《Volume》

先にいうのは反則だよと
また君に
怒られるかもしれないが
僕は君の求めているような
王子さまには
なれないと思うんだ

ファンタジックな
虹色のブーツを履いたまま
近所のスーパーマーケットで
明日の朝に飲むための
ミネストローネの缶詰を
買いになんて行けないから

『それでもいいよ』
そんな君からのセリフを
僕は待ち望んでいる

たとえ
雨が降り続いたとしても
同じ色の傘をさせば
周りの人々からは
見てもわからないほどの
お揃いの二人になっている

だから
もう迷わない
群青色の夜空の向こうに
光が射し届くような
ただ穏やかな
自然の姿に
憧れているんだ

それは
まるで絵空事のように
僕のなかで輝いている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?