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デザイナーの習慣

近頃、デザイナーの役割はとても広がってきています。自分のキャリアも紙のデザインからスタートし、Webデザイン、UI/UXデザイン、サービスデザインと変わり、今ではデザイン経営に携わっています。見た目を作るということから、事業や組織をつくるということへシフトしてきました。一見、全く別のことをやっているように思えますが、そこには何か共通したものを感じています。

私たちは日々の習慣によって作られています。毎日運動すれば、健康になりますし、毎日タバコを吸えば体を悪くします。では、デザイナーにとって大切な習慣とは何でしょうか?良いデザインに触れる、デザインメソッドを勉強する、それも大切だと思います。しかし、デザイナーの役割が大きく変化する中で、もっとプリミティブな習慣がじつは大切なのではないかと思い始めました。

ということで、自分なりに行っている日々の習慣をいくつか紹介します。

デスクを拭く

ひとつ目の習慣は「デスクを拭く」です。いきなりくだらない内容ですみません…

毎朝、仕事を始める前にデスクやキーボード、ペンタブ、モニターをきれいに拭きます。野球選手がバットやグローブを磨くように、これらはデザイナーにとって大切な仕事道具です。道具を磨くと、仕事への気合が入ります。「今日もいいものを作るぞー」とスイッチを入れる気持ちでやっています。掃除をするとウェルビーイングが上がるという調査があるそうです。禅寺でも毎朝の掃除が修行につながっていますよね。掃除は心を整える効果があるようです。

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また、何かを整えるというのはデザインの基本だと思います。バラバラなものを揃える、いらないものは捨てる、大切なものを残す。これはデザインにも共通することです。

歩く

仕事を始める前や昼食後、または仕事に行き詰まったとき、近所をぶらぶらと歩きます。脳は体の一部ですから、歩くことによって思考が整理され、頭がクリアになります。特にアイデアを必要とするときは、歩くようにしています。散歩は瞑想の代わりにもなるそうです。

散歩中に、木々や虫など自然の移ろいを見ながら歩くこともおすすめです。観察はデザインの基本です。日々の変化に気づく習慣を身につけておくと、課題発見の感度も上がるように思います。

いつもと同じ道で変化を見つけることも楽しいですが、あえて知らない道を歩くのもワクワクするものです。知らないことを楽しむ姿勢はデザイナーにとって大切だと思います。つまり好奇心です。知らない業界や新しいプロダクト、ビジネスやテクノロジー、自分が今いる場所を越えて、いろんなことにチャレンジしましょう。

階段を使う

健康はすべての基本です。デザイナーは座り仕事が多いですから、体に気を配ることは大切です。もちろん運動の習慣があればそれに超したことはないですが、エスカレーターを使わず階段を使う、それだけでも体を動かすことにつながります。毎日続けられるように、日常の中に体を動かす時間を組み込みましょう。

デザイナーは腱鞘炎になりやすいので、手首のケアも大切にしています。入力デバイスは右にペンタブ、左にトラックパッドを置き、両手を使って作業することで手首の負担を減らしています。さらに作業中は指先の空いた手袋をして、手首を温めています。初めて見た人には不思議がられますが、これで手首の不調はなくなりました。

日記をつける

1日の終わりに、その日感じたことを紙に書いています。どのようなことがあって、どのように感じ、これからどのようなことをしていきたいのか、自分の気持ちを書き留めます。そして、それを定期的に見返すことで、感情の変化を定点観測しています。ユーザーの行動や感情を見つめることは、デザイナーにとって大切な仕事ですが、まずは自分自身の行動や感情を振り返ることで、その訓練につながるように思います。

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ここ数年は「ほぼ日手帳」に書いています

さらにこれとは別に、10年間、30分単位で仕事の内容を記録してきました。タスクが完了する度にその時間を記録し、一日の終わりに集計。それを1ヶ月、1年、10年と集計していくことで、どのような仕事にどれぐらい時間がかかっているのかを可視化しました。時間は有限です。それを見える化しておくことで、大切なことに時間を使えるようになります。

言ってみれば、前者は時間の定性分析、後者は定量分析でしょうか。

まとめ

他にもいろいろありそうだ!と思って書き始めたのですが、息切れしたので今回はここで終わりにします。そういえば、どこで見た言葉か忘れましたが「休息せよ。休息した畑は、豊作をもたらす。」という言葉が好きです。ついデザインワークをしていると働きすぎてしまうのですが、意図的に休憩を入れるようにしています。

今回は自分が行なっているデザイナーとしての習慣をご紹介しました。この記事の内容を試しても、明日からデザインが上手くなるということはないでしょう。しかし、何日、何ヶ月、何年と続けることで、もしかしたらデザイナーとしての姿勢を支える何かにはつながるかもしれません。


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