デマ開示訴訟控訴審、、棄却(予想された展開、だがデマの在処は見えてきた)
令和5年5月18日、デマ開示訴訟控訴審判決@東京高裁
と、相変わらずの辛口判決ですが、本訴訟は「厚労省から河野大臣へのワクチンによる日本の副反応死の報告」について、事実的・法的にどのように行われたのかの調査のために行われているので、その観点から見れば判決により、調査は進んでいるところです。
内容のきわどい判断から逃げているところが多いので最高裁まで進むことになります。
判決の概略
判決文は後に紹介されますが、まずは概略をまとめます。
「厚労省から河野大臣へのワクチンの副反応死についての報告はあったとして不自然ではない」と判示されたことから、事実的に報告はあったという事になりました。後は文書として報告は残す義務があるかという法律的な争いになりました。
国側は、「厚労省からの一方的な報告であり合意を得るものではない」として公文書としての作成をする義務はないと主張。(判決の複数の行政機関の申し合わせには該当しないという主張の根拠。)
さらに国側は「河野大臣と厚労省担当者との情報共有であり、政府全体の会議とみなされない」と主張し、コロナ時の歴史的緊急事態での文書作成義務を否定しました。
さらに、ネットで公開されている副反応部会ワクチン死亡報告について、河野大臣に報告するために作成されたものではないので報告文書の対象に含まれないと主張しました。
判決では国側の主張はほぼそのまま受け入れられ、副反応報告の文書作成義務はないと控訴で判決されました。
判決の問題点①文書開示判決と別の法的責任
本訴訟は、文書開示の範囲内において、河野大臣にどのような報告がなされたかを明らかにし、薬害AIDS訴訟における犯罪成立要件である情報の支配という観点から厚労省と大臣の業務を監督するためのもの、というのが法律的な立ち位置です。
ゆえに文書開示する文書の作成と開示で勝たないと勝訴判決は出ませんが、勝訴と敗訴というくくりを外せば、厚労省から河野大臣へのワクチン副反応死の報告の在り方を明らかにすることはできた、という事は出来ます。
国側の主張①「厚労省からの一方的な報告であり合意を得るものではない」
という主張は、一方的に伝えただけで了解を得ていないという業務の不十分さを明らかにし、②「河野大臣と厚労省担当者との情報共有であり、政府全体の会議とみなされない」と言うことは、河野大臣が厚労省から個人的に得た情報を適切に伝える義務が職務上あったという事であり、ワクチンによる副反応死を国民に適切に伝えていないことは業務上の注意義務違反で問題になります。
これらの点に関しては、文書開示とは別の、法的責任の議論が本件判決により可能になります。
判決の問題点②憲法法規による情報開示の可能性
文書開示訴訟は、文書を国が所有していないと主張した場合、存在することを訴えた側が証明しなければならないのが判例で出ているので実際には厳しい争いです。(後述の過去の最高裁判決の問題点参照)。しかしこの判例は、現在ある文書作成義務を定めた法規ができる前のものです。ゆえにこの点は今後最高裁で、文書作成義務を憲法13条・生命の権利、21条・知る権利、31条・行政の適正な手続きから争うことになります。
《以上後述判決の「憲法13条、21条、31条等の趣旨に照らしても、作成すべきである旨を主張するが、情報公開法に基づき開示を求めることができる文書は、開示に係る時点で存在することが必要であると解される(前期最高裁平成26年七月14日第二小法廷判決)」箇所の解説》
過去の最高裁判決の問題点ー沖縄外交機密開示の判決がすべての情報開示の原則として適用されることの問題。
参考記事
文書開示に関しては、この判決が適用されます。外交機密の判決をすべての文書開示業務に適用するという法的に不適合な運用がされています。そして結果として国側が存在していないと言えば、開示されることは現状では厳しく、法廷では文書の業務上の位置を確認することができれば、そこそこの成功と言えると思います。その点では本件控訴審はまずまずの成功を収めたと思います。
以上をふまえて、デマ開示訴訟控訴審判決を掲載します。
デマ開示訴訟控訴審@東京高裁
令和5年5月18日判決
以下地裁判決の補正(省略)
「し、主文のとおり判決する」
判決終わり。
最高裁へ続きます
参考
公文書の管理に関する法律4条 (公文書管理法、公文書の作成義務法規)
歴史的緊急事態の文書作成
歴史的緊急事態の国側への反論
政府全体の会議とは国務大臣を構成員とした会議
→河野大臣が出席すればこれに該当する可能性
この点は今後も争われる予定
以上です。
今後も最高裁まで継続予定です。
地裁レベルで「「厚労省から河野大臣へのワクチンの副反応死についての報告はあったとして不自然ではない」と判示されていることで大きな負けはないですが、今後も調査を継続します。
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