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経験学習サイクルを言語化していきます

昨今のビジネスでは、社内の組織変更などの内部環境、競合他社や税務・法務などの外部環境の変化が著しくなっています。
私が働いている金融業でいえば、歴史的な円安などによる市場の変化が大きな影響を与えます。
先行き不透明ともいわれる時代のなかで重要なのは、ビジネスパーソン一人ひとりの“成長”です。

社会人が“成長”していくためには何が必要でしょうか。
答えは、学習することです。
社会人が学習していくことを説明するために、よくいわれるのは「70:20:10」の法則です。

産業能率協会HPより引用

「70:20:10」の法則は、「ロミンガーの法則」と呼ばれているものです。
米国のリーダーシップ研究機関であるロミンガー社が、様々な経営者を対象に、何がリーダーとしての成長に役に立ったのかを調査したところ、“経験”が70%、“他者からのアドバイスや他者の観察”が20%、“研修・書籍”は10%であったそうです。

寿司職人で例えると、わかりやすいですね。
研修・書籍
寿司の握り方研修を受けたとします。ベーシックな手の動きなどは学べても、実際にお客様の顔が見えないため、感動して食べてくれているかはわかりません。本を読んで学んだとします。実践経験は積めないため、知識のみがインプットされます。実践でつかえるまでには程遠いでしょう。

他者からのアドバイスや他者の観察
寿司職人の育成方法としては、洗い物や雑務などを長年こなしながら、師匠がお客様へお寿司を出しているところをみて学ぶ、ということをテレビでみたことがあります。
このみて学ぶ方法は、長い年月が必要であり、短期間での急激な成長は見込めませんよね。
アドバイスを聞いても“みて学べ”という文化があったのだと思います。
効率の悪いことをしていると思いがちですが、職人にとっては、美徳であり、一番の育成方法なのかもしれません。
しかしながら、今は実践の経験を積ませるというテレビもみたことがあります。

経験
実際にお客様の前でお寿司を握り、食べていただき、反応をみる。感動しているか、美味しいと思ってくれているか、いまいちかなどを感じ取ることができ、次に活かすことができます。
一方で、半人前のままお客様にお寿司を握るとなると、サービスの質やお寿司の味が落ちてしまい、信頼を得ることができなくなる可能性もあります。

上記3つがあることはご理解いただけたかと思います。

しかし、さまざまな経験を自らの成長に効果的に結び付けていくためには、他者からのアドバイスや他者の観察研修・書籍で学ぶことが、経験を積むことと同様に重要だと考えています。
日ごろの仕事ぶりや考え方について先輩や上司からフィードバックや助言をもらうことも大切ですよね。
または、研修の機会に、自分自身の強みや課題を把握することによって、成長の道筋を明らかにするといったことが、経験を通じた学びの効果を高めることにつながります。

経験したことを整理し、教訓化しなければ意味はありません。
経験値をノウハウに変えて成長していくために必要な“経験学習サイクル”ついてお伝えします。

ゴルブの経験学習モデルを参考に筆者にて作成

経験学習サイクルとは、経験から学び成長するためのフレームワークのことです。
経験学習サイクルは、以下のステップから構成されています。
1.具体的な経験
2.内省的な観察
3.教訓化
4.実践

具体的にみていきましょう。


1.具体的な経験

目標を設定します。
設定する目標は本人の適性・バックグラウンド・キャリアによっても異なります。
その人にとって適度に難しく、発達が見込まれる目標を立て、実行することが良い経験の条件です。
これを経験学習サイクルの重要な要素の1つ適切なストレッチといいます。
そして、現場で経験を積んでいきます。


2.内省的な観察

経験したことを内省し、分析します。
ビジネスにおいては「振り返り」と呼ばれるこの作業が、経験学習サイクルに必要な要素「リフレクション」です。
振り返りにおいて、 "その経験から何かを学ぶ姿勢"があることが大前提です。


3.教訓化


経験した内容について振り返りを行い「うまくできた。だから次はこうした方が良いのではないか」という仮説を立て、行動や方針を変更していきます。

「こうやったらうまくいく!」という手応えをコツや秘訣(ノウハウ)として昇華させるのがこの"教訓"のプロセスです。

4.実践

教訓を職場で実践するプロセスです。
実践してまた新たな経験を得ることで、次の新しいサイクルステップ1「経験」に移行します。

具体的な経験から、内省、教訓化のプロセスをまとめていきますので、楽しみにしていてください。


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