりもない。

しかし、それならば、『リバー、流れないでよ』は観ておくべきだ。旋風が吹き荒れてから「近所の上映はもう終わっていた」となっても、私は責任を取れない。
私はTwitter(X)やInstagramで何度も言った。何度も何度も「『リバー、流れないでよ』は良い」と言った。
観ないのはもう、そちら側の過失だとさえ思う。
リバー、流れてますからね。

湊河湯継続記念 imai sento one man live ゲスト:トリプルファイヤー吉田靖直(6/25)

めちゃくちゃに好きな曲がある。

作詞はトリプルファイヤー吉田靖直。作曲は元・group_inouのimaiさん。
サウナのテレビでW杯の中継をなんとなく、その場のノリで観戦し始めてしまった男たちの物語。
とても良い歌詞な上に、トリプルファイヤーとしてでは歌えないような「真っ直ぐさ」がある。

ライブ会場は神戸の銭湯。
まさに歌詞の通り「サウナのテレビでW杯を見てる」だ。
銭湯でこの曲を演るという機会を、みすみす見逃すわけにはいかない。
勿論銭湯にクーラーなどあるはずもなく、会場は蒸し風呂状態……いや、サウナ状態だった。

そんな中で『W杯』を聴いた。

銭湯でのライブだ。ライブハウスと比べてしまえば取るに足らない音響だった。
しかし、「銭湯で『W杯』を聴き、お客さんと一つになった」という体験は、何物にも代えがたいものだ。

7月

北村炎化財〜炎のリベンジ〜(7/9)

ボニーボニーがいる時点で「勝ち」は決まっていた。
上手い言葉が見つからないのだが、花崎天神さんの「人を惹きつけるパワー」は絶大だと感じている。
もちろん、とくのしんさんも大好きだということは書き添えておく必要がある。
私は「片ファン」にはなれない。コンビやトリオとしてのネタが好きだから、ファンになる。今までもずっとそうだった。
ボニーボニーとして振る舞う二人が好きだ。ファンになりたいから、もっと彼らのライブに足を運びたい。

そして北村文化財という人間。
何でこんなに面白いんだ?と思ってしまうくらい、私は北村文化財さんに、文様にメロメロである。
彼の一挙手一投足が面白くて面白くて、目が離せない。
クボ様の力も大きいだろう。そもそもクボ様が選んだ人間というだけで、もう面白いに決まっている。

しかし、それだけではない。「クボ様が文様を面白くしている」だけでは説明がつかない魅力が、文様にはある。
彼が「変すぎる」からだろうか。
『納豆』に行き過ぎて、感覚が麻痺しているのだろうか。分からない。
分からないけれど、北村文化財という人間から目が離せないのだ。

そしてやっぱり、私は「チームクボ」が大好きだ。

ヨーロッパ企画25周年カフェ 夜イベント『執筆中の上田誠が歌いたくなる夜』(7/21)

最近Twitter(X)で「ヨーロッパ企画」と騒ぎすぎている。勿論フォロワーは減った。
しかしヨーロッパ企画はコメディ演劇を上演する劇団であるし、ダイナマイト関西のチャンピオンがメイン脚本家なので、どうか許してほしい。お笑いとの距離が近いのだ。

私は上田誠の歌のファンである。
夜のイベントは5日間くらいあり、すべてが魅力的な内容だったが、なんとすべての公演は、25席しか用意されていない。
このカフェイベントのために、全国各地からヨーロッパ企画のファンが「来てけつかって」いるのだから、すさまじい倍率だっただろう。
上田誠の歌ファンを自称する私は、どうしても『執筆中の上田誠が歌いたくなる夜』だけは当てたかった。
全部のイベントに申し込み、このイベントだけ見事に当選した。

上田誠がアコースティックギター片手に歌っていた。懐かしい曲もあれば、最近の曲もあり、私が知らない時代の曲もあった。
何を歌ったかは秘密だが、全体を通して言えることは、「上田誠の大喜利力はハンパじゃない」ということだ。

後日、ご本人に「大喜利、強いですよね」と伝えたら、ニンマリと笑みをたたえて見えたので、今後も私は「上田誠は大喜利が強い」・「ヨーロッパ企画の演劇は大喜利要素が強い」・「『リバー、流れないでよ』でも大喜利をしている」と発信していこうと思っている。

私のnoteを読んでくれている稀有な人は、きっと「お笑い」を好きな人が多い。だからこそ私は、アナタたちに向けたアプローチで、ヨーロッパ企画をプレゼンし続ける。
「ヨーロッパ企画の演劇は、コメディであり、大喜利要素があります」と。

吉住 第6回単独ライブ『ティーカップを、2つ』(7/22)

面白くないわけがない。
吉住はラジオで「ファンが私の単独ライブに友だちを連れて来てくれない」とリスナーを叱るが、そもそも吉住を好いている人に友だちが多いのかという疑惑は付きまとう。
まして大阪公演だ。「関西に住んでいます!吉住のコントが大好きです!」という人と、是非とも友だちになりたいものである。

これはクレームだが、吉住の大阪単独がZAZA HOUSEで良いわけがない。プレミアム会員だけで埋まるに決まっている。案の定、昼公演も追加になった(彼女の単独ライブに触れることが出来る人が増えたことは素晴らしいことだが、見通しが甘いと言わざるを得ない)。
吉住の着眼点、演技力、ネタの構成……すべてが大好きだ。

大阪の物販でお守りが買えなかったことが残念でならない。
お守りは「ブルーオーシャン」なのだから。

その他

ゆうらん飛行のライブ全部

ごめんなさい。
本当は一つ一つを丁寧に書きたいけれど、もうそれは別のnoteにした方が良いので、雑感だけ。

UP TO YOU!→サバイバルステージ→チャレンジバトルのこと。
初めての『Kakeru翔SP』で泣いちゃったこと(本人たちにもインスタライブで指摘されたので、もうこっちも開き直って「泣きました」と発言していこうと思っている)。
『#フラゲ』のこと。『荒KEZU利』のこと。
『マジでマンゲキ!フェスた君』のこと。
書きたいことは山ほどあるが、上手く言葉に落とし込む自信がない。

ゆうらん飛行が漫才劇場に所属してからのライブは、ラッキーなことに今のところ、すべてに行けている。
これは運が良かっただけだ。全通することが偉いなんて、これっぽっちも思っていない。

様々な要因で、行きたくても行けない人がいると承知しているし、私もちょっと前までは「行きたくても行けない人」だった。

いつ私が「行きたくても行けない人」に逆戻りするかなんて分からない。
仕事の都合もあるし、家庭もあるし、実家の家族を介護しなければならないかもしれない。病気になるかもしれない。生きているかも分からない。何が起こるかわからない。

「今」は「行ける」。だから「行く」。

何がそこまで駆り立てるのか、私にも分からない。
そもそもゆうらん飛行が、私のようなケッタイな人間を歓迎しているかさえ怪しいし、ファンというカテゴリーに入れてもらえているかも分からない。
チケット代は払っているから許してほしい。

現地で観たネタをもう一度観たくて、配信のある翔は、配信も買っている。無駄遣いの極みだ(※これは偶然の言葉選びであり、翔と極をカケたオモシロ・ジョークではない)。

京都からの交通費はバカにならないのだから、配信のあるライブをどうせ買うなら、配信だけにしておけば良いと分かっている。
しかし、「生」でしか得難い体験があるのだ。

まとめ「生で観ること」

一つだけ、どうしても記しておきたくて、配信で観たライブを入れてしまったが、やはり「生で観る」という体験は何物にも代えがたい。

身銭を切ってチケットを買って、身銭を切って交通費を捻出するからこそ、「モトを取りたい」と思うし、「全力で楽しもう」と気合も入る。

「生で観ること」は体力を使うので、しばしばヘトヘトになってしまうが、それも醍醐味というものだ。
そのために労働を頑張るし、人生に彩りが生まれる。

自分のアンテナを高くして、もっともっと「楽しいもの」を見つけていきたい。
私は「すべてを生きるつもり。」なのだから。

いただいたサポート代はすべて「楽しいコンテンツ」に還元させていただきます!