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豊かな人生に音楽は不可欠。音楽=コンテンツである。

B'zのライブ行った二週間後、市が主催する音楽イベントを鑑賞した。
立て続けに起こった音楽に触れる体験が、私の中に眠っていた「音楽魂」に火をつけることとなった。

私と音楽の出会い

私と音楽の出会いの始まりは学生時代にさかのぼる。高校時代、吹奏楽部に所属していたのだ。
担当はアルトサックス(A .SAX)。 近年Blue Giantという映画でも脚光を浴びた楽器で、吹奏楽の中でも花形と呼ばれるポジションにいる。
ちなみに金色に光っているイメージの強いSAXだが、分類としては木管楽器である。口でくわえるところに「リード」と呼ばれる板があり、リードを使用する楽器のことを木管楽器と呼ぶ。

幼稚園から空手を7年間、小中学校時代は野球部に所属。バリバリの体育会系で育ってきたのだが、高校では吹奏楽部へ。
きっかけは中学3年生の夏。父から「イベントに友人の子が出るらしいから見にいくぞ」と手を引かれ、「志望校だし、とりあえず行ってみるか」と仕方なく付いていった地域のイベントで音楽に出会った。

音を楽しむことで価値観が一変した

当時は思春期男子ならではの偏見により「音楽に関わる男性=弱っちぃ」というイメージを持っていたので気乗りしていなかった。

催しが始まった。といっても地域のお祭りのようなもの、地方ならではのショボいパイプ椅子、ハウリングしまくるマイク、つまらない前座の挨拶。

「さっさと終わんないかな」

そう思っていたところ、アナウンスが鳴った。

「次は、〇〇高校吹奏楽部のみなさんです!」

わぁっと一気に会場が沸いた。
「えっ?椅子もない会場でやんの?」と思っていた矢先、トランペットのハイトーンで始まるファンファーレが響く。

同高校の吹奏楽部が始めたのは、座って吹く「座奏」とは違い「マーチング」という隊列を組んで狭いスペース内を移動しながら演奏するものだった。

演奏が始まると、音の虜になった。
気付いたら体が動いていた。楽しくてしょうがなかった。

激しく隊列を変えながらも迫力のある演技、響き渡る重低音。まるでクラブにいるような印象を受けた。当時はまだ行ったこともないけれど。

そうして無事に志望校へ入学することができた私は、音に魅了された吹奏楽部の門戸を叩いたのであった。

※ここから「軍隊学校」と名高く、ゲキレツ縦社会で壮絶な高校生活が始まったのだが、機会があればどこかで書くこととしたい。

高校卒業後も細々と音楽を続けたくなる

高校を卒業して地元九州を離れ、遠路はるばる関東にやってきた。
楽器は続けたいという思いが潜在的にあったのか管楽器バンドを始めてみたり、地元の吹奏楽団に顔を出してみたりした。

「楽器はあるし、どこか入れてくれるだろ」そんな軽い気持ちでいろんなところに声をかけた。

(ありがたいことに、高校1年生のとき父が30数万円もするマイ楽器を買ってくれていたのだ。初心者だったくせに、親に高額なものをせびるとはなんてヤツだ。)

しかし若くて血気盛んだったありし日の私は、高校生時代のように我を通そうとする。

偏見かもしれないが、社会人になっても楽器を続けたいと思う方はストレートに音楽を愛している方が多い。華やかな「吹奏楽」と汗くさい「マーチング」は相入れなかった。
体育会系崩れの日に焼けた丸坊主の言うことは、音楽愛に満ちた穏やかな人たちには受け入れられなかった。

吹奏楽の奏でるメロディはチームプレイである。一人が我を出してよいほど甘くはない。

本当はマーチングバンドを続けたかった。しかし住んでいる千葉県には当時マーチングを行う団体は存在しなかったのだ。とはいえ自身でマーチングバンドを作るほどの知り合いやツテもなく悶々とした日々が続いたある日、思いついた。

「横浜だったらアクアラインがあるし、車で30分じゃん。行ってみよう!」

そして神奈川県のとあるマーチングバンドに所属することになる。体育会系で育ってきたメンツとはウマがあった。
マーチングバンド所属中は最近お騒がせの某Jアイドルや、会えるアイドル48選な的な人たちともたくさん会えた。楽しかった。

しかし、毎週末神奈川県に行く生活はそう長く続かなかった。
「横浜なら30分」と思っていたが、実際の練習場所は横浜よりもっと遠かったことや正社員として働いていた会社の就業時間が不規則なこともあり、体が持たなかったのだ。
アニメドラゴンボールのように界王拳や瞬間移動が使えればいいのに、と何度も本気で思っていた、それほど追い込まれていた。

音楽から離れた生活へ

いつの間にか結婚・子育て・昇進などで多忙となり、音楽から離れた。
せっかく持っているサックスの出番といえば、年に数回妻や子どもの誕生日にハッピーバースデーを吹くくらいのものだ。

そんな先日、偶然にもB'zのライブに参戦することになった。

そこで出会ったのは、音楽を本気で愛し、音楽でメシを食ってきた稲葉さんの姿。本気で音楽をする姿はめちゃくちゃカッコ良かった。胸を打たれた。

「音楽って、やっぱり素敵だな。」

そんなある日、新聞の折込チラシに入っていた地元情報誌に目が止まる。
袖ケ浦市音楽協会定期演奏会を近くのホールで開催するとのこと。

「音楽に感銘を受けたし、家族でたまに行ってみるのもいいかな。無料だし。子どもの経験・情操教育にもいいかな。せっかくなら行ってみるか、無料だし。」と安易な気持ちで行ってみた。
自身の感情を大きく揺さぶるイベントになるとも知らずに。

想像を遥かに超えるクオリティ

失礼だが全く期待していなかった。だって無料だもん。
「ハイハイ、市民演奏楽団の発表会でしょ」くらいにしか思っていなかった。

演目はⅡ部構成となっており、前半はピアノとコーラス、後半が大人数が参加うする管弦楽器のアンサンブルとなっていた。前半のピアノ+コーラスは基本2人編成となっていた。ピアノもコーラスも気合いが入っていた。素人レベルでこんなに上手なんだと息を呑むレベル。
そして何より演者の皆様は表情が明るく、笑顔で音楽を楽しんでいた。

演者が楽しそうだと、なぜだかこちらもどんどん楽しくなっていき、徐々に音楽の世界観に引き込まれていく。紀元前2000年頃より続くと言われている「音楽」という文化に魅了される。

発表会の定番である「ショパン」や「久石譲」などのクラシックから始まった。前半はクラシカルな音楽中心となっており、「おぉ。スゲーな」という印象を受けていたが、後半になると私の涙腺のダムは崩壊した。

後半の管弦楽の演奏は出演者総出による、ディズニー音楽を中心とした楽曲編成だったのだ。

演者の皆様は本当に素敵な笑顔で音楽を楽しんでいた。
その姿を見て数年ぶりに涙があふれた。

「音楽もコンテンツなのだ」

詰まるところ何を伝えたいのかというと、
「音楽=コンテンツ」であるということを再認識したのだ。

コンテンツとは誰かに魅力を伝えることであり、一番大切なのは「想い」を伝えることである。

これから私が音楽を再開することはいうまでもない。

今朝、Amazonで電子サックスなるものを嫁に内緒で購入した。こちらも機会があれば使用感などをお伝えできればと思っている。

感情を動かすコンテンツを生み出すには、まず自身の感情を揺さぶられる体験をすることが必要なのを体感した。

近年は「収益が発生すればよし」とする、中身が伴っていないコンテンツが増えている。

講義の中で、ライター・編集者として「読まれる(認知、クリックしてもらう)」ことはもとより、インサイトに刺さるコンテンツが重要であることを教わった。

外装が金属で作られているにもかかわらず音を出す原理だけで木管楽器に分類されるサックスのように、技術に裏打ちされた文章で人の心を動かすコンテンツを作りたいと再認識した。

文責:重松雄太
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