いよいよドラマは最終回ラッシュの、ひとたび寂しくなる時期がやってきました。まずはドラマ『おっパン』最終回。
このドラマ、タイトルのイメージを見事に裏切ってくれた感動作でした。家族、友だち、職場の人たち…それぞれの人間関係を円滑にするために大切なことを、たくさん学ばせてもらった貴重なドラマでもありました。
『ふてほど』とはまた違う視点で「多様性の時代」である令和を生き抜くために、昭和のおっさん沖田誠が自らを”アップデート”していくというストーリー。
自分の常識や固定観念を変えていくというのは並大抵の努力では難しいと思われるところ、誠は果敢にそれに挑み、周囲の人たちとの関係性をも着実に”アップデート”していきました。
ただ、第10話、最終話で突然現れた大地の父親・堀内さんの考え方を否定することもできず、”価値観の相違”から生まれる溝を埋めていくことの限界を見せつけられた思いがしました。
かわいいモノ好きの誠の息子・翔が堀内さんから「ご両親は君のことで悩みが耐えないだろうね…同情するよ」という言葉を投げかけられ傷つけられた…誠がそれに怒り対峙するところからスタートした最終回。
これ以上ない正論に、ぐうの音も出ない誠。
学校の友だち-静の”清楚系メイク”にしっくりきていない翔は、メイクを仕事にしたら自分がどう考えているのかを出したらダメなのかと悩み…。
就職に悩む娘・萌は友だちに「大学生活マンガに捧げました」とは言えないと言われ、マンガを描くことを仕事にしたらと想像すると不安になり…。
”推し活”のために頑張ろうとする妻はパート先のお弁当屋さんが閉店するかもしれないと言われ、”推し”のRANDOMと離れてもやっていけるかどうかと悩み…。
誠のナレーションがちょっぴり切なかったです。
会社の先輩・古池さんの言葉も心に響きました。自分を雑に扱ってしまっているかもしれない自分を反省しました。
翔は勇気を出して、自分の思うように静のメイクをさせてもらいました。「人に好きになってもらうのに自分の″根っこ″まで変えなければいけないの?」と。
萌はいつも”引き際”を探しているのに、やっぱりやめられないと好きなマンガの道を邁進することを決めました。
パート先のお弁当屋さんの「お弁当コンテスト」に参加して、いい成績を残せたら正社員に応募しようと決めた妻。
みんな自分の”好き”を貫くために、前向きに突き進むことを決めた沖田家。おせっかいながら大地と円のために、沖田家全員ひと肌脱ぎました。
堀内さんの前で女の子の服を着ていることを明かす翔、マンガ好きを明かす萌、”推し”の存在を明かす妻。
沖田家のおせっかいで、自分の本当の気持ちに改めて気づいた大地。
ラストの大地と円の結婚式。もちろん今の日本では正式に認められてはいない同性婚。それでも、二人を応援する沖田家、大地の母・美穂子と写真に収まる大地と円の満面の笑顔が、自分らしく”好き”を貫いた喜びに満ち溢れていてジーンときました。
こだわりや固執を捨ててみれば、きっと違う世界が見えてくる…。そして自分の”好き”を貫くことは、自分らしく生きるために大切なこと…。
もちろんこれは理想論であって、万人がこうして生きていけるわけではないと分かっています。それでも”好き”をあきらめないことは素晴らしい!と、改めて感じさせてもらえたドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』は、私にとって人生を幸せに生き抜くための教訓がたくさん詰まったバイブルになりました。
「誠のアップデートはまだまだ続く」
必要なら自分自身を”アップデート”して、より幸せに生きるための道を模索して生きていきたいと、今はそんな風に感じています。
長い文章最後まで読んでくださり、ありがとうございました。